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地の四天王「光の勇者よ、俺は無力だった」

2018/11/21 19:01 | その他 | コメント(0)
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地の四天王「光の勇者よ、助けてくれ!」
闇の魔王「祝福の聖女よ、其方に尋ねたい」
火の四天王「剣の乙女よ、お前と話がしたい」
地の四天王「光の勇者よ! 雌雄を決する時が来た!」
水の四天王「祝福の聖女よ、お願いがありますわ」
風の四天王「剣の乙女、君に何があった?」
地の四天王な美少女「光の勇者よ、話とは何だ?」
闇の魔王「祝福の聖女よ、何かあったのか?」
火の四天王「剣の乙女よ、礼を言わせてくれ」
大地の魔女「光の勇者よ、状況を整理しよう」
水の四天王「祝福の聖女よ、何かありましたの?」
火の四天王「剣の乙女よ、私はどうすれば良い?」
地の四天王「光の勇者よ、お前は留守番だ!」
闇の魔王「地の四天王は、お前達の中でも最弱」
地の四天王「光の勇者よ、いざ出陣の時!」
地の四天王「光の勇者よ、やり遂げたようだな!」
祝福の聖女「火の四天王が、婚約発表するそうです」
火の四天王「……婚約発表は、三日後か」
大地の魔女「光の勇者よ、傍を離れるな!」
水の四天王「祝福の聖女よ、式が中止になりましたわ」
火の四天王「剣の乙女、お前に大事な話がある」
大地の魔女「祝福の聖女よ、相談とは何だ?」
闇の魔王「祝福の聖女よ、余の魔眼は欺けぬ」

631: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:30:17.36 ID:CMkDw/X/o

光の勇者(以下、勇者)「地の四天王!? もう戻ってきたのか!?」

地の四天王(以下、地王)「……うむ」

勇者「無力だった、って……何があったんだ?」

地王「俺には……もう、何も出来ぬ状況だったのだ」


地王「……地の領地、水の領地、火の領地、風の領地」

地王「どこも、顔を出したら結婚せざるを得ない感じになっていたのだ!」


勇者「……」

勇者「はあっ!?」


632: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:32:39.34 ID:CMkDw/X/o

勇者「待て待て! どうしてそうなった!?」

地王「俺は、まず自らの領地――地の領地に向かった」

勇者「ああ……妹さんに、留守を頼むって話だったな」

地王「……ところがな」


地王「俺の留守中に、水の四天王が妹を懐柔していたのだ!」

地王「俺の屋敷に、何故か水の四天王の部屋があったのだ!」


勇者「滅茶苦茶入り込まれてるじゃねえか!?」


633: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:36:31.75 ID:CMkDw/X/o

勇者「それ、本当に水の四天王の部屋だったのか!?」

地王「間違いない! これを見るが良い!」

勇者「……ん? なんだコレ……?」

地王「うむ!」


地王「水の四天王の、お気に入りの下着なのだ!」

地王「見ろ! 水の魔力で編まれた、スケスケの下着だ!」


勇者「自宅で下着泥棒して帰ってきてんじゃねえええええ!!」


634: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:40:41.29 ID:CMkDw/X/o

地王「水の四天王はナイスバディな上、この下着……そそるぞ~?」

勇者「あ、ああ……って、そういう話じゃねえだろ!?」

地王「加えて、広場の俺の像の隣に……水の四天王の像が建っていたのだ」

勇者「……えっ?」


地王「なのでな? 見つかったらマズイと思い、撤退した」

地王「すまぬ……成果は、この下着しか無い」


勇者「お前、本当にそれは心の底から謝ってくれ!!」


635: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:51:08.00 ID:CMkDw/X/o

地王「そして、水の領地の――水の四天王だ」

勇者「!? 水の四天王に会ったのか!?」

地王「はっはっは! そんな訳が無かろう!」

勇者「そうだよな! 外堀埋められまくってるもんな!」


地王「色々と、仕事の引き継ぎをしているようだったな」

地王「水の四天王は――嫁に来る準備を着々と進めているようだ」


勇者「なんか……本当に、地に足ついた生き方してんな」


636: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:54:14.18 ID:CMkDw/X/o

地王「まあ、なので……次に行ったのだ」

勇者「次って言うと――火の四天王だな」

地王「うむ」

勇者「火の四天王なら、割と話が簡単に行ったんじゃないか?」


地王「それがな? 火の領地に踏み入ったらな?」

地王「火龍王に決闘を申し込まれたのだ」


勇者「……」

勇者「はああっ!?」


637: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 20:59:40.43 ID:CMkDw/X/o

勇者「火龍王って、火の四天王の父親にか!?」

地王「うむ! 先代の、火の四天王なのだ!」

勇者「それで……ど、どうなったんだ!?」

地王「うむ!」


地王「――我を倒さねば、娘には会わせぬ!」

地王「……と、言われてな」


勇者「お前……それ、よくある‘アレ’じゃねえか!!」


638: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:08:23.19 ID:CMkDw/X/o

勇者「お前のような奴に娘はやれん、とか言われたんだろ!?」

地王「おおっ! 光の勇者よ、よくわかったな!」

勇者「やっぱり、プロポーズした事になってんじゃねえか!!」

地王「うむ……それには、俺も慌ててな」


地王「――ならば、帰る!」

地王「……と、一旦出直そうとしたのだ」

地王「火龍王には……幼き頃から、世話になっているからな」

地王「そんな、恩のある相手をボコる訳にもいくまい?」


勇者「いや……それ! それ、お前……!?」


639: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:12:43.37 ID:CMkDw/X/o

地王「すると、火龍王は怒り狂ってな……」

勇者「そうだろうな! 父親の立場なら、怒るよな!」

地王「プロポーズは誤解だ、と言おうとしたのだがな?」

勇者「言ったのか!?」


地王「……言えなかったのだ」

地王「――火の四天王と、その母君が突然現れてな」


勇者「……陰で見てたんだろうな」


640: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:23:13.54 ID:CMkDw/X/o

地王「もう怒る怒る……怒りに釣られて火山も噴火してな」

勇者「……妻と娘に怒られる父親、か」

地王「絶え間ない口撃に、火龍王も為す術が無かったぞ」

勇者「それで……お前は、どうしたんだよ?」


地王「――また今度、出直して来て!」

地王「……そう、二人に言われてな」

地王「助けを求めるような火龍王の視線を振り切り、撤退した」


勇者「その状況なら……まともに話も出来なさそうだしな」


642: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:32:02.07 ID:CMkDw/X/o

地王「そして、俺は風の領地――風の四天王を訪ねたのだ」

勇者「流石に、風の四天王は話がスンナリ行ったよな!?」

地王「まあ……話すには、話したぞ!」

勇者「? 何か、ひっかかる言い方だな」


地王「身を隠す間、風の領地に留まる事を条件に出された」

地王「風の四天王の狙いは、恐らく――事実婚なのだ」


勇者「いや……えっ、そうなのか!?」


643: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:40:36.91 ID:CMkDw/X/o

勇者「純粋に……善意とかじゃないのか?」

地王「残念だが、それは無いぞ」

勇者「いや、そんなのわからねえだろ!?」

地王「光の勇者よ、風の四天王を甘く見るな」


地王「奴は――風の結界を用意していた」

地王「地属性の俺では……その結界の出入りは出来ぬのだ」


勇者「……お前、さりげなく一番の危機だったのか!?」


644: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 21:49:29.15 ID:CMkDw/X/o

地王「ふはは! だが、みすみすやられる俺では無い!」

勇者「まあ……此処に居るってことは、逃げられたんだもんな」

地王「うむ!」

勇者「お前……どうやって逃げたんだよ?」


地王「――お前は、良い嫁になりそうだな!」

地王「と、そう言って照れている間に颯爽と撤退した」

地王「……死中に活を見出したのだ!」


勇者「お前……邪推だったら、自分で自分の首を締めただけだぞ!?」


645: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:02:22.46 ID:CMkDw/X/o

地王「しかし、まあ……風の四天王の協力は取り付けた……な?」

勇者「ああ、まあ……そうだな」

地王「水の四天王は顔を合わせられず……火の四天王は保留だ」

勇者「……それで、こんなにすぐ帰ってきたのか」


地王「……こんな成果では、おめおめと帰れなかった」

地王「己の無力を嘆いた俺は――酒場へと赴いたのだ」


勇者「……」

勇者「待て」


646: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:10:17.58 ID:CMkDw/X/o

地王「久々の酒は美味かった! ああ、美味かった!」

勇者「お前……飲んで、どうした!?」

地王「銘酒『竜殺し』! スルリとした飲み口で、カパカパいけた!」

勇者「酒の感想なんか聞いちゃいねえんだよ!」


地王「朝起きたら見知らぬ女がベッドに居たのだ!」

地王「薄らぼんやりと、ヤっちゃった記憶があるのだ!」


勇者「なんでお前はそうなんだよおおおおお!?」


647: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:17:32.98 ID:CMkDw/X/o

勇者「お前! それでどうしたんだ!?」

地王「うむ! その女が寝てる間に逃げてきたぞ!」

勇者「このクズ! んあああもう、このクズ!」

地王「大丈夫だ! 俺が、地の四天王とはバレていない! 多分!」


地王「それでな? 確か……」

地王「雷の――勇者だったか、女帝だったかと言っていたのだが……」

地王「光の勇者よ、どちらだと思う?」


勇者「俺に聞くんじゃねえよおおおおお!!」


648: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:26:47.51 ID:CMkDw/X/o

勇者「お前って奴は……どうしてだよ!?」

地王「うむ……俺も、自分で自分が恐ろしい」

勇者「いっそ、全部話した方が早いんじゃねえか!?」

地王「光の勇者よ、何を言っている!」


地王「和平など、有り得ぬ!」

地王「――全滅か!」

地王「――先延ばしか!」

地王「既に……和解など出来ぬ状況なのだ!」


勇者「お前のせいでな!」


649: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:33:03.42 ID:CMkDw/X/o

地王「それでな? 先延ばししている間に、なっ?」

地王「良い感じに、時が解決してくれると……俺は信じているのだ」


勇者「クソッ……どうして、こんなにややこしくなったんだ!」


地王「――光の勇者よ、すまぬな」

地王「俺が、酔ってヤっちゃったばかりに、迷惑をかけている」


勇者「本当にな!?」


地王「だが……そのおかげで、こうして気安く話せる仲になれた」

地王「その点に関しては、俺に感謝しても良いのではないか?」


勇者「うるせえよ!……うるせえよ!!」


650: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:45:30.57 ID:CMkDw/X/o

地王「何にせよ、あまり時間は残されていない」

勇者「まあ……そうだな」

地王「祝福の聖女のお腹が目立つ前に、何とかせねばな!」

勇者「……本当にな!」


地王「さて……それでは」

パァァ……ァァァ

大地の魔女「――明日に備えて、今日はもう寝るか!」


勇者「くそっ……どうしてこうなったんだ……!」


651: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 22:53:21.75 ID:CMkDw/X/o

  ・  ・  ・

祝福の聖女(以下、聖女)「……という訳なんです」

剣の乙女(以下、乙女)「……なるほどね」

聖女「すみません……迷惑をかけちゃいますよね」

乙女「何を言ってるのよ、水臭い」


乙女「――赤ちゃんと、光の勇者との結婚」

乙女「祝福の聖女……本当に、おめでとう」



聖女「ふふっ……ありがとうございます」


652: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/11/17(土) 23:01:59.10 ID:CMkDw/X/o

乙女「旅が中断している間……私達が、貴女も守るわ」

聖女「剣の乙女さん……」

乙女「光の勇者と、私と……大地の魔女のお姉様の三人で、ね」

聖女「本当に……ありがとうございます……!」


乙女「猶予は三年、でしょう?」

乙女「それだけあれば……私も、お姉様との子供を授かれると思うの」

乙女「だから、私も感謝してるわ」


聖女「……はい?」


乙女「ふふっ! きっと――奇跡が起きると思うのよね!」


聖女「……」

聖女「えっ!?」



おわり





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