TOP > シンデレラガールズ > 【モバマス】母「娘が怖い!!」 ほたる「落ち着いて、お母さん落ち着いて!」

【モバマス】母「娘が怖い!!」 ほたる「落ち着いて、お母さん落ち着いて!」

1: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:23:02 ID:jP3

(注意・これはシリアスな話ではありません)


2: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:23:33 ID:jP3

○オープニング・白菊ほたるのご挨拶

 こんにちはみなさん、白菊ほたるです。

 ご存じかもしれませんが、地元鳥取で私はずっと、不幸を呼ぶ子だと呼ばれていました。

 そしてそれは本当のこと。

 ずっとずっと不幸で、だれかを不幸に巻き込むのも怖くって。

 できるだけ誰とも触れあわないようにして、できるだけ家から動かないようにして。

 そんなふうに引きこもりがちに過ごしていたあのころ……。

 だけどそんなある日、私はあのアイドルに出会ったんです。

 すてきな歌、明るい笑顔。

 見ているだけで素敵に幸せな気分になるようなあの人に出会って、私の世界は変わりました。

 アイドルになれたらいいな。
 
 あの人みたいに、みんなを幸せな気分にできる、そんなアイドルに!!

 それは私の中に初めて差し込んだ、憧れの光だったんです。


3: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:23:52 ID:jP3

 とはいえ最初、それは私にとって漠然とした憧れに過ぎませんでした。

 あの人をテレビで見た私が次にやったことはアイドルになりたいと叫ぶことじゃなく、何日かして勇気を出して(普段は滅多に行かない)大きな本屋さんに行って、あの人が載っている雑誌を探すこと。

 あの素敵な人のことをもっと知りたい、いろんな姿を見てみたい。

 たったそれだけの他愛ない動機です。

 そして、本はすぐに見つかりました。

 クラスのみんなも読んでるティーン誌の今月号。

 表紙は昨日テレビで見た、素敵な笑顔のあの人です!

 あの人を特集した小さな記事がありました。

 しかも裏表紙には、どこかのアイドル事務所の研修生募集広告まで。

 なんてラッキーなんだろう! 私は穴があいた財布から鞄のなかに散らばった小銭をかき集めて会計をすませ、大事に大事に本を抱いて家路を急ぎます。

 繰り返しになりますけど、このときの私にとって、アイドルになりたいという気持ちはまだ淡い憧れ、年頃の女の子が持つ他愛ない夢想に過ぎませんでした。


4: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:24:06 ID:jP3

 だって、ふつうなれるなんて思わないじゃないですか。

 こんなに不運で不幸な子が、アイドルに本当になれるだなんて。

 それに、いつも心配をかけている両親に、アイドルになりたいなんて言ったらどんな顔をするか。

 どんなに不安な思いをさせるかなんて考えなくても解ります。

 だからこれは、私の密かな憧れ。

 自分の部屋の秘密の場所にかくしてこっそり読んで、僅かな間つらい日々を忘れて、アイドルになった自分を想像する。

 そんな慰めで終わってしまったかも知れないことでした。 

 だけど私は白菊ほたる。

 どっこいそうは問屋がおろさないのです。

 その雑誌は私に喜びだけでなく、大きなトラブルをもたらしました。

 そう、誰にも話せないような、口にするのもはばかられるような、ひどいトラブルを……。


5: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:25:17 ID:jP3

○数日後/鳥取某所・白菊家居間

ほたる「おかあさん、お話ってなあに?」

白菊母(以後母)「ほたる、そこに座りなさい」

ほたる「う、うん」

母「正座です」

ほたる「は、はい(正座)」

母「……」

ほたる(なんだろう、お母さん、これまで見たこともないような顔をしてる)

母「……(ためいき)」

ほたる(困ったような、苦しいような……どうしたんだろう)

母「呼んだはいいものの、なんだか切り出しにくくて……どうしようかしら」

ほたる「あの、お母さん?」

母「なあに?」

ほたる「……私のことでまた、どこかから苦情があったの? 私が何か悪いことをして、それで私を」

母「違うのよ? 違うからね?(あわあわ)」

ほたる「おかあさん?」

母「ほたるは私の自慢のかわいい娘だからね? そんな苦情は屁でもないからね?」

ほたる「苦情があったことは否定しないんだね」

母「そそそそれはいいから! 置いといてね!?」


6: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:25:36 ID:jP3

ほたる「う、うん」

母「……とにかく安心して。お母さんは、ほたるを叱るために呼んだんじゃないのよ。ただ、これはほたるとちゃんとはなさなくちゃいけないことだと思ったから」

ほたる「話さなくちゃ、いけないこと……」

母「……今日、ほたるの部屋を掃除していて。ベッドの下からこの本を見つけました」

ほたる(あれは、私がこっそりかくしておいた、あの雑誌……!)

母「……確認しておくけど、これはほたるの本で間違いないのね?」

ほたる「か、勝手に見つけちゃうなんてひどい……!!」

母「ごめんね、お母さんも見つけるつもりはなかったんだけど、ほたるの部屋に迷い込んだ黒猫を追い出そうと奮戦してたら不幸にもベッドの下からこう、ドサーッと」

ほたる「わあん、その場面が目に浮かぶみたい!」

母「それで、読んだらああいう内容じゃない。これは一度話し合わないとって」

ほたる「……はい」

母「……それでもう一度確認するけど、この雑誌、ほたるのもので間違いないのね?」

ほたる「……は、はい……」

母「そう……」

ほたる(お母さん、あんな深刻な顔をして……)


7: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:25:55 ID:jP3

母「……ほたるがこういうことに憧れるのは解るの」

ほたる「お母さん」

母「ほたるの毎日がどんなに辛いかなんて、解っているもの。それがここ数日、なんだか明るい顔が多くなって。私もお父さんも、よかったって思っていたわ」

ほたる「……うん」

母「だから、雑誌を見られてよかったって思うの。ほたるを明るくしてくれたものが何だったのか、わかったから」

ほたる「お母さん……」

母「ほたるが希望を持ってくれるのはうれしい。だけど……同時に心配でもあるのよ。まだほたるは小さいんだもの。だから、見て見ぬふりはせず、ちゃんと話し合っておかなくてはいけないって思ったの。解ってくれる?」

ほたる(お母さん……不安がらせると思ったのに、そんなに私のことを……)

母「どう? ほたる」

ほたる「……うん。私も、お話ししたい。あの人のこと。憧れていること……怒らずに聞いてくれる?」

母「誰が笑うものですか。お母さんもお父さんも、経験したことですもの」

ほたる「2人とも!? なんだか意外……」

母「でも、そうよね。年月は流れるものだもの……子供だと思っていたほたるも、いつかそういうことに憧れる歳になるのよね(めくりめくり)」

ほたる(不安がらせるかもって。きっと怒られるって思ってたけど。これなら話していいのかな。私の憧れを。アイドルになりたいって、夢みたいな話……)

母「『恋のABC あの人と踏み出すNEXTSTEP』か……」


8: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:26:42 ID:jP3

ほたる「……」

ほたる「あ え、あ、え?」

ほたる「何それ? なにそれ!!」

母「あらまあ今更あわてちゃってフフフ」

ほたる「それじゃないです!? というかそんな記事あったの!?」

母「何言ってるの。この雑誌の【今月の総力特集記事】じゃない」

ほたる「(あの人の記事しか見てなくて気づかなかった……!)と、とにかくそれじゃないの」

母「それじゃないならどれだって言うの」

ほたる「あ、うぐ」

母「他にベッドの下に隠さなきゃいけないような記事、なかったと思うんだけど」

ほたる「ええと……あの」

母「どの記事?」

ほたる(どうしよう、お母さん、私がアイドルに憧れてるって気づいてないんだ。でも、話したら不安がらせて、つらい思いをさせて……)

母「ふふ、無理に言わなくていいわよ」

ほたる「おかあさん」

母「恥ずかしいわよね……わかるわかる。私も誰にいえなかったなあ。わたしとあの人だけの、大切な秘密。ふふふ」

ほたる「どうしよう、誤解が既成事実になりつつある……」


9: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:27:02 ID:jP3

母「はじめはビックリしたのよね。ベッドの下からえっちな本が出てくるなんて、男の子がいる家でしかないことだと思ってたから」

ほたる「大丈夫だから? 私まだそういうことに興味は、その」

母「無いの?」

ほたる「……無いって言ったら嘘になるけど(///)」

母「それにしても、ワンステップじゃなくてネクストステップなのね……お母さんたちが知らない間にほたるったらもう恋のファーストステップを踏み出していたのね……」

ほたる「よくわからないけどいろいろ怒られそうな言いがかりはやめて!?」

母「勘違いしないで、お母さん、怒ってるわけじゃないのよ?」

ほたる「娘を傷つけないよう配慮した感じの笑顔もやめて?」

母「あの人に触れるのを怖がっていほたるが、ちゃんと年頃の女の子らしいことにも興味を持っている。あなたの思いを受け止めてくれる人がいる。それが本当に、本当にうれしい」

ほたる「こんな形でなければうれしかったかも知れない言葉なのに……!」

母「女の子ですものね。この本に書いてあるような事だって……(パラパ)あら……へえ……まあ……」

ほたる「ねえお母さん、記事と私を見比べるのやめて?」

母「だって、ねえ。このごろの女の子って凄いのねえ……あらやだこんなことまで」

ほたる「その記事ってどんなえげつないことが書いてあるの?」

母「ね、ね? ほたるが好きなのってどんな人? うちに遊びに来た事のある子?」

ほたる「わあん、お母さんの目がキラキラしてるう!」

母「だって気になるもの。あのほたるを幸せな気持ちにしてくれる、ネクストステップしたいと思えるような相手ってどんな子なのか」


10: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:28:00 ID:jP3

ほたる「ええとその……ええとその……笑顔がとっても素敵で」

母「うんうん」

ほたる「見ているだけで幸せになれるみたいな。あの人みたいになりたいって思えるような……でも、私、こんなだから。そんな風になるのはきっと無理で……」

母「大丈夫! ほたるは蒜山小町と呼ばれたお母さんの娘。どんなにだってかわいくなれるわよ」

ほたる「うれしいけど。本当にそうならうれしいけど!」

母「ルックスには自信持っていいのよ……あれっ、でもうちに遊びに来たメッチャ数少ないほたるのお友達って、みんな女の子だったじゃない?」

ほたる「あ、うん。私、男の子のお友達なんていないから……」

母「……た、多様性の時代だとは言うけれど、お母さん、初恋が女の子同士ってちょっとどうかなって」

ほたる「ひどい誤解です!?」

母「だって心配なのよ。ほたるったら私に似て思いこんだら突っ走るほうだから。思いこみで間違った方向に突き進まないかって心配で」

ほたる「今の言葉、そっくりお母さんに返したいなあ」

母「ほたる?」

ほたる「というかこのまま誤解が積み重なっていくと大変なことになりそうな気がするし……やっぱり、勇気を出して(ぶつぶつ)」

母「ほたる? ねえほたる?」

ほたる「あのねお母さん、誤解なの。私、その記事読んでもいないし、ネクストステップしたい人もいないの」

母「ええっ!? ものすごく残念!!」

ほたる「ごめんね、でも恋愛記事なんて興味は……」

母「……」

ほたる「ぜ、ぜんぜん興味ないわけじゃないから後で読むかも知れないけど、とにかくそれが目当てじゃなかったの(///)」

母「でもそれじゃ、どんな記事が目当てだったの?」

ほたる「私はその表紙の人の記事が見たくて、その本を買ったの」


11: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:28:32 ID:jP3

母「……」

ほたる「……」

母「やっぱり女の子が相手じゃないいいいいい!!」

ほたる「確かに女の子だけどそこじゃなくてね!?」

母「やっぱり女の子同士なんじゃない。うちの大事に育てた娘が百合百合しい世界に引き込まれていく……二十歳ぐらいになったら『お母さん、孫の顔を見るのは諦めて』とか言われてしまうのかしら」

ほたる「誤解に基づいた生々しい想像をするのやめて!? 違うから! ……アイドル!」

母「えっ」

ほたる「私、この人みたいなアイドルになりたいって思ったの。数日前、初めてこの人を見て。幸せな気持ちになって。だから、もっとどんな人か知りたくて。私もこんなアイドルになれたらなって」

母「……あら、確かに、裏表紙にはアイドル事務所の研修生募集広告まで載っているのね」

ほたる「うん。憧れだけど。無理なことかも知れないけど……」

母「……い」

ほたる「お母さん?」

母「娘が、娘が怖いいいいいい!」

ほたる「なんで!? 落ち着いて、お母さん落ち着いて!」

母「これが落ち着いていられますか! 娘が、娘がアイドルになるとか言い出すなんて、そんな、ああそんな(ガクガクブルブル)」

ほたる「女の子相手だと思ってたときより明らかに動揺してるのってひどくない!?」

母「昨日まで引きこもり寸前で誰と会うのも嫌がってたような子がいきなりアイドルになるとか言い出すほうがよっぽど恐ろしいわよお!!」

ほたる「わあん、その通りだから何も言い返せない!」


12: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:30:17 ID:jP3

母「よしなさい、アイドルはよしなさい」

ほたる「やっぱり、反対するんだ……」

母「当たり前でしょう、ほたるはまじめで優しくて可愛くてとってもよい子だけど、世の中には向き不向きとか経験とか言うものがあるのよ!」

ほたる「……」

母「ああ、私たちの愛が足りなかったのかしら……アイドルになりたいなんて突拍子もないことを言い出すほど追いつめられていたなんて」

ほたる「大丈夫だから! 愛足りてるから! お母さんもお父さんも大好きだから!!」

母「その言葉はメッチャうれしいけどそれはそれこれはこれです! お母さん絶対許しませんよ」

ほたる「恋愛関係だと思ってたときは一応応援してくれる感じだったのにい」

母「だってそりゃそうでしょう。ほたるを支えてくれる人がいるなんてものすごくうれしいもの! でもほたるってその、あの、不幸体質じゃないぶっちゃけ!!」

ほたる「家族同士だから遠慮がない!?」

母「ふつうのお子さんでも苦労する狭き門なのに、ほたるがアイドルを目指したりしてごらんなさい。どういうことになるか」

ほたる「か、簡単に研修生になれたりしないって覚悟してるもん。練習して、何度も挑戦して」

母「いいえ、そのぐらいで済むものですか!」

ほたる「お母さん」

母「きっと所事務所が倒産したり、ある朝事務所に顔を出したら『倒産しました』って張り紙だけが残っていたり、事務所に泥棒が入ったり、ほたるのせいでアイドルをあきらめざるを得なくなった元先輩にカフェで詰め寄られたりすることになるのよ」

ほたる「なにその具体的な想像力! いくら何でもそんなこと」

母「無いと言い切れる?」

ほたる「我が身の不幸を省みると、とても無いとは言い切れない!」


13: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:30:38 ID:jP3

母「だから……ねえ、あきらめなさい。ほたる。約束して。アイドルは目指さないって約束して」

ほたる「お母さん……」

母「ほたるが心配なの。ずっと傷ついてきたじゃない。もしアイドルを目指して都会に行ったりしたら、お父さんもお母さんもあなたを守ってあげられない」

ほたる「……」

母「どれだけ傷ついても、慰めてあげられない。ね、鳥取にいなさい。さっきの記事じゃないけど、ここでほたるを支えてくれる素敵な人と、小さな幸せを見つけるの」

ほたる「……」

母「解ってるはずじゃない。自分が、どれだけ苦しい思いをするか、お母さんがどうしてこれほど反対するのか」

ほたる「……それは……」

母「だから、ね。ここで約束して。『アイドルはあきらめる』って」

ほたる「……そうしたら、安心してくれるの?」

母「ええ、そうよ。お願い」

ほたる「……反対されるって、解ってたから。だから、隠してて。慰めで終わらせようって、そう思ってて……」

母「そうだったの。お母さん、ちょっと逸り過ぎたかしら」

ほたる「お母さんの言うこと、解るから。だから、私、アイドルは……」

母「……」

ほたる「やっぱり無理!! アイドル目指したい!!」

母「ほたるー!?」


14: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:31:00 ID:jP3

ほたる「自分を慰めるだけにしておこうと思ったけど、諦めろって言われるとダメ! どうしても捨てられないって解ったの!」

母「しまったやぶ蛇だった」

ほたる「だってだって、初めて見つけたやりたいことなんだもん! これまでこんな気持ちになったことなかったんだもん!」

母「娘の切実な叫び!!」

ほたる「私だって人を幸せにしたい! 誰かを不幸にするだけのものでいたくない!!」

母「ほたる……」

ほたる「どんなに苦労しても、不幸でも、挑戦しないまま終わりたくない! 私だって、私だって、誰かにここに居ていいって言ってほしいもの!」

母「そんな風に思っていたなんて……」

ほたる「あとやっぱり、可愛い衣装を来てみんなにきゃーきゃー言われたい気持ちもちょっとあるし」

母「あっ、欲望が等身大になってちょっと安心したわ」

ほたる「とにかく! 私、あきらめたくない! この人みたいなアイドルになりたい!」

母「この人みたいな?」

ほたる「そう、その表紙の人みたいな!」

母「素敵な笑顔の人ね。太陽みたい……」

ほたる「でしょう? 私も……」

母「でも貴女笑顔とか全然ダメじゃない」

ほたる「容赦なさすぎない!?」

母「仕方ないでしょ。お母さん、ほたるがまともに笑ったのなんてここ一年ぐらい見たことないわよ」

ほたる「わ、笑ってるもん!」

母「あんなごまかし笑いは笑顔って言いませんー。こんな風に笑うなんて今のほたるにはできないわよ」

ほたる「練習するもん! 練習するもん!!」


15: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:31:18 ID:jP3

母「だいいちアイドルなんてよっぽど可愛い子じゃないとなれないのよ? ほたるがなれると思う?」

ほたる「お母さんさっきルックスには自信もっていいって言った!」

母「そう言えば言ったわ!?」

ほたる「あれは嘘だったの? 私を慰めるために嘘をついたの?」

母「あきらめさせるためにはその通りと言いたいんだけど、ほたるは私似でものすごく可愛いという点は偽れないわ……!」

ほたる「なら私にもひとつ武器があるってことだもの……がんばりたいの。足りないところは、レッスンして。いくらでもレッスンして、補って見せるから」

母「ほたる、あの」

ほたる「お母さんだってさっき言ったじゃない。私はお母さん似で思いこんだら突っ走るって……私、とにかく絶対あきらめないから!」

母「あ、ほたる、待ちなさいほたる! ……行っちゃった……」

母「どうしましょう。ほたるがアイドルなんて」

母「どうしたらいいのかしら。とにかくあの人にも相談して、なんとかほたるを説得……」

母「……」

母「できそうな気がしないのよね! だって私とあの人の娘だもの!」

母「ああ、気が重いわ。押し切られそう……」


16: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:31:31 ID:jP3

○一年後/白菊ほたるの帰省

母「……なんてこともあったわよね。で、結局押し切られちゃって」

ほたる「うん……」

母「懐かしいわ。あれから一年かあ」

ほたる「うん。いろいろあったけど、でも、私もようやくアイドルになれたよ」

母「おめでとう……とはいうものの」

ほたる「お母さん?」

母「いくら頑固だからって、鳥取を出てから今日まであれだけ不幸があったのに一度も戻っても来ないなんて度を越してない!?」

ほたる「あ、あははは」

母「正座。そこに正座。今日はそこのところちょっとお説教しますからね……ほらほたる逃げないの! 座りなさい。お母さん逃がしませんよ、だいたい貴女は……」

ほたる(そして結局捕まって……久々の里帰り、私はおかあさんにたっぷりお説教をされました)

ほたる(だけどどんなに怒っていても、解りました。お母さんの目が、笑ってるって。喜んでくれてるって)

ほたる(だから私はついにこにこして。余計に怒られたりして)

ほたる(そんなふうにして、アイドルになって初めての里がえりの1日目を過ごしたのです……)

(おしまい)


17: ◆cgcCmk1QIM 19/10/23(水)23:31:46 ID:jP3

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。





『シンデレラガールズ』カテゴリの最新記事

おすすめ記事

コメントの投稿