TOP > ぼくたちは勉強ができない > 【ぼく勉】成幸 「緒方の私服ってかわいいよな」

【ぼく勉】成幸 「緒方の私服ってかわいいよな」

751: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:27:08 ID:AR9F6gVQ

………………図書館

理珠 「へ……?」

理珠 「………………」 カァアアア……

理珠 「い、いきなりなんですか。成幸さん……」

成幸 「緒方って服とかあんまり頓着しなそうだけど、実は結構オシャレさんだよな」

理珠 「べつに、そこまで興味があるわけではないですけど……」

成幸 「いや、うちは家族の服を俺が作ってるんだけどさ」

成幸 「この前水希がカタログを見ててな。ちょっと覗いてみたら、緒方が着てるような服に興味があるみたいでさ」

成幸 「可愛い系? みたいな? すまん、俺も詳しくはないからよく分からないんだが……」

理珠 「私が普段着ているような服……」

ズーン

理珠 「……私のセンスは中学生レベルということですか」


752: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:27:39 ID:AR9F6gVQ

成幸 「いや、そういうことなじゃくて、単純に好みの問題だろ」

成幸 「俺も緒方が着てるような服、可愛くていいと思うしさ」

理珠 「はう……///」

成幸 「だから、もし良かったら、水希の服を作るときの参考にしたいから、」

成幸 「服のブランドとか、どこで売ってるかとか、教えてもらってもいいか?」

成幸 「教えてもらったら、その店に服を見に行こうと思うんだ」

理珠 「いいですけど、私が買った服もありますし、お母さんが買ってきてくれた服もありますし、一概には……」

ハッ

理珠 「………………」

成幸 「緒方? どうかしたか?」

理珠 「いえ、あの……もし成幸さんが良かったら、なのですが、」

理珠 「今日の勉強が終わったら、うちに来ませんか? 私の服を見せてあげますよ?」

成幸 「へ?」

理珠 「わざわざお店に行くより、合理的だと思います」

成幸 「そりゃ、その通りだが……いいのか?」


753: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:28:32 ID:AR9F6gVQ

理珠 「嫌な理由はありません。成幸さんにはお世話になっていますし、力になれるなら嬉しいです」

成幸 「そうか……。じゃあ、お願いしてもいいか?」

理珠 「はい。もちろんです」

成幸 「よし、そうと決まれば、おうちの迷惑になってもいけないし、今日の分、さっさと終わらせるぞ」

理珠 「はい! がんばります!」


―――― 『緒方の私服ってかわいいよな』

―――― 『緒方って服とかあんまり頓着しなそうだけど、実は結構オシャレさんだよな』


理珠 (ま、まぁ、かわいいと言われて悪い気はしませんし?)

理珠 (成幸さんが見たいと言うなら、見せてあげるに吝かではありませんし)

理珠 (……ふふふ)

理珠 (かわいい、ですか……) ニヤニヤ

成幸 「……?」 (なんか緒方、えらく上機嫌だな。何かいいことでもあったのか?)


754: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:30:02 ID:AR9F6gVQ

………………夕方 緒方家

成幸 「悪いな、緒方。お邪魔しちゃって……」

理珠 「いいですよ。今日はお父さんもお母さんもお仕事が忙しくて店にいますし、気兼ねする必要はありません」

成幸 (逆にまずい気がする。というか、親父さんにバレたら殺されるぞ、俺……)

理珠 「どうぞ。ここが私の部屋です。まぁ、成幸さんはもう何度か入ってますよね」」

成幸 「そういえばそうだな……」


―――― 『えーっ 成幸も泊まっていけばいいじゃん!』

―――― 『そうそう 夜はまだまだこれからだよ~!』


成幸 「っ……」 (そ、そうだ。あの女子のパジャマパーティのときとか……)


―――― 『唯我さん 手 冷たいです』

―――― 『なんだかホッとして……きもちいい……です』


成幸 (緒方の家で一晩明かしたときのこととか……)

成幸 (よく考えたらこの部屋ろくな思い出ないな!?)


755: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:31:00 ID:AR9F6gVQ

成幸 「お邪魔しまーす……」

理珠 「どうぞ」

理珠 「服を見たいと言っていましたが、具体的に言うとどのような服を見たいですか?」

理珠 「トップス、ボトムス、アウター……色々ありますが」

成幸 「ああ、水希が見てたのはトップス? かな? 上に身につけるようなやつだ」

成幸 「あとはワンピースタイプの服とかも見せてくれるとありがたいな」

理珠 「ふむふむ。それならこのあたりですね」

ゴソゴソ……

理珠 「……こういう服ですか?」

成幸 「ああ、そうそう、まさにそういうのだよ」

理珠 「でしたら、この段とこの段、好きにみてもらって構わないですよ」

理珠 「私は今日教えてもらった部分を復習していますので」

成幸 「えっ……?」


756: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:31:52 ID:AR9F6gVQ

成幸 「い、いや、さすがにそれはまずいだろ」

理珠 「なぜです? 服を見るだけでしょう。何かまずいことがありますか?」

成幸 (……試されてる? いや、緒方の場合は本気でそう思ってる気がするな)

成幸 「その申し出はありがたいが、女子のタンスを勝手に覗くのはちょっと、気が引けるな」

理珠 「そういうものでしょうか……」

理珠 「それなら、適当に広げておきますので、勝手に見てください。手に取ってもらって構いません」

成幸 (それはそれでどうなんだろう、とは思わなくもないが……タンスを漁るよりははるかにマシか)

成幸 (きっと俺のことを信頼してくれているんだろう。それなら、俺もその信頼に応えるまでだ)

ポン……ポン……

理珠 「……こんなものでいいでしょうか。だいたい、今の時期はこれらを着回しています。重ね着とかをします」

理珠 「では、私は机で勉強をしていますから、何かあったら声をかけてください」

成幸 「ああ、ありがとな、緒方。助かるよ」

理珠 「いえいえ」

成幸 (本当に勉強を始めたぞ……。まぁ、いい。緒方の申し出は素直にありがたいし、お言葉に甘えよう)


757: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:32:44 ID:AR9F6gVQ

………………

成幸 「ふむふむ……」

メモメモメモ……

成幸 (縫い方とか参考になるな……。糸の色や太さを変えても楽しそうだ)

成幸 (飾りのポケットとかもデザイン的に面白いぞ)

成幸 (シンプルなデザインが多いから、作るのもわりかし簡単そうだし……)

成幸 (緒方に相談して良かった)

成幸 (古橋はちょっと小綺麗にまとまりすぎてて、着る人を選びそうだし……)

成幸 (うるかはちょっと露出度が高すぎて水希には兄として絶対着させられないし)

成幸 (あしゅみー先輩はパンキッシュすぎて絶対水希には似合わないし)

成幸 (桐須先生はジャージだし関城は白衣だし、論外として)

成幸 (……いや、まぁ、それは置いておくとして……)

成幸 (服を見るだけで分かる……。やっぱり緒方の胸のサイズ、とんでもないな……すげぇ……)

ハッ

成幸 (緒方は俺を信じて服を見せてくれているというのに!! 俺はなんて不埒なことを!!)


758: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:33:40 ID:AR9F6gVQ

理珠 「………………」

ドキドキドキドキ……

理珠 (なぜ、でしょうか……?) カァアアア……

理珠 (私はただ服を見せているだけだというのに、ドキドキが止まりません)

理珠 (まったく不可解です。成幸さんが被服作成の参考にするために、見せてあげているだけなのに)

理珠 (……なぜ、こんなに頬が熱いのですか。なぜこんなに、勉強に集中できないのですか)

チラッ

成幸 「ふむ……なるほど……」

理珠 (な、成幸さんが、私が普段着ている服を、手に取って、興味津々そうに見ている……)

理珠 (ふぅ。理解不能です。なぜ私は、こんなに……)

理珠 (いけないことをしてしまっているような気持ちになっているのでしょうか……)

成幸 「ん……? なぁ、緒方」

理珠 「!?」 ビクッ 「は、はい!? なんですか!?」


759: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:34:43 ID:AR9F6gVQ

成幸 「……? どうかしたか?」

理珠 「い、いえ、なんでもありません……」

理珠 「何かありましたか?」

成幸 「ああ、悪い。この服がどうしても、どういう構造なのか分からなくてさ」

成幸 「どっちが表でどっちが裏かもよく分からないし、メビウスの輪かと……」

理珠 「……? ああ、たしかにその服を見て私もメビウスの輪を思い出します」

スッ

理珠 「これはワンピースタイプの服ですね。貫頭衣みたいな構造になってます」

成幸 「ふむ……作りはシンプルだけど、作り方を間違えるととんでもないことになりそうだな」

成幸 「オシャレな感じだから、作ってやったら水希が喜ぶかもと思ったが……」

成幸 「着方もよく分からないし、やめておいた方が無難か」

理珠 「……それでしたら、もしよかったらいま着てみましょうか?」

成幸 「へ? いいのか?」

理珠 「べつに減るものでもありませんし、構いませんよ。ちょっと廊下に出ていてください。すぐ着ますから」


760: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:36:05 ID:AR9F6gVQ

………………

成幸 (実際に着てもらうことになるとは……。緒方に悪いな)

成幸 (でも、助かるな……)

スルッ……スルッ……

成幸 「……!?」 (き、衣擦れの音……)

成幸 (よ、よく考えたら、ドアの向こうで緒方が着替えてるんだよな……)

ハッ

成幸 (ば、バカか俺は! 俺のために着替えてくれてる緒方に、なんて下劣なことを……!)

ガチャッ

成幸 「!?」

理珠 「着替え終わりました。入っていいですよ……って、成幸さん、すごい顔ですよ。どうかしたのですか?」

成幸 「あ、いや、なんでもない……」

成幸 (び、びっくりした……)


761: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:36:43 ID:AR9F6gVQ

………………

成幸 「ふむふむ、なるほど……」

成幸 「こういう構造になっているのか……」

理珠 「………………」

理珠 (うぅ……服を見られているときも恥ずかしかったですが……)

理珠 (着ている服をまじまじと見られるのは、もっと恥ずかしいです……)

モジモジ

成幸 「ん……あっ」

成幸 「わ、悪い。近くで見すぎたな。すまん」

理珠 「いえ……」

理珠 「ど、どうですか?」

成幸 「ん……大体どういう風になってるのか分かったから、結構簡単に作れそうだ」

成幸 「ちょっとメモさせてくれ」


762: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:37:21 ID:AR9F6gVQ

成幸 「えっと……ここがこうなってるのか……」 メモメモ

理珠 「………………」

プクゥ

理珠 (……成幸さん、かわいいとは言ってくれないのですね)

理珠 (せっかく着てあげたのだから、それくらい言ってくれてもいいのに……)

ハッ

理珠 (わ、私は何を……。私から着てあげると提案しておいて、なんて厚かましい……)

理珠 (というか、私は……成幸さんに、もう一度、かわいいと言ってほしいのしょうか……)

理珠 「………………」

理珠 (そもそも、成幸さんは、私の私服がかわいいと言っていただけであって、私のことなんて一言も言っていないのに)

理珠 (……何を勝手に舞い上がっていたのでしょうか。今だって、私には目もくれず、メモを取っているのですから)

理珠 (まったく、不可解です。私は一体何を期待していたのでしょうか……)


763: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:38:03 ID:AR9F6gVQ

成幸 「……っと、よし、メモも終わったぞ」

成幸 「緒方、ありがとな。おかげで水希に作ってあげられる服が増えそうだよ」

理珠 「……そうですか。それは何よりです」

成幸 「……? 緒方、どうかしたか?」

理珠 「何もありません」 ムスッ

成幸 (いや絶対何かあっただろ……)

理珠 「……着替えますから、また廊下で待っててもらえますか」

成幸 「あ、ああ。まぁ、それはいいけどさ……」

クスッ

成幸 「お前ってさ、得だよな」

理珠 「へ……? な、何の話ですか?」

成幸 「美人だからどんな服着ても似合うし、どんなに不機嫌そうでもかわいいことに変わりないし」

成幸 「……っと、悪い。また余計なこと言ったな。じゃあ、廊下出てるわ」


764: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:38:54 ID:AR9F6gVQ

理珠 「………………」

カァアアアア……

理珠 (い、今のは……)


―――― 『美人だからどんな服着ても似合うし、どんなに不機嫌そうでもかわいいことに変わりないし』


理珠 (今のは、服ではなく、私自身のこと……です、ね……?)

理珠 (ま、まったく、不可解なことです……)

理珠 (さっきまで頭にもやがかかっていたようだったのが、一瞬で晴れてしまいました)

理珠 (美人……ふふ、あと、かわいい、ですか……)

理珠 (い、いけません。なぜか、笑みが止まりません)

理珠 (ふふっ……)


765: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:39:35 ID:AR9F6gVQ

………………数日後

成幸 「緒方、この前はありがとな。本当に助かったよ」

理珠 「? ああ、服を見せたことですか。大したことではありませんから、お気になさらずに」

文乃 「……!? りっちゃん、服を見せたって……おうちで?」

理珠 「そうです。成幸さんにうちで服を見てもらいました」

文乃 (りっちゃん、服を見せるとか……大胆すぎるよ……)

成幸 「水希もすごく喜んでくれてさ。毎日着てくれてるよ」

成幸 (緒方に見せてもらった服を参考にしたって言ったら、なぜか少し不機嫌になったけど、)

成幸 (まぁ、それはわざわざ言う必要はないだろう……)

理珠 「それは何よりです。お役に立てたなら何よりです」

成幸 「おう。それでな」 ゴソゴソ 「本当は余った布で何か作ろうと思ったんだけど、生地が足りなくてさ」

成幸 「毛糸が余ってたから、手袋を縫ってきたんだ。趣味じゃなかったらミトンか軍手代わりにでも使ってくれ」

理珠 「へ……? これ、私にくれるんですか?」

成幸 「お礼だよ。本当にありがとな、緒方」


766: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:41:11 ID:AR9F6gVQ

文乃 (手編みの手袋!? 女子力高いけど重すぎだよ成幸くん!)

文乃 (普通の女子だったら引いちゃうかもしれないレベルだよ!?)

理珠 「こ、これを、私に……」

カァアアア……

理珠 「う、嬉しいです! 使います! 絶対、使いますから!」

成幸 「お、おお、そうか? そんなに喜んでくれると嬉しいな……」

文乃 (けどセーフ! なぜならりっちゃんは結構普通じゃないから!)

理珠 「………………」

スッ……

理珠 「ど、どうですか? 似合いますか?」

成幸 「ああ。前に手を引いたときとかの感覚で作ってみたけど、サイズもピッタリだな。よかった」

文乃 (その発言も一般的には結構気持ち悪いと思うけど、りっちゃん的には……)

理珠 「そ、そういえば、そんなこともありましたね……///」

文乃 (やっぱり! 嬉しそうだ! よかったね成幸くん! りっちゃん!) ヤケクソ


767: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:41:49 ID:AR9F6gVQ

成幸 「我ながら良い出来だ。似合ってるぞ、緒方」

理珠 「ありがとうございます……。ふふふ、手袋……」

文乃 (……まぁ、でも、りっちゃんが嬉しそうだからいいか)

理珠 (成幸さんが作ってくれた、手袋……)

ギュッ

理珠 「大切に使わせてもらいますね、成幸さん」

成幸 「おう!」


おわり


768: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/21(日) 20:42:41 ID:AR9F6gVQ

………………幕間 いつもの場所 「揉み手」

成幸 「……と、いうことで、水希のために緒方に服を見せてもらったんだよ」

文乃 「なるほどねぇ。きみは本当に……」 (天然で女の子を惑わすアクマかな?)

文乃 (ま、いっか。りっちゃん、手袋も喜んでたみたいだし……)

文乃 (手袋……)

文乃 「……さ、最近寒いねー。わたし冷え性だから、手足の先が冷えるんだよねー」

成幸 「へー。やっぱ女子って大変だな。そういや水希も似たようなこと言ってたなぁ」

文乃 「………………」 モミモミモミモミ 「はー……ほんと冷えるねー」

成幸 「はは、揉み手してると、悪い越後屋みたいだな、古橋」

文乃 「………………」 ジロリ 「……唯我くん」

成幸 「ん?」

文乃 「女心の授業、単位は上げられません。再履修してください」

成幸 「なぜ!?」

おわり





『ぼくたちは勉強ができない』カテゴリの最新記事

おすすめ記事

コメントの投稿