TOP > その他 > 後輩「せーんぱい、若い頃に恋愛とえっちしとかないと歪んじゃうらしいですよ。このままじゃ先輩も……」俺「じゃあ彼女作ってやるよ!」

後輩「せーんぱい、若い頃に恋愛とえっちしとかないと歪んじゃうらしいですよ。このままじゃ先輩も……」俺「じゃあ彼女作ってやるよ!」

2019/09/02 19:03 | その他 | コメント(0)
1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 21:54:38.196 ID:09jCuuTb0

後輩「ふーん、先輩もようやくその気になったんですか? でも誰と付き合うんですか? やっぱり私……」

俺「学園のマドンナ先輩に告白する!」

後輩「えっ?」

俺「どうせ行動するなら、やっぱり理想を高く持った方がいいよな!」

後輩「で、でも先輩とマドンナ先輩って特に接点ないですよね?」

俺「うん。喋ったことすらないけど」

後輩「……一目惚れって奴ですか?」

俺「え? 別に?」

後輩「……」

俺「……」


4: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 21:56:23.685 ID:09jCuuTb0

後輩「いやいや、いきなり告白してオッケー貰えるわけないじゃないですか。先輩が物凄いイケメンだったとかならともかく」

俺「確かに。いやでも逆にいきなり告白したらさ、ビギナーズラック的な奴で上手く行ったりしない?」

後輩「じゃあ逆に、先輩が知らない人にいきなり告白されたらどうします?」

俺「うーん、迷うかな」

後輩「そうでしょう。普通はまず距離を縮めてから告白するものですよ。お互いのことを知り合う中で、その間の言動が大事なんです」

俺「なるほど……さすが後輩! 頭いいな! 助かるよ!」

後輩「ま、まぁそれほどでも……」フフン


5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 21:57:08.243 ID:09jCuuTb0

後輩(……って、そのまま行かせてれば十中八九フラれて終わりだったじゃないですか!)

後輩(うぅ、ついうっかり助言を……)

俺「じゃあまずマドンナ先輩のことを知るところから始めるか。何組かも知らないし、色々と調べないと」

後輩「よくそんなので告白しようと思いましたね……」

俺「いやぁ、褒められると照れるなぁ。よし! じゃあ一緒に頑張ろうな!」

後輩「は?」

俺「へ?」

後輩「……」

俺「……」


6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 21:58:09.700 ID:09jCuuTb0

後輩「え、何の話ですか?」

俺「いや、一人じゃ調べるのも限界あるしさ。二人で調べれば百人力でしょ!」

後輩「いや、なんで私が……」

俺「頼むよ! 後輩しか頼れる奴がいないんだ!」

後輩「いやいや、先輩のお友達に協力して貰えばいいじゃないですか。ほら、いつもつるんでる人たち」

俺「それが俺たち童貞同盟では、交際に繋がる可能性のある情報の授受は規則で禁止されてるんだ」

後輩「なんですかそのけったいな同盟……」

俺「だから頼む!」

後輩「……」

俺「お願い!」

後輩「……はぁ。もう、しょうがないですね先輩は」

俺「マジで! ありがとう!」


7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 21:59:11.608 ID:09jCuuTb0

後輩「……それで、それからしばらく経って、マドンナ先輩のことを調べたわけですが」

後輩「よくよく考えたら、手を抜いとけばよかったじゃないですか。ついつい入念な調査をしてしまいました……」

後輩「今からでもこの調査書を捨てちゃうべきでしょうか……」

後輩「うーん、でも……」

俺「あっ、後輩!」

後輩「あぁ、先輩。おはようございます」

俺「どう? ちゃんと調べた?」

後輩「私としては、どっちかというと先輩がちゃんと調べてきたかの方が心配なんですが……」

俺「ふふふ、安心してくれ。それで、どうだった?」

後輩「まぁ……得意科目は数学、趣味はスキューバダイビング、好きな音楽はクラシックだそうです」

俺「ふむふむ……誕生日とかは分かるか 誕プレとか出来れば好感度アップだろ!」

後輩「誕生日は……2ヶ月前みたいですね。あ、ちなみに私の誕生日は来月の最期の日曜なんですけど」

俺「よし! なら一年待つか!」

後輩「……」

俺「……」


10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 22:04:18.726 ID:09jCuuTb0

後輩「いやいや。告白を成功させるために誕プレしたいのに、誕プレするために一年待つってどう考えても本末転倒じゃないですか」

俺「確かに……」

後輩「というかそれだけ経ったらマドンナ先輩進学してるじゃないですか。何なら大学で彼氏出来てますよ」

俺「そっか……考えてなかった……」

後輩「いや、そんなしょぼくれなくても……まぁ他の情報はここに書いてありますから、これ見て考えましょう」

俺「あぁ……ありがとう! 本当助かるよ! 後輩がいてよかった! 最高!」

後輩「……ま、まぁ私にかかればこんなのお茶の子さいさいですよ。当たり前です」フフン

俺「じゃあ俺の調査結果言っていい?」

後輩「どうぞ」

俺「マドンナ先輩が乗っている自転車は、学校から東に6km離れたコーナンで購入したもの」

後輩「……」

俺「……」


12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 22:10:52.523 ID:09jCuuTb0

後輩「……いやその情報、どうやって使うんですか」

俺「え? まぁ話のタネに……」

後輩「いやいや! 別に全然面白くなりそうにもない話ですし、そもそもマドンナ先輩と知り合ってもない先輩が知ってたら不自然な情報じゃないですか」

俺「そう?」

後輩「そうですよ! だってですよ、例えばですよ。先輩の自転車ってビバホームで買ったんですよね? って言われたら――」

俺「え? なんで知ってるの?」

後輩「そう! そうなりま――あっ!」

俺「ん? どうかした?」

後輩「あ、え、えええっと、な、なんでもありません」

俺「え、でも」

後輩「どうでも! どうでもいいんです! とにかく!」


13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 22:16:31.680 ID:09jCuuTb0

後輩「……とにかく、先輩の持ってきた情報はぶっちゃけ使えないってことです」

俺「そっか……」ショボン

後輩「まぁいいです。次行きましょう次。他には何かないんですか?」

俺「あぁ。とっておきのがあるぞ」

後輩「じゃあ、それを聞かせて下さい」

俺「マドンナ先輩が家で使ってる箸は、赤色」

後輩「……」

俺「……」

後輩「先輩……いや、ある意味凄いっちゃ凄いですけど、そんな情報逆にどうやって調べたんですか?」

俺「地道な聞き込み調査で……」

後輩「……どんな界隈で聞き込み調査したんですか」


14: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 22:29:50.073 ID:09jCuuTb0

後輩家

後輩「はぁ……なんだか疲れました」

後輩「なんなんですか、マドンナ先輩のいとこの叔父さんが好きな馬の名前がタンデンタイフーンって。誰得なんですその情報」

後輩「まだ早いですけど……ちょっと寝ましょうか」

ピンポーン

後輩「おや? 来客ですか……めんどくさいですね。まぁお母さんが出てくれ――」

俺「後輩、いるかー?」ピンピンポーン

後輩「へえっ!?」

俺「あ、出てきた。悪いなこんな時間に」

後輩「な、なんなんですか先輩……何か用があるなら、LINE送ってくれればいいじゃないですか」

俺「いやぁ、スマホが電池切れした上に充電ケーブルを紛失して」

後輩「それで家に直接来たって……先輩のその謎のアクティブさはなんなんですか」


16: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 22:36:58.506 ID:09jCuuTb0

後輩「それで、用件は何ですか?」

俺「あぁ……明日か明後日、土日のどちらかでご飯食べに行かないか?」

後輩「えっ……そ、それってもしかして……デート、ですか?」

俺「あぁ!」

後輩「……ふ、ふーん。そうですね、まぁ仕方ないですねぇ。先輩が私とデートしたいってそんなに言うなら、ちょっとくらい付き合ってあげても……」

俺「マドンナ先輩とデートする時の練習をしとかないとな!」

後輩「……」

俺「……」

後輩「……」

俺「あれ、なんか急に黙って、どうしたんだ後輩」

後輩「あーはいはい! 分かりましたよ! 行けばいいんでしょう行けば! 行きますからもう帰ってくださいそれじゃおやすみなさい!」ガチャッ


21: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 22:49:07.839 ID:09jCuuTb0



後輩「……まぁ、気を取り直しましょう」

後輩「デートの予行演習と言っても、結局のところ中身はデートみたいなもんなんです」

後輩「普通にデートしちゃいましょう。先輩も腐っても男ですから、きっと今日は先輩が男らしくリードしてくれる姿を見られるでしょう。前向きに捉えるべきです」

後輩「さて……」

俺「お、後輩」

後輩「えへへ、待たせちゃいました?」

俺「うーん、5分くらい」

後輩「……先輩、そこは『待ってないよ』って言うところです」


22: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 22:53:24.634 ID:09jCuuTb0

俺「え、そうなの?」

後輩「そのために私、わざとちょっとだけ遅れて来てあげたんですよ? こういう細かいところで器の大きさを見せつけるんですよ」

俺「なるほど」

後輩「さ、それじゃ行きますか。まずは……」

俺「うん」

後輩(……って、私がリードしてどうするんですか!)

後輩(ある意味私の魅力をアピール出来るかもしれませんけど……)

後輩「……えっと、何処行くんでしたっけ?」

俺「あぁ、最初に行くところは……」

後輩(……そもそも上手くいくんでしょうか、このデート)


24: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 22:58:46.364 ID:09jCuuTb0

後輩「それで」モグモグ

俺「うん」モグモグ

後輩「ご飯食べに来たのはいいですけど」モグモグ

俺「うん」モグモグ

後輩「マドンナ先輩の好きな料理って、イタリアンでしたよね」

俺「うん」

後輩「ここって和食屋じゃないんですか? 方向性違いません?」

俺「いや、創作料理屋なんだ。それで、イタリア風みそ汁がメニューにあるって聞いて」

後輩「イタリア風みそ汁」

俺「うん」

後輩「……いや、いきなりそういう変化球には手を出さない方がいいと思います」

俺「そう?」

後輩「そうですよ」


25: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 23:02:54.620 ID:09jCuuTb0

俺「うーん、じゃあこの後イタリアンレストランに行くか。今から検索するよ」

後輩「今からって……普通に昼ご飯食べて、もう一軒行くんですか?」

俺「うん。いや、まぁ後輩は無理して食べなくてもいいよ」

後輩「食べます」

俺「いや、無理しなく」

後輩「食べます」

俺「……」モグモグ

後輩「……」モグモグ

俺「……」モグモグ

後輩「……ここのご飯、美味しいですね」モグモグ

俺「いやぁ、そういって貰えると嬉しいな」

後輩「店員さん! おかわり!」ブンブン

俺「えっ」


27: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 23:15:31.899 ID:09jCuuTb0

後輩「さて、お腹も満たしましたし……」

俺「映画館に行くか」

後輩「そういえば、マドンナ先輩の映画の好みについては分かりませんでしたけど……どうするんですか?」

俺「うーん、そうだな……」

後輩「まぁ先輩がフィーリングで、マドンナ先輩が好きそうなの選んでみたらどうですか? 邦画のラブロマンスとか割と無難だと思いますけど」

俺「後輩はどれが見たいんだ?」

後輩「いや、私の好み言ったって仕方ないじゃないですか。マドンナ先輩の……」

俺「でもさ、結局分からないんだしどれ見たって一緒だよ。そんなことより、折角後輩と一緒にいるんだから後輩が楽しめるものを見ないと」

後輩「……」

俺「後輩?」

後輩「……まったく。気遣いが出来るんだか出来ないんだか……」

俺「ん? 何か言った?」

後輩「あーなんでもないですよなんでも。さ、そろそろ時間ですし早くチケット買いに行きましょう」


30: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 23:24:18.596 ID:09jCuuTb0

後輩「いやー最高にいい映画でしたね!」

俺「……」

後輩「特にあのシーンが良かったですね! 主人公が『ファック! 死になチンポコ野郎!』って言いながら銃ぶっ放すシーン!」

俺「……」

後輩「あとは二階から目薬を点そうとして失敗するシーンが……あれ、なんだか先輩えらく無口ですね。お気に召しませんでした?」

俺「いや、思ったよりかなりエログロバイオレンスで、ちょっと……」

後輩「はー先輩はあれの良さが分かりませんか。はー。分かりませんかー」

俺「まぁ……」

後輩「やれやれ、先輩もまだまだ未熟ですね。まぁ、あと何回か見たら良さが分かりますよ」

俺「そっかなぁ? じゃあ、マドンナ先輩とデートする時に……」

後輩「いやいやいや! 女の子と一緒にあれ見るとか有り得ませんよ! もっと他のチョイスがあるじゃないですか!」


32: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 23:32:12.465 ID:09jCuuTb0

俺「いや、そんなこと言ったら後輩が女の子じゃん」

後輩「え、まぁ、それは……えっと」

俺「……」

後輩「……その話は置いときましょう。それで、次は何処に行きますか?」

俺「タワーに行こうか。なんか夜景が綺麗らしい」

後輩「まだ日が落ちてませんから昼景ですけどね」

俺「まぁそれはそれで。景色がいいことには変わりないだろうし」


34: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 23:41:56.484 ID:09jCuuTb0

後輩「なるほど、確かにいい景色ですね。デートにはぴったりな場所です」

俺「うん。これでデートプランも完成だな。あとは誘うだけだ」

後輩「誘うだけって……そこがある意味一番重要じゃないですか? 大体先輩、まだマドンナ先輩と話したことすらないじゃないですか」

俺「まぁ確かに」

後輩「いきなり告白に比べたらマシかもしれませんけど、初対面でデート誘って成功する可能性は限りなく低いと思いますよ」

俺「それは俺も考えてた」

後輩「絶対考えてなかったですよね……」

俺「だから……まず後輩がマドンナ先輩と知り合って、その後俺を紹介してくれ!」

後輩「……いや、なんか余計なフェイズが入ってません? 先輩がなんとかして直接知り合いになればいいじゃないですか」


35: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 23:51:50.316 ID:09jCuuTb0

俺「いや……マドンナ先輩の周囲には常に護衛がついてるんだ」

後輩「護衛って」

俺「マドンナ先輩ファンクラブの護衛だ。不逞な男が近寄らないように二十四時間体制で鉄壁の布陣が組まれてる」

後輩「ファンクラブってそういう組織でしたっけ?」

俺「だが、マドンナ先輩の友達の紹介であれば、流石に排除するわけにはいかない。そのために後輩がマドンナ先輩と知り合って貰う必要があるんだ」

後輩「そう言われましても……私、一年ですよ? 私だってマドンナ先輩と何の接点もないんですから、知り合うのも簡単な話じゃないと思いますよ」

俺「そこをなんとか」

後輩「私がマドンナ先輩と知り合うより、ファンクラブの方をなんとかした方が手っ取り早いんじゃないですか? 所詮は生徒の集まりでしょう?」

俺「いや……先生も入ってるんだ」

後輩「……」

俺「ちなみにファンクラブ会長はうちの学校の校長」

後輩「それ、あんまり知りたくなかったです」


36: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/01(日) 23:58:50.335 ID:09jCuuTb0

後輩「仕方ないですね……まぁそのことは私がなんとかしておきますよ」

俺「ありがとう! 任せたよ」

後輩「それはさておき……昼食べたところとか、ここの入場料とか、正直学生の身には結構きつい金額ですよね」

俺「まぁ確かに」

後輩「いいんですか? 全部奢って貰っちゃって。私だってバイトしてますし、お金出しましょうか?」

俺「いや、いいよ」

後輩「私が後輩だからって遠慮しなくてもいいですよ」

俺「いや、俺が払うよ。予行演習に付き合って貰ったんだし」

後輩「……そうですか」


37: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 00:05:32.853 ID:o+JsWdKP0

後輩「……ところで先輩。このタワー三回、一緒に来た男女は必ず結ばれるって噂があるそうですよ」

俺「へぇ、そうなんだ」

後輩「マドンナ先輩とここに三回来ればいいんじゃないですか? そうすれば確実ですよ」

俺「なるほど……よし、やってみるか」

後輩「真に受けないで下さいよ……冗談です」

俺「そうか? いい作戦だと思ったけど」

後輩「どうせこのタワーやってる人が出した都合のいい噂ですよ。そうすれば、同じ人に三回も来て貰えるんですからね」

俺「あー、なるほどね、確かに」

後輩「大体、こんなデートスポットに三回も来るなんて、もう付き合ってるようなもんじゃないですか。順序が逆なんですよ」

俺「なるほどなぁ」

後輩「……」

俺「……」

後輩「……そろそろ帰りましょうか。あまり暗くなると、うちの親が心配しますし」


40: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 00:12:57.144 ID:o+JsWdKP0

後輩家 夜

後輩「はー、なんだかんだで先輩とマドンナ先輩の本番デート前日になってしまいました」

後輩「それにしても、予想外でした」

後輩「まさか先輩がマドンナ先輩と知り合ってから、ここまで急速に仲を縮めるなんて……」

後輩「正直、マドンナ先輩が卒業するまでにデートが成立しない可能性にも賭けてたんですけど」

後輩「これは……ちょっとやばいかもですね」

後輩「って言っても、流石に妨害工作なんて卑怯な真似は許されませんし……」

後輩「かくなる上は、早い者勝ちの法則を発動するしか……」

後輩「……」

後輩「今から電話を……流石にまだ起きてますよね、先輩」

後輩「……」モジモジ

後輩「……よしっ」

俺「後輩いるー? 開けていいー?」トントン

後輩「うひゃあああ!!」


42: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 00:20:52.370 ID:o+JsWdKP0

後輩「なっなななななっなななんなんで先輩がうちにいるんですか!?」

俺「え、後輩のお母さんが入っていいって言うから」

後輩「……あとで不服申し立てします。それで、今度は何の用向きですか? ていうか、LINEして下さいよ。仮に家に来て話すとしても、事前に連絡入れましょうよ」

俺「いやぁごめん。スマホが電池切れした上に、新しく買った充電ケーブルを紛失して」

後輩「アホなんですか先輩?」

俺「ははは」

後輩「笑ってる場合ですか。まぁいいでしょう、用件をどうぞ」

俺「……」キリッ

後輩「……なんですか、佇まいを正して。それにやけに真剣な顔ですね。何か重要な用事でも……」

俺「……」

後輩「……まさか、先輩――」

俺「お金を貸してほしい」


43: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 00:28:13.941 ID:o+JsWdKP0

後輩「……」

俺「……」

後輩「は?」

俺「いやぁ、この前の予行演習でちょっとお金使いすぎてさ。明日のデート代が足りないんだ」

後輩「アホなんですか先輩?」

俺「あはは」

後輩「笑ってる場合じゃないですよ先輩。ていうか普通に親に借りればいいじゃないですか。可愛い息子のデートとあらば、ある程度はお金も出して貰えるんじゃないですか?」

俺「いやぁ、言ってみたんだけどさ」

後輩「はい」

俺「『お前が童貞卒業するのはまだ早いからやめとけ。二十歳になったら風俗の金出してやるから』って言われた」

後輩「まぁそれは……はい」

俺「ははは」

後輩「笑いごとでもないと思います」


45: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 00:32:35.264 ID:o+JsWdKP0

後輩「本当に仕方ないですね……今回きりですよ。出来るだけ早めに返してください」

俺「あぁ、分かった。恩に着るよ」

後輩「……」

俺「……」

後輩「明日……なんですね」

俺「あぁ。後輩の助けで得たもの、教わったもの、全部ぶつけてくるよ!」

後輩「はぁ……」

俺「じゃあ、夜分に悪かったな。おやすみ!」ガチャ

後輩「はぁ、おやすみなさい」

後輩「……」

後輩「……」

後輩「……」


47: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 00:38:13.267 ID:o+JsWdKP0

後輩「……」

後輩「……あっ」

後輩「さっき、思いを伝えればよかったのに……! 先輩がアホなせいですっかり忘れてた……」

後輩「今から電話は……」

後輩「……」

後輩「流石に、出来る気がしませんね」

後輩「……率直に言って、今の先輩がマドンナ先輩に告白してOKを貰える確率は、現実的な数値でありそうですね」

後輩「明日のデートが上手くいけば、恐らくは……」

後輩「……」

後輩「あー!」

後輩「もういいです、寝ます。寝ちゃいましょう。そのまま明日はずっと寝まくって過ごしましょう。ふて寝デーです」

後輩「まぁ先輩が付き合っても、その内別れるかもしれませんし。よそのことなんていつまでも考えてたって仕方ありません」

後輩「……おやすみなさい」


48: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 00:42:46.421 ID:o+JsWdKP0

翌日 街

後輩「……全然眠れなかった上に、結局街まで来ちゃいました」

後輩「しかも先輩たちの待ち合わせ時間まで、まだ三十分もありますし……」

後輩「やっぱり帰っちゃいましょうか……」

後輩「……」

後輩「……いや! 電車賃が勿体ないですし、毒を食らわば皿までです」

後輩「先輩の雄姿を見届けるとしましょう」


51: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 00:47:44.343 ID:o+JsWdKP0

後輩「あっ、先輩がやって来ましたね」コソコソ

後輩「結構早めに来ましたね……やはり気合を入れてきたんでしょうか」

後輩「……」

後輩「……」

後輩「少し遅れてマドンナ先輩もやって来ました」

後輩「ほぼ時間通りなんですけど、先輩が早めに来ていた関係でそこそこ時間が開いていたことになりますね。でも……」

俺「待ってないですよ」

後輩「……ちゃんと覚えてるじゃないですか」

後輩「まったく、喜ばしいんだか悲しいんだか……」

後輩「……あっ、移動し始めるみたいですね」

後輩「例のイタリアンを食べにいくんでしょうね。先回りしておきましょう」


53: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 01:02:25.381 ID:o+JsWdKP0

後輩「……傍目に見ても、話が盛り上がっていましたね」

後輩「好物のイタリアンということで、マドンナ先輩も満足していたみたいですし……」

後輩「今のところ順風満帆といったところですね。まったく……」

後輩「この後は映画ですね。現地でマドンナ先輩に好みを聞くにしても、その映画が今の時間に丁度やってるとは限りませんし……」

後輩「ここは運ですね。躓くとしたらこのポイントでしょうか」

後輩「正直、失敗して欲しいような……」

後輩「……いえ、やめときましょう。私は見届けるだけです」


54: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 01:08:02.275 ID:o+JsWdKP0

後輩「……まさかマドンナ先輩がISSAの大ファンだったなんて」

後輩「不覚でした。私の調査に漏れがあったとは……いや、別に悔しがるようなことでもない気もしますけど」

後輩「それにしても、ここに来て当たりの映画を引き当てるとは……先輩も悪運が強いようですね」

後輩「映画も上手くいくなんて……出来過ぎなくらいのデートの流れですね」

後輩「最後は、タワー」

後輩「……ここで全てが決することになるでしょう」

後輩「覚悟を決めましょう」

後輩「私は見届けるのみです。そう、最後まで」


56: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 01:15:23.652 ID:o+JsWdKP0

タワー

後輩「今日は私の時と違って夜ですから、本格的にカップルが多いですね……」

後輩「有名なだけあって、やっぱり綺麗な夜景ですね……ロマンチックです」

後輩「先輩たちは……」

後輩「……」

後輩「すっかり溶け込んでますね。まるで本物のカップルみたいです」

後輩「……こうやって考えると、一人でいる私はちょっと浮いちゃってますね」

後輩「ふふ……」

後輩「……」

後輩「……そろそろ」

後輩「遂に、その時でしょうか」


57: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 01:18:32.348 ID:o+JsWdKP0

俺「マドンナ先輩、言いたいことがあるんですけど」

後輩「……」

俺「えっと……」

後輩「……」

俺「その……」

後輩「……歯切れが悪いですね。すぱっと言えばいいじゃないですか。これだから先輩は童貞なんです」

俺「……マドンナ先輩、好きです。俺と付き合って下さい」

後輩「!」

俺「どう、ですか……?」

後輩「……」

後輩「……」

後輩「…………」


58: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 01:22:25.224 ID:o+JsWdKP0

後輩「…………」

後輩「やっぱり、帰りましょうか」

後輩「もう充分でしょう。これだけいたんですから」

後輩「どうせ結果は……」

後輩「……」

俺「え? どうして私のことを好きって言ってくれたか、ですか? それは――」

後輩「……」チラッ

後輩「いえ、今度こそ本当に、帰りましょう」

後輩「さようなら、せんぱ――」

俺「若い頃に恋愛とえっちしとかないと歪んじゃうらしいから、です!」


61: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 01:29:26.201 ID:o+JsWdKP0

後輩「え?」

俺「え?」

俺「どうかしたんですか、マドンナ先輩?」

俺「えっ? 身体目当てだったの? そんなこと言われても」

俺「いや、なんていうか」

俺「まぁそう言われるとそうかもしれないですけど」

俺「うーん」

俺「まぁまぁ、落ち着いて」

俺「深呼吸して落ち着きましょう。ほら――ぐほっ!」ドゴォ

俺「あれ、帰っちゃうんで――うごおっ!」ボゴッ

俺「」チーン


63: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 01:38:59.245 ID:o+JsWdKP0

後輩「……何やってんですか、先輩」

俺「……あれ、後輩? なんでここに」

後輩「そんなことよりほら、こんなところで寝っ転がってたら邪魔になりますよ。手貸してあげますから、立ってください」スッ

俺「あぁ……ありがとう」

後輩「それより、何かあったんですか? マドンナ先輩、なんだか怒って帰っちゃったみたいですけど」

俺「いやぁ、なんだかデリカシーのないことを言っちゃったっぽくて。配慮が足りなかったみたい」

後輩「ふーん。そうなんですか。まぁ先輩のことですから、相当にデリカシーのないことを口走ったんでしょうね。むべなるかなです」

俺「後輩はいつからいたんだ? 聞かれてたら恥ずかしいな」

後輩「いいえ? 私は今さっきここに入ったばっかりなので。先輩が言ったことなんてさっぱり見当もつきませんよ。でもまぁ、先輩は単純ですから予想は簡単って話です」

俺「そっか……」


65: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 01:45:31.650 ID:o+JsWdKP0

後輩「あれ? 元気ないんですか先輩? 元気ありませんか? わけの分からないバイタリティが持ち味の先輩にしては、ちょっと珍しいですねぇ」

俺「いや、別に……そういうわけじゃないけど」

後輩「ふーん。落ち込んでたら特別に私が慰めてあげてもよかったんですけどねー。あーあ、勿体ない、先輩は大いなる機会を損失しましたねー」

俺「後輩はなんか元気だな」

後輩「元気? いやいや、何言ってるんですか先輩。私は至っていつも通りですよ。やっぱり先輩しょげてるんじゃないですか? 相対的に私が」

俺「……ごめん、後輩」

後輩「……なんですか急に」

俺「色々助けてもらったのに、上手くいかなかったよ」


69: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 01:52:59.304 ID:o+JsWdKP0

後輩「……」

俺「折角色々やってもらったのに……悪い。全部無駄にしちゃったよ」

後輩「まったく、何かと思えば……」

俺「……後輩」

後輩「大体私に謝られても困りますよ。別に、この一件で私は何も損してませんし。無駄っていうなら、先輩のその律義さが無駄に律儀って感じです」

俺「……」

後輩「まぁ謝りたいなら、後日マドンナ先輩に謝っとけばいいんじゃないですか? どっちかっていうと先輩は、そっちのことを考えといた方がいいと思いますよ」

俺「そうか……」

後輩「そうですよ」

俺「そっか……ありがとう」

後輩「お礼を言われても困りますって」


70: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 01:58:49.522 ID:o+JsWdKP0

俺「そうだな……今くよくよしてても仕方ないよな」

後輩「その意気ですよ」

俺「デートも途中までは上手くいってたし、あと少しで成功してた!」

後輩「その調子です」

俺「最後の鉄拳に耐えてたら告白も成功してた!」

後輩「何言ってるんですか?」

俺「え? 何かおかしい?」

後輩「アホなんですか先輩?」

俺「えへへ」

後輩「いや、最初から知ってました。先輩はアホです」


71: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 02:07:34.029 ID:o+JsWdKP0

後輩「それにしても……・夜景、綺麗ですね」

俺「あぁ」

後輩「昼でも充分いい眺めでしたけど、やはり夜は格別ですね。この時間にこれだけ人がいるのも頷けます」

俺「これをプレゼント代わりに……ってのも考えたけど、ちょっと色々あってごちゃごちゃしちゃったな。それどころじゃないか」

後輩「プレゼントですか。マドンナ先輩も夜景の代わりにごちゃごちゃをプレゼントされたわけです。騒ぎの発端は先輩ですから、マドンナ先輩もとんだ災難ですよ」

俺「いや、マドンナ先輩じゃなくて」

後輩「え? じゃあ何のことですか?」

俺「その……後輩、今日誕生日だろ?」

後輩「えっ?」

俺「それで、何か誕プレがあればいいけど、何も持ってないから……」


72: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 02:12:50.919 ID:o+JsWdKP0

後輩「……覚えてたんですか、先輩。私の誕生日」

俺「あぁ」

後輩「鶏よりも脳味噌が軽そうな先輩が……」

俺「失敬な」

後輩「ま、まぁ……それくらい当然ですよね。当たり前のことです。でもまぁ、褒めてあげますよ」

俺「うん。後輩、誕生日おめでとう」

後輩「……ありがとうございます」


75: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 02:19:54.540 ID:o+JsWdKP0

俺「それでさ……さっきも言ったけどさ、何かとどたばたしちゃったしさ」

後輩「埋め合わせをしようってことですか? 気にしなくていいですよ、別に。そもそも先輩借金してる身じゃないですか。まずはお金を返して貰うところからですよ」

俺「うーん、まぁそれはそうだけどさ」

後輩「まぁほら、綺麗じゃないですか、夜景。これで充分ですよ。なんならお釣りが出ます」

俺「そっか。ならいいか。また日を改めてここに誘おうと思ったんだけど――」

後輩「へええっ!?」


76: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 02:23:58.600 ID:o+JsWdKP0

俺「えっ、なに突然大声出して」

後輩「え、も、もも、もう一回ここに来るって……?」

俺「うん」

後輩「いいいい、い、一緒にですか……?」

俺「うん。あ、そっか。続けて何度も同じところに来るとか飽きちゃうか。あーでも、他によさげな場所知らないしなぁ……」

後輩「いいいやいやいやいやいやいや! いいところですよここ! また来ましょう! 必ず!」

俺「そう? そんなに?」

後輩「そんなにです!」

俺「そっか……じゃあ、そうしようか」

後輩「はい!」

俺「後輩がそんなに気に入ったなら、お金に余裕が出来たら週一で来よう」

後輩「いやそれはいいです」


79: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 02:31:19.801 ID:o+JsWdKP0

後輩「ふぅ……あれ、今まで結構いたのに、人がもうあまりいませんね」

俺「もう時間も遅いしな。展望デッキもそろそろ閉まるんじゃないかな?」

後輩「そうですか……もうそんな時間ですか」

俺「俺たちもそろそろ出て行かないとな」トコトコ

後輩「……」

俺「ん、どうした後輩。行かないのか?」

後輩「あの、先輩……」

俺「ん」

後輩「夜の展望デッキってもっと静かだと思ってましたけど、たくさん人がいて思ったよりは賑やかでしたよね」

俺「うん。それはまぁ確かに」

後輩「まぁ、そういう人のいるところも嫌いじゃないですけど……もうちょっと静かなところもいいですよね」

俺「うん」

後輩「先輩……落ち着いたところに行きませんか……?」


82: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 02:35:38.327 ID:o+JsWdKP0

俺「……」

後輩「ほら、もう夜も更けてますし……」

俺「……」

後輩「もうちょっと夜景を見るっていうのも、いいかもしれませんね。ここまで高い場所じゃなくても、いいですから……」

俺「……」

後輩「何だかんだ、今日は色々ありましたし……少し疲れました」

俺「……」

後輩「今日はもう休みませんか?」

俺「よし!」

後輩「はい」

俺「分かった! じゃあ帰るか!」

後輩「は?」


83: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 02:44:11.745 ID:o+JsWdKP0

後輩「……は?」

俺「いやだって、もう深夜も近いしな。終電逃したら帰れなくなっちゃうし」

後輩「いや、別にそれは」

俺「疲れたって言ってただろ? 家に帰って寝て休もう!」

後輩「いや、言いましたけどそれは」

俺「都会もいいけどやっぱり自分たちの町が一番落ち着くよな! 何もなくて静かだし!」

後輩「……」

俺「夜景は見れないけどな! あっ、途中で電車が結構高いところ通るか! 商店街が見えるな!」

後輩「……」

俺「あっ、よくよく考えたらもう商店街閉まってるな! どっちにしろ夜景見えないな!」

後輩「……」

俺「さっ、帰るか! 帰りの分の切符ももう買ってあるぞ!」ニコッ

後輩「先輩の……」

俺「ん?」

後輩「先輩のあんぽんたんーっ!!!」ドゴォ

おわり


87: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/09/02(月) 03:01:27.353 ID:uryeO7pU0


最後の俺は何かを察してはぐらかしたのかそれとも純粋にアホなのか





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