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闇の魔王「祝福の聖女よ、余の魔眼は欺けぬ」

2018/11/21 13:03 | その他 | コメント(0)

604: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:12:25.53 ID:CMkDw/X/o

祝福の聖女(以下、聖女)「っ……!」

闇の魔王(以下、魔王)「ふふっ、そう構えるな」

聖女「貴女は、私を……どうするつもりですか……!?」

魔王「何、少しばかり話をするだけだ」


魔王「その、子の――」

魔王「――名前は考えているのか?」


聖女「……き」

聖女「気が早すぎやしませんか!?」


605: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:19:35.49 ID:CMkDw/X/o

聖女「それに……祝福の聖女と、光の勇者様の子なんですよ!?」

魔王「ああ、聖なる力を其方の内から今でも感じるぞ」

聖女「っ……!?」


魔王「さて、では――」

スッ―


聖女「影から……それは、魔導書!?」


魔王「――この書から、名付けの方法を学ぶが良い」


聖女「……」

聖女「えっ!?」


606: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:25:52.75 ID:CMkDw/X/o

魔王「どうした? 祝福の聖女よ、受け取れ」

聖女「あ……ありがとう、ございます」

魔王「礼は要らぬ」


魔王「さて、では――」

スッ―


聖女「影から……無数の魔導書が!?」


魔王「――結婚の情報に関する書」

魔王「――妊娠、出産に関する書」

魔王「――育児に関する書」

魔王「ふふっ……余は、一通り揃えている」


聖女「か……数が多いので、とりあえずしまってください!」


607: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:32:13.94 ID:CMkDw/X/o

聖女「え、ええと……!?」

魔王「この様な時、男は頼りにならぬと言うからな」

聖女「そ、それは……はい、よく聞きますね」

魔王「ならばこその、備えよ」


魔王「祝福の聖女よ」

魔王「何かあれば……何時でも余を頼れ」


聖女「……魔王さん……!」


608: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:39:08.94 ID:CMkDw/X/o

聖女「本来、敵である私を……見逃してくれるんですか?」

魔王「其方は、何を言っている?」

聖女「えっ? だ、だって……」

魔王「……ふむ」


魔王「――闇の魔王に、敵など居らぬぞ」

魔王「何人足りとも、余の前では無力」

魔王「我が闇の魔力は――全てを呑み込むのだから」


聖女「ぜ、絶望的な台詞なのに……それが頼もしい!」


609: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 10:47:48.68 ID:CMkDw/X/o

魔王「力の差を知り、まだ抗うと言うのなら……それも良かろう」

聖女「わ、私達は……人間は、負けません!」

魔王「ほう、面白い」

聖女「……!」


魔王「ならば――三年の時を与える」

魔王「それだけの時があれば、赤ちゃんに関しても落ち着……」


聖女「えっ!?」


魔王「……それだけの時があれば、余を楽しませるだけの」

魔王「――戦いになる程度には、力を付けられよう」


聖女「……」

聖女「……闇の魔王さんっ!」


610: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:00:18.11 ID:CMkDw/X/o

  ・  ・  ・

光の勇者(以下、勇者)「――クソッ! 一体、何を話してるんだ!?」

地の四天王(以下、地王)「光の勇者よ、心を鎮めるのだ」

勇者「だけど! 聖女と魔王が、二人きりなんだぞ!?」

地王「だが、今のお前に何が出来ると言うのだ」


地王「……光の勇者よ」

地王「俺は――既に、死を覚悟しているぞ」


勇者「地の四天王……まさか、お前……!?」

勇者(魔王を裏切って……こちら側について、戦うつもりか!?)


地王「……」

地王(酒を飲んで寝ている内に、全て解決しておらんかなぁ)


611: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:05:14.23 ID:CMkDw/X/o

聖女「で、でも……他の魔族が、黙ってないと思うんです」

魔王「余の意に反し、其方を襲う者が出てくると?」

聖女「……はい」

魔王「ふむ……そうかも知れぬな」


魔王「ならば、全て滅ぼすか?」

魔王「余は、地の四天王が――」

魔王「――彼ピッピが居れば、それで良い」


聖女「そ、それは……暴君すぎませんか!?」

聖女「それとあと、教えたのは私だけど……彼ピッピ呼びはやめません!?」


612: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:08:31.05 ID:CMkDw/X/o

  ・  ・  ・

勇者「地の四天王……お前、良いのか?」

地王「良いも何も、こうなっては仕方が無いのだ」

勇者「っ……!」

地王「心残りがあるとすれば……」


地王「光の勇者よ」

地王「お前と、心ゆくまで存分に酒を酌み交わしたかったぞ」


勇者「っ……地の四天王っ……!」


613: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:15:42.45 ID:CMkDw/X/o

  ・  ・  ・

聖女「だ、だけど……もし、そうなっても……」

魔王「人間側が――其方が子を生む事を良しとせぬ、か」

聖女「はい、私が……しばらく、戦えなくなりますから」

魔王「ふむ……」


魔王「やはり、全て滅ぼすか」

魔王「そう……全てをな……!」


聖女「そ、それもちょっと!」

聖女「あのっ! 一度、滅ぼす所から離れませんか!?」


614: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:18:58.82 ID:CMkDw/X/o

  ・  ・  ・

勇者「……馬鹿野郎、何言ってやがる」

地王「む?」

勇者「酒なんか、いくらでも飲めば良いじゃねえか」

地王「……光の勇者?」


勇者「最後まで、諦めるんじゃねえ」

勇者「お前は――光の勇者の仲間だろ?」


地王「っ……光の勇者……!」


615: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:36:50.65 ID:CMkDw/X/o

  ・  ・  ・

魔王「だが、滅ぼさぬとなると……少し面倒だな」

聖女「……」


魔王「勇者の一行が、旅を中断せざるを得ず……」


魔王「そこに、迂闊に手を出せぬと思う状況……」


聖女「そんな状況……!」


魔王「――ある」


聖女「……」

聖女「えっ?」


616: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:46:57.78 ID:CMkDw/X/o

  ・  ・  ・

勇者「……行こう、二人の所へ」

地王「……まあ、逃げられはせんだろうからな」


地王「――むん」

パァァ……ァァァ

大地の魔女(以下、地女)「はあ……どうしてこうなったのだ」

地女「……光の勇者よ」

地女「お前の光の加護を……頼りにしているぞ」


勇者「……ああ、任せとけ」

勇者「っと……こういう時は、やっぱり言っておくべきだよな」


地女「む?」


勇者「地の四天王よ、助けてくれ」


617: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 11:52:57.89 ID:CMkDw/X/o

  ・  ・  ・

地女「――地の四天王よ、助けてくれ」キリッ!

勇者「お前! 本当もうマジでやめろってえええええ!!」

地女「はっはっは! 良いではないか、良いではないか!」

勇者「クソッ……チクショウ……!」


地女「さすがは、闇の魔王様だ!」

地女「まさか、あんな案を思いつくとはな!」

地女「やはり男は駄目だな、男は!」


勇者「お前も男だろうがよおおおおお!!」


618: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 12:00:08.05 ID:CMkDw/X/o

勇者「っていうか、どうして聖女と魔王があんなに仲が良いんだよ……!」

地女「ぷくく! お前の顔、傑作だったぞ!」

勇者「っぐ……うおお……!」

地女「床に、正座させられ――」


地女「――考えの足りぬ男だな」

地女「――己が欲望を制御出来んとは」

地女「――其方は、それでも光の勇者か?」

地女「……と、魔王様に説教されているお前の顔はだ!」


勇者「ふっ……ぐうおお……!」


619: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 12:14:25.20 ID:CMkDw/X/o

地女「うむ、だが……奇跡は仕方無いよな? うむ、奇跡は」

勇者「変ななぐさめすんなよ!」

地女「お前も、避妊魔法は使っていたのだろう?」

勇者「その……盛り上がって、雰囲気で……」


地女「――この、馬鹿者が!」

地女「男側が魔法を使うのがエチケットだと教えたではないか!」

地女「それに、女の言う――大丈夫――は、信用するなと!」

地女「お前の油断が、この事態を招いたのだ!」


勇者「言い返せないからって……ここぞとばかりに……!」


620: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 12:24:04.57 ID:CMkDw/X/o

地女「だが――魔王様の智謀には恐れ入ったぞ!」

勇者「ああ……本当にな」

地女「うむ!」


地女「大地の魔女に――地の四天王が封印された事にする」

地女「こうなれば……魔族は、迂闊に手を出せぬ」

地女「何せ、この俺を封印する程の力があるのだからな!」

地女「この、地の四天王を!」


勇者「だが……それと引き換えに、大地の魔女も大量に魔力を失った」

勇者「それに気付かれないよう、一時的に身を隠す」

勇者「……地の四天王を封印する程の力の持ち主だ」

勇者「人間側としても、無理をさせて失うのは大きな痛手になる」


地女「うむ!!」


621: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 12:37:01.13 ID:CMkDw/X/o

地女「主要な者達に、声をかけておく必要があるがな!」

勇者「……ああ、そうだな」

地女「と、言うわけで……ちょっと行ってくるのだ!」

勇者「いやお前、軽く言ってるけど大丈夫か!?」


地女「光の勇者よ、案ずるな!」

地女「俺から説明しないと、納得せぬ者も居るだろう」

地女「それにな? ほら……あれだ」

地女「色々と、バレちゃうかも知れんしな?」


勇者「俺は、そっちの心配をしてんだよ!」


622: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 12:46:48.80 ID:CMkDw/X/o

地女「無論、わかっている」

勇者「本当にわかってんだろうな!?」

地女「うむ! 俺は、この計画の要だからな!」

勇者「……そうじゃねえよ」


勇者「……地の四天王」

勇者「お前は、俺と思いっきり酒を飲むんだろう?」

勇者「だから――必ず、生きて帰って来いよ」


地女「……ぬうっ……不覚!」

地女「この地の四天王をキュンとさせるとは……!」


勇者「キュンとか言うんじゃねえよ気持ち悪ぃな!!」


623: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 12:53:47.62 ID:CMkDw/X/o

地女「浮気は――聖女のお姉ちゃんとして、許さんぞ?」

勇者「するわけねえだろ!」

地女「妊娠中に娼館に行くのはセーフか、話し合っておけよ?」

勇者「行くわけねえだろ!?」


地女「……うむ! それでこそ、俺が見込んだ男!」

地女「光の勇者よ、やはりお前は天晴な奴だ!」


勇者「ああもう、わかったら行ってこい!」


地女「だが、お前に……一つだけ忠告しておこう」

地女「――酒は、飲んでも呑まれるなよ?」


勇者「良いからさっさと行けってんだよおおおおお!!」



おわり





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