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幸せに、なれますように。【ミリマスSS】

1: ◆UEry/CPoDk 19/06/27(木)22:46:02 ID:ziL

このみ「いや~ステキなお仕事だったわね、ウェディングドレスを着てきらびやかなチャペルで撮影。楽しかったわ~」

風花「そうですね、いい経験になりました」

このみ「ああいうのをやると、結婚について、ちょっと真面目に考えたくなっちゃうわよね」

風花「え?このみさん、もしかしてそういうのを考えるようなお相手がいるとか……」

このみ「まさか。でも、少しは考えたりとかない?」

風花「ないですよ、アイドルなんですから」

このみ「まあそうよね。でも…」

風花「どうかしましたか?」


2: ◆UEry/CPoDk 19/06/27(木)22:49:35 ID:ziL

このみ「いやね、こないだ346のお姉さま方と飲む機会があったんだけど。
そこで今回のハピマリでの仕事についての話をしてたら、だんだんそういう方に話が進んでいって」

風花「ああ。……失礼ですけどなかなか、すごそうですね」

このみ「私が最年少の席だったからね。将来のこともきちんと考えてなきゃ駄目だのいい人いたら早めに捕まえておけだの。
最後は殆どお説教みたいになってね、重い会だったわ」

風花「大変でしたね、それは」

このみ「いつもは楽しい飲み会なんだけど、持ってった話題が話題だけにね。そういうのを意識しないでいるってもの難しいわよねえ」

風花「アイドルのうちは意識しない方が正解なんですから。それに、結婚しないという選択肢だってありますよ?
結婚したからって幸せになれるとは限らないわけですし」

このみ「あら。夢のない事を言うのね、せっかくあんなお仕事をしたのに」


3: ◆UEry/CPoDk 19/06/27(木)22:52:49 ID:ziL

風花「実はちょっと前に、看護師時代の同僚が一人、結婚したんです。でも……」

このみ「もしかして、うまくいってない?」

風花「はい。相手の男の人ががすごくワガママで横柄な人みたいで。それに向こうのご両親と同居してるんですけど、その人達もどうやら」

このみ「うわあ。ハズレを引いちゃったわけか」

風花「結婚する前に一度紹介して貰って、その時から皆大反対だったんです。
彼女、その時はもう決めたし何とかなるわよって笑ってたんですけど、この前会った時はもう疲れ切ってて」

このみ「うーむ。そういうの聞くと、やっぱり相手次第よねえ」

風花「ええ。しっかりどんな人なのかを見極めてからでないと」


4: ◆UEry/CPoDk 19/06/27(木)22:54:06 ID:ziL

社長「お疲れさま。ちょっと、失礼するよ」

このみ「あれ、社長?お疲れさまです」

風花「お疲れさまです。珍しいですね、こっちに来るなんて」

社長「ああ。プロデューサーくんからこの前の仕事の報告を聞くつもりで来たんだよ、たまにはこっちから出向くのもいいかなと思ってね」

このみ「そうですか。でも、プロデューサーは今外回り中ですよ」

社長「そのようだね。キミ達には悪いけど、もう少しお邪魔させてもらうよ」

風花「そんな、邪魔だなんてとんでもない」

このみ「そうですよ、むしろもっと来て欲しいぐらいですから。あ、今お茶入れますね」

社長「お気遣いなく。ところで、何やら重たい話をしていたようだね?」

風花「あ。すみません、聞こえてましたか?」

社長「大体はね。こっちこそ盗み聞きしたみたいで申し訳ないが」

このみ「すいませんでした。アイドルがここでする話じゃなかったですよね」


5: ◆UEry/CPoDk 19/06/27(木)22:56:11 ID:ziL

社長「何、女性ならたまにはそういう話題も無理はないさ。今はキミ達だけだしね」

このみ「ありがとうございます。あの、でしたらついでに聞いても大丈夫でしょうか?」

社長「うん?何かな」

このみ「その。やっぱり社長は私達アイドルの恋愛や結婚については反対なんですよね?」

社長「え?」

風花「このみさん、そんなの当たり前じゃないですか」

このみ「いや、そうだけど。ほら、ウチは入る時別にそういう事について契約として禁止したりは無かったじゃない。だから、どうなのかなって」

社長「はは。まあ恋愛禁止なんて契約をしたところでどうせ無意味だからね。人を好きになるというのは理屈で止められるものではないんだから」

風花「そうかもですけど…でも、やっぱり駄目なんでしょう?」

社長「それは、アイドルである以上はね。ただ……」

このみ「ただ?」


6: ◆UEry/CPoDk 19/06/27(木)23:06:48 ID:ziL

社長「それが本人の希望なら、出来るだけ叶うように進めていってはあげたいかな。頭の痛い問題にはなりそうだがね」

このみ「おお、さすがは社長。優しいですね」

社長「うーん。優しいというのとは少し違うと思うよ?」

風花「え?」

社長「アイドルにとって、一番大切にしないといけないのはファンだ。結婚したい相手が出来るというのはつまり、そのファン以上に大切なものが出来てしまったという事だろう」

このみ「まあ、そうですね」

社長「申し訳ないが、そういう子にはいつまでもアイドルでいて欲しくないというのが本音かな。つまり、引退の方向に持って行くという意味だがね」

このみ「う。それって結局、恋愛禁止とほとんど同じ事じゃないですか?」

社長「そういうことになるかな。契約ではないからペナルティを与えたり罰金を取ったりする気はないけどね」

このみ「なるほど。となると、やっぱり私達が恋愛するのには覚悟がいりますね」


7: ◆UEry/CPoDk 19/06/27(木)23:08:25 ID:ziL

風花「それはそうですよ、アイドルとしてはそれがあるべき姿なんですから」

社長「まあファンよりもその人を大切にしてあげなさいという言い方も出来るがね。しかし馬場くん。キミまさか、そういう人が……」

このみ「ご安心ください。幸か不幸か、現在の所そういう予定はもちろんお相手も全くおりませんので」

社長「ははは、けっこうけっこう。と、言っていいのかな?」

風花「いいんじゃないですか、そういうのはアイドルを辞めてからでも遅くはないですよ。それに結婚は難しいですよ、不幸になるかもしれないんですから」

このみ「そうよね。せっかくなら幸せになれるような相手を見つけないと」

社長「既婚者から言わせて貰うと、それも少し違うかな?」

このみ「え?」


8: ◆UEry/CPoDk 19/06/27(木)23:11:58 ID:ziL

社長「結婚とは新しい家庭を作る。つまり、今までとは違う環境で生活していくという事だ。口で言うのは簡単だが、これがなかなか難しい。他人と四六時中顔を合わせて、ずっとつきあう事になるわけだからね。
それまで気付かなかった相手の癖が気になったり、前は気にしてなかった細かな事に苛立ってしまうような事があるかもしれない」

風花「それは、辛いですね……」

社長「ああ。前もって同棲でもしていたならともかく、この人と結婚すれば間違いなく幸せになれるなんて相手を見つけるのはとても難しい事なんだよ」

このみ「そうなんですね。じゃ、どうすればいいのかしら」

社長「結婚はゴールではなくスタートだというのを忘れない事、かな。
アイドルだってそうだろう?デビューしたからといってそこで満足してしまっては何にもならない。大切なのはそのあとなんだよ」

このみ「なるほど。言われてみれば」

風花「あの子はとにかく結婚したがってたけど、それだけでは駄目だったんですね……これから努力すれば、何とかなるのかしら?」


9: ◆UEry/CPoDk 19/06/27(木)23:12:54 ID:ziL

社長「本人達次第だろうがね。とはいえ、その努力で一生を棒に振るのもよいとは言えないだろう。傷が深くなる前に諦めてしまうのもひとつの手だと思うよ」

風花「離婚、ですか。そこまでは軽々しくすすめられないかな」

社長「まあキミ達にはそういう辛い思いはして欲しくないね。ずっと笑顔でいてほしいものだよ」

このみ「ありがとうございます。大丈夫ですよ、今は結婚よりアイドルの方がずっと大切です。当分の間、社長を悩ませるような真似はしませんから」

風花「私もです。安心してください、まだまだここでお世話になります」


10: ◆UEry/CPoDk 19/06/27(木)23:14:32 ID:ziL

社長「頼もしいね、どうもありがとう。しかし、いつまでもというのも困るよ?
私はいつか、かつて自分が手がけたアイドルの結婚式に招待されてその席で思わず涙ぐむというのにも憧れているんだから」

このみ「あはは。じゃ、私の結婚式の時には両親だけじゃなくて社長へのお手紙も用意しますね。思いっきり泣けるようなやつを考えておきますから」

風花「いいですね、私もそうしようっと。あ、それと結婚式の前日に長い間お世話になりましたってご挨拶に伺います。その時は社長室で待っててくださいね?」

社長「はは、いつになるかな……まあ、楽しみにしておくよ?」


11: ◆UEry/CPoDk 19/06/27(木)23:16:44 ID:ziL

おしまい。お目汚し失礼いたしました。

White Vowsはいいイベントでしたね。





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