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【ぼく勉】 紗和子 「レッド・ホット・バレンタイン」

451: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:17:17 ID:KTVNI7b6

………………化学室

紗和子 「………………」

グツグツグツグツグツ……

紗和子 「ふふふふふ……」

紗和子 「あとはこれを、こう、と……」

コトコトコト……マゼマゼマゼ……

紗和子 「………………」

ニィィ……

紗和子 「ふふ……あとはこのチョコを型に流し込んで固めれば完成よ!!!」

部員 (関城元部長、引退したのに何やってるんだろ……?)

紗和子 「待っていなさい、唯我成幸! このチョコであなたもイチコロよ!」

部員 (ああ、チョコ作ってたんだ。バレンタインかな)

部員 (唯我成幸さんって、部長の好きな人なのかな。部長もそういう人いるんだなぁ)

紗和子 「ふふ……ふふふ……!!」

部員 (それはそうと、マッドな笑いが似合うなぁ部長……)


452: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:17:56 ID:KTVNI7b6

………………翌日 登校日 放課後

陽真 「なーりーちゃん、かーえろ」

陽真 「……って、どうしたの、その紙袋」

成幸 「ん? いや、なんかしらんけど今年はバレンタインのチョコをたくさんもらっちゃってさ」

成幸 「モテ期到来かー、なんてな。全部義理だよ。それでもありがたいけどな」

陽真 「………………」 ウーム 「……ちなみに誰からもらったの?」

成幸 「? えっと、これはうるかと緒方と古橋にもらったな」


―――― うるか 『なっ……成幸! こ、これ、チョコ! 食べてね! あたしの気持ちだから!』

―――― 理珠 『成幸さん! あの……よ、よかったら、食べてください……。私の、気持ちです……』

―――― 文乃 『お父さんに毒味してもらったから大丈夫! ちゃんと食べられるから!』


成幸 「全員顔真っ赤だったけど、風邪でも引いてんのかな。大事ないといいけど」

陽真 「あ、うん」

陽真 (……成ちゃん、間違いなくそれ全部本命だよ……)


453: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:18:35 ID:KTVNI7b6

陽真 「? でもそれにしてはチョコ多くない?」

成幸 「ああ、あとは学校に来る前に会ったOGの先輩と……」


―――― あすみ 『お、おう、後輩。朝から呼び出して悪いな。よかったら、これ……』


成幸 「……こっちは、内緒にしてくれって言われたけど、お前にならいいかな。桐須先生からなんだ」


―――― 真冬 『他の人には内緒よ。これ、がんばって作ったから、食べてくれたら嬉しいわ』


陽真 「あー、うん……」

成幸 「風邪、流行ってんのかな。ふたりも顔が真っ赤だったけど……」

陽真 (もはやそのニブさは犯罪的だよ成ちゃん……)

成幸 「で、実はこの後、緒方と勉強会なんだ。だから、悪いけどまだ帰れない」

陽真 「あ、そうなの。残念。大森も用事あるみたいだし、ひとりで帰るとしようかな」

成幸 「っていうか、せっかくのバレンタインなんだから海原と一緒に帰ったらいいだろ」

陽真 「智波ちゃんは部活だよ。卒業前の後輩への指導ラストスパートだってさ」

陽真 「でも心配ご無用。部活が終わった後デートの約束があるからね」


454: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:19:06 ID:KTVNI7b6

成幸 「そうかよ。聞くんじゃなかったよ……」

陽真 「はは、じゃ、成ちゃん勉強がんばってね――」


紗和子 「――――唯我成幸ーー!!」 バーーーーーン!!!


成幸&陽真 「「!?」」

紗和子 「教室にいてくれたのね、良かったわ」

成幸 「……せ、関城、急に登場するなよ。心臓飛び出るかと思ったわ」

紗和子 「間に合って良かったわ。うちのHRが長引いて、どうなることかとヒヤヒヤしたわ」

成幸 「? そんなに急いで何か用か?」

紗和子 「その前に確認なんだけど、あなたこの後緒方理珠と勉強会よね?」

成幸 「へ? そうだけど……」

紗和子 「……よし。完璧ね」 (ふふ……ふふふふふふ……!!)

成幸 「?」

紗和子 (さぁ、始めるわよ! 私の、在学中最後であろう、緒方理珠への恩返し!)

紗和子 (レッド・ホット・バレンタイン作戦、決行よ!!)


455: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:19:50 ID:KTVNI7b6

………………昨夜

紗和子 「……うんうん。見た目は完全にただのチョコね」

紗和子 「完璧に仕上がったわ。これで唯我成幸も緒方理珠の魅力に気づいてイチコロね!」

紗和子 「……でも、しまったわね。何も考えずに適当に安いチョコの型を買ってしまったから……」

キャピルーン♪

紗和子 (思いっきりハート型のチョコになってしまったわ)

紗和子 (それにラッピングも安いのを適当に買ったら、すごくハートハートしてるわ……)

紗和子 (……ま、まぁ、効能がしっかりあれば、形なんてどうでもいいのよ!)

紗和子 (ハート型だろうとなんだろうと、それでも問題はないはず!)

紗和子 (あとはこれを、明日の緒方理珠と唯我成幸の勉強会の直前に渡せば……!!)

紗和子 「……ふふ、ふふふふ!!」

紗和子 「そう、この新発明チョコレート、『レッド・ホット・チョコ・ペッパーズ』 、略してRHCPをね!!」


456: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:20:33 ID:KTVNI7b6

………………

紗和子 (RHCPは、唐辛子の辛み成分、カプサイシンを多分に含ませたチョコレートよ)

紗和子 (普通に唐辛子成分をチョコに混ぜ込んだのでは、当然チョコは辛くなってしまう)

紗和子 (けれど、このRHCPは、唐辛子からカプサイシンだけを抽出し、小さなカプセルで包みこんでいるわ!)

紗和子 (だからRHCPを口に入れても、辛みは感じない。ただの甘いチョコレートとしか感じないわ)

紗和子 (そしてそのカプセルは、チョコレートが胃に到達する段階で溶け出し、カプサイシンは人体に吸収される)

紗和子 (……そう、つまりこのチョコレートを食べると、辛みを感じることなくカプサイシンを摂取することができる!)

紗和子 (そしてカプサイシンには、新陳代謝を促進する効果がある。当然、脈拍も上がることになるわ)

紗和子 (今このチョコを唯我成幸に食べさせれば、緒方理珠と勉強をしている間にその効果が表れ始め……)

紗和子 (カプサイシンによる脈拍上昇。それによるドキドキで、ふたりの距離は……)


―――― 成幸 『……あれ? 何で俺、こんなにドキドキしているんだ……』

―――― 理珠 『成幸さん……?』

―――― 成幸 『っ……』 ドキッ 『お、緒方……。緒方って、なんでそんなに可愛いんだ……?』

―――― 理珠 『へっ……?』 トゥンク……


457: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:21:18 ID:KTVNI7b6

紗和子 (……そう! そして、ふたりは末永く結ばれることになるのよ!!) グッ

成幸 「……えっと、関城? 黙り込んじゃってどうしたんだ?」

成幸 (っていうか、拳握って天を仰いで、一体何やってんだこいつは……)

紗和子 「何でもないわ! ところで唯我成幸! 今日は何の日かしら?」

成幸 「へ? いや、何って……バレンタインデーだろ?」

紗和子 「そう、その通り、バレンタインよ! だからこれあげるわ!」

成幸 「え……? ああ、ありがとう」

成幸 「えへへ、なんか義理って分かってても、こういうのもらうと嬉しいよな……って」

成幸 「!?」

成幸 (……ら、ラッピングがめっちゃハートなんだけど!?)

成幸 「せ、関城、このチョコって……」

紗和子 「へ? そりゃ、バレンタインのチョコよ。決まってるでしょ?」

紗和子 (ふふ、感謝しなさいよ、唯我成幸! 私が全力で緒方理珠との仲を応援してあげてるんだから!)

紗和子 「……私の(緒方理珠への)想いがたっぷり詰まってるわ」

成幸 「!?」 陽真 「!!」 ニヤァ


458: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:21:52 ID:KTVNI7b6

紗和子 「……? どうしたのよ、顔を真っ赤にしちゃって」

ハッ

紗和子 「ま、まさか変なこと考えてるんじゃないでしょうね? 当然、義理よ?」

成幸 「あ、ああ、そうだよな。悪い、わかってる」

紗和子 「……じゃ、食べて?」

成幸 「へ?」

紗和子 「だから、食べて。今ここで」

成幸 「今? いや、でも……」

陽真 「いやぁ、成ちゃん」 ニヤニヤ 「女の子がこんなに、“食べて” って言ってるんだから、いただかないとバチが当たるよ?」

成幸 「……わかったよ。まぁ、小腹も空いてたし、いただくよ」

成幸 (なんか、もらったチョコを教室で空けるのって恥ずかしいな。他の奴の目もあるし……)

スッ……ハラリ……

成幸 「……!?」

成幸 (チョコもめっちゃハート型なんだけどー!?)

陽真 「!!」 ニンマリ


459: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:22:41 ID:KTVNI7b6

ザワザワザワザワ…………

「お、おい、唯我の奴、またチョコもらってるぞ!」

「しかもあれ、隠れファンも多い化学部の関城さんじゃ……」

「お姫様たちのみならず、関城さんまで……」

「唯我の野郎……!」

成幸 「せ、関城、これ……」 カァアアアア…… 「なんで、ハート型なんだ……?」

紗和子 「へ? 何でって……」 (うーん、型を適当に選んだからなんだけど、わざわざ言う必要もないわよね)

紗和子 「当然、その方が(緒方理珠のあなたへの)気持ちが伝わると思ったからよ!」

成幸 「ぶっ……!」

陽真 「……いやぁ、成ちゃんがモテモテで俺は嬉しいよ」

陽真 「じゃ、俺帰るね。成ちゃん、ごゆっくり」

成幸 「お、おい、小林! 変な言葉を残して行くな!」

紗和子 「……ねえ、唯我成幸。早く食べて?」

成幸 「へ? あ、ああ……じゃあ、いただきます」

パクッ


460: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:23:24 ID:KTVNI7b6

ムシャムシャムシャ……

紗和子 「………………」 ジーーーッ

紗和子 (大丈夫かしら。ちゃんと辛みは隠れてるかしら……)

成幸 (めっちゃ見てくる。なんだろう。感想でもほしいんだろうか)

成幸 「……えっと、美味しいぞ、関城」

紗和子 「えっ、あ、そう?」 ホッ 「なら良かったわ」

紗和子 「実は味見するのを忘れていたから、少し心配だったのよね」

成幸 「ん、味見してないのか。ほんとに美味しいから、お前も食べてみたらどうだ?」

パキッ

成幸 「ほら、口つけてないとこ」

紗和子 「あっ……ありがと……」 パクッ

紗和子 「ん……」 モグモグ 「あらほんと。我ながら結構美味しくできたわね」

紗和子 (うまく辛みも隠れているし、これなら大丈夫そうね)

成幸 「……ん、本当に美味しいな」 モグモグモグ……

紗和子 (……それにしても、美味しそうに食べてくれるわね。ちょっと嬉しいじゃない)


461: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:25:08 ID:KTVNI7b6

トトトトトトト……

理珠 「……あっ、成幸さん」

理珠 「よかった、まだ教室にいらっしゃったんですね」

成幸 「ああ、緒方。お前もHR終わったんだな。じゃあ図書室行くか」

理珠 「それが……父から電話がありまして、お店の手伝いに戻ってきてほしいと……」

理珠 「すみません、成幸さん。せっかく時間を取ってもらっているのですが、今日の勉強会に行けなくなりました」

紗和子 「!?」

紗和子 (な……なんですってー!?)

成幸 「ああ、そうなのか。大丈夫か? 俺も手伝いに行った方がいいか?」

理珠 「い、いえいえ! そこまでではありませんから、大丈夫です」

成幸 「そうか? なら、俺のことは気にせず帰ったらいいよ」

理珠 「はい。すみません、そうします。成幸さん、関城さんも、さようなら」

トトトトト……

成幸 「家業の手伝いじゃ仕方ないよな。今日はひとりで勉強するか……」


462: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:25:40 ID:KTVNI7b6

紗和子 (そ、想定外の事態だわ! まさか緒方理珠が勉強会をキャンセルするなんて……)

成幸 「んー、緒方に解いてもらいたい物理の問題があったんだけどな……」

紗和子 (ど、どうしようかしら。日を改めてまた唯我成幸にRHCPを食べさせて……)

成幸 「どこかに緒方くらい理系が得意な奴いないかな……」

紗和子 (……いやいやいや! さすがにバレンタインでもないのに手作りチョコなんか渡したら不自然だわ!)

成幸 「……ん?」

紗和子 (どうしたら……)

ガシッ

紗和子 「……へ? ゆ、唯我成幸!?」

成幸 「関城! この後時間あるか?」

紗和子 「へ……?」


463: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:26:15 ID:KTVNI7b6

………………生物室

紗和子 「………………」

カリカリカリ……

紗和子 「……はい、解けたわよ。たぶんこれで合ってると思うけど」

成幸 「……ん、解答と同じだ。さすがだな、関城」

紗和子 「ふふん。緒方理珠には及ばないまでも、理系の問題だったらそれなりの自信はあるわ」 ドヤッ

成幸 「ふむふむふむ……ああ、なるほど。こうやって解くのか」

成幸 「……関城の途中式、すごく分かりやすいから助かるよ」

紗和子 「……まぁ、教えてほしいって言われたからには、分かりやすく解いた方がいいでしょ」

成幸 「緒方は大体の問題を暗算で解くし、途中式書いてもらっても解読に時間がかかるからな……」

紗和子 「あの子は特殊なのよ。理系の物事に関しては脳みその作りが私たちと違うのよ」

成幸 (関城も結構そっち寄りだと思うけどな……)

成幸 「それにしても悪いな。無理言って勉強付き合ってもらっちゃって……」

紗和子 「べつにいいわよ。家に帰ったって勉強をするだけなんだから、変わらないわ」


464: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:27:20 ID:KTVNI7b6

紗和子 「………………」

カリカリカリ……

紗和子 (……まさか緒方理珠の代わりに私が勉強会の相手に指名されるなんて)

紗和子 (うまくいかないものね。お節介はやめろという神様の思し召しから)

紗和子 (……なんて、非科学的ね。私らしくもない)

紗和子 「……ねぇ、唯我成幸。緒方理珠からチョコレートはもらったのよね?」

成幸 「ん? ああ、もらったぞ」

紗和子 「そう。なら、まぁいいかしらね」

成幸 「?」

紗和子 (ひょっとしたら、私がお節介をかけるまでもないのかもしれないわね)

紗和子 (あの子にはもう、私の手助けは必要ないのかしらね……)

紗和子 (ふふ、そう考えると感慨深いような、寂しいような……)

紗和子 (……ん? でも、何か忘れているような)

成幸 「……それにしても暑いな。暖房そんな強くしてないのに不思議だな。上着脱ぐか」 ヌギヌギ

紗和子 「……!?」


465: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:27:54 ID:KTVNI7b6

紗和子 (わ、忘れてたーーーー!! 唯我成幸にRHCPを食べさせたんだったわ!!)

成幸 「ふーっ。なんか上着脱いでも暑いな。変だなぁ。関城は暑くないか?」

紗和子 「へっ!? べ、べつに暑くなんかないけど!?」

成幸 「? なんで焦ってんだお前。っていうか、汗すごいぞ?」

紗和子 「!?」 ダラダラ (そ、そういえば私も、少し暑いような気が……)

紗和子 「……あ」


―――― 『――お前も食べてみたらどうだ?』


紗和子 (そういえば私も食べたんだったわ!!)

紗和子 (さすが私の発明品ね! ひとかけら食べただけでカプサイシンの作用がすごいわ!)

紗和子 (……ってそんなこと考えてる場合じゃないわね!?)

紗和子 (とりあえず……) ヌギヌギ (暑いのは如何ともし難いから、白衣を脱ぎましょうか)

成幸 「っ……」

紗和子 「? どうかしたかしら?」

成幸 「い、いや、何でもない……」


466: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:28:41 ID:KTVNI7b6

成幸 「………………」

ドキドキドキドキ……

成幸 (な、何でこんなにドキドキしてるんだ、俺……?)

成幸 (っていうか、なんか……)

紗和子 「……?」

成幸 (……白衣を脱いだ関城って、なんか、不思議な感じだ)

成幸 (私服姿は何回か見たことがあるけど、制服姿は新鮮で……)

成幸 (かわいい……)

成幸 「……?」

ハッ

成幸 (……お、俺は何を考えてるんだ!? 女友達を “かわいい” だなんて……)

ドキドキドキドキ……

成幸 (ああ、もう! 何でこんなに暑いんだ? 何でこんなにドキドキするんだよ……)

成幸 (……いかんいかん。勉強に集中しなければ)


467: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:29:12 ID:KTVNI7b6

………………

成幸 「………………」 カリカリカリ……

紗和子 「………………」 カリカリカリ……

ドキドキドキドキ……

成幸 (……相変わらずドキドキするし、身体がぽかぽかするけど)

紗和子 (少なくとも勉強に支障はないわね)

成幸 (さすがに、俺から勉強会に誘っておいてもう解散ってのも悪いし……)

紗和子 (もう少し。もう少しだけ付き合ったら、別れないと……)

ドキドキドキドキドキドキドキドキ……

成幸 (……あっ、やっぱり関城ってすごくきれいだな。制服姿、似合ってるな)

紗和子 (……唯我成幸、前より筋肉質になったかしら。少しかっこいいじゃない)

成幸 「あっ……」 (やべっ、目が合った……)

紗和子 「ん……」 (いま、唯我成幸、私を見ていた……?)

成幸 (な、なんだ、この感じ……/// ものっそいドキドキする……)

紗和子 (図らずも私の発明品の効能が実証されつつあるわ……///)


468: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:30:06 ID:KTVNI7b6

ガラッ……

「あら、関城さん。今日もお勉強?」

紗和子 「あ……先生! すみません。今日もお借りしています」

生物教師 「いいのよ。以前に許可は出していますからね。勉強に使うのなら大歓迎よ」

生物教師 「あら……?」

成幸 「あっ、こ、こんにちは。関城さんにお願いして、俺も使わせてもらっています」

生物教師 「ふふ、関城さんが緒方さん以外の誰かと一緒に勉強をしているなんて、めずらしいわね」

生物教師 「それに、男の子だなんて。ふふ、本当にめずらしいわ」 ニコニコ

紗和子 「へ……? な、何ですか?」

生物教師 「彼氏かしら? 一緒にまじめに勉強ができる関係って、ステキね」

紗和子 「へぇ!?」

ボフッ

紗和子 「ち、違いますよ! 私たちは、そういう関係じゃ……」

紗和子 「ね、ねぇ!? 唯我成幸!」

成幸 「へ!? そこで俺に振るのかお前!?」


469: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:30:44 ID:KTVNI7b6

成幸 「い、いや、そりゃ、俺と関城は、そんなんじゃ……」

カァアアアア……

成幸 「……ない、です」

成幸 「あの、全然、ほんと、これっぽっちも……」

成幸 「関城のこと、きれいとか、かわいいとか、制服姿が新鮮で似合ってるとか……」

成幸 「……お、思ってないですから」

紗和子 「へぇ……!? ゆ、唯我成幸? あなた、何を言って……」 カァアアアア……

成幸 「へ……?」 ハッ (!? お、俺、何を言ってるんだ!?)

紗和子 (か、顔が赤くなるのが、自分でも分かる……。ほっぺが熱いわ……)

生物教師 「あらぁ、あらあらあら……」 ニコニコニコ

生物教師 「青春ねぇ。邪魔しちゃアレだから、私はもう行くわね」

紗和子 「あっ、ち、ちょっと待ってください! 絶対何か勘違いをしていますよね!」

生物教師 「それじゃ、ごゆっくり」

ピシャリ……

紗和子 「ああ……」 (行ってしまった。先生、絶対何か勘違いしてるのに……)


470: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:31:20 ID:KTVNI7b6

紗和子 「………………」

成幸 「………………」

成幸 「……あ、えっと……なんか、すまん」

紗和子 「……いいわ。元はと言えば、私のせいだし」

成幸 「?」

紗和子 「……そろそろお開きにしましょうか」

成幸 「ん、ああ。そうだな」

成幸 「今日は付き合ってくれてありがとな。問題の解き方も教えてもらったし」

紗和子 「どういたしまして。本当は緒方理珠が来られれば良かったのだけどね」

成幸 「……ん、まぁ、緒方が来られなくなったのは残念だけどさ、」

成幸 「お前とふたりきりで勉強できて良かったよ」

紗和子 「っ……」 プイッ 「そ、そう。それなら良かったわ」

成幸 「?」


471: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:31:58 ID:KTVNI7b6

紗和子 「………………」

ドキドキドキドキ……

紗和子 (……違うから。これは、ただのカプサイシンの効能だから)


―――― 『関城のこと、きれいとか、かわいいとか、制服姿が新鮮で似合ってるとか……』

―――― 『……お、思ってないですから』


紗和子 「っ……///」

ドキドキドキドキドキドキドキドキ……

紗和子 (違う! これは、私の発明品の効果がすごいだけ。だから……)


―――― 『お前とふたりきりで勉強できて良かったよ』


紗和子 「……はうっ///」

ドキドキドキドキドキドキドキドキ……

紗和子 (あー、もう! いい加減、効果消えなさいよ~~~~!!)

おわり


472: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:32:53 ID:KTVNI7b6

………………幕間 「妹はチョコッと危険なフレグランス」

水希 「ふふ……ふふふふふ……」 クワッ 「今年こそ実行に移すとき!」

水希 「チョコを何倍かに希釈した水を自分にスプレーして、っと……」

シュッシュッ……


―――― 水希 『ごめん、お兄ちゃん。お金がなくて、チョコ用意できなかったよ……』

―――― 成幸 『あれ? でも、水希からほのかにチョコの香りが……』

―――― 水希 『……うん。だから、お兄ちゃん。チョコの代わりに……わたしを食べて……?』


水希 「ふふっ……ふふふふふふっ……むふっ!!」

水希 「名付けて “妹はチョコッと危険なフレグランス” 作戦よ!!」

葉月 (……ああ、姉ちゃんがどんどんわけわからなくなっていく)

和樹 (姉ちゃんはぶれないよなぁ……)

葉月 「……じゃあ、とりあえず、和樹」

和樹 「ほいさ」 スッ

おわり


473: 以下、名無しが深夜にお送りします 2019/09/07(土) 00:41:50 ID:KTVNI7b6

>>1です。
読んでくださった方ありがとうございました。
とりあえずたまっていたものはこれですべてです。
書きかけのはいくらでもありますが。

長らく空白の期間を設けてしまってすみません。
待っていてくださった方がいたら申し訳ありませんでした。

美春さんの話は、本当はもっとコンパクトにまとめたかったのですが、
どうせなら書きたいこと全部書いてやろうと思って滅茶苦茶長くなりました。
わたしのSSは短ければ10kB程度、長くても30kBいかない程度です。
が、これは60kBを超えました。もっとうまくできたかなーとも思います。
申し訳ないことです。

関城紗和子さんのSSを2つも書いているとは思いませんでした。
完成品を眺めていたら関城さんの名前が2つ並んでいて自分で笑ってしまいました。

なんだかんだ、アニメはすごく良かったと思います。
二期も楽しみですね。

レス全然見られていないのでリクエストっぽいのがあって書けそうだったら書きます。

自分語りが長くなりました。
申し訳ないことです。
また投下します。





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