545: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:21:26.39 ID:ua+8PPg4o
剣の乙女(以下、乙女)「あら、思ったよりも元気そうじゃない」
火の四天王(以下、火王)「……ああ、まあな。それで、話というのは――」
乙女「――待って」
火王「? 剣の乙女?」
乙女「……火の四天王」
乙女「随分と雰囲気が違うけれど……何があったの?」
火王「っ!? す、鋭いな……」
546: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:26:02.24 ID:ua+8PPg4o
火王「それは……これからする話に関わりがある」
乙女「……ふぅん?」
火王「その……だな……!」
乙女「……随分と、言いにくそうね」
乙女「……当ててあげるわ」
乙女「火の四天王、貴女――‘女’になったわね?」
火王「っ!!?」
火王「すっ、鋭すぎないか!!?」
547: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:30:11.33 ID:ua+8PPg4o
火王「なっ、何故それがわかった!?」
乙女「脚さばき、雰囲気、そして……魔力が増しているもの」
火王「……それでわかるのは、お前位なものだろうな」
乙女「もう、話はわかったわ」
乙女「貴女……私を笑いに来たんでしょう!?」
乙女「光の勇者は――光の加護」
乙女「祝福の聖女は――愛の祝福」
乙女「剣の乙女は――鉄の処女、って!」
火王「鈍い!!!」
549: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:35:24.29 ID:ua+8PPg4o
火王「私が、そんな事でお前を笑う筈がないだろう!?」
乙女「良いのよ、わかってるわ」
火王「全然わかっていないぞ!?」
乙女「良いのよ、慣れてるもの」
乙女「男には――あれだけ美人で‘まだ’って……なんか怖くね?」
乙女「……とか!」
乙女「女には――剣の道を歩いてるのに、バージンロード歩いてるよね」
乙女「……とか!」
乙女「……陰で、散々言われてきたんだから!!」
火王「剣の乙女! おっ、落ち着いてくれ! 頼む!」
550: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:39:47.52 ID:ua+8PPg4o
火王「私は、お前を笑ったりなどはしない!」
乙女「相手は誰? 中止になった、婚約発表の相手?」
火王「ち、違う! お……お前の……よく知る人物だ」
乙女「私の、よく知る人物……?」
乙女「……」
乙女「……光の勇者?」
火王「あああ、違う違う!」
火王「光の勇者ではない! 良いか!? 違うからな!?」
551: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:45:20.69 ID:ua+8PPg4o
火王「ほら! い、居るだろう!?」
乙女「私のよく知る人物となると……ねえ、まさか……?」
火王「その……だ、大地の魔女だ……!」
乙女「……ねえ、待って頂戴」
乙女「それが本当なら……」
乙女「……大地の魔女のお姉様は――」
乙女「――おちんちんが、生やせるって事?」
火王「ま、まあ……ある意味では」
火王「しかし、何というか……真剣な顔で、その単語はやめてくれるか?」
552: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:50:15.19 ID:ua+8PPg4o
乙女「もしかして、婚約発表の場を壊したのも……お姉様?」
火王「……そう、だな」
乙女「そして、貴女を‘女’にした……と?」
火王「……ああ///」
乙女「――閃!」
ヒュッ―!
…ゴガァァンッ!
火王「っ!?」
火王(何という剣速だ! それに、離れた場所の岩を真っ二つに……!)
乙女「……」
553: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:54:00.57 ID:ua+8PPg4o
乙女「……火の四天王、ここからは偽りは許さないわ」
火王「……ああ、無論だ」
乙女「少し、移動しましょう」
火王「私は……此処でも構わない」
乙女「? 何を言ってるの?」
乙女「あの、斬った岩の所まで行くわよ」
乙女「――それで、どんなだったか描いて教えて頂戴」
火王「……か」
火王「描いて教える!?」
554: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 22:58:44.13 ID:ua+8PPg4o
乙女「貴女、絵は得意かしら?」
火王「まあ……苦手ではないが……」
乙女「だったら、早く……ん、この小石で良いわね」
火王「まっ、待て! 私に、何を描けと!?」
乙女「そんなの、決まってるでしょう」
乙女「大地の魔女のお姉様の――おちんちんよ」
火王「剣の乙女!? お前、本気で言っているのか!?」
555: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:04:45.34 ID:ua+8PPg4o
乙女「……敵を知り己を知れば、百戦危うからず」
火王「こ、小石を握らせないでくれ!」
乙女「? なら、どうやって描くつもり?」
火王「描くつもりは無い!」
乙女「良いじゃないの!! 描いて教えてよ!!」
乙女「もおおおおお!! もおおおおお!!」
乙女「ねえ、火の四天王!! あのね!!?」
乙女「私が!! 怒ってないと!! 思ってるの!!?」
火王「すっ、すまない! 描く! 描くから、落ち着いてくれ!」
556: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:09:53.43 ID:ua+8PPg4o
乙女「出来るだけ、正確に描いて頂戴」
火王「……静と動が、ハッキリしているな」
乙女「ねえ、早くして」
火王「……どうしてこうなってしまったんだ……!?」
火王「た、確か……こんな感じ、で」
カリカリ…
乙女「……嘘でしょう?」
火王「こう……だったぞ(ボワッ)///」
カリカリ…
乙女「……絵が下手過ぎて、全然わからないわ!!」
557: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:17:02.09 ID:ua+8PPg4o
乙女「ねえ、私は何を描いてと言ったか覚えてる?」
火王「お、おちん……お、覚えている!(ボワッ)///」
乙女「他の物を描いてとは、言ってないわよ?」
火王「わ……わかりやすいかと思ったんだ!」
乙女「火の四天王、貴女――……」
乙女「……」
乙女「口頭と……こう、手で教えて頂戴」
火王「可哀想な物を見る目を向けないでくれ!」
558: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:23:59.16 ID:ua+8PPg4o
乙女「長さは?」
火王「な、長さは……こ、この位?」
乙女「!? ふ、太さは!?」
火王「確か……こ、この位だった気がする」
乙女「……」ジィッ
火王「どうした?」
乙女「いえ、そこに……こんなのが入ったのかと」ジィッ
火王「!?(ボワッ)///」
火王「そういう目を向けるのもやめてくれ!(ボワッ)///」
559: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:32:25.86 ID:ua+8PPg4o
乙女「や、やっぱり痛かった?」
火王「喜びで、体の昂ぶりが凄くて……(ボワッ)///」
乙女「ど、どんな風に? ねえ、どうやって?」
火王「こう、私が上になって……(ボワッ)///」
乙女「うっ、上になって!?」
乙女「……うう、上になって!?」
火王「この話は、そろそろやめにしてくれないか!?(ボワッ)///」
560: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:41:10.60 ID:ua+8PPg4o
火王「大事な話があると言っただろう!?」
乙女「そんな……ええっ……?/// う、上に……?///」
火王「剣の乙女、戻ってきてくれ!」
乙女「……え、な……何?」
火王「――剣の乙女」
火王「お前は人間で、敵だが……私にとって、大切な友人だ」
火王「だから――」
火王「――こちら側に、付く気は無いか?」
乙女「……」
561: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:48:47.80 ID:ua+8PPg4o
乙女「……残念だけど、それは出来ないわ」
火王「……やはり、そうか」
乙女「ええ、私がこう答えると……わかってたでしょう?」
火王「……まあ、な」
火王「それd」
乙女「じゃあ、話を戻すわね」
乙女「上に乗って……あ、貴女が腰を振ったの?」ジィッ!
火王「~~~っ!(ボワッ)/// 剣の乙女!(ボワッ)///」
562: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/15(木) 23:58:46.37 ID:ua+8PPg4o
火王「お前は、どうしてそう……そっちに話を行かせたがる!?」
乙女「だ、だって……仕方ないじゃないの!」
火王「何が仕方ないんだ!?」
乙女「……だって!」
乙女「こんな事を聞けるの、貴女位なんだもの!」
乙女「他に、誰に聞けって言うの!?」
火王「つ、剣の乙女……」
乙女「世界を救う勇者パーティーの一員の――剣の乙女が!」
乙女「おちんちんや、初体験の事を誰に聞けるって言うの!」
火王「す、すまない……確かに、お前の言う通りだ」
563: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 00:11:31.07 ID:wp+PDzrqo
乙女「私だって……怖いものは、怖いの」
火王「……わかった」
火王「――この、火の四天王!」
火王「お前のために、出来うる限りの事はしよう!」
乙女「火の四天王……!」
火王「お前には……色々と借りもあるからな」
乙女「じゃ、じゃあ――」
乙女「私の時は、一緒に居てくれる!?」
火王「……」
火王「えっ!!?」
564: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 00:19:26.76 ID:wp+PDzrqo
・ ・ ・
光の勇者(以下、勇者)「おい」
大地の魔女(以下、地女)「んー?」パタパタ
勇者「寝転がって足パタパタさせて本読んでんじゃねえ!」
勇者「お前……火の四天王は、どうなったんだ?」
地女「うむ!」
地女「よくわからんが、時間が欲しいらしい」
地女「愛と友情と仕事と……とにかく、板挟みだそうなのだ」
勇者「……その点、お前は悩みがなさそうだな」
565: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 00:24:06.48 ID:wp+PDzrqo
地女「何を言う、俺とて悩みの一つや二つはある」
勇者「お前の行動からすると、少なすぎるぞ?」
地女「悩んでいても、始まらんしな」
勇者「……で? その、悩みってのは何だよ?」
地女「いや、最近……剣の乙女がな?」
地女「――私も、覚悟しています」
地女「と言ってくるのだが……何の覚悟かわからんのだ」
勇者「……くれぐれも、これ以上ややこしくするなよ?」
566: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/16(金) 00:39:21.29 ID:wp+PDzrqo
地女「まあ……時が来れば、自ずと分かるか」
勇者「……お前、考えるのやめたな?」
地女「うむ! なるようにしかならんからな!」
勇者「どうしてそんなに楽観的になれるんだよ!」
地女「ふはは! それが俺の長所なのだ!」
地女「並大抵の輩には、真似出来んだろうがな!」
勇者「真似したいとも思わねえよ!」
勇者「地の四天王! 絶対に、パーティー内で揉めるなよ!?」
勇者「……最近、祝福の聖女も時々様子が変になるし……!」
地女「……はっはっは!」
地女「光の勇者よ、存分に思い悩むが良い!」
おわり
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