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P「もし765プロの如月千早が寺門ジモンの『ネイチャージモン』を読んだら」

1: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 16:30:17.42 ID:V/Tk9tpC0

山にて

千早「ゴアォゴアアアオオオオオオ!! ゴアォゴアオオオオ!!」

P「ち、千早?」

野犬「ガルルル……」

P(い、一体何がどうなっているんだこれは……!)

千早「プロデューサーもしてください! さもなければ死にますよ!?」

P「ええ!?」

野犬「グゥワウ!」

P「ワ、ワンワンオー!!」

千早「ゴァオオオオオ!!」

P(何でこんな目に……)

千早「背中を見せずに、距離を取るんです」

P(ああ、あれか。ネイチャージモン、読ませたのが間違いだったかな……)


2: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 16:34:25.79 ID:V/Tk9tpC0

数ヶ月前――

千早「プロデューサー、何を読んでいるんですか?」

P「ん? これか? ネイチャージモンって漫画だよ」

千早「ネイチャージモン? 新種のデジモンですか?」

P「切る場所間違えてるね、うん。ほら、ダチョウ倶楽部の寺門ジモンっているじゃん」

千早「ああ、あの笑いを取らない人ですよね。影の薄い」

P「間違っては無いけど酷い言われようだな」

千早「で、その寺門ジモンさんがどうしたんですか?」

P「その寺門ジモンが原作を担当している漫画が、このネイチャージモンなんだよ」

千早「直訳すると、自然のジモンですか」

P「まぁそうなるかな」


3: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 16:40:32.19 ID:PNZGWYBR0

千早「どのような内容なんですか?」

P「意外だな。まぁ何でもいいんですけどねとか言いそうだったのに。気になる?」

千早「いや、プロデューサーが楽しそうに読んでいたものですから。面白いですか?」

P「色々勉強になるぞ。役に立つかどうかは別だけどさ。食、特に肉の話題とクワガタムシの話題が多いかな。見てたら腹が減るんだよなこれ」

千早「どれどれ……」

P「読むなら一巻から読めばいいよ」

千早「それじゃあお借りします」

P「あんまり本気にし過ぎないようになー」

千早「ネイチャージモン、略してネイチャー……ね」

千早「!! これは!?」

P「どうした? 大声を出して」

千早「い、いえ。何でもありません。プロデューサー、これ全巻お借りしていいですか?」


4: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 16:44:20.97 ID:Nr7OipaC0

P「気に入った?」

千早「いえ、少し気になることが書かれていたもので」

P「そう? まぁ俺一応読破したし、別に問題ないよ」

千早「ありがとうございます! それと、他に寺門さんの著書があれば教えていただきたいのですが」

P「んー、これの元ネタになった本が有るかな。世界偉人伝ネイチャージモンって言うんだけど」

千早「ありがとうございます1 それでは私、急ぎますので」

P「へ? どうしたんだ? あんなに急いで」

P(この時はそこまで気にしていなかったけど、まさか千早があんなことになるとは想像もしていなかった)


5: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 16:48:03.88 ID:QjI4I7Hl0

数か月後

春香「プロデューサーさん! 千早ちゃん連絡付きましたか?」

P「いや、電波が届かないところにいるのか一向に繋がらない」

小鳥「心配ですね……」

P「置手紙に警察には知らせなくて大丈夫と言っていたけど、こうも消息がつかめないんじゃなぁ」

春香「千早ちゃん、どうしちゃったんだろう」

小鳥「そろそろ警察にも話した方が……」

P「そうですね。流石にこれは洒落にならない……」

千早「その必要はありません」

小鳥「! 千早ちゃん!?」

春香「生きてたんだ!」

P「千早! 心配した、んだ、ぞ?」


6: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 16:58:00.80 ID:tQHmPUvj0

千早「どうかしましたか?」

P「いや、どうかしたも何も……、何、その恰好。びしょ濡れじゃないか! 風邪ひくぞ」

千早「ああ、これですか。これは雨にわざと打たれることで、自分の体温だけで服を乾かすトレーニングなんです」

春香「ごめん、全然意味が分からないよ」

千早「山では傘をさせないのよ。だからこうやって雨に打たれクシュン!」

小鳥「ほら! 風邪ひいてるじゃないですか!」

千早「いいえ、これもトレーニングです。風邪を治すと言う目的が有るんでしゅん!」

P「小鳥さん、体拭いてやってください」

小鳥「今タオル持ってきますね!」

春香「ん? 今千早ちゃん、山って言ったよね。まさか、ずっと山にいたの?」

千早「ええ。ネイチャーの教えに従って、自然と一体になって来たわ。山でなら、私は誰にも負けないでしょうね」


7: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 17:03:14.65 ID:w8A7iCc00

小鳥「ネイチャー?」

春香「自然?」

P「……まさかとは思うが、千早」

千早「何でしょうか?」

P「道端でたばこをポイ捨てする人は?」

千早「バッドネイチャー! そう言う人は、いずれ地球からポイ捨てされます!!」

P「名もなき花に語りかけ水をあげる少女は?」

千早「ナイスネイチャー!」

P「千早の胸のサイズが大きくなれば?」

千早「パッドネイチャー! ……プロデューサー?」

P「冗談ですって……。だからサバイバルナイフ突きつけるのやめて貰えませんか?」


8: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 17:13:16.92 ID:w8A7iCc00

春香「えっと、どういうことですか? そのナイスネイチャ―とかバッドネイチャーとか」

小鳥「私はナイス姉ちゃんですよね!」

千早「バッドネイチャー!!」

小鳥「そ、そう強く言わなくていいじゃないですか!」

春香「千早ちゃん、声が大きくなったね。愛ちゃんレベルだよ」

千早「そうね。常に私は全力で生きることに決めたの。だから、声も自然と大きくなるわ。さてと、顔も見せたし行きましょうか」

P「行くって、どこに?」

千早「生きているということを実感しに行くんです。つまり、食事ですよ。それでは」

P「あー、行っちゃった。傘も差さずに」

春香「プロデューサーさん、何か知っているようなそぶりでしたけど、どういうことですか?」

P「認めたくないけど、千早はネイチャージモンに影響を受け過ぎたらしいな……。ってことはなんだ? 今頃肉食ってるのかな」


9: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 17:20:43.66 ID:w8A7iCc00

春香「ネイチャージモン?」

P「寺門ジモンの著書だよ」

春香「あー、あのダチョウ倶楽部の目立たない人ですか」

P「見てる分には面白いんだが、まさか実践してしまうなんて……。一体どこを読んだらあんな行動に出る……」

小鳥「プロデューサーさん?」

P「おいおい、まさかそのためだけにやってんじゃないだろうな? いや、千早ならありうるのか?」

春香「どうかしました?」

P「いやさ、あの本の中で横隔膜を鍛えることでクマやイノシシを怯ますことが出来るなんて書いてたんだよ」

春香「えっと、千早ちゃんはそれを歌に生かそうとしたってことですか?」

P「だろうな。他にも耳が良くなるだとか書いてたけど、ぶっちゃけ笑って流すもんなんだけど」

小鳥「真に受けちゃったみたいですね」

P「はぁ、あん時漫画を貸さなければ、こうなら無かったろうに……」

春香「いや、漫画を貸しても普通はこうなりませんって」


10: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 17:28:53.93 ID:w8A7iCc00

P「まぁ、無事帰って来たからよかったとするか?」

春香「とても無事とは思えないんですけど……」

小鳥「響ちゃん以上にワイルドになってますからね」

P(千早はネイチャーチハヤとなって帰って来た。喜ばしい反面、どうしようかと頭が痛くなった)

P(そして千早、いやネイチャーチハヤの奇行は続くのだった)

千早「プロ、デューサー……」

P「どうした千早! 道端で倒れて! 熱中症か!? 今スポーツドリンク買って来るから!」

千早「いいえ。これは熱中症にわざとなったんです」

P「は?」

千早「ネイチャーは言いました。体験して初めて、人間は対処を知る、予防を考えると」

P「ごめん、意味分からない」

千早「バッドネイチャーですよ、プロデューサー。己の限界を知らぬ者は、山ではすぐに死にます!!」

P「いや、そこまでして山に登りたいと思わないな」


13: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 17:36:06.62 ID:w8A7iCc00

千早「バッドネイチャー!」

P「何が! つーか熱中症の割に元気だな……」

千早「これはアイドル活動でも同じですよ。自分の限界を知らぬパフォーマンスは、アイドル生命を縮めます」

P「いや、それとこれとは違うくね?」

千早「さて、もう一度歩きましょうか。プロデューサーもどうですか?」

P「結構です」

千早「残念です。プロデューサーはまだまだネイチャーが足りませんね」

P「ネイチャーってなんだろうね」

千早「ネイチャーとは自然を愛し、自然を恐れるその心です。私は、歌を通じてネイチャーを広めていきたいです。そうですね、プロデューサー」

P「何かな」

千早「オオクワガタに会いに行きましょう」

P「は?」


16: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 17:41:00.66 ID:Hk+hSUDM0

千早「オオクワガタに会いに行くのです」

P「オオクワガタ? デパートにでも行くの?」

千早「バッドネイチャー! 勿論、自然そのものです」

P「えーと、つまりそれって」

千早「山に行きましょう。きっとプロデューサーもネイチャーを理解してくれると信じています」

P「えー……」

P(となんだかんだ言っているうちに、山に向かうことになりました)

P「……」

http://youtu.be/PYUICBarJfg


千早「ナイスネイチャ―♪」

P(ネイチャー、歌出してたのかよ……)


17: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 17:45:50.37 ID:Hk+hSUDM0

千早「さて、荷物は持ちましたか?」

P「お、重くないかこれ……」

千早「山では補給が出来ません。だから入念な準備が必要なんです」

P「いやそれは分かるけど……」

山に登る準備
・水(最低3リットル)
・懐中電灯2種(強く光るものと長く光るもの)
・食糧(バナナ、どら焼き等軽くて栄養価の高いもの)
・岩塩(塩分補給)
・モスキーネット・カッパ(傘はNG)
・長靴
・携帯電話(山ではあまり役に立たない)

P「これ背負っていくんだよな?」

千早「ええ。一日仕事になるでしょうね」

P「うへぇ」


18: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 17:52:42.96 ID:Hk+hSUDM0

P「えっと、彼らは?」

千早「紹介が遅れましたね。彼らは私のネイチャー同志の皆様です。オオクワガタの採集の時、いつもお世話になっています」

P「はぁ、どうも……」

P(にしても、凄い森だな。大自然って感じで、癒される……のか?)

千早「今、癒されると考えましたか?」

P「ええ!? なんで今俺が考えたことが分かったんだ!」

千早「山と同化した私にとって、心の声を聴くなど容易いことです。本家ネイチャーは10km先の悪口も拾えるらしいですが、私は元々耳が良いので、その倍の距離離れていても聞こえるんです」

P「マジかよ」

千早「ええ。今しがた、私の胸を馬鹿にした声が聞こえました」

P(うわぁ、おっかないな……)

千早「おっかないのは山の方ですよ。ところで、話を戻しますが」


20: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 17:56:47.81 ID:2rUoH0ur0

千早「この山を見て、プロデューサーは癒されるのですか?」

P「ああ。都会にはない、豊かな緑だ。見ていて気持ち良いよ」

千早「バッドネイチャー!」

P「ええ!? ダメなの!?」

千早「いえ、そう言うことではありません。プロデューサーは、気付いていないのですね」

P「気付いてないって何が?」

千早「この山は、死んでいるんですよ」

P「山が、死んでいる? どういうことだよ」

千早「その通りの意味です。見てください、あそこを」

P「あれは……、虫の死骸?」

千早「ええ。プロデューサーは死んだ山と言う概念が分かってい無いようなので説明しますが、スギの森を見てください」

P「スギ?」


22: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 18:06:39.15 ID:Hk+hSUDM0

千早「スギやヒノキを何十年と言う長い年月をかけて、経済価値のある樹木に育て上げるまでにかかった労力は相当なものでしょう。手入れされた人工林を美林だなんて呼んだりしますね」

千早「人間の都合で植えられたにもかかわらず、安価な輸入材に押され需要がなくなってしまい、人間の都合で放置された山なんですよ。それは、ここに限ったことじゃありません」

千早「その事実を知らない無知こそが、バッドネイチャーなんですよ」

P(殆ど漫画の受け売りじゃねーか)

千早「死んだ山は花粉をまき散らし人を苦しめます。ですが同時に、虫たちも苦しんでいるのです」

千早「聴こえませんか? 彼らの嘆きを、苦しみを」

P(なんだろう、宗教じみてないか?)

千早「この嘆きを、歌にします。どうか彼らが安らかに眠れますように……。泣くことーなら容易いけれどー」

P「おーい、千早ー。千早さーん。ネイチャーチハヤー」

千早「しかし、山で歌うと言うことは、気分転換にはなりますが、同時にエネルギーを消費してしまうと言うもろ刃の剣でもあるんです。難しいですね」

P「はぁ……」


24: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 18:14:12.19 ID:WvXrKiSs0

一時間経過

P「ぜぇ、ぜぇ……。いつまで歩くんだ?」

千早「もう少しで、スタート地点ですよ」

P「はぁ、まだスタートじゃなかったのか?」

千早「今から私たちが向かうのは、県境です。どういう意味か、憶えていますか?」

P「えーと、県境は隣り合う県の役所も手を出さない場所なんだっけか?」

千早「ナイスネイチャ―! その通りです。その幅は50メートルほどですが、そこは人の手が入っていない、真のネイチャー。生きた山です」

P「そこにオオクワガタがいるってことか」

千早「ええ。ですが逆に言えば、危険もそのまま放置されているということです。プロデューサー、自分の身は自分で守るしかありません。ゆめゆめ、ご油断なさらぬようお願いします」

P「そう簡単にはいかないよな……」

千早「ええ。ですが、見つけることが出来た時の感動は、言葉に表せれるものじゃありませんよ」


25: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 18:21:47.15 ID:vXg6MvRN0

県境

P「ぜぇ……少し休ませてくれ」

千早「これぐらいでへばるようじゃ、先が思いやられますね。どら焼きでも食べて体力を回復してください」

P「サンキュ」

千早「私もネイチャージモンを読むまで知りませんでしたが、どら焼きは栄養価が高く山登りに適しているんです。スポーツや健康づくりの栄養補給にはベストなお菓子ですね」

P「ふぅ、少しは楽になったかな」

千早「それでは、行きましょう。今ようやく私たちは入口へたどり着きました」

P「それなんだけどさ、道なくないか?」

千早「道が無い? プロデューサー、バッドネイチャーです」

P「ええ? でもどこにも見当たらない……。おいおい、まさか」

千早「そうです。この生い茂った草の先に、道はあります」


26: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 18:26:55.27 ID:gj3mKZvU0

P「この先ってマジかよ……」

千早「ほら、私たちも行きましょう。彼らのように山を泳ぐんです」

P「お、泳ぐって」

千早「泳ぐんです! 急ぎましょう。私たちはまだまだ山を知らない未熟者。彼らを見失えば、死に近づきます」

P「ま、待ってくれー!!」

――

P「ぜぇ、ぜぇ……。何とか来れたが……」

P「蚊にさされて痒いったらありゃしない」

千早「それはプロデューサーが蚊を呼び寄せているからです」

P「はぁ? そう言えば、千早は全然噛まれてないな。虫よけスプレーでも使ったか?」

千早「そんな虫にも体にもよくないバッドネイチャーな代物は使いません」


29: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 18:35:37.65 ID:tJvWmy5L0

P「じゃあどうやったんだ?」

千早「一週間山にいると、蚊に刺されなくなるニオイが出てくるんです」

P「ごめん、意味が分からない」

千早「蚊はシャンプーや香水と言った化学的な香料を好んで血を吸います。ですが山にこもり続けることで、蚊を遠ざけるニオイが生まれるそうです」

P(ネイチャー風呂に入ってないんかい……)

千早「科学的な根拠は有りませんが、本家ネイチャー曰く山はデコボコ道なため、脳を使いながら歩くことで、脳と静物としての本能が活性化するそうです」

P「胡散臭いな、おい」

千早「実際に試してみては?」

P「いや、結構です」

千早「バッドネイチャーですよ。体験して初めて得るものだってあるんですから」

P「いや、極端すぎるだろ」


31: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 18:41:48.03 ID:tJvWmy5L0

P「しかしかばんが重くて仕方ないな……」

千早「それでも必要なものなんです。特に水分。あまりお勧めはしませんが、重くて仕方ないならこの場で飲んで体を水で満たしておく方がいいかもしれませんね」

P「がぶ飲みすると体に良くないもんな。でもこのまま歩くのもきついし、仕方ない、ペットボトル開けて軽くするか」

千早「ゴミはちゃんと持って帰ってくださいよ? さっきも言いましたが、ここは人の手が入らないので、ゴミをポイ捨てされたら、そのまま何年もそのままってことも有り得ますからね」

P「んにゃ。了解」

千早「それじゃあ後ひと踏ん張りです」

P「もうすぐってことか?」

千早「はい。あと4時間ですね」

P「マジかよ……」

千早「ちなみに、あの木を目指します」

P「……見えない」


32: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 18:48:43.93 ID:afiBlIUJ0

千早「もう少しですよ、プロデューサー!」

P「ぜぇ、ぜぇ……」

千早「お疲れ様でした。これがオオクワガタのいる木です」

P「こ、これが……オオクワガタの木」

千早「はい。神(ネイチャー)の木と呼ぶにふさわしいでしょう」

P(アニマス最終話のあの木をイメージしてください)

千早「樹液が出ていて、かつ他の虫が付いていない。隠れる場所も多くて周りの木よりでかくて目立っている」

P「そんな木に、いるのか」

ネイチャー仲間1「ホッホ~探しましょう」

P「よし! いっちょやるか!」

千早「バッドネイチャー!!」

P「のわっ!!」


34: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 18:54:17.77 ID:fUtD1FIY0

P「な、なんだなんだ!」

千早「プロデューサー。今、貴方死にましたよ?」

P「へ? どういう……って崖!?」

千早「ここから落ちたら、間違いなく助からないでしょうね」

P「く、暗くてよく見えなんだ……」

千早「こういう良く育った木は、崖の近くにあることが多いのです。その方が、日光が良く当たりますしね。以降気を付けてください。山では、一瞬の気のゆるみが死に直結します」

P「あ、ああ。身をもって体験したよ」

ネイチャー仲間1「ホッホ~。気を取り直して、探しましょうか」

ネイチャー仲間2「こっちにはいないな」

ネイチャー仲間3「ここも外れだ」

P「中々見つからないもんなんだな」

千早「ええ。珍しいことじゃないですよ。絶対にいるなんて言えませんから。自然って、そう言うものなんです」


35: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 19:00:38.77 ID:gj3mKZvU0

ネイチャー仲間1「ホッホ~見つけましたよ。木の空洞の裏に角が有りますね」

P「本当ですか!?」

ネイチャー仲間1「見たところ大きさは……72でしょうか。すばらしいですねぇ」

千早「クッ……。どうしてそこまで詳細に分かるのかしら……」

P「なぁ千早。それって大きいのか?」

千早「野生のオオクワで70mm以上は滅多にないビッグサイズです。ビッグサイズ、なんです……。クッ……」

P(あー、うん。ネイチャーチハヤも胸の話題はアウトなんだな)

ネイチャー仲間1「ホッホー、しかしこれは困りましたねぇ。これ以上先に進むと、枝が折れて崖に落ちてしまいますね」

P「そんな! ここまで来たのに」

千早「いいえ。取る方法はあります。ですが……」

P「ですが?」


36: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 19:05:27.10 ID:d2ISo0av0

千早「ヒモを掛けて枝を切る。そうすれば取れます」

P「その手が有ったか! でもそれじゃあ」

千早「ええ。ですがそれは……。神の木を切るということなんです」

P「……神の木を切るか、オオクワを諦めるのか。究極の選択ってわけか」

千早「はい。きっとこれから先、彼以上に大きな個体に会うことは無いかも知れません。クッ……」

P「千早……」

千早「プロデューサー、ごめんなさい」

P「へ?」

千早「皆さん、帰りましょう。オオクワガタを諦めるのは惜しいですが、それ以上に素晴らしいネイチャーに出会いましたから」

P「千早……」

千早「突き合わせて、こんな結末じゃ格好付きませんか?」

P「いいや。ナイスネイチャ―だよ」

千早「はい! それじゃあ帰り……」


38: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 19:09:34.94 ID:7V6IPuru0

P「千早?」

千早「聴こえる……」

P「へ? 何がだ?」

千早「急ぎましょう! 今私の耳に、SOSが聞こえました! この下です!」

P「全然聞こえなかったけど」

千早「私は聞こえるんです! この声は……誰かが野犬に襲われてます!!」

P「な! ウソだろ!? ってイヌ?」

千早「バッドネイチャー! 今プロデューサーは可愛い犬を思い浮かべましたね? ですが山にいる野犬は、それこそオオカミと同じと思ってください! むしろ彼らより狂暴です!! 喉を守ってくださいよ。噛み付かれたら一撃ですから」

P「あ、ああ!」

千早「確かこっちの方から……。あれです!」

P「うわっ、なんちゅうまがまがしいわんこだよ……」

野犬「ぐるる……」


40: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 19:15:05.32 ID:7V6IPuru0

男1「野犬が出るなんて聞いてないよぉ!」

男2「こ、こっちに来るなぁ!」

P「ヤバいぞ! ありゃ人殺してる犬だぞ!」

千早「プロデューサー! 今から野犬たちを追い払います!」

P「どうやるんだ!? 攻撃を仕掛けるのか?」

千早「いいえ。私は山にこもり、鍛えてきました。特に、横隔膜を重点的に」

P「横隔膜……、まさか」

千早「はい。そのまさかです。私はこれで、何度も危機を逃れてきました。クマじゃないだけマシでしょう。行きますよ……」

千早「スゥ」

千早「ゴアォゴアアアオオオオオオ!! ゴアォゴアオオオオ!!」

野犬「グワウ?」

P「ち、千早?」

千早「そこの方! 今のうちに逃げてください!」

男「ヤァ!」


41: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 19:17:25.60 ID:7V6IPuru0

千早「走っちゃだめですよ! ゆっくり、距離をとってください!」

男達「ヤァ!!」

千早「これで野犬はこっちに向きましたね」

P「だ、だな……」

千早「ゴアォゴアアアオオオオオオ!! ゴアォゴアオオオオ!!」

P「ち、千早?」

千早「プロデューサーもしてください! さもなければ死にますよ!?」

P「ええ!?」

野犬「グゥワウ!」

P「ワ、ワンワンオー!!」

千早「ゴァオオオオオ!!」

P(何でこんな目に……)

千早「背中を見せずに、距離を取るんです! グワオオオオオオ!!」

P「ワオオオオン!!」

P(ああ、あれか。ネイチャージモン、読ませたのが間違いだったかな……)


42: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 19:24:51.79 ID:7V6IPuru0

千早「ゴアォゴアアアオオオオオオ!! ゴアォゴアオオオオ!!」

ナレーション(CV大川透)「山に響く千早の咆哮ッ! それは! 人類が忘れた野生の咆哮ッ!! 人類が本来備えていた鳴き声である!!」

野犬「グルル!!」

野犬「ワンワン!!」

野犬「ワオーン!!」

千早「グアォアアアア!! ここまで来れば大丈夫でしょう」

P「千早、お前凄いな……」

千早「山に籠ればプロデューサーも出来るようになりますよ」

P「いや、結構かな。しかし野犬は洒落にならないな。雪歩の気持ちが良く分かったわ」

千早「飼われたことのない犬は、他の生物を狩り生きていきます。それは人間ですら、ターゲットとなります」

P「ははは……」


43: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 19:28:54.14 ID:r03jK9S70

男1「助かったよぉ!」

男2「この恩はどう返せば……」

千早「いいえ。気にしないでください。山に登ることの危険さを分かっていただけたら、幸いです」

男1「ああ、今後気を付けるよ!」

男2「それじゃあ失礼しますねー!」

P「あの人たち、ここに何しに来たんだろ」

千早「分かりません。ですが、私たちと同じ意志を持っていてくれると、嬉しいですね」

P「はぁ、今日はかなり疲れたぞ」

千早「それでは、帰りましょう」

P「帰りもやっぱり、歩きだろうなぁ……」

P(こうして、俺のオオクワガタ初体験は幕を閉じた)


46: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 19:37:18.16 ID:O2eHW/y40

数日後

P「しかしあの人たちは、何だったんだろうな……」

千早「プロデューサー! テレビを見てください!」

P「え? これって!!」

ニュース『○○県境にて、オオクワガタ採集に来ていた男性2人の死体が発見されました。2人はオオクワガタの密輸を行っており、崖から足を踏み外して転落したものと……』

P「神の木、折れてるじゃないか……。彼らがやったのか?」

千早「クッ……。72mmのクワガタで命を落とすなんて……」

P「千早……」

千早「ワーストネイチャーですよ……」

P「……だな」

P(そう言う彼女の表情は、今まで見たことないぐらい曇っていた)


51: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 20:20:10.05 ID:bjvMtYje0

オオクワガタから数か月後

P「うー、寒い。千早のやつ、なんで公園に呼んだんだ?」

子供1「なーあれ見ろよ!」

子供2「やべーな!!」

P「ん? 何かやっているのか?」

千早「ふん! ふん! ふん!」

雪歩「ふん! ふん! ふん!」

P「わーい! 増えてれぅ」

P「ってそうじゃない! あの2人何やってんだ! って雪歩どっから出て来た!?」

千早「プロデューサー、おはようございます。ふん!」

雪歩「おはようございますぅん!!」


52: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 20:25:40.35 ID:gj3mKZvU0

P「あのー、お2人さん。何をしてらっしゃるのでしょうか?」

千早「何ってふん! 見ての通りふん! ですよふん!!」

雪歩「私たち腹筋しているんですぅん!!」

P「いや、それは見たら分かるよ! なんで鉄棒に足引っかけてしているの?」

千早「プロデューサーもしますか?」

P「するか! 千早はまだネイチャーだから理解できるけど、なんで雪歩も……。キャラ崩壊してないか?」

雪歩「バッドネイチャーですよ! ふん! プロデューサー、私はネイチャーユキホ(肉限定)なんですぅうん!!」

P「は? 肉限定?」

千早「はいふん! 肉に関しては、萩原さんはかなりのものですふん!」

P「いや、喋るのは良いんだけど腹筋を止めて貰えませんか……。見てる方がきついんで」

千早「まだまだネイチャーは遠いですよ?」

P「いや、腹筋止めるのは良いけど逆立ちの状態で居続けるのもやめて欲しいかな。不気味だわ」


53: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 20:31:01.12 ID:OS5aaH9R0

千早「仕方ありませんね。よっと」

雪歩「ふぅ、いいトレーニングになりましたぁ」

千早「ええ。これでたらふく食べれるわ」

P「ごめん、話が読めないんだけど。肉限定ってどういうこと?」

千早「話していませんでしたか? 今日はプロデューサーに、神の焼き肉を堪能していただこうと考えています」

P「神の焼き肉? 翼神竜でも焼くつもり?」

千早「なんのことですか?」

P「いや、伝わらないなら仕方ないよね、うん」

雪歩「神の焼き肉と言うのは、その名に恥じない焼肉です。プロデューサーもきっと気に入りますよ」

千早「ところで。プロデューサー、今日は何を食べましたか?」

P「俺? コンビニのパンだな」


55: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 20:35:58.78 ID:OS5aaH9R0

千早&雪歩「バッドネイチャー!」

P「うわっ! ハモりよった!」

千早「とはいえ、ちゃんと連絡出来ていなかった私たちにも責任は有りますね。事前に知らせていれば、こうならなかったはずです」

P「何が?」

雪歩「焼肉をたくさん食べる下準備です! 焼肉は一日仕事なんですよ! 今日のために私たち、スケジュールあけました!」

P「いや、今日学校有るんじゃ」

雪歩「学業より焼肉です!」

P「それこそバッドネイチャーな気がするのは俺だけか?」

千早「確かにそう感じるかもしれません。ですが、神の焼き肉を食べるには、今日が一番なんです」

P「今日が一番? えっと、木曜日が?」

千早「ええ。焼肉を食べるには、最高の日です」


56: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 20:45:32.81 ID:9DOKBFvd0

雪歩「どうしてか分かりますか?」

P「いや分からないな」

雪歩「バッドネイチャーですぅ! 少しは自分で考えてください!!」

P「す、すんません!! でもそんなこと一度も考えたことが無いぞ」

千早「今日が一番と言う言い方がまずかったですかね。流通上の話になりますけど、月曜日じゃダメなんですよ。それはどうしてか分かりますか?」

P「んー。土日を挟むからとか?」

千早「ナイスネイチャー。そういうことです」

雪歩「基礎のお話をしちゃうと、牛肉には赤肉と白肉が有ります」

P「赤肉はカルビとかロースで、白肉はホルモンだっけか?」

雪歩「ナイスネイチャ―ですぅ。赤肉こと正肉は寝かせる期間が必要なんですが、白肉は鮮度こそが命なんです」

千早「ですが狂牛病の問題もあったことから、牛肉は検査を行わないといけません。この検査は1日かかると考えていてください」

P「成程。土日と祝日は業者が休みってことだな」


57: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 20:51:55.65 ID:eYfJbzRN0

雪歩「ナイスネイチャーですぅ」

千早「金曜日に解体されたホルモンは土日、最悪祝日も挟むと3日もラグが出来ちゃいます。だから月曜日は焼肉に向いていない、バッドネイチャーなんです」

雪歩「それでも美味しいナイスネイチャーなお店は多いです。そう言うお店は、鮮度をものともしない調理がされているという証拠です」

P「一概にみんなバッドネイチャーってわけじゃないんだな」

千早「ですが私たちはホルモンの鮮度を塩で楽しみたい派なんで、月曜日はバッドネイチャーなんです」

P「色々こだわりがあるんだな」

雪歩「焼肉こそ奥の深い料理は無いと思います」

P「それ、貴音が聞いたら反論しそうだな」

千早「それでは、行きましょうか」

P「ああ。ところで、そのお店ってどこに?」

雪歩「ここから歩いて2時間半ですね」

P「遠っ!!」


59: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 21:00:00.87 ID:rUJxQBIh0

P「焼肉ってランチとかじゃないのか!?」

千早「いいえ。さっきも言いましたが、1日仕事です」

雪歩「1日を生かすんです」

P「マジですか……」

千早「歩きながらで良いんですが、プロデューサーは肉が旬の時期っていつだと思いますか?」

P「肉の旬? 食欲の秋とか?」

千早「今なんですよ」

P「冬ってことか」

千早「ええ。この時期は牛に霜が降ります。加えて餌も大きな理由で、蒸かした欲し藁に塩や黒砂糖を振ったもの、穀物を食べて水も飲んで。結果肉の味が濃くなります」

P「そういや、冬は贈答シーズンだしな。根拠はあるな」

雪歩「逆に夏は牛が夏バテを起こして太りにくいんですよ」

P「勉強になるな。エゾノーに入った気分だ」


60: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 21:06:45.63 ID:bjvMtYje0

P「はぁ、はぁ……」

雪歩「ぜぇ、ぜぇ……」

P(ネイチャーユキホはあんまり体力はないんだな)

千早「着きました! 1番乗りです」

P「ここが神の焼き肉が食べれるという」

雪歩「す、スタミナ苑ですぅ……」

千早「グルメガイドで1位になったりと、実績は有りますね」

P「よし、それじゃあ入ろう」

雪歩「バッドネイチャーですぅ……」

P「雪歩、大丈夫か?」

雪歩「問題ないですよ。それよりプロデューサー」

P「何だ?」

雪歩「この店、開店5時からですぅ」


61: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 21:11:08.71 ID:a48RhAuG0

P「ふぇ?」

千早「5時からですよ」

P「今何時!」

千早「そうねだいたい3時10分ね~」

P「語呂悪いな、それ」

千早「振って来たのはプロデューサーです」

P「ってつまりなんだ? 後2時間待てって言うのか?」

千早「はい。座って待ちましょう」

P「な、なんだ!? 千早と雪歩の背中からオーラがっ!」

千早「プロデューサーも。座って念じるんです」

雪歩「『大将、美味しい肉を食べさせてください』って」

P「この2人本気だ……!」


62: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 21:17:48.80 ID:d56SYekF0

雪歩(美味しいお肉が食べさせてください)

P(えーと、美味い肉を食わせてくれ)

千早(美味しい肉を食べたいです。それと胸肉が欲しいです)

P「やべっ、腹の虫が鳴いてしまった……」

雪歩「それはナイスネイチャーですよ」

P「?」

雪歩「言うじゃないですか。空腹は最大のスパイスなんです」

千早「ええ。味は下で楽しむものじゃありません。脳で楽しむものなんです」

P「確かに、そうかもな。こりゃ楽しみになって来たな」

雪歩「――」

大将「――」

P「雪歩何しているんだ?」

千早「萩原さんは常連ですから。大将さんに挨拶しているんだと思います」


65: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 21:24:28.42 ID:gj3mKZvU0

P「常連ねぇ……」

千早「このお店はネイチャーだけでなく、小渕元首相がご贔屓にしていたお店としても知られますね。そして常連さんには、他のお客さんよりもいい肉が出てくるんです」

P「そいつは凄いな。でもそれじゃあ並ばなくてもよさそうだが」

千早「その考えはワーストネイチャーです」

P「うげっ、バッド超えてワーストかよ」

千早「当然です。言わばこれは、美味しいお肉を提供してくれる対象たちへ対する誠意なんです」

千早「私たちは1日空けてきましたし、誰よりも早く来ています。一番おいしい肉を食べる資格があるんですよ」

P「資格か。ねたまれちゃいそうだな」

千早「常連になれば食べれますよ。一般人でもタレントでも総理でも関係ないです」

雪歩「よろしくお願いしますぅ」

P(男性が苦手な雪歩がちゃんと喋るってことは、焼肉に対して真剣なんだろうな)


66: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 21:33:47.40 ID:FhpNdKlD0

千早「ところで。なぜ常連にならないといいお肉が出てこないか? 理由は分かりますか?」

P「理由? そりゃいつも贔屓にしているからじゃないの?」

千早「それではバッドネイチャーですね。ネイチャーの持論にこういうのが有ります。幸せのバトンタッチ」

P「幸せのバトンタッチ?」

雪歩「はい。ここに来るまでの肉のことを考えたら、なんとなく分かると思います」

P「肉か……」

千早「最高の子牛、最高の肥育農家、最高の業者、最高の店。その流れにおいて大事に大事に扱われてきた肉は、最高の状態でお店に届きます」

P「これがバトンタッチってことか」

雪歩「そのバトンを受け取るのが、焼き手。そして、その肉がどれだけ大事にされたか分かる食べ手がいて、バトンは渡し終えるんです」

P「命あるものを、妥協せずに食べると言うことか」

雪歩「今こうやって2時間前から来ているのも、本来予約の無いスタミナ苑に敢えて予約を入れるのも、こういうことなんです」

P「予約が無いのにできるのか?」


67: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 21:39:30.49 ID:FhpNdKlD0

雪歩「それは私が最高の食べ手だって自覚していますから」

P「なんだかいつもと違って距離感がつかみにくいな……」

雪歩「ダメダメな私ですが、焼肉に関しては絶対の自信を持ってます」

千早「萩原さんは焼き手としても食べ手としても、最高級なんです」

P「あはは、なんじゃそりゃ」

雪歩「そんな私が予約するんです。でもそれは席が欲しいんじゃありません。挑戦状なんです」

P「挑戦状?」

雪歩「明日私が行くという意思を見せることで、大将さんは一番いいお肉を取ってくれますし、この2時間オーラを出し続けることで、仕込中の大将さんは私たち用のお肉を切りながら、どう焼くかイメージしてくれます」

P「なんだか大袈裟だな」

雪歩「そんなことありません! 焼肉は、戦いなんですぅ!!」

P「のわっ! いつもこういうキャラでいてくれたら、色々仕事もしやすいんだけどなぁ……」


68: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 21:43:20.11 ID:FhpNdKlD0

P「っていつの間にか行列が!」

店員「どうぞー!」

千早「開店しましたよ、プロデューサー!」

雪歩「戦いの始まりですぅ!!」

P「お、おう……」

雪歩「今日は食べ手に専念してくださいね」

P「ああ。にしても、内装は意外と小汚いな。昭和の店に入ったみたいだ」

千早「マイナスに感じますか?」

P「なんたって食事処だからな。掃除が出来てないんじゃ」

雪歩「する時間もないんです」

P「へ? どういうこと?」


69: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 21:59:42.14 ID:r03jK9S70

雪歩「大将さんたちが美味しい焼き肉を出すことだけに時間を使っているんです。だから掃除をする暇なんかないんですよ。それ以上に、寝ている暇すらないんです」

P「な? それは一体」

雪歩「夕方開店して、夜閉店します。そしてすぐ明日の仕込みを始めます。このお店ではホルモンの仕込みも水でしているんです。寒い日も水です。お湯じゃ味が落ちちゃいますから」

P「それは随分と大変だな」

雪歩「一概にそうと言えませんが、私からすると寝ているような焼肉屋は紛い物なんです」

P「大きく出たな。おっ、ウーロン茶か」

千早「プロデューサー。普通のウーロン茶との違い、分かりますか?」

P「違い? 雪歩がいる前で言うのも失礼な気がするけど、いつも飲んでるやつに比べて香りは良いな。氷もかち割っててムードが有るし」

千早「ナイスネイチャー。このウーロン茶にもこだわりがあるんですよ。飲んでみればわかります」

P「どれどれ。美味しい……。ウーロン茶でこれだなんて」

雪歩「本物のお店は、ウーロン茶にも力を入れるんです」


70: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 22:07:59.29 ID:DUt6yOaO0

P「それは分かったけど、どうして千早は青汁にしているんだ?」

千早「消化を助けますので」

P「なんだろ、台無しにされた感が……」

雪歩「プロデューサー。このキムチも凄いですよ」

P「キムチねぇ。あんまり辛いのは好きじゃないんだけど……。なんだこれ!?」

千早「グラデーションのある辛さがたまりませんね。甘い、甘い、甘辛い、旨い、辛い……。旨味と絡みが重なって感じませんか?」

P「こりゃいける!」

雪歩「キムチもウーロン茶と同じです。出来合いのものを出すお店は、焼き肉の味もそれなりしか出せませんから」

P「えっと、これは?」

雪歩「メニューにはない、賄メニューです。常連さんにしか出ないんです」

ホルモンの味噌煮込み
牛筋のごぼう煮

P「旨い!! これで賄だなんて贅沢すぎるよ!」


72: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 22:14:19.53 ID:WvXrKiSs0

雪歩「次元が違いますぅ。汁貰いますね」

千早「これで落とし肉なんですから、恐ろしいですね。神クラスのホルモン、まさに別格です」

P「このサラダもヤバいな! これだけでご飯2杯食えるぞ!!」

雪歩「満足するのはまだ早いですよ?」

千早「ええ。プロデューサー、私たちがここに来た理由を思い出してください」

P「ここに来た理由? そりゃ焼肉……。ちょっと待て。俺まだ一度も焼いてないぞ!?」

雪歩「まだ本番じゃないんです」

千早「ここからですよ、神の領域は!」

P[か、神の領域……]

雪歩「最高レベルの黒毛和牛純粋種、その旨味をすべて味わってもらいますね」

P「最高レベル……。腹が減って来たぞ」


73: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 22:23:46.91 ID:r03jK9S70

雪歩「まずはタンです。ときにプロデューサー」

P「?」

雪歩「並タンと上タンはどうやって決めるか知っていますか?」

P「えっとだな……。漫画でも見たけどなんだっけか。牛の差? ほら、高い牛と安い牛みたいな」

雪歩「バッドネイチャー! 正解は場所の違いなんです。一本のタンの内、先の方が並タン、根元に近づくにつれ霜が増して上タンになるんです」

千早「高い牛が美味しいのは、カルビやロースです。一方タンを含むホルモンは大体値段は一律です」

P「ってことはなんだ? 10万ドルポンと出しても買えるわけじゃないのか」

雪歩「お金じゃないんです。仕入れ業者と焼き肉屋の長い歴史で作られた信頼こそが、美味しい焼き肉屋の命なんです」

P「そのいきさつでここに来たタンの中でも最高の、そして最高の部分を俺達は食べることが出来るってことか」

雪歩「2時間待った人間だけが、食べることが出来るんです」

P「これが最高のタンの最高の部分……。輝いて見えるぜ」


74: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 22:28:18.52 ID:d56SYekF0

千早「焼き手は萩原さんに任せましょう」

P「そうだな。お手並み拝見と行くか」

雪歩「頑張って幸せのバトンタッチを成功させますね!」

雪歩「でもその前に、肉の断面をじっくり眺めます」

P「へ? 断面? 真っ平らだな」

雪歩「ナイスネイチャーなんです! こうじゃないと焼き加減にどうしてもムラが出来ちゃいますからね。すぅ」

P「ん? 深呼吸?」

雪歩「凄いタンですぅ!! こいつはグレートなタンですぅ!!」

P「ゆ、雪歩!?」

千早「コイツは凄いタンです!!」

P「千早まで!? なんだなんだ、ネイチャーか!?」


75: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 22:41:59.95 ID:tZklK82f0

雪歩「プロデューサーも言ってください! 厨房に聞こえるぐらい大きな声で!」

P「こ、こいつはすげぇタンだなぁ!!」

雪歩「もっと心を込めて!」

P「こいつはすげぇタンだなぁ!!!」

雪歩「ワンモアセッ!」

P「こいつはすげぇタンだこんちくしょおおお! って楽しんでるだけだろ!!」

雪歩「いいえ。大将たちは次に出す肉を切っています。ここで私たちが肉の面まで見てるアピールをすることで……」

P「いやそれは無いと思うわ」

雪歩「焼き手は肉を見ながらイメージするんです。この肉はこう焼こうって。そして、点火ネイチャー」

P「ネイチャー言いたいだけじゃないか?」

雪歩「1ミシシッピ2ミシシッピ……」

P「ミシシッピ州?」

千早「ミシシッピテストですよ」


76: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 22:48:41.22 ID:V6czs3WC0

千早「アメリカではこうやって数える人もいるみたいですね。2ミシシッピで熱いと感じたら、十分ってことらしいです」

雪歩「これぐらいかな……。次に箸をウーロン茶を浸して、鉄板に置きます」

P「何をしているんだ?」

雪歩「その瞬間に水が逃げ場所を探して玉になるなら、十分熱せられたということです。真ん中は大丈夫ですね。端は熱が足りてません。全面均一が理想です」

P「細かいな……」

雪歩「よしっ! それじゃあお肉を焼きますね」

P「楽しみだな」

千早「ええ。きっと満足いただけると思いますよ」

雪歩「くるりんぱっ」

P「もう出来ている?」

雪歩「はい。だから無駄に触るのはバッドネイチャーなんです。触れば触るほど、旨味が落ちちゃいますから」

P「こ、これが最高のタン……。いただきます」


77: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 22:55:36.87 ID:DUt6yOaO0

P「うま~い!! な、なんだこのプリプリの旨味はぁ!!」

雪歩「声が小さいです!」

千早「横隔膜を震わせて!!」

P「うーまーぁぁぁいぃぃぃぃぃぞぉぉぉぉぉぉおおおおー!!!!!」←口からビーム

雪歩&千早「ナイスネイチャー!!」

店員「失礼します、炙りレバ塩です」

P「宝石みたいだな……」

雪歩「最高に鮮度がいいレバーは、こうなんです」

P「なんと! 皿を斜めにしても滑り落ちないだと!?」

千早「プロデューサー、最初はにんにく醤油がお勧めですよ」

P「あれ? これじゃあレバ刺しじゃ」

雪歩「保健所の指導でレバーを生で出すなって通達が出ているんです。でも生でも食べれる鮮度だからちょいと炙るだけで十分です」


78: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 23:01:48.48 ID:cn0IpeQs0

P「にんにく醤油がお勧めか……。どれどれ」

P「んあんまああああああい! レバーの臭みなんて一切なくて、例えるなら最高級のミルク!」

雪歩「本当に生きてて良かったですぅ……」

千早「ネイチャーに感謝ね」

雪歩「あっ、鉄板交換していただけますか?」

店員「はい」

P「あれ? そう言えばタンの後も替えなかった?」

雪歩「これはこだわりなんです。次の肉を焼くときに前の肉の脂や焼け焦げが有ると具合が悪いし、最高には遠くなりますから」

雪歩「それに。これらは酸化した脂ですから、消化に悪いんです。胃もたれの原因はこれじゃないでしょうか?」

P「ほんと、プロだな」

千早「それだけ真剣ってことですね。ナイスネイチャー」

P(店からしたらバッドネイチャーだろうな……)


79: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 23:12:37.27 ID:u3DvaDBC0

雪歩「お次はハラミです!」

P「原由実はかんけーし」

雪歩「そうそう、意外に知らない人もいるみたいですけど、ハラミはホルモンなんですよ。言うなれば、王様です」

P「横隔膜だっけか?」

千早「プロデューサー。断言しましょう。このハラミで、腰を抜かしますよ」

P「いや、これまでも口からビームが出たりしてるから今更な気が……」

雪歩「特上ハラミ1800円です!!」

P「でかいな……。しかも綺麗に開いているし」

雪歩「ナイスネイチャーです! プロデューサーも分かってきましたね」

千早「ハラミは一頭につき2つしかない細長い部位です。だからこそ、この見事な四角は素晴らしいんです。一本のハラミの中でも最高の所じゃないと、こうなりません」

P「貴重なんだな、これ」

雪歩「よりマニアックなことを言うと、左右で微妙に違うんです。全面均一に温まっていないと、綺麗に焼き上げれませんね」

P「だけど切り方が見事だ。広げやすく焼きやすい!!」

千早「隠し包丁がミソですね。一瞬で火が通って肉汁が閉じこもっていきます!」


80: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 23:17:50.74 ID:WvXrKiSs0

千早「口の中でほどける感触!」

雪歩「口の中いっぱいに広がる旨味!」

P「ナイスネイチャー!! ってあれ? 俺も乗ってしまった……」

千早「どうですか? 最高のハラミは」

P「たまんないよ! すぐに飲み込むのがもったいないぐらいだ。ん?」

雪歩「――」

大将「――」

雪歩「!」

P「何話してるんだ?」

千早「ネイチャーイヤーは地獄耳です。キテル? どういう意味でしょうか?」

雪歩「プロデューサー! 千早ちゃん! 今日の私たち、すっごくついてる!!」

P「ついてる? どういう意味?」

雪歩「当たり牛に当たっちゃった!!」


82: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 23:24:35.03 ID:VogzjsQJ0

P「当たり牛?」

雪歩「はい! 大将は年に凄い数の牛をさばいていますけど、その中でも2、3頭これは凄いって当たり牛が有るみたいで……。私も今まで食べたことが無かったから眉唾だったんですけど、当たっちゃったみたいです!」

千早「変えた鉄板を念入りにチェックしてますね」

P「ウーロン茶全部使いそうな勢いだな」

大将「雪歩ちゃん、ホルモン」

雪歩「ありがとうございます!」

P「まるでフグ刺しだな」

雪歩「常連さんにはこう出してくれるんです。さぁ、プロデューサー」

P「へ?」

雪歩「へ? じゃありません! 鳥頭ですか!?」

P「ええ!? なんかすんません! 雪歩!!」

雪歩「凄いホルモンですぅ!!!」

千早「素晴らしいホルモンです!!」

P「あっ、ぱねーっす!!」


83: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 23:30:56.55 ID:pCMUxnDB0

雪歩「ただホルモンの焼き加減はとても難しいんです。私もこればっかりはまだまだ修行中です」

千早「ネイチャーですら10年掛かったって聞いたわ」

P「お前たちで10年じゃ、小学校の頃から焼肉奉行してることになるしな」

雪歩「ですが、心を込めて焼けば……」

P「ホルモンって部位ごとに焼き方が違うから厄介なんだよな」

雪歩「ええ。だからこそ、やりがいはあります」

P「良く言うよ」

雪歩「ハツやセンマイは控えめで……。どうぞお食べ下さい」

P「い、頂きます」

P「!! こ、これは……! まるで貝を食べているような食感!」

雪歩「上手くいって良かったです」

千早「これぞホルモンのミステリーですね」


84: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 23:39:57.47 ID:PuDvEuMm0

P「このミノはまるでアワビだ……! こないな焼肉、初めてやぁ……」

千早「一瞬あの褒め殺しグルメリポーターが見えたわね」

雪歩「ですがネイチャーの領域、肉マスターまでまだまだです。もっと精進しないと」

千早「応援しているわ、ネイチャー同志として」

P(その前にトップアイドル目指せや)

雪歩「ホルモンの部はこれでお終いです。次は、正肉を楽しんでくださいね」

P「そうか。まだあるのか。結構お腹もきつくなってきたか?」

千早「これからですよ。関東一の焼き肉屋の本気は」

P「はは、喰い終わるかな……」

店員「特選上ロースです」

P「おいおい、こいつは……ステーキじゃないか!」

雪歩「A5以上と言っても過言じゃありません」

P「A5?」

雪歩「肉の格付けの最高レベルのものです。Aは肉つきの良さ、5は脂肪の乗り、脂肪の色、肉の色、肉のキメ。全てが最高って意味です」

P「それは……腹が減るな」


85: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 23:47:29.91 ID:O2eHW/y40

雪歩「本来なら、銀座の高いお店とかで出るような代物なんです。ですがここでは、それを安く提供しています。損をしているにも拘らずですよ? どういう意味か分かりますか?」

P「損をする、か……。難儀な代物だな」

雪歩「それでも。彼らは誇りを持っています」

P「誇り?」

雪歩「たった今首相や諸外国のお偉いさんが来られても、私みたいに肉に一過言ある客が来ても平気だって、そんじょそこらの鉄板焼き屋に負けない! って意地なんですよ」

P「意地、か」

千早「プロデューサー、良く見ていてくださいね。ネイチャー焼きです」

P「ネイチャー焼き?」

雪歩「一定の間隔で転がすように、一面ごと焼いていきます。そして最後に立てて焼きます」

P「立った! 特選上ロースが立った!! そびえたつバベルの塔だ!!」

雪歩「6面総べて焼き固めました! 旨味はギュッと閉じこもっています。そして仕上げに、これです」

P「WASABI?」

雪歩「これをたっぷりと乗せます」


86: ◆CiplHxdHi6 2013/02/01(金) 23:56:52.20 ID:O2eHW/y40

P「それは多すぎないか!? ダチョウ倶楽部のリアクションレベルだぞ!!」

雪歩「バッドネイチャーです! 騙されたと思って醤油を付けて食べてみてください」

P「火を噴いたら訴えるからな!」

千早「つべこべ言わず食べましょう。驚きますから」

P「覚悟、決めます! いただきます!」

P「からあああくないぃ? てか」

P「旨すぎるぜええええええええ!!!」←口から荷電粒子砲

千早「ナイスジェノザウラー!」

雪歩「全然辛くないのもからくりが有って、肉の脂が一瞬で染みだしわさびの揮発成分を包み込んで、鼻に抜けるのを防ぐからなんです」

P「俺の人生で一番上等な肉の味がするぜ……」

雪歩「正肉、ホルモン。両方とも一流のスタミナ苑こそ、関東一にふさわしいんです」

千早「ところでプロデューサー。お腹いっぱいですか? 一瞬目が死んだのを見逃しませんでしたが」

P「うげっ、そうなの?」


87: ◆CiplHxdHi6 2013/02/02(土) 00:08:46.60 ID:HL/s7Ge60

雪歩「とはいえ、ネイチャーコースは結構きついのも事実です」

千早「前に765プロの皆と来たとき、最後まで食べたのは四条さんと高槻さんだけでしたから」

P「だろうな。納得したわ」

千早「高槻さんなんかタッパーまで持ってきて……ナイスネイチャーです」

P「やよいにゃ悪いがそいつはバッドネイチャーだろ」

雪歩「だから私たちネイチャーは、周りのお客さんにも配るんです」

千早「美味しいものは、みんなで食べたいですしね」

P「ひとり占めせず分け与える、か。それもナイスネイチャーなんだろうな」

雪歩「プロデューサーには、まだ食べていないものが有りますから。それを食べないと、ネイチャーコースは終わりません」

P「まだ食べてない……。タレだ! 焼肉の醍醐味はこれだ!!」

ゆきちは『ナイスネイチャー!!』


88: ◆CiplHxdHi6 2013/02/02(土) 00:15:17.81 ID:jwjdKLPr0

P「ウーロン茶まで自家製にこだわるスタミナ苑なんだ! タレにこだわらないわけがない! そう考えたらお腹すいてきたぞ!」

雪歩「目に光が帰ってきました!」

千早「ええ。ナイスネイチャーです!」

雪歩「次に来るカルビは韓国語でアバラって意味です。その通り、アバラの周りのお肉を指しますが、店によったらトモバラとか別の部位を出す店もあります」

P「それ良いのか? バレたら面倒じゃ」

雪歩「カルビ=霜降り肉って言う風に、焼き肉界の暗黙のルールみたいなのが有るんです。だから本物のカルビに出会うことの方が難しいんですよ」

店員「特選上カルビです」

P「あれ? 薄くないか?」

千早「パッドネイチャー! 間違えた、バッドネイチャーです!!」

雪歩「プロデューサーの思慮が薄いです!」

P「そ、そこまで言う?」

雪歩「肉の芸術です! 肉を知り尽くしているからこそ、この厚みになるんです」

P「ほ、ほう……」


89: ◆CiplHxdHi6 2013/02/02(土) 00:28:44.00 ID:KHfF4gJj0

千早「半ライスもあります」

P「おお! やっぱこれが無いとな!」

雪歩「待っててください……。完全に熱した鉄板の上でチャッと焼いて一回返し!」

P「おおお! この匂いだよ! これだけで飯が食えるよ!! 腹減って来た!」

雪歩「焼けたらローリングです! ネイチャー流はご飯に巻いて……食べます!」

千早「美味しい!」

雪歩「最高です!」

P「地球に生まれてよかったああああああああああ!!!」←ここから始まる 新しい道も All my treasures

雪歩「この香ばしさ! たまりません! 焼き手の仕事はただ香ばしさを肉に与えるだけです!!」

P「良く分かんねえけど旨すぎる!!」

Pゆきちは『ナイスネイチャー!!』


90: ◆CiplHxdHi6 2013/02/02(土) 00:34:26.14 ID:x6z3N0A/0

雪歩「名残惜しいけど、これでお肉は終わりですぅ」

千早「これからは締めに入りますね」

P「俺もういっぱいいっぱいなんだけどな……」

雪歩「安心してください。このスタミナ苑名物テグタンスープは黒毛和牛純粋種の落とし肉をぐつぐつと煮込んでいるんです。特徴的なとろみ、そして超絶濃厚なうまみ。韓国のそれとは別物です」

P「美味しそうだけどもう限界なんだな」

千早「765プロの皆も同じことを言いましたが、これを食べた後口をそろえてこう言いました。一番最初に空腹のときに食べたかった、と」

P「それほど美味しいのか……。軽く貰うかな」

雪歩「スプーンですくって、残ったご飯にかけてかっこめば……!」

千早「空も飛べそうな気持になります!」

P「~~っ! 辛くて甘くて……、とまんねぇよ! ナイスネイチャーだ!」

P「ふぅ、満足した……」

店員「デザートの杏仁豆腐です」


91: ◆CiplHxdHi6 2013/02/02(土) 00:39:28.40 ID:x6z3N0A/0

雪歩「口の中の脂を流してくれて気持ちいいです」

千早「この皿も、一級品ね……。作り手の思いと大自然が伝わってくるわ」

P「うん、美味しいな。これだけ食べに来てもいいぐらいだ」

雪歩「それでは最後に、ウーロン茶で締めましょう」

千早「これも実は常連さんにしか出ない特別仕様なんですよ」

P「ほう……。この香り、癖になるな」

雪歩「ウーロン茶は2種類あるんです。体にいいウーロン茶と、香りを楽しむウーロン茶です」

P「これは、最高の香りってわけか」

千早「香りは体ではなく、心を癒してくれます」

P「ああ……。浄化されていくようだ」


92: ◆CiplHxdHi6 2013/02/02(土) 00:46:14.13 ID:wITN5z2p0

雪歩「これにてネイチャーコースはお終いです」

P「ああ、2時間待つ甲斐が有ったよ。こんなに美味しいもの食べたの、初めてだ」

ちはゆき『バッドネイチャー!!』

P「ひょっ! まだ何かあるの!?」

雪歩「50点です! 2時間並んだ理由はまだあります!」

千早「それはつまり、私たちが一巡目と言うことです」

P「一巡目?」

雪歩「見てください。開店から時間がたって、早いお客さんなら二巡目に入ってしまいます。店内は煙でいっぱいです」

P「確かに真っ白だ。煙くて辛い人は辛いだろうな」

千早「肉の部位ごとの香りの違いとか細かいところを楽しむには、邪魔になってしまいます。故に、一巡目なんです」

雪歩「それに、一巡目だとその日一番の肉に当たりやすいです。だから私たちは、2時間待ってでもこのお店で食べるんです」

P「そ、そいつは気付かなかったな……」


93: ◆CiplHxdHi6 2013/02/02(土) 00:50:32.45 ID:ZY10m+dL0

雪歩「自分で気づける大人にならないとダメダメですよ?」

千早「全くです。まだまだプロデューサーは、バッドネイチャーですね」

P(こいつら言いたい放題言いやがって……。千早には及川雫とグラビア共演、雪歩はジュピターとワンワンパークの仕事組ますか……)

雪歩「それでは、帰りましょう」

P「タクシーでも呼ぶか?」

千早「バッドネイチャー!」

P「ダメっすか!?」

雪歩「焼き肉は家に着くまでが焼肉です!」

千早「都心まで2時間半。歩きましょう」

P「そ、そんなああああ!」

P(スタミナ苑の焼き肉は胃にもたれないのに、ネイチャーズの言葉で一気にもたれた俺でした)

バッドコミュニネイチャー

お終い


94: ◆CiplHxdHi6 2013/02/02(土) 00:53:21.03 ID:DM50EuQS0

終わります。意外とネイチャージモンを知っている人が多かったみたいですね。殆ど原作ままで、期待に添えず申し訳ないです。
アイマス仕様だとグッドコミュニケーションだから、途中混ざったりしましたね。

読んでくださった方に、ナイスネイチャー。ありがとうございました


95: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2013/02/02(土) 01:05:21.78 ID:mEz6Aehs0


ナイスネイチャー!

原作また復活してほしいな





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