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【ぼく勉】うるか 「いつか、絶対」

777: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 00:54:01 ID:REbudaZM

………………唯我家

葉月 「ふんふんふーん♪ それがー、フルピュアー、なのよー♪」

成幸 「なんだ? 葉月のやつ、えらくご機嫌だな」

花枝 「ふふ、今週の日曜日、フルピュアショーに連れてってあげるって言ってから、ずっとああなのよ」

花枝 「楽しみで楽しみで仕方ないみたい」

成幸 「フルピュアショー? 遊園地の招待券でももらったのか?」

花枝 「ううん。近くの住宅公園でやるみたいなの。入場料無料だから助かるわ」

成幸 「なるほどなぁ」

葉月 「ふふんふーん♪」

和樹 「楽しみだなー」

葉月 「うん!」

成幸 (ふふ、葉月、嬉しそうだなぁ……)


778: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 00:55:33 ID:REbudaZM

………………週末 土曜

葉月 「えっ……。明日、行けないの……?」

花枝 「ごめんね、葉月」

花枝 「明日の仕事、休めなくなっちゃったの。どうしてもなのよ」

葉月 「………………」

ニコッ

葉月 「……だ、大丈夫なのよー。お仕事なら仕方ないわ」

葉月 「お母さんは気にしないで、お仕事がんばってね!」

花枝 「葉月……」

葉月 「大丈夫! フルピュアショーはまたいつかやるだろうし、明日じゃなくても……」

グスッ

葉月 「!? ち、違うのよー。これは、べつに……」

花枝 「葉月、ごめんね……」 ギュッ


779: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 00:56:03 ID:REbudaZM

成幸 「………………」 (明日か……。しまったな。うるかとの勉強の約束を入れてしまったぞ……)

成幸 (うるかの試験も近いし、さすがにすっぽかすわけには……)

葉月 「……えぐっ……ぐすっ……」

成幸 「………………」

成幸 「……母さん、俺が連れてくよ。フルピュアショー」

花枝 「成幸……?」

成幸 「だから泣き止めよ、葉月。兄ちゃんが一緒に行ってやるから」

ポンポン

葉月 「ほんと!?」

成幸 「うそなんかつかないよ」

花枝 「成幸……。勉強とかは大丈夫なの?」

成幸 「ん、まぁ、一日家族のために働いて悪い結果が出るような、ヤワな勉強の仕方はしてないからな」

葉月 「わーい! 兄ちゃん大好きー!」 ギュッ

成幸 「よしよし。明日、楽しみだな、葉月」

葉月 「うん!」


780: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 00:56:43 ID:REbudaZM

成幸 「………………」

成幸 (……俺がなんのためにVIP推薦を目指してるのか)


―――― ((このかけがえない家族にいつか楽な暮らしをさせてやるのが俺の夢だ))


成幸 (家族を幸せにするためだ。楽な暮らしをさせるためだ)

成幸 (今、泣いてる葉月を放っておいたら、それも全部うそになってしまう)

成幸 (ただ、うるかには申し訳ないな……)

成幸 (また別の日に埋め合わせしてやらないと……)

成幸 (俺のVIP推薦のためだけじゃない。うるかの夢のためにも)

成幸 (……まずは、取り急ぎ電話で謝らないとだな)


781: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 00:57:38 ID:REbudaZM

………………武元家

うるか 「ふんふふーん♪」

うるか (……えへへ。明日は成幸と久々にふたりっきりだ)

うるか (どうしよっかな。ちょっとおしゃれしてっちゃおうかな)

うるか (海っちと川っちにそそのかされて買った服、着てっちゃったりとか……) ドキドキ

うるか (……まぁ、それでやることがベンキョーっていうのが、テンション下がるけど)

うるか (でも、成幸が自分の勉強時間を削ってあたしに付き合ってくれるんだから、)

うるか (あたしもがんばらないと……)

prrrr……

うるか 「ん……? な、成幸から電話!?」 ピッ 「も、もしもし? 成幸ー? どしたん?」

成幸 『うるか。明日、勉強の約束だっただろ?』

うるか 「へ? う、うん。それがどうかしたの?」

成幸 『……悪い。明日、行けなくなったんだ。ごめん!』

うるか 「えっ……」


782: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 00:58:16 ID:REbudaZM

………………

うるか 「なるほどー。そういう事情なら仕方ないよね」

成幸 『……ごめん』

うるか 「謝らないでよ。全然気にしてないよ。仕方ないって」

うるか 「あたしは成幸がいなくてもひとりで勉強できるし……」

うるか 「………………」

うるか 「フルピュアショー、かぁ……」

成幸 『? どうかしたか?』

うるか 「えっ、あっ、いや……」 アセアセ 「あたしも最近フルピュア観てるって話、前にしたじゃん?」

うるか 「あたしもショーとか行ってみたかったんだよね。でもまぁ、あたしももう高校生だし……」

うるか 「もっと小さい頃にフルピュアを知ってたら、気兼ねなく行けたのかな、とか思っちゃって」

成幸 『ん……』

うるか 「あっ、ごめんね、成幸。変なこと言って。明日、楽しんできてね!」

成幸 『……なぁ、うるか。もし良かったら明日、一緒に行かないか?』

うるか 「へ……?」


783: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 00:58:54 ID:REbudaZM

成幸 『葉月と和樹も一緒だけど、それでいいなら、一緒にどうだ?』

成幸 『たしかに高校生にもなってキャラクターショーにひとりで行くのは気が引けるかもしれんが……』

成幸 『葉月と和樹も一緒なら、付き合いで来てるようにみえるだろう?』

成幸 『それに、終わった後うちに来て、一緒に勉強もできるしな』

うるか 「……い、いいの? あたしも一緒に行っても」

成幸 『もちろんだ。葉月と和樹もその方が喜ぶだろう』

成幸 『……それに、お前には悪いけど、女手があった方が俺もありがたいし』

うるか 「あ……じ、じゃあ、一緒に行こうかな」

成幸 『よーし! じゃあ、勉強道具も忘れずにな!』

うるか 「う、うん。じゃあ、また明日」

成幸 『おう! よろしくな、うるか!』

ピッ

うるか 「………………」

ニヘラ

うるか 「ど、どうしよう……。明日、お出かけになっちゃったよぅ。えへへ……」


784: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 00:59:38 ID:REbudaZM

うるか (葉月ちゃんと和樹くんが一緒……。フルピュアショー……)

うるか (……それなら、あの可愛い服、着てってもいいかな)

うるか (へ、ヘンとか思われないかな。似合わないとか、言わない……よね)

うるか (えへへ……)

ハッ

うるか (い、いけないいけない。明日は成幸にとっては大事な家族サービスなんだから、気を引き締めないと)

うるか (勉強道具、忘れないようにもう入れちゃおう)

うるか (あとは、ハンカチとティッシュ……チビちゃんたちもいるから、多めに持ってこう)

うるか (あとは、あとは……) ピキューン (そうだ! 経験者に聞けばいいんだ!)

ガチャッ

うるか 「ねー、ママー! あたしが小さい頃お出かけするとき何用意したー!?」


785: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:00:08 ID:REbudaZM

うるか母 「……いきなり部屋から飛び出してきたと思ったらいきなりどうしたの?」

うるか 「ちょっと友達の弟妹とお出かけすることになったの!」

うるか母 「? まぁよく分からないけど、とりあえずあんたが小さい頃使ってたバルーンバッグ貸してあげるわ」

うるか 「!? たくさんものが入りそう! ありがとう、ママ!」

うるか母 「あんたが小さい頃、その中に必要そうなもの全部入れてったわ。なつかしいわねぇ……」

うるか 「ハンカチとティッシュは多めにいれたよ! あとは何がいるかな?」

うるか母 「そうねぇ……。飲み物を多めに持っていくのと、お菓子かしら」

うるか母 「ぐずったりしたときに便利なのよ」

うるか 「なるほどなるほど。じゃあ、あたし秘蔵のお菓子を入れとこう」 ポイポイポイ

うるか母 「あとはねぇ……」

うるか 「ふむふむ……」


786: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:00:50 ID:REbudaZM

………………翌日 駅前

うるか 「おはよう、成幸! 葉月ちゃん! 和樹くん!」

成幸 「お、おう、おはよう、うるか」

葉月&和樹 「「おはよー! うるか姉ちゃん!」」

成幸 「なんか、えらく大荷物だな」

うるか 「ふふーん、そうでしょ? 葉月ちゃんと和樹くんとお出かけだから、」

うるか 「色々と必要そうなものを持ってきたんだよ」

成幸 「そ、そうか。なんか悪いな。重くないか?」

うるか 「大丈夫! 大して重くないよ!」

成幸 (ペットボトルとかお菓子が見え隠れしてるな……)

成幸 (葉月と和樹のために持ってきてくれたのか……)

成幸 「……俺、ほとんど荷物ないし、持つよ」

うるか 「へ……? い、いやいや、あたしが勝手に持ってきただけだから――」

成幸 「――いいから貸せよ、ほら」


787: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:01:21 ID:REbudaZM

ズシッ

成幸 「!?」 (な、何が大して重くない、だ)

成幸 (めちゃくちゃ重いじゃねーか!)

うるか 「大丈夫、成幸? あたしヘーキだから、持つよ?」

成幸 「だ、大丈夫だ。これくらい軽い軽い」

成幸 「それに、その服、この前買った服だろ?」

うるか 「へ……?」

成幸 「せっかくかわいい服なんだから、大荷物なんか持ってたらもったいないだろ」

うるか 「………………」

ボフッ

うるか 「……か、かかかかかか、かわいい?」

成幸 「……?」 ハッ (な、何を言ってるんだ俺は!? か、かわいいって……)

成幸 (これじゃ俺がうるかのこと口説いてるみたいじゃねーか!)

成幸 (うるかには好きな人がいるってのに、俺はなんてアホなことを……!)


788: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:01:57 ID:REbudaZM

成幸 「ち、違うぞ、うるか! 俺は、ただ、服のことを言っただけであって……」

うるか 「……っ」

うるか (そ、そうだよね。あたしには、こういうかわいい服は似合わないよね……)

うるか 「………………」

うるか (違う……)


―――― 『今日のあたしさ お姫様みたいじゃない?』

―――― 『こ……このカッコ 似合って…… ないかな……』

―――― 『あ あはは やっぱいいや!』

―――― 『成幸の感想なんてどうでもいいしっ! じゃあねっ!』


うるか (……あたしは、だって、もう、あのときのあたしとは違うもん)

うるか 「じ、じゃあさ……」

ズイッ

うるか 「この服、あたしには似合わない?」


789: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:02:33 ID:REbudaZM

成幸 「へっ……!?」 (ち、近っ……)

成幸 「いや、えっと……」

うるか 「………………」

成幸 「………………」

ドキドキドキドキ……

成幸 「に、似合ってないわけ、ないだろ……」

成幸 「お姫様……みたいで……その、あ、えっと……」

成幸 「かわいいと、思います、です……」

うるか 「………………」

クスッ

うるか 「あははっ、成幸めっちゃ顔真っ赤ー! なんで敬語になってんのさー!」

成幸 「う、うるせーな! そういうお前だって顔真っ赤じゃねーか!」

うるか (そんなの当たり前じゃん……)

うるか (大好きな人にかわいいっていわれて、嬉しくて仕方ないんだもん!)

クイックイッ


790: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:03:05 ID:REbudaZM

うるか 「ん……? 葉月ちゃん?」

葉月 「兄ちゃんとうるかお姉ちゃんのラブラブもいいんだけどね」

葉月 「早くフルピュアショー見に行きたいのよね」

うるか 「あっ……そ、そうだよね! ごめんごめん」

和樹 「兄ちゃん、まだ顔真っ赤だぞ?」

成幸 「う、うるせーな。わかってるよ……」

成幸 (……っ、なんか、よくわからないけど、)

成幸 (今日のうるか、めちゃくちゃかわいいな……)

ハッ

成幸 (いかんいかん。俺の事情に付き合ってくれてるうるかに、変なことを考えるな、俺)

成幸 (うるかには好きな人がいるんだ。俺が変なことを考えちゃいかん)

うるか 「ほら、成幸ー、行くよー?」

成幸 「あ、ああ……」

成幸 (……大丈夫。俺はうるかの友達。ただの、友達なんだから)


791: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:03:43 ID:REbudaZM

………………住宅展示場

うるか 「おー! すごいね、成幸」

うるか 「オシャレなおうちがたくさん並んでるよ」

成幸 「……なるほどなぁ。色んな会社がそれぞれの家を展示してるんだな」

成幸 「そりゃ、どの会社もオシャレで見栄えがする家を展示するよな」

葉月 「フルピュアショーはどこでやるのかしら?」

成幸 「ん……ああ、案内が出てるな」

成幸 「どうも、受付を済ませる必要があるみたいだな。まず受付の建物に行こうか」

葉月 「じゃあ、早く、早く。ショーが始まっちゃうわー」

成幸 「まだ時間はあるから大丈夫だよ。……わわっ、引っ張るなって」

うるか 「……葉月ちゃん、本当に楽しみにしてたんだねー、フルピュアショー」

和樹 「んー、まぁ、うちは貧乏だから、遊園地とかのショーは行けないからなー」

和樹 「無料で観られるって知って、本当に楽しみにしてたんだよ」

うるか 「そっか……」


792: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:04:18 ID:REbudaZM

………………受付

成幸 「………………」

成幸 (や、やばい……! 周りにいる人たち、どう見てもみんな……)

成幸 (新婚さんとか、お子さん連れとか、とにかく夫婦ばっかりだー!)

成幸 (高校生と小児連れの俺たちは、確実に浮いている……!)

係員 「あの、お客様?」

成幸 「!? は、はい!」

係員 「受付はまだでしょうか? よろしければ、こちらのカウンターでお受け致しますが」

成幸 「あ、は、はい……よろしくお願いします……」

成幸 (だ、大丈夫なのか? そもそもここ、住宅展示場だよな)

成幸 (俺みたいな高校生が来ていいところじゃないんじゃ……)

係員 「奥様とお子様も、こちらの席にお座りください。どうぞ」

うるか 「……!?」

うるか (お、奥様!?)


793: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:05:15 ID:REbudaZM

成幸 「あ、いや、彼女は……――」

うるか 「――は、はい! 奥様です!」

成幸 「へ……!?」

うるか 「ほら、葉月ちゃんと和樹くんも、こっち座ろうねー」

葉月 「? はーい」

成幸 「う、うるか……?」

うるか 「しーっ」 コソッ 「高校生だってバレたら追い出されちゃうかもだよ?」

うるか 「ここは、夫婦のフリ、するしかないっしょ」

成幸 「そ、そりゃそうかもしれんが……」

係員 「お客様? どうかされましたか?」

成幸 「い、いえ、なんでもないです!」

係員 「では、旦那様、奥様、当展示場の説明をさせていただきます」

成幸 (旦那様……)

うるか (奥様、かぁ……///)


794: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:06:13 ID:REbudaZM

………………受付後

成幸 「………………」

ガクッ

成幸 「……し、死ぬかと思った」

うるか 「まったくもー。成幸は小心者だなー」

うるか 「べつにウソついたわけでもないし、向こうがあたしたちのこと……ふ……」

カァアアアア……

うるか 「夫婦って、勘違いしただけだし……」

成幸 「夫婦……」

カァアアアア……

成幸 「……そ、そりゃ、そうだけど……」

葉月 「もー、うるかママも成幸パパも、見つめ合ってないで、フルピュアショー行くわよー!」

クイクイ

成幸 「ぱ、パパ……?」

うるか 「ママ……!?」


795: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:06:59 ID:REbudaZM

葉月 「? だって、新婚さんのフリするのよね?」

和樹 「じゃあ今日一日、兄ちゃんと姉ちゃんは、成幸パパとうるかママだな!」

成幸 「い、いや、それは……さ、さすがに……///」

うるか 「い、いいじゃん! その方が、都合がいいこともあるだろうし……」

成幸 「うるかがいいならいいけどさ……」

うるか (ま、ママかぁ……えへへ……)

成幸 (パパって……さすがに、まずい気がするぞ……)

うるか 「よーし、じゃあ行くぞー、葉月ちゃん、和樹ちゃん」

葉月 「おー!」

和樹 「いくぞー!」

ドタドタドタドタ……

成幸 「ち、ちょっと待ってくれー! 荷物があるんだよー!」


796: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:07:44 ID:REbudaZM

………………広場

葉月 「きゃー! ショーのための舞台があるわー!」

和樹 「夢にまで見たフルピュアショーだもんな。よかったな」

葉月 「うん!」

うるか 「お子様は前に行っていいみたいだよ。いってらっしゃい、ふたりとも」

葉月 「わーい!」

成幸 「パパとママはここで座って後ろから見てる感じか。なるほどなぁ……」

うるか 「大人が前に行っちゃったら小さい子が見えなくなっちゃうもんね」

成幸 「……お前は前に行かなくていいのか?」 クスッ

うるか 「! もーっ、子どもあつかいしないでよー、成幸!」

うるか 「あたしは大人なフルピュアファンだからね。後ろからこっそり応援するよ」

客1 (なんか、すごく若い夫婦……)

客2 (いいなぁ、若くて……。ラブラブだなぁ……)


797: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:08:34 ID:REbudaZM

葉月 「うるかママー! 成幸パパー!」

ブンブンブン

成幸 「お、おー、葉月ー」

成幸 (さ、さすがに大声でママパパ呼びされると恥ずかしいな……)

成幸 (うるかもさすがに嫌かな……? うつむいちゃったぞ……)

うるか 「………………」

うるか (なにこれ幸せすぎて怖い)

うるか (これからフルピュアショー観られるってだけでも嬉しいのに、)

うるか (成幸と新婚夫婦役とか幸せすぎて怖い)

ニヘラ

うるか (ニヤけるのが止まらなくて、顔上げられないよ~~~!!)

客1 (ラブラブアベック……)

客2 (初々しい新婚さん……)

((いいなぁ……))


798: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:09:06 ID:REbudaZM

………………フルピュアショー

怪人 『ゲッヘッヘッへ、今日は住宅展示場にお邪魔したぞ~』

怪人 『美味そうな子どもたちがいっぱいだな~、ゲッヘッヘッへ!!』

成幸 (おお、アニメと違って着ぐるみだと少し迫力があるな)

成幸 (あいつら怖がってないかな……?)

葉月 「きゃー! きゃー! 怪人さんがいるわー! 本物よー!」

和樹 「アニメよりかっこいいな。ふむふむ」

成幸 (うちの弟妹はそんなにヤワじゃないよな……)

成幸 (それにしても、まだフルピュアも出てないのにすごい喜びようだな……)

うるか 「ねぇねぇねぇ見て見て成幸! 本物の怪人さんだよ!」

うるか 「来てよかったよー!」

成幸 (お前もか、うるか……)


799: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:09:43 ID:REbudaZM

 『お待ちなさい!!』

バーン!!!!

うるか 「キャーーーーー!!! フルピュアだよ成幸! 本物だよ!」

成幸 (どっちかっていうと、アニメの方が本物なんじゃないかと思うんだが……)

成幸 「あ、ああ、そうだな……」

葉月 「きゃー! 勢揃いしてるわー!」 ワクワク

和樹 「フルピュアって結構大きいんだな……」 ドキドキ

成幸 「………………」

クスッ

成幸 (まぁ、みんな楽しそうだしいいか……)

うるか 「きゃー! 見て成幸! フルピュアダークネスも出てきたよ!?」

バシバシバシ

成幸 「痛い痛い痛い! どんだけ興奮してるんだうるか!?」


800: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:10:22 ID:REbudaZM

………………ショー終了後

葉月 「うるかママー! すごかったわー!」

タタタタタ……ギュッ

うるか 「そうだねぇ、葉月ちゃん。ダークネスもカッコよかったねぇ」

葉月 「うん!」

うるか 「この後は写真撮影ができるみたいだよ。ほら、並ぼう、葉月ちゃん」

葉月 「写真撮影?」

成幸 「フルピュアと写真が撮れるみたいだな。握手もしてくれるみたいだぞ?」

葉月 「本当に!? 行くわ行くわー!」


801: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:10:56 ID:REbudaZM

………………

成幸 「ほら、葉月と和樹の番だぞ。いってこい」

葉月 「うん!」 ドキドキドキ

うるか 「あはは、葉月ちゃんも和樹くんも緊張した顔だね」

成幸 「憧れのヒーローが目の前にいて嬉しいんだろうなぁ……」

成幸 「今日、来られてよかった。ありがとな、うるか」

うるか 「へ……? べ、べつにあたしは何も……」

うるか 「今日だってついてきただけだし……」

うるか 「っていうか、はりきって荷物たくさん持ってきちゃった。ごめんね、持たせて」

成幸 「葉月と和樹のために持ってきてくれたんだろ? ありがたいよ」

うるか 「えへへ……」

チラッ

うるか (葉月ちゃんも和樹くんも嬉しそう。いいなぁ、フルピュアと写真……)

うるか (って、まぁ、高校生のあたしがうらやましいって思うもんじゃないよね)


802: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:11:53 ID:REbudaZM

成幸 「……?」 (うるか……なんか……)


―――― 『いちフルピュアファンとして……ちゃんと3色揃ってないのはナットクいかないっつーか……』


成幸 (文化祭でも相当こだわりがあったみたいだし、本当にフルピュアが好きなんだよな……)

成幸 (ひょっとして、写真……)

パシャッ

うるか 「……ん、成幸、ふたりとも写真撮影終わったみたいだよ」

成幸 「ああ……。じゃあ、行こうか」

うるか 「……うん」

ギュッ

うるか 「……? 成幸、どうしたの?」

成幸 「すみません。次、俺たちも撮ってもらってもいいですか?」

うるか 「へっ……?」

成幸 「悪い、葉月、和樹、ちょっとそっちで待っててくれ」

うるか (成幸、ひょっとして……) カァアア…… (あ、あたしのために……?)


803: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:16:43 ID:REbudaZM

………………撮影後

うるか 「………………」

ジーーーッ

うるか (ど、どうしよう……フルピュアと写真撮影しちゃったよ……)

うるか (全員と握手までしてもらっちゃったし……)

うるか (それに……)

うるか (……これ、成幸とのツーショットでもあるよね)

ニヘラ

うるか (えへへ……えへへへへ……)

成幸 (うるかの奴、本当に嬉しそうな顔だ)

成幸 (……ちょっと恥ずかしかったけど、写真撮ってもらってよかったな)

和樹 「よかったな、写真撮ってもらって、ハグもしてもらえて」

葉月 「うん! この写真、わたしの宝物にするの!」

成幸 (葉月と和樹も本当に嬉しそうだ。来て良かった……)


804: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:17:17 ID:REbudaZM

うるか 「この後どうするの?」

成幸 「ん……なんか、受付でもらった袋に、チケットがいくつか入っててさ」

うるか 「チケット?」

成幸 「ああ。展示場の色々な場所に屋台みたいなのがあるみたいだな」

成幸 「……!? そこでチケットを渡せばただで食べ物がもらえるみたいだぞ!?」

葉月&和樹 「「タダ!?」」 キラキラ

成幸 「タダで食べ物がもらえるとは……ここは天国か……」

うるか (そんなに……?)

クスッ

うるか 「よーし、じゃあ、展示場回って食べ物もらいに行くかー!?」

葉月&和樹 「「おー!!」」

成幸 「タダで食べ物……タダで……す、すごすぎるぞ……」

うるか 「いつまで驚いてんのさー、成幸ー。行くよー!」


805: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:18:08 ID:REbudaZM

………………

成幸 「ほ、ホットドッグ!? ホットドッグをタダで!?」

スタッフ 「え、ええ、そうですけど……」

スタッフ 「4名様ですよね。どうぞ」

ゴソッ

成幸 「に、人数分!? 人数分、タダでくれるんですか!?」

成幸 「ほ、本当にタダなんですか!? 帰りにお金を請求されたりとか……」

うるか 「もー、恥ずかしいからやめてよ成幸! 大丈夫だよ!」

………………

成幸 「焼きそば!? 焼きそばもタダで!?」

成幸 「しかも結構大きいパッケージに……また人数分!?」

成幸 「お肉も野菜もたくさん入ってて……マヨネーズかけ放題ですって!?」

スタッフ 「え、ええ……」

成幸 「本当にタダなんですか!? どうしてタダにできるんですか!?」

うるか 「もー! だから恥ずかしいからやめてってばー!」


806: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:19:11 ID:REbudaZM

………………

成幸 「タダでお腹いっぱいになってしまった……」

成幸 「しかも葉月と和樹は風船までもらって……」

成幸 「罰が当たらないだろうか……」

うるか 「大丈夫だよ、もー」

うるか 「スタッフの人も言ってたじゃん。展示場を回ってもらうためのイベントなんだって」

うるか 「だから、あたしたちが屋台を回ってタダで食べ物をもらうだけでいいんだって」

成幸 「む……仕組みは理解しているんだが、なんかこう、釈然としないというか……」

葉月 「フルピュアショーも写真撮影もタダでできて……」

和樹 「おなかいっぱいになるまでご飯食べられて、風船までもらって……」

葉月&和樹 「「天国だ……」」

うるか 「兄弟だねぇ……」

うるか 「ほら、ふたりとも、喉渇いたでしょ。お茶飲みなー」

葉月&和樹 「「はーい」」


807: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:20:02 ID:REbudaZM

成幸 「ありがとな、飲み物。本当に助かるよ……」

うるか 「なんのなんの。家にあったやつだから気にしないで」

成幸 「……悪い。ありがとう」

ハァ

成幸 「それにしても、こうもカラフルで立派な家が並んでると壮観だな」

うるか 「そうだね。三階建てとか憧れるよね」

成幸 「うちはまず平屋だから二階建てに憧れるけどな」

成幸 「………………」

成幸 「……なぁ、うるか。ちょっと俺の話をしてもいいか?」

うるか 「? 成幸の話? いいけど、どんな話?」

成幸 「……俺さ、いつかお金をたくさん稼いで、家を建てるんだ」

うるか 「へ? 家?」


808: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:20:53 ID:REbudaZM

成幸 「おう。できるだけ立派で広い家。それこそ……」

葉月 「……はー、あとはお菓子もあったら言うことないわね」

和樹 「さすがに天国でもそこまではムリだろー」

成幸 「……母さんと水希と、あいつらふたりが、不自由しないような家」

成幸 「いつか絶対、建てたいんだよ。こういうところに来ると、がんばらなきゃって思えるな、って感じてさ」

成幸 「俺の夢は、家族に幸せに楽な暮らしをさせてやることだからさ」

成幸 「家を建てるっていうのも、俺にとってはきっと夢のひとつなんだろうな、って……」

成幸 「……ははっ、悪い。何を言いたいんだかよく分からない、つまらない話をしちゃったな。悪い。忘れてくれ」


―――― ((このかけがえない家族にいつか楽な暮らしをさせてやるのが俺の夢だ))


成幸 (はは、俺の夢……。そんなの夢じゃないとか、つまらないとか、そういう風に言われること、多いしな……)

成幸 (うるかだってこんな話されて困って……――)


うるか 「――……つまらなくなんて、ないよ」


成幸 「えっ……?」


809: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:21:37 ID:REbudaZM

うるか 「だってそれ、成幸にとって、大事な夢なんでしょ?」

うるか 「立派じゃん。すごいじゃん。本当に、すごいことだよ、それって」

うるか 「だから、つまらなくなんてないよ。大事な話、してくれてありがとう、成幸」

ニコッ

成幸 「うるか……」 ドキッ

成幸 「ま、まぁ、葉月と和樹の教育資金も必要だし、家なんかいつ建てられるか分からないけどな」

成幸 「母さんだっていつ体調崩すか分からないし……」

うるか 「……でも、いつか叶えられたらいいね」

うるか 「……ううん。いつか、絶対叶えようね、その夢。一緒に大きなおうち建てようね!」

成幸 「……おう!」

成幸 (……ん? 一緒に……? 一体どういう意味だ?)

うるか (はっ、し、しまった……! ついつい、成幸が夢の話をしてくれたのが嬉しくて、一緒にとか言っちゃった!)

成幸 (……まぁ、いいか。きっと大した意味じゃないだろう)

うるか (まぁいいよね! きっと成幸ニブチンだから気づかないし!)


810: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:23:02 ID:REbudaZM

葉月 「……ん?」

(´(ェ)`)ノシ

葉月 「……んー? んん??」

和樹 「? どうかした?」

葉月 「あのおうちから、くまさんが手を振ってるわ」

和樹 「くまさん……? ああ、玄関から手振ってるな」

葉月 「おいでおいでしてる?」

和樹 「してるな」

成幸 「? おい、どうしたんだ?」

葉月 「クマさんが呼んでるのー」

和樹 「行ってみようぜ、兄ちゃん――じゃなかった、パパ!」

成幸 「あ、ち、ちょっと待てって!」


811: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:23:45 ID:REbudaZM

タタタタタ……

葉月 「クマさん、こんにちは!」

和樹 「こんにちは!」

クマ 『こんにちは!』

クマ 『ふたりとも挨拶できて偉いね~!』

クマ 『お父さんとお母さんはいるのかな?』

和樹 「うん! いまこっちにくるよ!」

クマ 『そっかぁ……』

キラン

クマ 『実はね、おうちの中に、美味しいジュースとお菓子があるんだけど、』

クマ 『食べに来ないかな?』

葉月 「お菓子!? ジュース!?」  和樹 「いいの!?」


812: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:24:30 ID:REbudaZM

成幸 「……? お、おいおい、なんか展示住宅の中に入っちゃったぞ!?」

うるか 「誘拐!?」

ドタドタドタドタ……

スタッフ 「こんにちは。先ほどのお子様の、お父様とお母様ですか?」

成幸 「え、ええ。そうですけど、葉月と和樹は……」

スタッフ 「中にご案内しております」

ニコッ

スタッフ 「温かいお茶のご用意もありますので、旦那様、奥様もどうぞ」

成幸 「えっ、い、いや、でも……俺たち、その、お金もないし……」

スタッフ 「ご予算のご相談でしたらお受け致しますし、低金利のローンもご用意できます」

スタッフ 「ぜひ、お話だけでも聞いていただければと思います」

成幸 「えっ、あっ……えっと……」


813: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:25:00 ID:REbudaZM

………………展示住宅内

葉月 「きゃー!」

和樹 「広いなー! きれいだなー! うちの何倍あるかなー!」

ドタバタドタバタ……

成幸 「こ、こら! 余所様のお宅なんだから、静かにしなさい!」

スタッフ 「大丈夫ですよ、お客様。弊社の住宅の一番のウリは頑丈さですから」

スタッフ 「他のスタッフがお子様の遊び相手を務めておりますので、ご心配なく」

成幸 (ど、どうしよう、うるか。仕方なく入っちゃったけど、高校生ってバレたら怒られるかな……) コソッ

うるか (バレないってばー。大丈夫だよ。どんと構えてようよ) コソッ

成幸 (こういうとき、お前の脳天気さが頼もしいよ……) コソッ

スタッフ 「では、お客様。家の中をご案内いたしますね」


814: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:25:36 ID:REbudaZM

………………

成幸 「………………」

成幸 (すごい……!!)

成幸 (鉄筋コンクリート製の家は外だけじゃなく中も立派だ)

成幸 (トイレも風呂もキッチンも非の打ち所のない美しさと機能を兼ね備えている!!)

成幸 (収納も多いし部屋数も豊富だ。いつか葉月と和樹が大きくなったとき、それぞれに部屋を与えることもできるだろう……)

成幸 (ただし!)

スタッフ 「えー、ただいま見ていただいたこの家ですと、大体ピー千万円からになります」

スタッフ 「弊社でご用意させていただく土地をご購入いただければ、土地自体は格安ですし、オプションをおつけすることもできます」

成幸 「ち、ちょっと、そのお値段は手が届かないかな、と……」

スタッフ 「そうですか。もっとお安い間取りもございますので、こちらのモデルプランをぜひお持ちください」

スタッフ 「低金利のローンのご用意もございますので、ぜひご検討いただければと思います」

成幸 (うぅ……。たしかに魅力的な家だが、さすがにまったく検討もつかない金額だから何も考えられんな)

うるか 「ふむふむ……なるほどなるほど……」

成幸 (頼みの綱のうるかは向こうで別のスタッフさんと何か喋ってるしー!)


815: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:26:22 ID:REbudaZM

うるか 「……!? ほんとですか!?」

うるか 「ねえねえ成幸! すごいこと聞いちゃったよ!」

成幸 「……?」

うるか 「たとえばあたしが仕事なりパートなりをして、月々の生活費を捻出できれば、」

うるか 「成幸の給料から葉月ちゃんと和樹くんの教育ローンと家のローンも組めるって! しかも貯金もできる!」

うるか 「ボーナスをローン返済に回せば、三十年ローンを組んだとして、十五年で完済できるかもって!」

成幸 「お、おう……。お前の口から難しい言葉が出てくるとなんか違和感あるな……」

成幸 「……っていうかその試算、お前が働くって前提だろ? 俺の給料だってまだ不確定だし……」

うるか 「大丈夫! 成幸のお給料で足りない分は、あたしががんばって稼ぐし! 家事だってがんばるし!」

うるか 「成幸の夢、叶えるためだったらいくらでもがんばるよ!」

成幸 「お、おう……///」 (お、奥さんのフリ、具体的にやりすぎだろ……さすがに照れるぞ……)

スタッフ 「……良い奥様ですね」 コソッ

成幸 「へっ……!?」 カァアアアア……

うるか 「?」

成幸 「………………」 コクッ 「……そう、思います。本当に」


816: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:27:26 ID:REbudaZM

………………帰路

葉月&和樹 「「………………」」 zzz……

成幸 「ったく、散々遊び回って、疲れたら寝ちまうんだからなぁ……」

うるか 「子どもらしくていいじゃん。ふたりとも幸せそうだし」

成幸 「悪いな。葉月おんぶさせちゃって」

うるか 「ううん。寝てる子どもの体温、湯たんぽみたいで気持ちいいよ。得した気分」

成幸 「……お前のその前向きさ、ほんと見習いたいよ」

うるか 「そう? えへへ、褒められちったー」

ルンルン♪

成幸 「………………」

クスッ

成幸 「……お前はほんと、“良いお嫁さん” になりそうだな」

うるか 「……はぇ!?」

カァアアア……

うるか 「き、急になに、成幸……」


817: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:27:58 ID:REbudaZM

成幸 「いや、そう思ったから言っただけだよ。料理も美味いし、前向きだし、体力もあるし、元気だし……」

成幸 「……って、変なこと言ったな。悪い」

うるか 「………………」

うるか (まったく、成幸ったら……人の気も知らないで……)

うるか (でも、そっか……。成幸がそう思ってくれてるんだ)

うるか (あたしのこと、“良いお嫁さん” になるって思ってくれるんだ)

グッ

うるか 「……うん。なるよ」

成幸 「ん?」

うるか 「なるよ。“良いお嫁さん”」

成幸 「あ、ああ。そうか。そうだよな」 ニコッ 「本当に、なると思うよ。“良いお嫁さん”」

うるか (いつか、成幸の、“良いお嫁さんに”)

ニコッ

うるか 「うん! いつか、絶対。なってみせるから」

おわり


818: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:28:41 ID:REbudaZM

………………幕間1 夜 唯我家 「敵」

水希 「今日は本当にありがとうございました、武元さん」

うるか 「へ……? あたしなんかしたっけ?」

水希 「葉月と和樹から聞きました。フルピュアショーが本当に楽しかったって」

水希 「あのふたりがニコニコ嬉しそうにわたしに言うんです。だから、本当に楽しかったんだろうな、って……」

うるか 「いやいや、あたしが勝手についていっただけだから、気にしなくていいよ」

うるか 「あたしも楽しかったしね!」

水希 (この人は本当に、葉月と和樹のために色々してくれたらしい……。武元さんには気を許してもいいかな……――)

葉月 「――あっ、うるかママー! ……じゃなかった、うるかお姉ちゃーん」

水希 「………………」 ガシッ 「……待って、葉月。ママって何?」

葉月 「? ちょっとね? 誤魔化さなくちゃいけなかったから? うるかお姉ちゃんがママ役で、兄ちゃんがパパ役をやっただけよ?」

水希 「……ふーん、そう」 ギリッ (お兄ちゃんがパパで、武元さんがママ……へー、ふーん、そうかぁ……)

うるか 「? 水希ちゃん? どうかした?」

水希 「いえ……」 (やはり……)

水希 (やはり、この人も……敵!!)


819: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/10/24(水) 01:29:21 ID:REbudaZM

………………幕間2 「ツーショット」

海原 「なんか唯我くんと進展あったんだって、うるか?」

川瀬 「教えろよー。何があったんだ、一体」

うるか 「えへへ……実は、ツーショット写真、撮っちゃったんだ」

川瀬 「な、何ぃー!? 奥手なあんたが!?」

海原 「よくがんばった! よくやったよ、うるか!」

川瀬 「して、その写真は?」

うるか 「は、恥ずかしいけど……見てもらおうかな。ほら」

海原 「……?」 (フルピュアの着ぐるみに抱きつくうるかとその隣の恥ずかしそうな唯我くん……)

川瀬 (これはツーショットと言えるのか……?)

うるか 「えへへー。ツーショット~。これ、宝物にするんだ~」

海原 (……まぁ)

川瀬 (うるかが嬉しそうだし)

海原&川瀬 ((ツーショットってことでいいか……))

おわり





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