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ハム太郎「死の大行進なのだ」ヘケッ

1: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:06:07 ID:a5/RM3NE

「ロコちゃんがハンカチを落としたって?」

 ハム太郎の言葉をタイショーが繰り返す。
 春名ヒロ子、通称ロコちゃんはハム太郎の飼い主だ。
 彼女はお気に入りのハンカチを町で落としてしまったらしく、ハム太郎はどうにかそれを探しだそうと考えていた。
 だが自分一匹だけでは難しい。
 そこでハムちゃんずの仲間に助けを求めることにしたのだ。

「ハム太郎の頼みなら断れねぇな。ハムちゃんずのみんなも手伝うじぇ!」

「ありがとうなのだ! タイショーくん!」

 彼らはまだ知らない。
 これから起こる惨劇を。


2: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:07:04 ID:a5/RM3NE

 集合し、町へと繰り出したハムちゃんず一行。

「町中に落としたハンカチなんてすぐには見つからないと思いますが」
「メガネはん、そんなこと言うてたら見つかるもんも見つからないで!」

 メガネくんとまいどくん。

「うきゅ~」
「ちびまるちゃん、みんなとはぐれないようにね~」

 ちびまるちゃんとマフラーちゃん。

「ハンカチを見つけたらかぶって持って帰りたいな」
「かぶるくんはそればっかりだよね」

 かぶるくんとパンダくん。

 他にも、リボンちゃん、こうしくん、のっぽくん、トラハム兄妹、そしてタイショーくんがハム太郎を助けにやって来ていた。


3: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:08:09 ID:a5/RM3NE

「あっ! ハンカチが落ちていまちゅわ!」

 リボンちゃんが指差した方向に全員が顔を向けた。
 横断歩道のちょうど半ば。
 そこにひらひらと風で舞うハンカチがあった。

「ロコちゃんのハンカチなのだ!!」

 そう叫び、ハム太郎は横断歩道へと駆け出した。
 その瞬間。


 ーーーーグチャッ!!


「…………!?」

 やってきた車に轢かれ、ハム太郎は無惨に潰された。
 あまりの出来事に他のハムちゃんずは全員、何が起こったかすら分からず動きを止めてしまう。
 やがてしばらくしてから、

「う、うわああああああああ!!!」

 誰かが悲鳴を上げ、ようやく全員が事態を把握するのだった。


4: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:09:08 ID:a5/RM3NE

×ハム太郎
○タイショー
○こうし
○まいど
○メガネ
○のっぽ
○リボン
○マフラー
○ちびまる
○トラハムくん
○トラハムちゃん
○かぶる
○パンダ

残り12匹(ねてるくんは寝過ぎで死亡)


5: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:09:52 ID:a5/RM3NE

「は、ハム太郎くんが! ハム太郎くんが!」
「落ち着くんだじぇ、リボンちゃん! みんなも!!」

 タイショーの制止も虚しく、パニックになったハムちゃんずが何匹か横断歩道へ駆け出す。

「は、ハム太郎はんを助けんと!」

 まいどくん。

「まだ助かるかもしれない!」

 のっぽくん。

「応急処置をしないと!」

 パンダくん。

 3匹がハム太郎の方へと向かっていき、そして。


 ーーーーグチャグチャグチャッ!!!


 同じように全員轢き殺されてしまう。

残り9匹


6: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:10:36 ID:a5/RM3NE

 もう誰も横断歩道へ向かおうとはしなかった。
「お……げえぇっ!!」
 こうしくんが胃の中のものを全て地面へ吐き出す。
 だが誰も気に止めない。

 ハム太郎が死に、その後立て続けに三匹が死んだ。

 信じがたい現実はパニックを通り越し、ハムちゃんずへ凍りつくかのような冷静さを与えていた。

「どう……しますか? タイショーさん」

 震える声で、メガネくんがそう尋ねた。


7: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:11:23 ID:a5/RM3NE

「……とりあえず向こうの路地裏に避難だじぇ」

 数瞬の思考の後、絞り出すようにタイショーは答えた。

「向こうの路地裏ですね! そこに避難すれば、これ以上誰も死なずに済むんですね! じゃあ、行きましょう!」

 全ての責任を押し付けるかのように、メガネくんは必死に確認する。
 タイショーはハムちゃんずのリーダーだ。
 だが彼も単なる一匹のハムスター、小動物に過ぎない。
 ギリギリで平静を装ってはいたが、内心は取り乱したい気持ちでたくさんだった。

 路地裏が安全なんて保証はどこにもない。
 早くこの場から離れたい。タイショーはそれしか考えていなかった。
 だから。
 他の脅威を見落とす。

 ーーーーグチャッ!!


8: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:12:48 ID:a5/RM3NE

「め、メガネ…………!!」

 たった今やってきた通行人が、次の一歩を進むため、地面から足を離す。
 すると踏み潰されたメガネくんの姿が現れた。

「あああああああああああ!!!!!」

 タイショーに限界が訪れる。
 全ての責任を放り出すかのように、他のハムちゃんずを置いて路地裏へ走っていく。

「ま、待てよタイショー!! おい!」

 遅れてトラハムくん、他のハムちゃんずもタイショーを追いかけ走り出す。

 ーーーーグチャッ!!

 当然、統率の取れていないこの状況では新たな死者が出てしまう。

「か、かぶるくんまで踏み潰され……」


9: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:13:25 ID:a5/RM3NE

×ハム太郎
○タイショー
○こうし
×まいど
×メガネ
×のっぽ
○リボン
○マフラー
○ちびまる
○トラハムくん
○トラハムちゃん
×かぶる
×パンダ

残り7匹


10: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:14:13 ID:a5/RM3NE

「う、うきゅーーーーー!!!」

 ーーーーグチャッ!!

「ち、ちびまるちゃーーーーん!!!」

 また一匹。
 今度はちびまるちゃんがゴミのように踏み潰される。

 それでも全員足を止めず、死に物狂いで路地裏を目指した。
 そんなハムちゃんずを嘲笑うかのように、

「み、皆さん……マズいですよ……」

「どうしたんでちゅの、こうしくん……?」

「向こうを見てください……!」

 自転車の集団がやってくる。

残り6匹


11: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:15:01 ID:a5/RM3NE

 ペダルを回す音が段々と大きくなってくる。
 単なる歩行者ですら大きな脅威だったのだ。
 迫り来る自転車を回避する方法なんて存在するはずもなかった。

「いやあああああああああッ!!」

 ゴリッ。

 タイヤに巻き込まれたマフラーちゃんがまるでミンチのようにグチャグチャになる。

「お、お兄ちゃん…………ッ!!」

 轢かれそうになる妹をトラハムくんが庇う。
 しかし自転車相手にそれは無意味だった。
 二匹まとめて轢き潰されてしまう。

残り3匹


12: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:15:46 ID:a5/RM3NE

 無事に路地裏まで辿り着けたのはたった三匹。
 真っ先に走り出し自転車集団を回避していたタイショー。
 そして運良く轢かれずに済んだこうしくんとリボンちゃん。

「たった数分で……10匹のハムちゃんずが……」

 茫然自失とした様子でタイショーが呟く。

「俺様のせいだ……。ハムちゃんずのリーダーなのに何も出来なかった俺様の……」


13: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:17:10 ID:a5/RM3NE

「で、でもここまで来ればもう安心ですよね! 後は夜まで待って、人が減ってから地下ハウスへ戻りましょう! ね!」

 なんとか場を和ませようようと、こうしくんが明るい調子で言う。
 三匹が今いる路地裏はかなり道幅が狭く、人間が入ってきたとしてもゆっくりとした動きでしか歩けないはずだ。
 それなら踏み潰される危険はかなり少なくなる。

 ただし。

「ふしゅるるるる…………! しゃあっ!!」

 そこには人間ではない、別の脅威が存在していた。
 物陰から飛び出したそれは一瞬でこうしくんを押さえ付け、

「え…………っ?」

 頭に深々と牙を食い込ませる。
 ハムちゃんずにとって最大の天敵。
 ーー野良猫だ。

残り2匹


14: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:18:03 ID:a5/RM3NE

「フゥゥゥゥ…………」

 死体となったこうしくんを地面に投げ捨てると、野良猫はタイショーとリボンちゃんへと向いた。
 補食目的ではなかった。ハムちゃんずの命を玩具にしようとしているのだ。

「リボンちゃんだけでも逃げてくれ……ここは俺様が食い止める……!」

 決死の思いでタイショーが前へ踏み出る。
 この短時間で11匹のハムちゃんずが命を落とした。
 リーダーの自分がちゃんとしていなかったから。
 だから、せめて最後だけでも。

「リボンちゃんを守ってみせる……!」


15: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:18:44 ID:a5/RM3NE

「シャアアアアッ!!」

 野良猫のパンチが繰り出されるのと同時に、タイショーがタックルを仕掛ける。
 低い姿勢で肉球をかわし、そのまま野良猫の前足へしがみつく。

「火事場のハム力だじぇぇぇぇぇ!!!」

 死を覚悟したタイショーの力は凄まじかった。
 野良猫を持ち上げブンブンと振り回し始める。

「な、長くは持たねえ。今の内に逃げろ! リボンちゃん!」

「……イヤでちゅわ! 私も戦いまちゅ!」

「!?」


16: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:20:00 ID:a5/RM3NE

 リボンちゃんが駆け出す。
 そのまま勢いをつけて地面を蹴り、空中へ飛び上がる!!

「リボン…………ハリケーン!!!!!!」

 そして空中で身をよじり、回転する。
 するとリボンちゃんは竜巻になり、竜巻は野良猫の身体を切り裂き始めた。
 「痛いニャン」これには堪らず野良猫も逃げ出してしまう。

 タイショーとリボンちゃんは、野良猫に勝ったのだ!!!

「や、やりまちたわ……」
「すごいじぇリボンちゃん!」


17: ◆WI5yHe7k.. 2019/02/23(土) 08:21:20 ID:a5/RM3NE

 その後、地下ハウスへと戻った二匹。

「みんな……死んでしまった」

 落ち込んだ様子でタイショーが言う。
 無事に生還できた。
 だが、もう楽しかったハムちゃんずの日々は戻らない。永遠に。

「タイショーくん…………」

 落胆した様子のタイショーを見て、リボンちゃんは

「私を、抱いてくださいでちゅわ」

 リボンを脱ぎ捨て、全裸になった。
 そしてタイショーへ迫る。

「全部……忘れさせてあげまちゅわ」

「り、リボンちゃん……あ、あんっ♥ だじぇ♥」

END





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