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ガヴリール「千咲ちゃん、芸人の田中さんを激励する」

1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:00:41.823 ID:x9N5zZI00.net

-朝 住宅街-


不審な男「……」



タプリス「……ッ!?」

タプリス(せ、せっかく、朝の気持ちの良いお散歩中だったのに……)

タプリス(あの背の高い人、何をしているんでしょう。電信柱に身を隠したりして)

タプリス(すごく怪しいです……)


不審な男「……」キョロキョロ


タプリス(何やら、周りをすごく気にしているみたいですね)

タプリス(……ま、まさか)

タプリス(子供を誘拐しようとしているんじゃ!?)

タプリス(こ、怖いですけど……それは阻止しないと!)

タプリス(善良なお子さんたちが、毒牙にかかる前に!)


タプリス「あ、あのっ……」

不審な男「ひぃ! ご、ごめんなさいぃ!」


タプリス「え?」


3: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:03:59.988 ID:x9N5zZI00.net

タプリス「ひ、人に追われている……んですか?」

不審な男「はいぃ。僕、実は芸人をしているんですけど」

不審な男「あ、名前は田中っていいます」

タプリス「芸人の田中さんって、もしかして……」

タプリス「テレビに出て、お笑いをやっている、あの人ですか!?」


田中「ええ、まぁ……」

タプリス「わ、わたし、テレビで見たことがあります!」

タプリス「すごい、有名人じゃないですか!」

田中「あ、ありがとうございます」

タプリス「でも、そんな有名人さんが、どうしてこの街に?」

タプリス「追われていることと、何か関係があるんですか?」


田中「えっとですね。今、諸々の事情で少し騒ぎになってまして」

田中「いろんな人から追われてるんです」

田中「だからほとぼりが冷めるまで、少しでも遠くに逃げようと思って」

田中「この街に、たどり着いたんです」

タプリス「なるほど、有名人さんも大変なんですね……」


6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:06:56.521 ID:x9N5zZI00.net

タプリス「でもその、正直言いづらいですが」

タプリス「そんなにオドオドしていますと、逆に怪しいですよ?」

田中「そ、そうですかね」

タプリス「堂々としていたほうが、まだ普通に見える気が……」

田中「やっぱりそうですか」

田中「わかってたんですけど、直そうにも昔からずっとこんな性格でして」

田中「結婚して子供ができてからも、ちっとも変わらないんです」

タプリス「あ、お子さんもいらっしゃるんですね」

田中「ええ、息子が二人。でも、僕こんなんですから……」

田中「息子たちからも、どんな風に思われてるやら」

タプリス「……」


田中「できたら、変わりたいとは思ってるんですけどね」

田中「息子たちのためにも……父親として」

田中「……特にこれからは」


タプリス「……変わりましょう!」

田中「えっ?」


7: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:09:58.241 ID:x9N5zZI00.net

タプリス「くよくよして何も行動しなかったら、何も変わりません!」

田中「……ッ」

タプリス「わたしだって、いつもドジや失敗ばかりですけど」

タプリス「この街に引っ越してきてから、周りの人たちのおかげで」

タプリス「本当に少しずつですが、成長してきている実感があるんです」

タプリス「だから田中さんも、頑張って頑張り抜いて」

タプリス「お子さんたちに、すごい、かっこいいって言われる」

タプリス「お父さんを目指しましょう!」


田中「そうですね……そう、したいです」

田中「……こんな年下の子に諭されるなんて、情けない」

タプリス「こちらこそ、生意気言ってしまってすみません……」

田中「いえ、そんなことないです、ありがとう」

田中「……やりますよ、僕。やってやろうと思います」

田中「尊敬される父親に、絶対なってみせます」

タプリス「その意気ですよ! 田中さん!」


田中「ですけど、具体的に何をすれば……」

タプリス「あ、わたしに良い考えがあります」


9: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:12:55.774 ID:x9N5zZI00.net

-ガヴリールの家-


タプリス「父親としての役割の一つとして」

タプリス「子供たちとの触れ合い、つまり遊び、があると思うんです」

田中「なるほど、たしかにそうですね」

タプリス「ですから、遊びの達人である、わたしの先輩……」

タプリス「天真=ガヴリール=ホワイト先輩に、ぜひ、ご指導いただきたいと!」

ガヴリール「めんどい」

タプリス「即答!?」

田中「えっと、大丈夫なんですか?」


10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:14:10.702 ID:x9N5zZI00.net

ガヴリール「というか、この男誰だよ。勝手に家にあげやがって」

タプリス「いやいや、事前に電話でお話しましたよね」

ガヴリール「こんなノッポが来るなんて聞いてない」

タプリス「そ、そう言わずに先輩……」

ガヴリール「嫌だ、時間の無駄だ」


タプリス(仕方がありません、奥の手を使いましょう)

タプリス「先輩……」スッ

ガヴリール「これは……プリペイドカード」


ガヴリール「というのは冗談で、そろそろ修業を始めようか、田中さん」

田中「いや、めちゃくちゃ買収されてましたよね、今」


13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:15:06.464 ID:x9N5zZI00.net

ガヴリール「あんたには、このレースゲームで私と戦ってもらう」

田中「ゲーム、ですか。ゲームなら少し得意ですよ」

ガヴリール「そうか、じゃあこっちも手加減はしないぞ」

田中「はい、負けませんよ」


――

ガヴリール「一戦目、私の勝ちだ」

田中「ですね、完敗です」

ガヴリール「とりあえず今の一戦を終えて、どう思った?」

田中「え、どう思った、ですか?」

ガヴリール「うん」

田中「いや、純粋に強くて、すごいと思いましたけど……」

ガヴリール「そうか、じゃあ続けるぞ」

田中「……? え、えぇ」


――

ガヴリール「これで私の、30連勝」

田中「そ、そうですね」

ガヴリール「続けるぞ」

田中「……はい」


タプリス(田中さんもどんどん上手くなっている気がするんですが)

タプリス(それ以上に、天真先輩が上手すぎますね……)


14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:18:59.624 ID:x9N5zZI00.net

-数時間後-


ガヴリール「……連勝は50でストップか」

田中「や、やった。やっと、勝った……」

タプリス「お、おめでとうございます、田中さん!」

ガヴリール「そろそろいいかな。それで、今の気持ちはどう?」

田中「え、それは嬉しいに決まってるじゃないですか」

田中「今までずっと負け続けてましたし」

ガヴリール「そうか。じゃあ、さっきの負け続けていた時は、どう思ってた?」

田中「え?」

ガヴリール「早く」

田中「えっと、疲れたといいますか、もうやめたかったといいますか……」

ガヴリール「もっと正直に言うと?」

田中「そ、そうですね。正直……つまらなかったです」

ガヴリール「でも、今は?」

田中「今は、さっきも言いましたけど……って、あ……」


ガヴリール「気づいたみたいだな」

タプリス「えっ? ど、どういうことですか?」


17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:22:05.555 ID:x9N5zZI00.net

ガヴリール「私は遊びであっても、格下の相手に対して」

ガヴリール「わざと手を抜いて勝たせてあげるのは好きじゃない」

ガヴリール「なぜなら挑み続けて、やっと勝利した時の」

ガヴリール「楽しさを知っているから」

田中「僕も今、実感しました……」

ガヴリール「要するに、だ。相手のご機嫌ばかりをとっていても」

ガヴリール「自分にも相手のためにもならないって、こと」

田中「なるほど……、すごいですね、天真さん」

タプリス「さすが天真先輩です……3000円の価値がありました」

田中「いや、数字がリアルすぎますって」


ガヴリール「ともかく、私が教えられるのは、ここまでだ」

田中「ありがとうございます。子供にも、そう接したいと思います」

タプリス「先輩、ありがとうございました!」



ガヴリール「それで、この後は?」

田中「僕も気になってました。どうするんですか」

タプリス「えっと次はですね……」


19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:25:03.591 ID:x9N5zZI00.net

-ヴィーネの家-


タプリス「田中さんの事情をお聞きしまして」

タプリス「料理の達人である、月乃瀬=ヴィネット=エイプリル先輩に」

タプリス「お料理をご指導いただきたいと思います!」

ヴィーネ「タプちゃん。そんな……達人だなんて」

田中「よろしくお願いします、月乃瀬さん」

ヴィーネ「こ、こちらこそ、よろしくお願いします」


田中「たしかに、これからは僕が料理して子供に食べさせてあげる機会って」

田中「増えると思いますからね、これは本当に助かりますよ」

タプリス「わたしも、料理は全然なので、一緒に学ばせてください!」


ヴィーネ「田中さんはお仕事の関係上、空き時間もあまりないですよね」

田中「まぁ、そうですね。不定期ですし、遠出も多いです」

ヴィーネ「では、そんな田中さんにおすすめの……」

ヴィーネ「ぱぱっと早くて簡単にできる、料理を作りましょう」

田中「あ、それ、めっちゃ嬉しいです。助かります」


20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:28:04.587 ID:x9N5zZI00.net

ヴィーネ「今日作るのは、大葉ツナトマトのあっさり和風パスタ、です」

田中「おぉ、なんだかおしゃれですね」

ヴィーネ「火はパスタを茹でる時にしか使いませんから、楽なんですよ」

タプリス「簡単でいいですね!」

ヴィーネ「ではお湯を沸かしながら、具材の下ごしらえをしていきましょう」

田中「は、はい」


――

ヴィーネ「いやっ、やめて! ボクを潰さないで!」

田中「……」

ヴィーネ「そんなの聞いてあげませーん♪」

タプリス「……」

ヴィーネ「真っ赤なトマトを、ざっくざく、ざくーん♪」

田中「あの」

ヴィーネ「どうしました? 田中さん」

田中「その歌も真似したほうがいいですかね?」

ヴィーネ「えっ、歌って何のことですか?」

田中「あ、なんでもないです」


タプリス(む、無意識だったんだ……)


21: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:31:02.601 ID:x9N5zZI00.net

ヴィーネ「できました! これで、完成です!」

田中「かなり早かったですね」

ヴィーネ「ええ、それでは、いただきます」

タプリス「はい、いただきます!」


――

田中「うわっ、彩りも綺麗なのに、めっちゃうまっ」

タプリス「ほんのり鼻に抜ける、梅の風味もたまりませんねっ」

ヴィーネ「よかった、気に入ってもらえて」

田中「しかもこれなら、僕だけでもできそうなので」

田中「子供に作ってあげたいと思います」

田中「本当にありがとうございます、月乃瀬さん」

タプリス「わたしからも、ありがとうございます、先輩!」

ヴィーネ「いえいえ、どういたしまして」


田中「それにしてもこんなに、うまく作れるなんて」

田中「やっぱりコツとかあるんですかね?」

ヴィーネ「そんなのは特にないですよ。手順通りに作るだけです」

田中「そうですか」


田中「……やっぱり、あの歌も真似したほうがいいですかね?」

ヴィーネ「えっ、あの歌って何ですか?」

田中「いえ、なんでもないです」


22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:34:02.786 ID:x9N5zZI00.net

タプリス「ごちそうさまでした!」

ヴィーネ「はい、お粗末さまでした。それで、この後はどうするの?」

田中「そうだ、それ僕も聞きたかったんですよ」

タプリス「この後はですね……」



-ラフィエルの家-


タプリス「人の生き方を語らせたら天界一、白羽=ラフィエル=エインズワース先輩に」

タプリス「道徳についてご指導いただきたいと思います!」

ラフィエル「あらあら~」

田中「えっ、天界一って?」

タプリス「あ、間違えました。て、天下一、です」

田中「そ、それ、すごくないですか」

ラフィエル「もう、そんなに褒めても何も出ませんよ、タプちゃん」

タプリス「いえいえ、本当のことですから!」


ラフィエル「……それにしても、この方が田中さん、ですか」

田中「よ、よろしくお願いします」

ラフィエル「もう見るからに、存在自体が、オモチャ――」

田中「えっ?」

ラフィエル「おほん、面白そうな芸人さんですね♪」

田中「いや、今、めっちゃ言い直しましたよね」


24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:37:02.577 ID:x9N5zZI00.net

ラフィエル「では今は、電撃離婚をされて、報道陣から逃げていると」

田中「はい。ですけどもう少し、オブラートに包んでほしかったです」

タプリス「えっ、田中さん、そうだったんですか!?」

田中「いやいや、千咲さんには最初に話しましたよね」


ラフィエル「とまぁ、田中さんは少し、周りの目を気にしすぎているようです」

ラフィエル「それではいつか、疲れ果てて倒れてしまいますよ」

田中「はぁ。で、でも、誰だってそうじゃないですか」


ラフィエル「人はですね、目の前で起こった出来事について」

ラフィエル「自分の感情を選ぶことができるんです」

田中「えっ、どういうことですか?」

ラフィエル「例えば、AさんとBさんの二人が、同じ映画を見ていたとします」

ラフィエル「Aさんはそれを見て涙して、Bさんはそれを見て大笑いしました」

田中「まあ、内容によっては、そういうこともありますよね」

ラフィエル「ではAさんは、その映画を見て大笑いすることはできるでしょうか」

タプリス「そ、それは、難しいのでは……」


25: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:39:57.625 ID:x9N5zZI00.net

ラフィエル「そうですね、そのままでは厳しいかもしれません」

ラフィエル「ですが、大笑いしたBさんに」

ラフィエル「何が面白かったのかを聞いてみたら、どうでしょう」

田中「Bさんが笑ったツボを教えてもらうってことですか?」

ラフィエル「ええ、その映画の見方を変えて、ただ一点に集中すれば」

ラフィエル「Aさんにだって、笑うことはできます」

ラフィエル「つまり、その人の受け取り方しだいなんです」

田中「なるほど、それで感情が選べる、ってことですか」

田中「……でもそれって、すごく難しくないですか?」


ラフィエル「たしかに、始めは難しいかもしれませんが」

ラフィエル「そういう時は、自分を客観的に見てみると良いですよ」

田中「なんか昔、偉い人が言ってたようなフレーズですね」


ラフィエル「ある出来事で、ひどく落ち込んでしまった時に」

ラフィエル「部屋の真ん中に座って、その自分を天井から眺めているイメージをするんです」

田中「え、落ち込んでる自分を、上から眺めてても意味ないんじゃ」

ラフィエル「その通りです。ですから、部屋の中にいる自分が」

ラフィエル「平然と元気に日常生活を送っている姿をイメージします」

タプリス「元気へっちゃらでいる自分を、天井から眺めるってことですか?」

ラフィエル「はい、そうです」


27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:43:17.577 ID:x9N5zZI00.net

ラフィエル「そのイメージを何度も続けていると」

ラフィエル「しだいに元気でいる自分が、自分の中に定着して」

ラフィエル「イメージした通りの生活を送ることができるようになりますよ」

田中「なるほど、そんな方法があるんですか」

田中「もし、本当にきつくなったら、やってみたいと思います」

田中「これでも僕、妄想は得意ですから」

ラフィエル「そうですかそうですかぁ」


ラフィエル「離婚というものは、世間一般には負のイメージがありますが」

ラフィエル「心機一転、再スタートと考え方を変えて、前に進んでみてください」

田中「はい、ありがとうございました、白羽さん」

田中「オモチャには、子供の夢を叶える力があるってことですね」

ラフィエル「うふふ、わかっていただけたようで、何よりです」


タプリス「何事にもあまり反応しすぎないように、わたしも頑張ります!」

ラフィエル「タプちゃんは、目の前であたふたしてる姿がかわいいので」

ラフィエル「ぜひ、そのままでいてくださいね」

タプリス「もう、白羽先輩ひどいです!」


ラフィエル「……それで、この後はどちらに?」

田中「もう今までの内容だけでも、かなりためになりましたけど」

タプリス「そうですね……次で最後です!」


28: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:46:12.871 ID:x9N5zZI00.net

-河川敷のグラウンド-


タプリス「身体能力だけはピカイチ! 胡桃沢=サタニキア=マクドウェル先輩に」

タプリス「田中さんを鍛えていただきたいと思います!」

サターニャ「だけは、って何よ、だけはって! 訂正しなさい!」

サターニャ「しかも何よ、特訓したいから川に来いって」

サターニャ「大雑把すぎじゃない?」

タプリス「それでも来てくれる胡桃沢先輩が、素敵です!」

サターニャ「そ、そう。まぁ、特に用もなかったし? 別にいいけど」

サターニャ「それで、このナヨナヨしたひょろノッポが、相手なの?」

田中「今日一番、グサってきました。否定はしないですけど」


タプリス「お父さんといえば、息子さんに格好良いところを見せたいですよね」

タプリス「格好良いところといえば、まさにスポーツをするところ!」

タプリス「そこでスポーツ万能の胡桃沢先輩に白羽の矢が立ったわけです!」

サターニャ「ふーん、なかなか見る目があるじゃない」


ビュンッ ザクッ

サターニャ「うわっ、な、なにこれ!?」

サターニャ「危うく刺さるところだったでしょ!」

田中「これ矢じゃないっすか。一瞬で避けるなんて、すごすぎですよ」


30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:48:57.758 ID:x9N5zZI00.net

ラフィエル「うふふ、安心してください。ちゃんと地面を狙いましたから」

ラフィエル「でもサターニャさんに当たったら、もっと面白かったかもしれませんね♪」

サターニャ「ぜんっぜん、面白くないわよ!」

タプリス「あれ、先輩たち!?」

ヴィーネ「あはは、見学に来ちゃった」

ガヴリール「はぁ……なんで私まで」


タプリス「というわけで、田中さん」

タプリス「何かこれがしたいっていう、スポーツはありますか?」

田中「そうですね、だったら……サッカーが良いです」

タプリス「サッカー、ですか」

田中「息子がサッカーをやっているので」

田中「一緒にボールを蹴りながら、良いところを見せられたらなって」

タプリス「なるほど、それはたしかにそうですね」


31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:52:01.421 ID:x9N5zZI00.net

タプリス「胡桃沢先輩も、それで良いですか?」

サターニャ「なはっ、当然。サッカーは得意中の得意よ」

サターニャ「でも、ただゴールを狙うだけでは面白くないわね」

田中「え、できれば普通でいいんですけど」

サターニャ「じゃあ、私から一度でもボールを取れたら、あんたの勝ち」

サターニャ「もし取れずに終わったら、私のテレビデビューに協力してもらうわ!」

タプリス「えぇ……そんな無茶苦茶な……」


田中「……わかりました。その勝負、受けて立ちます」

タプリス「ちょ、田中さんまで! 胡桃沢先輩、ほんとに運動神経はすごいんですよ?」

田中「サッカーやってる息子に良いところを見せるには」

田中「これくらい乗り越えないとダメだから」

タプリス「田中さん……」

サターニャ「ふふっ、その心意気だけは褒めてあげる」

サターニャ「でも、手加減は一切しないわよ!」


33: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:54:59.403 ID:x9N5zZI00.net

ラフィエル「それでは準備はいいですか?」

田中「はい」

サターニャ「いつでもいいわ」

ラフィエル「……よーい、スタート!」


ダッ

サターニャ「ふふっ、来なさい!」

田中「……」ジリッ


ダダダッ スッ

田中「えっ? いない?」

ズサァッ

田中「いたたっ……、速すぎません?」

サターニャ「どんくさいわね……止まって見えるわ」

田中「その速さがスタンダードってことですか」


田中「でも、まだ始まったばかり。どんどん、いきますよ」


34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 21:57:56.738 ID:x9N5zZI00.net

-三時間後 夕方-


バタンッ

田中「ぜぇ……ぜぇ……」

サターニャ「あら、もう終わり? だらしないわね」

田中「やっぱり、僕には無理だったんですよ……」

田中「息子たちに格好良いところを見せるなんて」

サターニャ「……甘ったれるんじゃないわよ!!」

田中「えっ」

サターニャ「私はね、そういうナヨナヨした奴が一番、大っ嫌いなの!!」

田中「だけどもう、僕の負けは確実……」

サターニャ「良いこと教えてあげる。たとえ、私に勝てないとしても」

サターニャ「私に挑み続けていれば、あんたは負けることはないのよ!!」

田中「!?」

サターニャ「あんたが諦めない限り、あんたは絶対に負けない」

サターニャ「さぁ、どうするの?」

田中「……すみません、弱音、吐きました」


田中「もういっぺん! たのみます!」

サターニャ「ふんっ、来なさい!」


36: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 22:00:58.249 ID:x9N5zZI00.net

田中「つぎ! もういっぺん!」

サターニャ「甘い、わっ!」

ズサァッ

――

田中「まだまだ! もういっぺん!」

サターニャ「くっ、やるわね! でも、無駄よ!」

ズサァッ

――

カァカァカァ


サターニャ「ぜぇ……ぜぇ、いい加減……諦めたらどう」

田中「はぁ……はぁ、まだ、まだ……」

田中「……あいつらだっていつも」

田中「このくらい必死になって、練習してるんだ」


37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 22:04:37.959 ID:x9N5zZI00.net

田中「僕だってぇぇぇぇぇっっ!!!」

ブンッ

サターニャ「そんなに足を振り上げたって、何も変わらな――」


むわぁ ぷーん

サターニャ「く、臭っ!? 何よ、この匂い!? あんたの足!?」

田中「ひ、ひるんだ!? チャンス!!」

田中「うぉぉぉぉぉぉっ!!」


スッ バシィィ

サターニャ「あぁっ、ボールが!?」


田中「よっしゃぁぁぁぁぁっ!!」


ラフィエル「勝者! 田中さんです!」


39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 22:07:21.545 ID:x9N5zZI00.net

サターニャ「まぁ、納得はいかないけど……あんたの勝ちは勝ち」

田中「ありがとう、胡桃沢さん」

田中「……挑み続けていれば、負けない」

田中「これからの、僕の信念にしたいと思います」

サターニャ「そう。まあ、せいぜいがんばりなさい」


――

タプリス「おめでとうございます、田中さん!」

田中「千咲さん、そしてみなさん……今日はありがとう」

田中「こんなダメダメな僕でも、色んなことを学ぶことができて」

田中「少しは父親としての自信がつきました」

タプリス「せ、先輩たちはたしかに、すごかったですけど……」

タプリス「わたしは何も……」


田中「いえ、あなたからは、一番大事なことを学ばせてもらいました」

タプリス「えっ」


40: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 22:09:58.001 ID:x9N5zZI00.net

田中「それは、相手を思いやる気持ちです」

田中「見ず知らずの僕のために、ここまでしてくれて、ありがとう」

田中「子供たちには最優先で、この気持ちを教えていこうと思います」

タプリス「そ、そんな大層なものではないです」

タプリス「でも、少しでも助けになれたのなら、よかったです」ニコッ

田中「て、天使だ……」


――

田中「ああ、もう日が暮れそうですね」

田中「たぶん子供たちも家で心配していると思いますので」

田中「そろそろ、家に帰りたいと思います」


ラフィエル「これからも、面白おかしくがんばってくださいね」

ヴィーネ「テレビでのご活躍も期待してます!」

サターニャ「根性よ、根性! それを忘れないことね!」

ガヴリール「まぁ、てきとーになー」


田中「みなさん本当に、ありがとう!」

田中「それでは、また!」


41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 22:13:02.678 ID:x9N5zZI00.net

タプリス「田中さん!!」

田中「……?」クルッ

タプリス「田中さんはきっと、素敵なお父さんになれますよっ!!」

田中「ははっ、ありがとう!」


みんな「あ」

田中「え?」



デデーン♪


『田中、タイキック』


ダダダダダッ

キックボクサー「……」シュッシュッ


田中「ちょ、嘘でしょぉぉっ!!」


ブンッ ドゴォッ

田中「ああぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」



絶対に笑ってはいけない舞天市


おしまい


44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 22:36:01.711 ID:x9N5zZI00.net

タプリスは生きてく強さ


42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/05/03(水) 22:16:22.874 ID:SGEYg83e0.net

ワロタwwwwww乙



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