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照「パンダパパンダコパンダ」

2018/10/03 00:03 | 咲-Saki- | コメント(0)
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 21:20:40.97 ID:B0XYgeFM0

照「パンダパパンダコパンダっ」

照「パンダパパンダコパンダっ」

照「パンダパパンダコパンダっ」

照「てれってってーん」

照「……」

照「てってーん」


3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 21:24:31.65 ID:B0XYgeFM0

菫「……」

誠子「……先輩」

菫「……なんだ」


照「マーマー マーマー」

照「ちっちゃいちっちゃいマーマー」


誠子「……部室の中にいるのって……」

菫「……照だけだろうな」


照「パーパー パーパー」

照「おっきいおっきいパーパっ」


誠子「……じゃあこの歌声って」

菫「……まあ、照だろうな」


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 21:29:23.56 ID:B0XYgeFM0

尭深「あの、おはようございます……」

淡「菫せーんぱいっ!亦野先輩!おはようござ」

誠子「……」

菫「……」

淡「いま……す……?どうしたんですかー?」


照「おーはーぁなーしぃーしようよぅ」


淡「……」

尭深「……」


照「はらっぱにぃこにこーよー」

照「なーかーよーしーこよしだもーん」

照「わっはっは―――――」

照「……――――だーもぉーん」


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 21:33:40.86 ID:B0XYgeFM0

照「パンダパパンダコパンダっ」

照「パンダパパンダコパンダっ」

照「パンダパパンダコパンダっ」

照「てれってーてーん」

照「……」

照「ぶーぅー(ラッパの真似)」


菫「……」

誠子「……」

淡「……」

尭深「……」


照「マーマー マーマー」

照「お花のお花のマーマー」

照「パーパー パーパー」

照「ぱいぷのぱいぷのパーパっ」


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 21:38:09.20 ID:B0XYgeFM0

照「おーはーなーしぃしよおよー」

照「ありんこけっらけらーよー」

照「なーかーよーしーこよしだもーん」

照「ワッハッハ――――」

照「……――――だーもぉーん」


淡「……っ」ウズッ

菫「あっ、おい!淡」


照「パンダパパンダコパンダっ」

ガラッ!

照「っ!!!?」

淡「パンダパパンダコパンダ!」


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 21:41:55.99 ID:B0XYgeFM0

ダッ

誠子「パンダパパンダコパンダっ!」

照「!!!!?」

ダッ

尭深「パンダパパンダコパンダっ」

照「!!!!!?」

菫「……」

ザッ

菫「……ぱんだぱぱんだこぱんだ」

照「!!!!!!!?」

淡・誠子・尭深「「「てれってってーん!」」」

菫「……」

照「……」

菫「……ぶ……ぶーぅー(ラッパの真似)」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 21:46:01.67 ID:B0XYgeFM0

照「……」

淡「……」

誠子「……」

尭深「……」

菫「……」

照「……」

菫「……さ、さぁ、麻雀やるか」

誠子「そ、そう、そうですね」

菫「ほら皆卓に着け」

淡「はーい」スタスタ

尭深「……」ギシッ

……

照「……」

菫「……」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 21:51:33.09 ID:B0XYgeFM0

淡「……」

誠子「……」

尭深「……」

照「……聞いてた?」

菫「……何をだ」

照「…………いや……さっきの」

菫「いや……何も」

照「……ならいい」

菫「……」

照「……」

尭深「……」

誠子「……」

淡「ねえねえテルー」

照「なに?」

淡「パンダすきなの?」


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 21:58:57.19 ID:B0XYgeFM0

照「うあああ」ダッ

誠子「あ!宮永先輩!!」

尭深「逃げちゃった」

菫「淡!!お前ストレートすぎるだろ!!」

淡「えーでもはずかしがる事ないじゃん」

……

スタスタ

照「……」

照(見られた……すごい恥ずかしい)

照(あんな、パンダコパンダの歌を熱唱してる所とか……)

照(それもこれも全部パンダがかわいいのがいけないんだ)

照(なにもかにもパンダがわるい……)


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 22:04:24.54 ID:B0XYgeFM0

―おうち―


パンダ『まふまふ』


照「わあ……」

照(すごいかわいい……)

宮永母「照……またその動物ビデオ見てるの?飽きないわね」

照(こう、白と黒が潔くてかわいい)

宮永母「見終わったらちゃんとご飯食べなさいよー」

照「うん」

照(もそもそのったりしてるのもかわいい)

照(いいなあ……かわいいなあ)


パンダ『まふまふ』


照「うおお……」

照(パンダ……見てみたいなあ)


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 22:16:17.04 ID:B0XYgeFM0

―つぎのひ―

淡「ロンだよ!テル!」

照「うん……」

菫「なんだ、調子悪いな」

菫(まああんな事あったらしょうがないか……)

照「……ねえ」

菫「うん?」

照「明日、休みだね」

菫「ん?ああ、そうだな」

誠子「学校も部活も休みですね」

尭深「どうかされたんですか……?」

照「…………パンダが見たい」

一同「「「えっ」」」

照「……パンダが見たい」

照「誰か私に力を貸して」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 22:23:30.00 ID:B0XYgeFM0

菫「ぱ、パンダか」

照「うん」

誠子「パンダっていったら……上野とかですかね」

照「上野……」

尭深「東東京……」

照「……多分一人じゃ行けない」

照「誰か、一緒に行ってくれないかな」

淡「うあー!明日はおかーさんの実家に用事があって無理だよー!」

誠子「お安い御用です!……といいたい所なんですがもう用事があって……」

尭深「ごめんなさい……私も、もう既に用事が」

照「うう」

菫「悪い、照。私も明日はもう用事入れてるんだ」

照「……ぐう」


23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 22:29:51.04 ID:B0XYgeFM0

菫「また、今度連れてってやるから、明日は我慢しろ?な?」

淡「そうだよテル!また今度行こうよ!」

照「……」

誠子「そうですよ!えっと、次いつ休みになるかはわかんないですけど」

尭深「でも、みんなで行けば……」

照「……いい」

菫「……照?」

照「いいよ……大丈夫」

照「これは多分試練なんだ」

誠子「……!?」

淡「テル、まさか」


照「明日は、一人で上野に行ってくる」


一同「「「!!!!?」」」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 22:33:59.07 ID:B0XYgeFM0

尭深「お、おちついてくださいっ」

誠子「そんなの無茶です!」

淡「そうだよ!冷静になってください!」

照「私はいたって冷静だよ」

菫「いや、もっと冷静になれ照」

照「……なにが言いたいの菫」

菫「お前、お前一人で上野に行くって事がどれだけ難しいかわかるのか?」

照「……」

菫「……お前、上野に行くって事は……!」

照「……?」

菫「……電車……乗り換えるんだぞ……!」

照「……!!」


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 22:38:22.97 ID:B0XYgeFM0

菫「お前、それが分かってるのか……!?」

照「だ、大丈夫だよ」

菫「いや、それだけじゃないんだ」

照「!?」

菫「……いいか、照」

菫「乗り換える路線もいろいろあるんだ……それをお前が理解できるとも思えん」

菫「そして何より……いいか?」

菫「路線によっては…………」


菫「新宿駅を経由しなきゃならないんだ……!」


照「!!!!!」


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 22:44:47.42 ID:B0XYgeFM0

照「新宿……」

菫「ああ、手を繋いでいてもお前を見失いそうになったあの魔窟だ」

誠子「私でも未だにロクに出口を見つけられないです……」

尭深「人多いしね……」

淡「あんな魔窟にテルを一人でいかせられないよー!」

照「……」

菫「……わかってくれたか?」

照「……」

菫「わかったなら大人しくパンダを見るのは今度に」


照「それでも、私は行く」


尭深・誠子・淡「「「!!!?」」」

菫「照、お前っ!」

照「……滅多に無い休みだよ。滅多に無い休みなんだよ」

照「きっとこれは……パンダ神のお告げか何かなんだよ」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 22:49:15.42 ID:B0XYgeFM0

菫「でもお前っ、そこまでしてっ!」

照「大丈夫」

菫「!」

照「……皆」

ザッ

淡「!テル!」

誠子「宮永先輩!!」


照「次に会うときは……聞かせてあげる」スタスタ

クルッ

照「…………パンダの土産話」

バタンッ

菫「……!」

尭深「だ、大丈夫かな……」

淡「うう……不安だよう」


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 22:53:34.44 ID:B0XYgeFM0

―夜・てるのへや―

照「着替えよし」

照「ハンカチとティッシュよし」

照「寒い時の上着よし」

照「水筒よし」

照「地図よし」

照「コンパスよし」

照「携帯よし」

照「よし」

パチン

照「おやすみなさい」

照(……待ってろ、パンダ)

照(待っていろ上野動物園)

……



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 22:59:24.85 ID:B0XYgeFM0

―あさ―

照「荷物よし、お財布よし」

照「よし」ザッ

宮永母「どこいくの?」

照「上野」

宮永母「晩ご飯までには帰るのよ」

照「うん、大丈夫」

宮永母「いってらっしゃい」

照「行ってきます」

ガチャッ

照「出発だ!」

サンサン

照(うん……快晴だ)

照(絶好のパンダ日和というやつだ)


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 23:05:47.49 ID:B0XYgeFM0

スタスタ

照「ぱんだぱぱんだこぱんだ」

照(まずは、京王線の駅まで歩こう)

照(京王線なら新宿まで一本で行ける)

照(武蔵野台駅なら通学の時に見かけたりするから迷わず行ける!)

照(多摩霊園は……少し遠いしなんだか名前が怖いからやめとこう)

……

―武蔵野台―

ザッ

照(着いた!)

スタスタ

照(こんなにあっさりクリアできるなんて)

照(ふふふ、これは楽勝な予感な感じのあれだ)


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 23:11:20.60 ID:B0XYgeFM0

―改札―

ガション ガション

照「……」

照(ふっ、昨日までの私なら切符を買ってわたわたしていたはず)

照(けど、今日は違う)

バッ

照(今日の私は、PASMOを持っている!)バァン

照(ようやく長野県民からハイカラな東京人になれた気分だよ)

照(それじゃ早速改札をくぐろう)

スタスタ

照(くるぞ……このセンサーのところに、PASMOの入った財布を)

照(ふんっ)

……

照「………………あ、あれっ?」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 23:15:06.13 ID:B0XYgeFM0

照「あ、れっ、っ、ふんっ」パサパサ

……

照「……!?」

照(反応しない……!?)

照「そりゃ、うりゃっ」ペシペシ

……

照「な、なんで……!」

<……

照「っ!?」クルッ


<ドウシタンダ ハヤクシロヨ

<コワレタノカナ ナニヤッテンダ


照「あ、あわわわ」

照(わ、わわ、私のせいですごい渋滞が)


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 23:22:00.47 ID:B0XYgeFM0

照「えいっ、えいっ」

……

照「な、なんで……?」

<ナンデコンナニツッカエテンノ? アノコガトロトロシテンノカ

照「と、とりあえず一旦どかなきゃ」

スタスタ

照「ふう……みんなの目線が怖かった」

照「でもなんでPASMOが……あれ」

ゴソッ

照「……」

照「…………」

照(スカートのポケットに入ってた……)

……

ガタンゴトン

照(うう、とりあえずいろいろあったけど……電車には乗れた)


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 23:28:15.52 ID:B0XYgeFM0

照(これであとは新宿まで勝手に行くから安心していられる)

キィィ―

プシュゥゥゥ

『えー、府中、府中です』

照「……」

照「ん?」

『えー、ドア、しまります』

プシュゥゥゥ

ガタンゴトン

照「……?」

照(気のせいかな……)

キィィー プシュゥゥゥ

『えー、分倍河原、分倍河原です』

照(……!?)

照(いや……これは気のせいじゃない……!)


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 23:32:27.49 ID:B0XYgeFM0

<……

照(さっきまで適当に聞き流してた車内アナウンス……ちゃんと聞いてみよう)

照(もし私の嫌な予感が正しかったら)


『えー、この電車は、終点、京王八王子いきでございぁす』


照「 」

…………

キィー プシュウゥゥ

『えー、聖蹟桜ヶ丘、聖蹟桜ヶ丘です』

スタッ

照「……」

照(…………新宿と逆方向に来てた)


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 23:40:17.60 ID:B0XYgeFM0

ガタンゴトン

照(この車両は新宿行きで間違いない)

照(聖蹟は特急が通ってるから早く着くね)

照(これも計算のうちだったよ)

照「……」

照(上野まで行けるといいな)


……


―新宿―

照「着いた」

照(やった、あとは電車一本で行ける……)

照(……でも)

ガヤガヤ

照(…………電車まで辿り付けるかな)


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 23:45:42.81 ID:B0XYgeFM0

照(まずは改札を出……)

照(なにぃ)

ばばーん

照(改札が二つあるなんて!)

照(こんな……迷うよ……困る)

照(選べる贅沢がこんなに苦しいなんてね)

照「……」

照(よし、人が少ないし、こっちの改札から出よう)

……

―西口広場付近―

照「あふぁっ?」

照(どうしよう、外に出ちゃった)

照(まるで魔術だよ、こんなの)

照「ここどこ……」オロオロ


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/04/30(火) 23:55:28.36 ID:B0XYgeFM0

ばぼーん

照「あ、変なビルだ」

照(いつ見ても変な形のビルだなぁ)

照「……」ボー

照「あっ、電気屋さんだ」

照(あんなに大きい電気屋なら全自動麻雀卓とか、おいてるのかなぁ)

照「置いてるといいな」フラフラ

……

―東口付近―

照「あふぁっ!?」

照(さ、さっきまで見えてた変な形のビルがどこにもない)

照(なんだか人もいっぱいだし、ますます駅を見失っちゃった)

照(うう……ここどこ……)オロオロ

照(あ、スクリーンで麻雀の試合やってる)

照(小鍛治さんはやっぱり強いな)ボー


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 00:09:22.38 ID:aNXCn9UY0

―アルタ前―

智葉「はあ……!?来れなくなったあ?」

ダヴァン『本当に申し訳ありまセン、学校から呼び出されてシマイまシタ』

智葉「そうか……はあ、無駄足か」

ダヴァン『すみまセン……新宿のラーメン屋巡りに付き合わせようとしたノハ私なのに』

智葉「いや、いいさ。適当にぶらぶら遊ぶからな。気にするな」

ダヴァン『またいずれ埋め合わせはシマス。ソレデハ!』

ピッ

智葉「はあぁ……まあしかたねーか」

智葉(適当にぶらついて帰るか……)

スタスタ

智葉(しかしそうとなると今日一日暇になっちまったな)

智葉(何をして過ごすか……ん?)

智葉「…………あれは……」


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 00:15:57.17 ID:aNXCn9UY0

照「あう……」オロオロ

照(ここどこ……また風景がいきなり変わっちゃった)

照(新宿には魔物が住んでるんだ……私を惑わしているんだ)

照(……心細いよ)

照(うう……こんな時麻雀部のみんながいてくれたら……)


「よう、久々だな。チャンピオン」


照「えっ」クルッ

智葉「奇遇だな。こんな所で何やってんだ?」

照「……」

智葉「…………?おい、チャンピオン?」

照「……」

智葉「おい、宮永?大丈夫か?」


50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 00:24:01.63 ID:aNXCn9UY0

照「ガイトだぁ……!」ガシッ!

智葉「な、ちょ……いきなりなんだよ?」

照「ありがとうガイト、出会ってくれてありがとうガイト」

智葉「お、おう……どうしたお前」

照「心細かった、心細かったんだよ」

智葉「わかった、おう、わかったから一旦落ち着け」

照「ねえガイト」

智葉「なんだよ」

照「暇?」

智葉「…………まあ、暇だが」

照「ねえガイト」

智葉「なんだよ」

照「パンダに興味ある?」

智葉「よし、一旦おちつけ宮永」


99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 18:42:00.67 ID:aNXCn9UY0

…………

智葉「なるほどな……それで上野に行きたいってわけか」

照「うん……でも都心は本当に凶悪。移動すらままならない」

智葉「そうな……そうか?」

照「だから、お願いガイト」

智葉「うん?」

照「ちょっと上野に連れて行って欲しい」

照「移動費も私が出すし、駅までで大丈夫だから……」

智葉「…………無理だな」

照「!…………うう、やっぱり」

智葉「その調子じゃ、上野まで行っても動物園には行くのは無理だな」

照「ぐむむ」

智葉「よし……――――それじゃ行くぞ」

照「えっ」

智葉「だから行くぞ、上野。今日一日付き合ってやるよ」


101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 18:46:55.59 ID:aNXCn9UY0

照「えっ、えっ」

智葉「なにしてんだ?いかねーのか?」

照「でもさっき無理って」

智葉「いや、だからそれはお前が動物園にたどり着くのが、って事で」

照「えっ、じゃあ」

智葉「あーもう……なんだ、だから上野まで一緒に行ってやるって」

照「……」

照「……ふぐ」ウルッ

智葉「泣くなよ……」

ガシッ

照「ガイトー」ギュゥゥ

智葉「抱きつくんじゃないよ、離れろっての」

照「うん、ごめん」

智葉「よし、それじゃ行くか。動物園閉まっちまうぞ」

照「うんっ」


103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 18:51:14.99 ID:aNXCn9UY0

…………

ガタンゴトン

智葉「…………」

照「大丈夫?なんだか疲れてるけど」

智葉「うん?……いや、まさかお前の引率がこんなに疲れるなんてな」

照「え、そ、そうかな」

智葉「なんで電車乗るまで何十回もはぐれそうになるんだよ」

照「ごめん……」

智葉「……まあ、いいけどな」

照「かたじけないぜ」

智葉「なんだ、むかつくなそれ」

照「でも、上野までどのくらいかかるの?」

智葉「ん?……うーん、25分くらいか?」

照「結構かかるね」

智葉「そういうもんさ」


105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 18:57:06.93 ID:aNXCn9UY0

智葉「しかし、ちょっと意外だな」

照「なにが?」

智葉「お前パンダそんなに好きなのか」

照「大好き」

智葉「大好きか……」

照「可愛いでしょ」

智葉「まあ、愛嬌あるな」

照「ふわふわしてるし」

智葉「まあ、恰幅いいわな」

照「笹食べるし」

智葉「うん、よく食うな」

照「なにより潔い」

智葉「うん、潔い……潔い?」

照「白と黒だし」

智葉「ああ、まあな……潔いのは私も好きだ」


106: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 19:01:09.83 ID:aNXCn9UY0

照「ガイトは好きな動物とかいないの?」

智葉「え?私か?」

照「うん」

智葉「好きな動物なぁ……」

照「ペンギンとか」

智葉「ああ、ペンギンもいいな」

照「しまうまとか」

智葉「しまうまか。いいな」

照「バクとか」

智葉「バクか。いいn……バクかぁ」

照「スカンクとか」

智葉「……」

照「牛とか」

智葉「全部白黒じゃねえか、そんな好きか、白と黒」


107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 19:06:37.93 ID:aNXCn9UY0

……

ザッ

智葉「うし。ほら着いたぞ」


―上野駅―


照「うし……?」

智葉「え?なんだ?」

照「今ガイト『うし』って」

智葉「いや、あれは『よし』みたいなもんだ」

照「そうか」

智葉「お前お願いだからこういうの説明させんなよ」

スタスタ

照「え、えっと……ここから動物園って」

智葉「こっちだ。隣のでかい公園の中だよ」

照「そうなんだ」


109: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 19:13:43.30 ID:aNXCn9UY0

スタスタ

照「……大きいね」

智葉「まあな、美術館やらもあるしな」

照「美術館?」

智葉「ああ」

照「そんなにアミューズメントして疲れないかな」

智葉「どうだろうな……美術館はアミューズメントじゃないだろ」

照「楽しいよ」

智葉「お前の匙加減じゃねえか」

照「そうかな」フラフラ

智葉「おい宮永」

照「うん?」

智葉「そっちはスタバだ」

照「うん……?」

智葉「お前はお願いだから離れてくれるなよ」


111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 19:20:42.41 ID:aNXCn9UY0

ザッ

照「……着いた……!」

智葉「ああ」

照「ここが……」

智葉「ああ、ここが――……」


―上野動物園―


照・智葉「上野ZOO」「上野動物園!」

智葉「お前さ、なんでいきなり英語だよ」

照「ごめん」

智葉「なんか乗った私がアホみたいだったじゃねーか」

照「ごめん……智葉を惑わせたかった」

智葉「てめえ……」

照「それよりも早く入ろう」

智葉「そうだな……」


113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 19:26:20.02 ID:aNXCn9UY0

智葉「とりあえず入場券買うぞ」

照「うん」スタスタ

受付の人「いらっしゃいませー」

照「こ」

智葉「こ?」

照「こ、高校生二人分お願いします……」フルフル

智葉「おいおい、宮永お前」

受付「はい、1200円になります」

照「えっ?……じゃあ2400円ですか?」

受付・智葉「「ん?」」

照「良かった意外と安かった……」ホッ

受付「いえ、あの」

照「はい?」

受付「高校生は一人600円なので、二人で1200円ですよ?」

照「なにいっ」


114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/01(水) 19:33:38.63 ID:aNXCn9UY0

―場内―

スタスタ

照「なんでこんなに安いんだろう……なんの陰謀だろう」

智葉「お前いくらかかると思ってたんだよ」

照「一人5000円くらいかと思ってた」

智葉「ディズニーランドじゃあるまいしな……」

智葉「ちなみに都内住みの中学生だったら無料だったぞ。惜しかったな、四年程」

照「……っ…………」

智葉「うわ、なにその凄い絶望顔……末原みたいだぞ」

智葉「それより、私の分の600円返すって」

照「いい。今日付き合ってくれてるガイトへのせめてものお礼」

智葉「つっても私も好きでやってるだけだから気にしなくても」

照「いいから。とっておいて」

智葉「まあなんだ、ありがとうな」

照「大丈夫」


150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 09:52:55.66 ID:QXZ2nmt60

照「それで、パンダはどこ」

智葉「まあ落ち着け」

照「落ち着いてなんていられない」ソワソワ

智葉「ちょっと待て、ほら。パンフ」

照「うおぉー」タッタッタ

智葉「おい宮永っ、おいこら待て」

照「……ごめん」ピタッ

智葉「何も考えずに突っ込むなっての……ほら、これ見ろ」

照「うん」

智葉「パンダは……なんだ、すぐそこだな」

照「行こうっ、すぐ行こうっ」

智葉「ああ、行くか」

照「いるかな……」ドキドキ

智葉「そりゃいるだろ」


152: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 09:56:39.08 ID:QXZ2nmt60

スタスタ

智葉「おっ、ほらあそこだ」

照「うん」ドキドキ


―パンダの場所―


智葉「さて、うわ。やっぱり人が多いな……」

照「人気者だ」

智葉「上野動物園の看板だしな」

照「み、見えない」ピョンピョン

智葉「ある程度人の流れあるみたいだな。それに沿うしかねーか」

照「うん」

スタスタ

智葉「……あ、見えた」

照「えっ、どこどこ」

智葉「ほら、あそこだ」


153: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 09:59:24.41 ID:QXZ2nmt60

照「パンダっ!」


パンダ「ふぁふ」メシャメシャ


智葉「笹食ってるな」

照「ほぉぉ……」

智葉「どうだ、パンダだぞ」

照「うん……」

智葉「……」

照「……」

智葉「……白黒だな」

照「うん……」

智葉「やっぱ愛嬌あるな」

照「うん……最高」

パンダ「オファア」メシャメシャ

照「ふああ」


154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 10:02:40.31 ID:QXZ2nmt60

智葉「……」

照「……」

智葉「……意外と黄ばんでるな」

照「お風呂入ってないのかな」

智葉「まあ、ぐうたらしてそうだしな」

照「うん……」

智葉「……」

照「……」

智葉「……めっちゃ笹食ってんな」

照「うん……本当に笹好きなんだね」

智葉「ああ……」

照「……」

智葉「……なんだ」

智葉「あれだ…………可愛いな」

照「うん……うんっ」


155: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 10:07:16.17 ID:QXZ2nmt60

パンダ「オフ」モシャモシャ


智葉「……」

照「……」

智葉「……あれだな、この角度」

照「うん」

智葉「足で死角になってたけど……座りながら垂れ流してんな」

照「うん……ち」

智葉「言うなよ……」

照「ごめん……」

智葉「……アレも緑色なんだな」

照「伊達に笹ばかり食べてるわけじゃないんだね」

智葉「ああ……」

照「……」

智葉「……しかしだらしないな」

照「黄ばむのも頷ける」


157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 10:10:01.34 ID:QXZ2nmt60

照「……」

智葉「……」


パンダ「フエエ」


照「あ、寝た」

智葉「寝たな」

照「……」

智葉「……」


パンダ「……」


照「……」

智葉「……」

照「……」

智葉「……」

照「…………ちょうかわいい……」


159: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 10:18:45.70 ID:QXZ2nmt60

智葉「……」

照「……」


パンダ「……」


智葉「……」

照「……」


パンダ「……」


智葉「……」

照「……」


パンダ「……ファァ」


智葉「……」

照「……」

照「…………とてもよろしい」


162: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 10:24:48.10 ID:QXZ2nmt60

智葉「……そういや宮永」

照「なに?ガイト」

智葉「写真とかとらなくていいのか」

照「えっ」

智葉「?どうした」

照「撮影って駄目なんじゃ」

智葉「いや、ここは撮影は大丈夫だったと思うぞ」

照「ええっ」

<ちょーかわいいよー パシャパシャ

智葉「ほら、皆撮ってるぞ」

照「えええっ……」

智葉「まさか、お前」

照「……撮影禁止かと思ってカメラ持ってきてなかった」

智葉「そうか……」

照「だって、アイドルとか撮影だめだし、動物たちは皆アイドルだから……」


165: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 10:29:26.69 ID:QXZ2nmt60

智葉「……」

照「私は、なんて思い違いを」

智葉「携帯は?」

照「!」

智葉「携帯で写真とれるだろ」

照「そっ、その手があった」ゴソゴソ

照「じゃーん」

智葉「テンション高いな……」

照「ありがとう、ガイト。ありがとう」

智葉「いいから撮れって。パンダが檻に帰っちまったら撮れねーぞ」

照「うん。パンダ、こっち向いて」パシャパシャ

パンダ「……」

照「きゃああ、可愛い」パシャパシャ

智葉「……ははは」


167: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 10:36:23.79 ID:QXZ2nmt60

長野

―roof-top―

ジャラッ!

優希「ロンだじぇ!」

咲「やっぱり東場は強いなあ、優希ちゃん」

まこ「ほらお前ら。カツ丼、おごりじゃ」

和「えっ、いいんですか?」

咲「ありがとうございます!」

優希「太っ腹だじぇー」

まこ「まあ気にしなさんな、新部長としてこれくらいは」

prrrr

まこ「お?電話か?」

優希「咲ちゃんの方から聞こえたぞー」

和「咲さんですか?」

咲「え?えっと……あ、メールだ」


168: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 10:41:17.29 ID:QXZ2nmt60

優希「誰だー?もしかして、彼氏か!?」

和「そんなオカルトありえません」

まこ「あんまり詮索しちゃるな」

咲「えっと……」

咲「…………お姉ちゃん?」

和「?照さんからですか?」

咲「うん……珍しい、なんだろ」

ピッ

咲「ヒッ」

まこ「どうしたんじゃ?」

咲「いや、こ、これっ」

優希「なんだー?……うっ!?」

和「な、なんですかこれ……!?」

まこ「緑色の汚泥の写真……!?」

咲「うう……!?えっと……『パンダ可愛いよ』…………パンダ!!!?これが!!!?」


169: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 10:45:02.21 ID:QXZ2nmt60

照「あっ」

智葉「どうした」

照「しまった、しまった」

智葉「だからどうしたっての」

照「パンダの写真、妹にも送ったんだけど」

智葉「宮永妹にか」

照「間違えて、手元が狂って写しちゃったうんちの写真送っちゃった」

智葉「なにやってんだ……」

照「取り消し……」

智葉「いや、もう送ったメールは取り消しは……」

照「うう……」

智葉「本文なんて送ったんだ?」

照「パンダ可愛いよ、って」

智葉「……パンダの身に何があったのか不安になるな、それ」


171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 10:52:07.63 ID:QXZ2nmt60

咲「お姉ちゃん、パンダに一体何を」

和「で、でも写真を間違えたとかじゃ」

優希「間違えたにしてもなんでこんなグロい写真持ってるんだじぇ」

咲「うう」

まこ「ま、まああれじゃ、なんかの間違いじゃろ」

prrrr

咲「!」

和「またですか?」

咲「うん……またお姉ちゃんだ」

ピッ

優希「なんて書いてある?」

咲「えっと、『間違えた、こっちだよ』」

咲「なんだ、間違え――……ヒィッ」ガタッ

和「どうしたんです……うっ!?」

まこ「なんじゃこの皿に乗ったボロボロの焦げた肉塊は……!!」


173: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 10:56:26.30 ID:QXZ2nmt60

照「また失敗したっ」

智葉「つぎはどうした」

照「また写真を間違えて送っちゃった……!」

智葉「なんの写真だ?」

照「前に自分で作ったハンバーグの写真」

智葉「ハンバーグの写真てお前……」

照「これ」スッ

智葉「……」

智葉(無惨な……)

照「このままじゃ私が猟奇的姉になってしまう……!」

智葉「……」

照「と、とりあえず別の普通のパンダの写真を」

パッ

照「あっ、ガ、ガイト……」

智葉「へえ、これがスマフォってやつか……ハイカラだな」


175: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 11:01:37.49 ID:QXZ2nmt60

照「返してっ、返してっ」ピョンピョン

智葉「まあ、ちょっと待てって……うしっ」

照「うし……?」

智葉「それはもういいっての……ホラ、宮永。そこ立て」

照「え?」

智葉「妹さんに写メ送るんなら、せっかくならお前の元気な姿も見せてやれ」

智葉「私が撮ってやるから」

照「・…………ガイト」

智葉「せっかく仲直りしたばっかなんだろ?」

智葉「だったら少しでも元気な顔見せて安心させてやれって」

照「……うん」

智葉「ほら、パンダが逃げちまうぞ。早くちゃんと立てよ」

照「うんっ」


176: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 11:06:07.01 ID:QXZ2nmt60

智葉「うん、そこだ。そうそう」

照「……ここ?」

智葉「おう。んじゃ、撮るぞー」

照「……」

智葉「……」

照「……」

智葉「……宮永」

照「なに?」

智葉「お前、笑えって」

照「え」

智葉「いや、ちょっとだけでも笑えっての……異様なくらいに無表情じゃねえか」

照「……こうっ?」ニコォッ!

智葉「その営業スマイルはやめろ。気味が悪いったらないぞ」


177: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 11:09:06.36 ID:QXZ2nmt60

照「うう……でも、どうしていいか」

智葉「……そうだ」

照「え?」

智葉「じゃあ、頭の中に今から言うものを思い浮かべろよ」

照「……?……うん」

智葉「それじゃ、いくぞ」

照「うん」

智葉「……パンダ」

照「…………」

智葉「……宮永咲」

照「…………」

パシャッ

智葉「よし、終わりだ。その写真でも送ってやれ」

照「え?もう終わり?」

智葉「ああ、十分だったさ」


180: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 11:12:54.77 ID:QXZ2nmt60

―長野―


優希「だ、大丈夫だ咲ちゃん。きっと間違っただけだじぇ」

和「そうです、そうですよ咲さん」

咲「うう、お姉ちゃんまさかまだ怒ってるのかな……」

まこ「お前さんの考えすぎじゃ、大丈夫じゃと思うぞ」

咲「でも、なんでこんなスプラッタな」

prrrr

咲「ヒッ」

和「またメールですか?」

咲「……う、うん。お姉ちゃんからだ」

まこ「だ、大丈夫か?無理して開けんでも」

咲「いえ……大丈夫です…………開けてみます」

ピッ

咲「……」

咲「…………わあっ」


181: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 11:18:05.42 ID:QXZ2nmt60

……



スタスタ

智葉「けっこう歩いたな」

照「うん。凄い広いんだね、上野動物園って」

智葉「ああ」

照「でも、楽しかった」

智葉「……ああ」

照「……」

智葉「……」

照「あ」

智葉「ん?どうした」

照「さっき、スタバあったよね」

智葉「ああ、公園の中にあるな」

照「……寄らない?」


184: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 11:22:09.06 ID:QXZ2nmt60

―スタバ―

スタスタ

照「おまたせ」ガシャン

智葉「おう……なんだ、その菓子の量。お前それ全部食うのか」

照「うん」

智葉「あきれたな……」

照「あきれられたな……」

智葉「おう」

照「……」モグモグ

智葉「……」ズズ

照「……ブラックだけ?」

智葉「ん?ああ……まあな」

照「お菓子……いる?」

智葉「いや、私は大丈夫」

照「そっか」モグモグ


185: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 11:27:02.29 ID:QXZ2nmt60

智葉「……」ズズ

照「……」モグモグ

智葉「……」

照「……」モグモグ

智葉「……」

照「……?……お菓子、いる?」

智葉「いや、いいって」

照「じゃあなんでじっと私を見てるの?」

智葉「んー?……さてなあ」

照「てれるぜ」

智葉「照だけにか」

照「……!?」

智葉「…………すまん、悪い、本当忘れてくれ、今の」

照「……お菓子、いる?」

智葉「いや、いらな……はぁ、一つ貰おうかな」


187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 11:31:59.90 ID:QXZ2nmt60

智葉「……」モグモグ

照「……」モグモグ

智葉「……」モグモグ

照「……」モグモグ

智葉「……」ズズ

照「……」モグモグ

智葉「……これ、コーヒーと合うな」

照「そう?」モグモグ

智葉「ああ」モグモグ

照「なら良かった」モグモグ

智葉「……」

照「……」モグモグ

照「あ、今日撮った写真見よう」ゴソッ

智葉「んー?……んん」

照「……かわいい」


188: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 11:38:18.44 ID:QXZ2nmt60

智葉「……」

照「はあ……かわいい」

智葉「本当に好きなんだな」

照「うん……」

智葉「……」

照「……」

智葉「……昔さ」

照「うん?」

智葉「私が小さい時、友達の家に行った時」

智葉「なんだ、あんまり覚えてないんだが、パンダのアニメを友達が見ててな」

照「……」

智葉「普段アニメとか全然見ないから……もう全然内容も名前も覚えてないんだが」

智葉「楽しかった……懐かしいなぁ……そんな事思い出したよ」

照「……」

智葉「いや、すまないな。いきなり……ちょっと懐かしくなっちまって」


189: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 11:43:25.63 ID:QXZ2nmt60

照「パンダパパンダコパンダ」

智葉「!」

照「パンダパパンダコパンダっ」

照「パンダパパンダコパンダ」

照「パンダパパンダコパンダっ♪」

照「ふふーふふーん……♪」

智葉「ああ……そんな主題歌だった」

照「……ガイトも観てたんだね」

智葉「まあ、一回きりだけどな……懐かしい」

智葉「……出てくる食べ物が全部美味そうでな……」

智葉「カレーとか、クッキーとか……」

智葉「あ、それと」

照・智葉「「笹とタケノコ」」

照「……一緒だね」

智葉「あはは……あれ美味そうなんだよな」


190: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 11:49:35.63 ID:QXZ2nmt60

智葉「……でも、思い出してみれば、思い出せるもんだ」

照「うん」

智葉「ああ……懐かしいな」

照「……」

智葉「……」

照「……街が水の中に沈む話」

智葉「え?なんだ?いきなり」

照「街が水の中に沈む話が好きだった」

智葉「ああ、そういえばそんなのもあったな」

照「うん……水に沈んだ街の上を、ベッドのボートで移動するの」

智葉「……あったなあ……」

照「……そこらへんで魚が泳いでて」

智葉「うん」

照「まるで、天然の水族館みたいで」

照「……腹ばいになって、目を凝らさなくても……魚がそこらじゅうに見えて」


191: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 11:56:48.13 ID:QXZ2nmt60

智葉「…………」

照「ほんと、自分で水族館を作らなくてもいいんだって」

照「ベッドの上で、何をしなくても……寝てるだけで」

照「寝てるだけで、魚を見る事ができて」

照「…………羨ましいなあって……思ってた」

智葉「……うん」

照「……そして」

照「何を思ったか私は、あの世界に行くには、パンダと知り合わなくちゃって思って」

智葉「ぷっ、あははっ」

照「いつの間にかこんなにパンダが好きになってた」

智葉「あははは、宮永らしいなっ、あははは」

照「ガイト、笑いすぎ」

智葉「はははっ、ふふっ……」

照「……」

智葉「……ふっ……ああ、ご機嫌な話だ……本当に」


193: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 12:02:14.65 ID:QXZ2nmt60

照「……ガイトが笑うとこ、初めて見た」

智葉「そうか?」

照「うん」

智葉「悪いな、でも馬鹿にしたわけじゃないからな」

照「わかってる」

照「でも、笑ったガイト可愛い」

智葉「やめろやめろ、柄じゃないっての」

照「ガイト可愛い」

智葉「やめろっての、寒気がするって」

照「メガネ、いつも外してればいいのに」

智葉「まあ、あれはいざという時にしかやらないからな」

智葉「地元じゃいつもこんな感じだぞ」

照「ふわふわの髪可愛い」

智葉「だからおべっかはやめろっての」

照「面白いからしばらくやめない」


194: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 12:05:23.24 ID:QXZ2nmt60

ガタッ

智葉「さて……そろそろ出るか」

照「うん」

スタスタ

智葉「さ……もう帰るか」

照「……」

智葉「……宮永?」

照「うん」

智葉「……」

照「……」

智葉「……宮永」

照「なに?」

智葉「今日の今まで、お前の我がままに付き合ったんだ」

智葉「……次は私の我がままに付き合えよ」

照「!」


196: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 12:12:09.86 ID:QXZ2nmt60

照「えっと、それって」

智葉「それじゃ……まずはアメ横でも行くか」

照「!……うんっ」

智葉「その後は……そうだな……」

智葉「うん、スカイツリーでも行くか」

照「!!噂のスカイツリー!」

智葉「なんだ?お前まだ見たこと無いのか……って、西東京ならそれもそうか」

智葉「丁度アメ横行ってスカイツリー行けば丁度ライトアップがいい感じだと思うぞ」

照「行くっ」

智葉「そのあとは、そうだな……」

照「その時考えよう」

智葉「ああ、それもそうだな……よしっ」

智葉「それじゃ、行くぞ。宮永……――今日はとことん付き合え!」

照「…………うんっ!」
………



201: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 12:20:21.47 ID:QXZ2nmt60

―日曜・白糸台―

菫「……」ソワソワ

淡「菫先輩、テルからメール結局帰ってきました?」

菫「いや……まだだ」

誠子「結局一人で行けたんですかね……」

菫「……」

尭深「でも、宮永先輩……休日の部活には一番に来てるのに……」

淡「まだ来ないね……ううう」

菫「……いや、でも、大丈夫じゃないのか、うん」

菫「いくらなんでも、困ったら交番に」

誠子「でも……東東京ですよ……?」

尭深「……都会人の魔窟」

菫「……!」

淡「ううー……!もしかしたらテル……!」

淡「悪いパンダ(暗喩)に食べられてるかも……!」ブルブル


202: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 12:25:37.61 ID:QXZ2nmt60

菫「っ……!お前ら、三麻でもやっててくれ!」ダッ

淡「菫先輩!?」

誠子「何処へ!?」

菫「ちょっと上野あたりまで照を――……」


ガチャッ


照「せーふ」


一同「「「!!!!」」」

菫「照!」

淡「うわーん!テルー!」

誠子「良かった……無事だったんですね!」

尭深「心配しました……」

菫「ああ……って、照?」

照「なに?」

菫「いや……なんで私服なんだ?」


204: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 12:30:31.17 ID:QXZ2nmt60

照「それは――……」

「それじゃ、私はここらで帰るぞ」

一同「「「「!!!!?」」」」

照「あっ……うん、ごめんね。ガイト」

智葉「いいって。私が無理行って着いてきたんだ」

照「でも多分ガイト居なかったら無事帰れなかった」

智葉「はは、違いない」

菫「つっ……辻垣内!!?」

智葉「ん?おお、弘世か」

淡「どど、どうしてここに!?」

智葉「まあ色々あってな……それじゃ、宮永」

照「うん……ありがと」

智葉「ああ、またな」

照「うん、またメールする」

智葉「おう、こっちもだ」


206: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 12:33:56.20 ID:QXZ2nmt60

淡「あわっ、あわわわっ、あわわわわ」

誠子「ま、まさか」


智葉「また泊まりに来い」

照「うん。そっちも是非来て」

智葉「ああ」

照「それじゃ……じゃあね」

智葉「おう。あばよ」


尭深「これは……」

菫「……っ……!」


照「…………行っちゃった……」


一同(((朝帰り――……!!)))


209: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 12:45:20.93 ID:QXZ2nmt60

菫「照、お前っ、昨日どうしたんだっ」

照「え?……動物園に行ってきた」

誠子「じゃあなんで辻垣内さんが!」

照「新宿で迷ってた私を助けてくれて、遊んでくれた」

淡「遊んだだけ?遊んだだけだよねっ」

照「うん……動物園行って、アメリカ横丁行って」

尭深「アメヤ横丁です」

照「そのあとスカイツリー行って……そこの水族館行って」

照「で、ガイトの家に泊まった」

菫「ナニィッ!!!」

淡「あわわわ」


210: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 12:49:22.61 ID:QXZ2nmt60

尭深「辻垣内家で一体何を……」

照「ご飯いただいて……お風呂で背中流し合って」

淡「うぐぐ……」ゴフッ

照「それで、ちょっと麻雀して」

照「それから寝る前に……」

照「……」

誠子「……先輩?」

菫「寝る前に……なんだ?」

照「……寝る前に」

照「……」

プイッ

照「……な、なんでもないっ」

一同「「「「   」」」」

菫(なっ……!!何故頬を赤らめて目を逸らす!!!!?)

淡「うわぁーん!あいつです!あいつが悪いパンダさんなのです!!」


212: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 12:53:45.59 ID:QXZ2nmt60

菫「言え!寝る前になんだ!」

照「なんでもない」

淡「うわぁーん!サトハを猟銃でしとめてくるぅー!」ジタバタ

誠子「落ち着け淡!落ち着けって!」

尭深「……お茶飲みたい」

菫「照!寝る前に何をした!照ゥゥ!!!!」

照「恥ずかしくて……言えないっ」

菫「照ゥゥ!!!!」

照「……」

照(言えるわけない)

照(寝る前に……一緒に)


照(ツタヤで借りてきたパンダコパンダを見てきたなんて――……)


………



214: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 12:57:05.49 ID:QXZ2nmt60

―臨海女子校―

ガチャッ

智葉「おう、おはよう」

シーン……

智葉「……」

智葉(なんだ……まだ誰もきてないのか)

智葉「……」

スタスタ

ギシッ

智葉「ふう……」

智葉(土曜の疲れがまだ取れないな……週初めは辛い)

智葉「……」

シーン

智葉「…………」

智葉「…………パンダパパンダコパンダ」ボソッ


215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 13:02:38.55 ID:QXZ2nmt60

智葉「パンダパパンダコパンダ」

智葉「パンダパパンダコパンダ」

智葉「パンダパパンダコパンダっ」

智葉「パンダパパンダコパンダっ♪」

智葉「てれってってーん♪」

智葉「ずんちゃちゃずんちゃずんずんちゃちゃっ♪」

智葉「ぶーぅー(ラッパの真似)♪」

智葉「マーマー、マーマー♪」

智葉「ちっちゃいちっちゃいマーマー♪」


ダヴァン「……」ガタガタ

ネリー「あわわ」フルフル


智葉「パーパー、パーパー♪」

智葉「おっきいおっきい」

智葉「パ…………パ…………?」


216: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 13:09:20.89 ID:QXZ2nmt60

ダヴァン「あ……あ……」ガクガク

ネリー「はわわわ」フルフル


智葉「……」

ダヴァン「……」ガクガク

ネリー「はわわ」フルフル



智葉「うわあああああああ」ダッ



…………


照「それで、早速泊まりに来たんだ」

智葉「ああ……多摩動物園行こう」

照「学校は……?」



カン


222: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 13:14:27.98 ID:QXZ2nmt60

保守とかありがとうございました
途中何回か死ぬかと思った
ガイトさんちゅっちゅ


219: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 13:10:31.86 ID:bUT5pKKfO

乙!
ガイトさんまじ天使


223: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/05/02(木) 13:21:07.05 ID:3vzfTkKl0

2人ともかわいい
乙乙





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