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【ぼく勉】理珠 「ポッキーゲームというのをやりたいです」

65: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:01:58 ID:yfJ2n.4k

………………一ノ瀬学園 3-B教室

文乃 「………………」

文乃 (……またとんでもないことを言い出したなぁ)

成幸 「ポッキーゲームってなんだ?」

文乃 (こっちはこっちで知識が偏りすぎじゃないかな?)

うるか (ぽ、ポッキーゲーム!? 成幸と!?)

うるか (そ、それって……はうっ……///)

文乃 (そしてこっちは乙女がダダ漏れだよ……)

文乃 「えっと、りっちゃん? どうしていきなりそんなことを言い出したのかな?」

理珠 「昨日ニュースで見ました。11月11日はポッキーの日だから、ポッキーゲームというゲームをやるのだと」

文乃 「その肝心のポッキーゲームのルールは知ってるの?」

理珠 「………………」

ハッ

理珠 「……そ、そういえば、ルールについては全く触れられていませんでした」

文乃 (まぁ、そんな放送倫理に引っかかりそうなことをニュースで解説はしないよね……)


66: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:02:41 ID:yfJ2n.4k

うるか 「リズりん、ポッキーゲームっていうのはね、ふたりで両側からポッキーをむぐうっ」

文乃 (ふふふ……言わせないよ、うるかちゃん)

文乃 「ポッキーゲームはりっちゃんにはまだ早いかなー。ってことで話を変えようか」

うるか 「もがもがもがっ! (えー! 文乃っちひどいよー!)」

成幸 「ん、でも俺もルールくらいは気になるな。一体どんなゲームなんだ?」

文乃 (きみがそこで背中からわたしを撃つの!?)

文乃 「いや、でも……――」

「――ふたりがポッキーを両側から咥えるんです~。そしてお互いに食べ進めて、先に折った方が負け、というゲームですよ~」

文乃 「!?」 (こ、この声は……!)

文乃 「鹿島さん!? 蝶野さんと猪森さんも……」

鹿島 「いや~、突然話に入って失礼致しました~」

ニコリ

鹿島 「でも、いつも通り姫をウォッチしていたら楽しそうな話をしていたので、つい~」

文乃 (もうツッコむ気すら起きないよ……)

成幸 「ポッキーを両側から咥えて……お互い食べ進めて、先に折った方が負け……?」


67: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:04:00 ID:yfJ2n.4k

成幸 「……////」 プシュー

文乃 (あー、もう。そういう感じになるってわかってたから、言わないでいたのにー!)

理珠 「単純なゲームですね。ポッキーにせん断応力を加えることなくいかに食べ進めるかがキモになりそうですね」

文乃 「……うん。りっちゃんはそういう反応だと思ってたよ」

うるか 「あ、愛してるゲームみたいにやってみない? なんて……。えへへ……」

文乃 (こっちの気も知らないで、お気楽娘めぇ~~~~)

文乃 「やれると思う? なんだったら今からわたしとやってみる、うるかちゃん?」

うるか 「えっ……」 カァアア…… 「ふ、文乃っちがいいなら、いいよ……?」

文乃 「えっ……」 ドキッ

文乃&うるか 「「………………」」 ドキドキドキドキ

文乃 「……あっ、で、でも、ポッキーがないし」

蝶野 「ご心配なく。ここにあるっス」 スッ

文乃 「用意周到だね!」

鹿島 (ふふふ。最初は女の子同士でやってもらって、いずれは古橋姫と唯我成幸さんにやってもらいます)

鹿島 (昨日のニュースを見ていて思いついた、名付けて 『ポッキーゲームで姫と王子もドキドキ!』 大作戦です!!)


68: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:05:03 ID:yfJ2n.4k

………………

文乃 「………………」

うるか 「………………」

文乃 「じ、じゃあ、行くよ、うるかちゃん」

うるか 「う、うん。負けないかんね、文乃っち」

ハムハムッ

文乃 「っ……」 (こ、これは……)

うるか 「はう……」 (よ、予想以上に……)

文乃&うるか ((近い……!!))

文乃 (これはとんでもないことだよ!? 同性でもこれなんだから……!)

うるか (成幸とポッキーゲームなんて、想像するだけで……うぅ……)

文乃 (っていうか、改めて間近で見ると、うるかちゃんって……)

うるか (文乃っちって、やっぱり……)

文乃&うるか ((めちゃくちゃかわいいなぁ……///))

緒方 (……? あのふたりは、見つめ合って顔を赤くして、何をしているのでしょうか)


69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:05:46 ID:yfJ2n.4k

………………

鹿島 「あらあら~。結局見つめ合ったまま大して食べ進められませんでしたね。引き分けです」

文乃 「………………」 ドキドキドキ (う、うるかちゃんかわいかった……)

うるか 「………………」 ドキドキドキドキ (文乃っちって、やっぱり美少女だなぁ……)

理珠 「わ、私もやりたいです、ポッキーゲーム!」

文乃 「!? 何で!? 正気なのりっちゃん!?」

理珠 「はい。最初はとんでもないゲームだと思いましたが、お二人がやっているのを見て面白そうだと思いました」

理珠 「現に、おふたりは今、何かとても満たされたような顔をしています!」

文乃&うるか 「「そんな顔してないよ!!」」

うるか 「それに、あたしたちは今やったばっかりで精も根も尽き果てるし、誰とやるの?」


70: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:06:37 ID:yfJ2n.4k

理珠 「えっ……そ、それは……」 チラッ

成幸 「……?」

ハッ

成幸 「お、俺!? いやいやいや!! さすがに女子とはできないだろ!!」

理珠 「むっ……」 プクゥ (そんなに拒絶しなくたって、いいじゃないですか……)

成幸 (もしそんなことを緒方とやっていて、また桐須先生が教室に入ってきたら今度こそ殺される!!)

鹿島 「………………」 (……唯我成幸さんには、この後古橋姫とポッキーゲームをしてもらう必要があります)

鹿島 (ここは、緒方理珠さんと私がポッキーゲームをすれば……――)

「――受けて立つわ! 緒方理珠!」 バーン

理珠 「せ、関城さん……? どうしてここに?」

紗和子 「そんなの決まってるじゃない! あなたのことを観察していたら、ポッキーゲームなんて単語が飛び出して……」

紗和子 「うらやましいから混ざりにきた――違う! 仕方ないから来てあげたのよ!!」 ババーン

紗和子 (これは、緒方理珠と私の親友度を上げるための絶好のチャンス!!)

紗和子 (本当なら緒方理珠と唯我成幸にやらせてあげたいけれど、さすがに公衆の面前でやらせるわけにはいかないわ!)

紗和子 「本当に仕方ないけれど、勝負を受けてやるわ!!」


71: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:09:51 ID:yfJ2n.4k

………………

ハムハムッ

理珠 「………………」

紗和子 「……ハァ……ハァ……」 (し、至近距離に緒方理珠が……///)

紗和子 (これは……想像以上だわ……)

理珠 (……正直な話、想像よりはるかに簡単なゲームです)

理珠 (目の前で顔を真っ赤にして鼻息を荒くしている関城さんは正直キモいですが、)

理珠 (別段どうという話もありませんし……)

ハムハムハムハムッ

紗和子 「!?」 (お、緒方理珠の顔がどんどん近づいて……――ッ)

紗和子 「だ、ダメよ、緒方理珠! あなたには唯我成幸という人が……!」

パッ

文乃 「あっ……」


72: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:10:49 ID:yfJ2n.4k

鹿島 「おお~」 パチパチパチ 「関城さんがポッキーを放してしまいましたね~。緒方さんの完勝です」

理珠 「えっ……?」 ムシャムシャムシャ 「わ、私の勝ちですか……!?」

紗和子 「ぐふふ……ふへへ……お、緒方理珠……///」

文乃 (うわぁ……紗和子ちゃん、これは昼休み中には回復しそうにないなぁ……)

紗和子 「でへへっ……緒方理珠の、小さな唇が、私に近づいて……」

紗和子 「ぐふふっ……」

文乃 (気持ち悪いなぁ……)

理珠 「わ、私が勝った……」 グッ 「私が勝ったんですね!!」

成幸 「おう、緒方の完全勝利だ。すごいぞ」

理珠 「ありがとうございます、成幸さん!」


73: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:11:20 ID:yfJ2n.4k

理珠 「ひょっとしたら私は、ポッキーゲームを極めるために生まれてきたのかもしれません!」

成幸 「うん。それは違うと思うぞ、緒方」

理珠 (ポッキーゲームなら、ひょっとして私は誰にでも勝てるのでは……?) ニヤリ

鹿島 「で、では、そろそろ仕切り直しで、古橋さんと唯我さ――」

理珠 「――次は文乃と私がやりましょう!」

鹿島 「なっ……!?」

文乃 「!? なんでわたしなの!?」

理珠 「ダメですか、文乃?」 キラキラキラ

文乃 「ぐっ……」 (純粋な目で見つめおってからに……) キリキリキリ

文乃 (まぁ、鹿島さんはどうせわたしと成幸くんをやらせたがっているだろうから、むしろ好都合かな……)

文乃 「いいよ、りっちゃん! 負けないよ!」

理珠 「私だって負けません!」


74: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:12:26 ID:yfJ2n.4k

………………数分後

文乃 「り、りっちゃん、そんな……急すぎるよ……」

うるか 「リズりん、大胆だよぅ……」

蝶野 「め、目の前に美少女の顔が来ると、予想以上っス……。うぅ、理珠さん……///」

猪森 「うぅ……さ、さすがだ、緒方さん……いや、理珠ちゃん……///」

成幸 「うぉぉ……」 (なんだこの、死屍累々の光景は……)

鹿島 (な、なぜこんなことに!? 私はただ、古橋姫と唯我成幸さんにポッキーゲームをさせたかっただけなのに……)

鹿島 (緒方理珠さんの超高速戦法に、誰ひとり太刀打ちできずに敗北していく……)

ポン

鹿島 「……!? ヒッ……!! 緒方さん……!?」

理珠 「次は鹿島さんですよ。ふふ。ほら、こっちを咥えてください」 ハムッ

鹿島 「あっ……ああああ……」 ガタガタブルブル


75: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:13:24 ID:yfJ2n.4k

………………

鹿島 「あっ……/// ふ、古橋姫以外でこんなにときめいたのは、初めてかもしれません~……」

成幸 (また死体が増えた……)

理珠 「………………」 (ふふふ……ふふふふふ!! ゲームで勝つのがこんなに楽しいとは!!)

理珠 (皆さんは今まで、こんな楽しい気分を味わっていたのですね!)

理珠 (今こそ、敗北者の気持ちを全員に刻みつけてやるのです……!!)

ジロリ

成幸 「ひっ……。お、緒方……?」

理珠 「さぁ、残るは成幸さんだけですよ。さぁ、私とポッキーゲームをしましょう」

理珠 (そして、私に勝利をもたらすのです……!!)

キーンコーンカーンコーン……

理珠 「……えっ」

成幸 「あっ、五時間目の予鈴だな! ほら、もう遊びは終わりだ。緒方も教室戻れよ」

成幸 「ほら、お前らもいつまでも放心してないで起きろ。授業が始まるぞ」

理珠 「むぅ……」


76: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:14:55 ID:yfJ2n.4k

理珠 「………………」

プクゥ

理珠 (やっと成幸さんにゲームで勝てると思ったのに、残念です……)

理珠 (そうです。まったく、今回こそ成幸さんに勝って、鼻を明かしてやろうと思っていたのに……)

理珠 (成幸さんに勝てる明確なビジョンだってあります。脳内でシミュレーションしてみたって……)

理珠 (私がどんどん食べ進めて……成幸さんはその私の動きに対応できず、咥えたまま……)

理珠 (呆けた成幸さんの顔にどんどん近づいていき、そのまま、成幸さんの唇に……――)

――ハッ

理珠 (……く、唇に、触れる……?)


―――― 『それって緒方が 誰かとキスしてるってこと?』

―――― 『もう一度してみたら…… 何かわかるでしょうか』


理珠 「ふぁっ……」

理珠 (わ、私はひょっとして、とんでもないことを……?)

理珠 (また “キス” に近しい何かを成幸さんにしようとしてしまったのでは!?)


77: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:16:23 ID:yfJ2n.4k

理珠 (私はまた、成幸さんの唇に……)

理珠 (キスに類する何かを、しようと……)

理珠 「………………」

理珠 (……やはり、わかりません)

理珠 (なぜ私は、成幸さんにだけ、こんなにも気持ちを高ぶらせてしまうのでしょう……)

成幸 「……おい、緒方」

理珠 「!? な、なんですか……?」

成幸 「まぁ、べつにどうってことはないけどさ……」

ズイッ

理珠 (ち、近っ……。な、何を、成幸さん……)

成幸 「……前も言っただろ。冗談でも、口と口を近づけるようなことは、しちゃいけないんだ」 コソッ

理珠 「へ……?」


78: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:17:11 ID:yfJ2n.4k

成幸 「特に、男相手だったらな。遊び半分でも絶対にダメだ」

成幸 「ゲームに勝って楽しかっただろうけど、絶対に男とはやるなよ。いいな?」

理珠 「わ、わかりました。約束します……」

成幸 「ならいい。ほら、教室戻れ」

理珠 「はい……」

理珠 「………………」 (……いつか、遊び半分でないのなら)

成幸 「おーい、関城。起きろー」 ペシペシペシ 「なんで一番最初の被害者のお前がまだ倒れてんだよ」

理珠 (成幸さんは、怒らないのでしょうか?)

理珠 (遊び半分でなく、本気なら……)

理珠 (いつか私も、いつだか成幸さんと観たあの映画のように……)

理珠 (ゲームでも、事故でもない、キスが……)

ドキドキドキドキ……

理珠 (できるのでしょうか……)


おわり


79: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:18:52 ID:yfJ2n.4k

………………幕間1 「その日の職員室」

真冬 「ふぅ……」 (今日の授業はなかなかだったわね)

真冬 (ALの試みも上手くいったし、ICT機器の使い方も我ながら上手だったわ)

真冬 (この調子で教材研究を続けて、いずれは論文にまとめて教材を学会で発表したいわね……)

理珠 「失礼します」 ガラッ 「3年F組の緒方です。桐須先生はいらっしゃいますか?」

真冬 (……? 緒方さんが私を訪ねるなんて珍しいわね) 「ここにいます。用があるならどうぞ、いらっしゃい」

理珠 「はい、失礼します」

真冬 「……何の用かしら? あなたが私のところに来るなんて珍しいわね」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!

理珠 「ええ。私もそう思います」 ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!!!! 「この前のリベンジに来ました」

真冬 「リベンジ……?」

理珠 「ごき○りポーカーでの30連敗の屈辱、私は決して忘れません。今日こそその雪辱を晴らします!」

真冬 「……この前やったカードゲームの話? その前に、雪辱は晴らすものではなく果たすものよ。誤用に注意しなさい」

理珠 「ぐっ……しかしそんな余裕でいられるのも今のうちです! さぁ、桐須先生! ポッキーゲームで勝負です!」 バーン

真冬 「………………」 ガシッ 「……緒方さん。とりあえず生徒指導室でお説教ね。来なさい」

理珠 「えっ……」 ズルズルズルズル 「な、なぜですかぁああああ………………」 ズルズルズル………………


80: 以下、名無しが深夜にお送りします 2018/11/11(日) 16:19:56 ID:yfJ2n.4k

………………幕間2 「その日の唯我家」

成幸 (はぁ……今日は緒方と鹿島のせいで疲れたな……)

成幸 「ただいまー……」 ガラッ

水希 「おかえりなさいっ、お兄ちゃん!」

水希 「おフロにする? ごはんにする? それとも、ポ・ッ・キ・ー?」

成幸 「………………」

成幸 「……うん。ポッキー咥えてキメ顔してるところ悪いんだけどさ、」

成幸 「お兄ちゃんはそろそろ真剣にお前の将来が心配だよ」


おわり





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