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【ぼく勉】あすみ「ドハっちゃん祭りだって!?」

176: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 11:48:22 ID:2s6f0s4g

--メイドカフェ・ハイステージ

あすみ「じゃあ。先にあがりまーす。お疲れでしゅみー(はあと)」ニパッ

マチコ「あしゅみーお疲れさま。唯我くんもそろそろ上がってくれたらいいよ」

成幸「わかりました。それじゃお先に失礼します。お疲れさまでした」ペコリ


177: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 11:50:13 ID:2s6f0s4g

--帰り道

あすみ「さて、と。バイトも終わったことだし、気合入れないとな」スタスタ

成幸「そうですね。…あ」

プラーン

成幸「そのカバンに付けてるドハっちゃん。俺の作ったやつですよね。嬉しいです」

あすみ「ん? ああ、ちょうど手頃なサイズだったからな。彼氏からの手作りプレゼントなんだから、身近に置いとくのがベストだろ?」ニヤー

成幸「またあんたはそうやって…」ハア…

あすみ「ひっひっひ。ま、半分は本気だから安心しろよ、後輩」

成幸「それって半分は冗談ってことじゃないですか。大体--ん?」クルリ


178: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 11:51:53 ID:2s6f0s4g

あすみ「……」ワナワナ…

成幸「どうしたんですか先輩? ゲームセンターの前なんかで止まっ…て……」

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ…

『ドハっちゃん祭り開催中! UFOキャッチャーをはじめ、店内アミューズメント景品に大人気のドハっちゃんを大量入荷! ぜひこの機会にゲットしよう!』

成幸「こ、これは!?」

あすみ「……ふ、ふ」

成幸「せ、先輩?」

あすみ「ふおおおかわいすぎるううう! 後輩すまん! ちょっとだけ、ちょっとだけ付き合ってくんねーか? 頼むよ、なあ」ギュウッ

成幸「(う、かわいい…)わ、わかりました…」


179: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 11:53:15 ID:2s6f0s4g

成幸「……で、どうするんですか?」

あすみ「とりあえず軍資金はなけなしの千円を両替してきた。店内を見たら色々なゲームでドハっちゃんが景品になってるみたいだが…素人のアタシらでも手を出せそうなのはこれくらいしかねーな」

成幸「UFOキャッチャーですね」

あすみ「ま、早速やってみるか。穴近くに転がってるやつを上手いこと拾えれば……」ウイーン

成幸「やった。掴んだ!」

あすみ「うっし! このまま穴まで持っていければ……って、ああ!」

成幸「惜しかったですね。でも、あと少しでしたよ。もう一回やればもしかしたら…」

あすみ「そ、そうだな。次だ。次。今度こそ--」


180: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 11:54:58 ID:2s6f0s4g

--七百円投入後

あすみ「よ、よし…そのまま行け…行けえ…ってあああああ!」ガクーッ

成幸「い、今のは本当に惜しかったですよ先輩! つ、次こそ絶対に!」アセアセ…

あすみ「後輩お前…天然で人を破滅に導こうとしてるんじゃないだろーな?」ギロリ

成幸「い、いや! 滅相もないです!」

あすみ「わかってる。冗談だよ。悪かったな」ハア…

あすみ「しっかし取れねーもんだな。気付いたらあと三百円しか残ってねーし。こりゃ諦めるしかねーか…」

成幸「そ、そうですか…残念でしたね。俺が作ったやつよりよっぽどいいものが手に入りそうだったのに」

あすみ「は? 何言ってんだよ?」

成幸「へ?」


181: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 11:57:18 ID:2s6f0s4g

あすみ「どんな高級なもんだろうが、彼氏にもらったものより勝るものなんて、無いに決まってんだろ?」ニコッ

成幸「!!」ドキッ

成幸「そ、それも冗談…ですよね。先輩?」

あすみ「さあな。自分で考えてみたらどうだ?」ニヤニヤ

成幸「はあ…(本当に掴み所のない…)あ、でもそれなら何で新たに取ろうなんて思ったんですか?」

あすみ「あー…その」

成幸「?」

あすみ「まあ…アタシは一人っ子だったからな。こんなぬいぐるみでも、やっぱ一人だけじゃ寂しい思いをしてるんじゃないかって思ったんだよ…」

成幸「……」


182: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 11:58:37 ID:2s6f0s4g

あすみ「ったく…この年にもなってガキくせーこと考えるよな。アタシも」ハハッ

成幸「いえ、そこまで先輩に想われて、きっとぬいぐるみも喜んでると思います。作ってあげましょう。家族を」グッ!

あすみ「っても残り三百円じゃなあ。到底取れそうにないんだが…」

成幸「ひとつ方法があります。俺たちでダメなら、助っ人に頼むんです」

あすみ「助っ人?」

成幸「はい。クレーンゲームが得意なやつに、一人心当たりがあるんです。ちょっと待っててください」スマホスマホ…

プルルル… ピッ

--もしもし?


183: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:00:27 ID:2s6f0s4g

--30分後

紗和子「来てやったわよ。唯我成幸」

成幸「すまん関城。ほんっとーに恩に着る」ペコリ

紗和子「まあちょうど予定も無かったし別にいいけど…。で、こっちの小さい女の子は誰?」

あすみ「あ?」ゴゴゴゴ

成幸「せ、先輩。抑えて」ギュウッ

成幸「あー…この人は小美浪あすみ先輩。うちの学園のOBで緒方や古橋とも顔見知りなんだ」

あすみ「なんだ、あんた緒方たちの知り合いだったのか」

紗和子「いえ、知り合いじゃないわ。私は関城紗和子! 緒方理珠とは共に認め合った、かけがえのない親友よ!」キラーン

あすみ「ああ、なんつーか…一言でキャラがわかる自己紹介だな」ハハ…

成幸「ま、まあ、緒方が好きすぎること以外は普通の奴なんで」ハハ…


184: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:02:10 ID:2s6f0s4g

紗和子「それで、用件はこのクレーンゲームのぬいぐるみが取りたいんだっけ? こんなの簡単じゃない」

あすみ「ま、マジか!?」

紗和子「ええ。小美浪先輩…でいいのよね? 一度やらせてもらえないかしら? 失敗したらお金は返すわ」

あすみ「別にいいよ。わざわざ来てもらったんだ。気にせずやってくれ」チャリン

紗和子「…………うん、ここがいいわね」ポチッ

ウイーン ガチッ

成幸「お、おお!」

あすみ「いや、持ち上げるまでは上手くいくんだ。そこからが…」

紗和子「大丈夫よ。上手くいくわ」

ガーッ ポイッ ゴトン

紗和子「ほら、問題ないでしょ」

あすみ「お…おおおおお!? 関城といったか? すごいなあんた!」

紗和子「どういたしまして。お役に立てて良かったわ」


185: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:04:17 ID:2s6f0s4g

成幸「ありがとう関城。助かったよ」

紗和子「ええ。それよりちゃんと約束は守ってね? 唯我成幸」

成幸「緒方と三人で遊ぶ約束だっけ? 本人に出会ったら聞いてみるけど…それくらい直接誘ったらどうなんだ?」

紗和子「も、もももちろん誘うことくらいわけないんだけど…ほら、緒方理珠にもサドゥンリーな予定が入ってるかもしれないじゃない!? だ、だから念には念を入れてね!」

成幸「わかったわかった。今日は世話になったからな。何とか緒方に来て貰えるよう頼みこんでみるよ」

紗和子「--!」パアアアッ

成幸「上手くいって良かったですね。先輩」

あすみ「ああ。関城と、後輩のおかげだよ。ありがとな! ほーらドハっちゃん。家族ができたぞー」ニコニコ

成幸「ははは。--ん?」


186: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:05:33 ID:2s6f0s4g

女子大生1「今日はツいてたねー」

女子大生2「まさかの大ドハっちゃん人形ゲットだもんねー。やるねーあんた」

女子大生1「そりゃまーあんだけつぎ込んだらねー。あ、取れた記念のインスタしよっか?」スタスタ

女子大生2「あ、いいね。やろやろー」スタスタ

成幸「もっと大きいやつがあったんですね…」

あすみ「コンビニの景品だったのと同じくらいのサイズだったな」

成幸(前に先輩が子供にあげたやつか。まさかの葉月へのプレゼントになって返ってきたけど…)

紗和子「~♪」クルクル~

成幸「………ご機嫌なところ悪いけどさ、関城」


187: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:07:30 ID:2s6f0s4g

紗和子「ななな何!? 唯我成幸」

成幸「あと一つだけ取ってもらいたいのがあるんだけど…だめかな?」

あすみ「!?」

あすみ「お、おい後輩。余計なことすんなって。これだけでもう十分だから」

紗和子「私は構わないわよ。緒方理珠がお世話になっている先輩を無碍にすることなんてできないしね」

成幸「せっかく『家族』を作るんですから。やっぱり夫婦そろっていた方がいじゃないですか」ニコッ

あすみ「わかったよ…ったく、こういう時だけやたら強引になるよな。お前」

成幸「はは…すみません」

あすみ「ま、そこがいいんだけどな…」ボソッ

成幸「え?」

あすみ「何でもねー。早く店内に入ろうぜ」スタスタ

成幸「あっはい」


188: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:08:39 ID:2s6f0s4g

紗和子「…で、今度はあれを取ればいいのね?」

成幸「ああ、あの大きいドハっちゃんだ」

あすみ「あ、金はアタシが」

成幸「いや、俺が言い出したことですから。俺に出させて下さい。つーわけで頼むな。関城」チャリン

紗和子「まあ、とりあえずやってみるけど……うん、ここね」ポチッ

ウイーン ガチャン

あすみ「おお! がっちり掴んだ!」

ウイーン ポロッ…

成幸「あっ!」


189: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:09:52 ID:2s6f0s4g

紗和子「あー…やっぱりダメね」

あすみ「やっぱりって、何がだ?」

紗和子「おそらくクレーンの掴む力を弱めてあるのよ。これを取ろうと思ったら何回もチャレンジして偶然にかけるしか無理ね」

あすみ「マジか。そんな金もう持ってねーよ。後輩だって似たようなもんだろ?」

成幸「う、その通りです。すみません先輩…あんなこと言っておいて」ズーン

紗和子「私も…期待に応えられなくてごめんなさいね」

あすみ「何言ってんだよ。既に一個貰ってんだし十分だって。二人ともありがとな」ニカッ


190: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:12:01 ID:2s6f0s4g

--ゲームセンター入口

紗和子「じゃあ私はこれで。約束の件忘れないでよね」

成幸「ああ、わかってる。今日は助かったよ関城」

紗和子「ええ。あ、ちなみに日取りはいつでも構わないから。あと当日は割と歩くことになりそうだから動きやすい服装をした方が良いと伝えておいて。途中でネット評価の高いスイーツ店にも寄るつもりだから朝ご飯も控え目にしておいた方が--」キラキラー

成幸「ああもう心配し過ぎだろ! 母親かお前は! …って聞いてないなこりゃ」

紗和子「~♪」スタスタ…

あすみ「…さて。帰るか。お前らのおかげで家族も増えたことだし、こいつも喜んでるだろ」ポンッ

成幸「そうですね。できれば『父親』も加えてやりたかったんですけど」

あすみ「まーだ気にしてんのかよ。仕方ねーな。キスして励ましてやろうか? 今回でまた借りを作っちまったしな」キラーン

成幸「アンタまだ引っ張ってたんかい! いいって言ってるでしょう? そもそもキスというのはもっと神聖なもので、特別な人とですね--」

あすみ「…それがお前だ、って言ったら。どうする?」

成幸「え!?」ドクン


191: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:14:00 ID:2s6f0s4g

あすみ「お前がアタシの特別だったら、問題は無いってことだよな…」ポッ…

成幸「え…えええええ!?」

あすみ「ほら…神聖なものなんだろ? 目、瞑れよ」ググッ…

成幸(せ、先輩が俺のこと? 何で? じゃあ今までのことは? も、もうよくわからないーー」

--チュッ

成幸(う…柔らか…それに何だかふかふかしてて……ふかふか?)パチッ

あすみ「お、どうだった? 柔らかかっただろー」ニマ~

成幸「柔らかいも何も! これぬいぐるみでしょーが! キスってあーもうそーいうことですか!」

あすみ「お、もしかして期待してくれてたのか? じゃあ次は本番いっとくか?」クイッ

成幸「もうその手には乗らないですからね。まったくアンタって人はーー」


192: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:16:24 ID:2s6f0s4g

真冬「--稀有。こんなところで出会うなんて珍しいわね。唯我くん、小美浪さん」

成幸「え?」

あすみ「ま、まふゆセンセ?」

真冬「何をしていたの…って聞くまでもなかったわね。そのキャラクター、テレビで見たことがあるわ」

あすみ「ま、ちょっとした息抜きってところで。センセの方はどこに行くんですか?」

真冬「図書館に借りていた本を返しにいくところよ。早めに返さないとつい忘れてしまうもの」

あすみ「あーありますよね。そういうこと」

成幸(……そういえば先生って確か)ハッ!?


193: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:17:23 ID:2s6f0s4g

真冬「不便。車を点検に出しているものだから、一苦労で」

あすみ「だからその荷物なんですね。ってか、かなり重そうじゃないですか。それ」

真冬「ええ、けど問題ないわ。図書館までもう少しだから」フウ

成幸「あの…良かったらその荷物持ちましょうか? 先生」

真冬「え?」

成幸「そのかわり一つお願いしたいことが」

真冬「?」


194: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:19:09 ID:2s6f0s4g

--ゲームセンター店内・射的コーナー

パンッ パンッ パンッ パンッ

ビシッビシッビシッビシッ--コロン…

真冬「……」フゥ…

あすみ「す、すげえ…」ポカーン

真冬「はい、これで良かったのかしら。小美浪さん」ポン

あすみ「あ、ありがとうございます。センセ」

成幸「すみません先生。助かりました」

真冬「ええ。でも言っておくけどこれっきりよ」

成幸「わかってます。ちょっと事情があって、どうしてもこれだけは手に入れたかったもんです。本当にありがとうございました」ニコッ

真冬「……」チラッ

あすみ「……」パアアア

真冬「(まあいいか…)……ええ、じゃあ約束通り、荷物の方はお願いするわね。唯我くん」

成幸「はい、先生」


195: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:20:58 ID:2s6f0s4g

--七緒図書館

真冬「じゃ、私は本を返したら先に帰るから。二人ともしっかり勉強しなさい」

あすみ「ありがとうございますセンセ。また今度ウチの店にも来て下さいよ」

真冬「…考えておくわ。それじゃあ」スタスタ…

あすみ「さてアタシたちもやるか。悪いな後輩。今日はアタシのわがままに付き合ってもらって」

成幸「いえ、俺もモヤモヤしてたことでもあったんで。何より、今日は先輩の喜んでる顔が見られて嬉しかったです」ニコッ


196: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:23:59 ID:2s6f0s4g

あすみ「……///」カァアア

成幸「先輩?」

あすみ「あ、いや。なんでもねー。それより、せっかくだからこのぬいぐるみたちに名前を付けてやらないとな」

成幸「あ、それ葉月もやってましたね。女の子ってやっぱりそういうのが好きなんですね」

あすみ「そうだな。じゃ大きいのが『成幸』で小さいのは『あすみ』な?」ニヤッ

成幸「ブフゥッ! あんた何言ってるんですか!」

あすみ「いやいやアタシは本気だぜ。で、後輩にもらった手作りはアタシたちの子供だな。名前は何にしよっか? ダーリン」ニヤニヤ

成幸「あーもうこの人は! 勉強しますよ! 勉強!」



197: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:24:54 ID:2s6f0s4g

幕間

受付員「申し訳ございませんが、お貸ししていた本はこれだけのようです。残りはお客様の私物のようですのでお持ち帰りいただけますでしょうか?」

真冬「え”!?」


198: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/01/10(木) 12:31:52 ID:2s6f0s4g

以上です。ネタ元は94話。ドハっちゃんと成幸にとろとろな先輩がもっと見たくて書いてみました。
先生の射撃ネタもついでに出せて満足です。ではまた





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