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男「母さんが言う。『こういうパーマは変だ』と。死のう! ……としたけど死ねなかった」

2019/11/19 21:01 | その他 | コメント(0)
1: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 19:47:44.506 ID:XE7NmeX70

男「死のう!」ピョーンッ

ヒュー…

……

……

男「……」

男「死ねなかった」

男「そうか……このパーマがクッションになってしまったのか」ボフッ

女「あ、あの……」

男「?」


3: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 19:51:16.482 ID:XE7NmeX70

女「大丈夫ですか……?」

男「ええ、大丈夫ですが」

女「あんな高いところから落ちたのに? しかも頭から……」

男「死のうとしたんですけど、このパーマがクッションになってしまったみたいです」

女「どうして死のうと……?」

男「実は……」


4: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 19:54:18.537 ID:XE7NmeX70

母『やだ、なにこのパーマ! こういうパーマは変だわ~!』



男「……って母さんに笑われたから」

女「え、と、それだけで?」

男「それだけなんですよね」

女「……」

女「立ち話もなんですし、よかったら家に来ませんか?」

男「ご迷惑でなければ」


5: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 19:57:27.052 ID:XE7NmeX70

―女の家―

女「狭いですが、どうぞ」

男「お邪魔します」

男「わっ、鳥の写真がいっぱいだ。野鳥観察をされてるんですか?」

女「そうなんです。近くにいい山があるので、よく写真を撮ったりしてるんです」

男「いい趣味ですね。僕にもそんな趣味があれば、飛び降り自殺なんかしなかったかも」

女「あ、そうだ。よかったら今から近くの山に行きませんか?」

男「登山なんかしたことないですけど、大丈夫ですか?」

女「はい、なだらかな山ですから」


6: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:01:24.176 ID:XE7NmeX70

―山―

男「わぁ、いっぱい鳥がいますね」

女「ええ、この山は野鳥好きにとっては聖地みたいなところで」

男「へぇ~」

女「ですが近頃……」

男「どうかしたんですか?」

女「いえ、なんでもありません。さ、バードウォッチングしましょう!」


7: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:04:16.290 ID:XE7NmeX70

ピィピィ… ピチュピチュ…

男「わっ!」

女「どうしました……あっ!」

男「鳥がいっぱい集まってくる! どうして……!?」

女「あ、分かった! 男さんのパーマ、鳥の巣みたいだから……」

男「いやぁ、参ったなぁ」

ピィピィ… ピチュピチュ…


10: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:08:28.109 ID:XE7NmeX70

男「ふぅ、ビックリした」

女「おかげさまであんな近くで鳥を見ることができました」

女「笑われたっていってましたけど、私そのパーマ、大好きですよ!」

男「ありがとう」

女「あ、あそこにいるのは! ……教授!」

教授「やぁ、君かね」


11: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:12:25.167 ID:XE7NmeX70

女「こんにちは!」

教授「こんにちは、そちらの方は? ずいぶん個性的な髪型をしてらっしゃるが」

女「先ほど知り合った方で、一緒に野鳥観察をしていたんです」

男「はじめまして」

教授「はじめまして」

女「教授は、野鳥観察における私の師匠みたいな存在なんです」

男「それはすごい」

教授「ハハハ、師匠だなんて大げさだよ」


12: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:15:03.029 ID:XE7NmeX70

教授「しかし、この山もずいぶん野鳥の数が減ってしまった」

女「ええ……」

男「何かあったんですか?」

教授「野鳥ハンターさ」

女「珍しい鳥を捕まえて、ペットや剥製として売る業者がいるんです」

男「そんなのがいるんですか。悪い奴だなぁ」

女「私も見かけたら撮影したり通報してやろうと思ってるんですが、なかなか見つからなくて」

教授「きっと誰もいない時間にハントをしてるんだろうね」


13: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:18:47.023 ID:XE7NmeX70

教授「というわけだ。もし珍しい鳥を見つけたら、知らせてくれ」

教授「野鳥ハンターに見つかる前に、保護対策を講じてやらねばならないからね」

女「分かりました!」

男「僕もそうします」

女「じゃあ今日はもう帰りましょうか」

男「僕は……帰りづらいなぁ」

女「あ、よかったら私の家に寄ります?」

男「いいの?」

女「ええ、一人暮らしは寂しいし、よかったらどうぞ!」

男「どうもありがとう」


15: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:23:14.781 ID:XE7NmeX70

―女の家―

女「ホントはお料理作りたかったんですけど、時間がないのでお惣菜で」

男「いただきます」

男「サラダに魚のフライに、鶏の唐揚げ……。あれ、鳥好きなのに?」

女「たしかに鳥は好きで、鶏も好きですけど、食べることとは別問題ですから。鶏肉や養鶏場を否定したりはしませんよ」

男「うーむ、たくましい」

男(僕もこういうメンタルがあれば、自殺未遂なんてしなかったんだろうな)


17: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:27:13.385 ID:XE7NmeX70

別の日――

女「さあ、今日も野鳥観察しましょう!」

男「天気は晴れてて暖かいし、絶好の観察日和だね」

ピィピィ… ピチュピチュ…

男「わっ、またいっぱい鳥が集まってきた」

女「このパーマはよっぽど鳥を惹きつける魅力があるみたいですね」


18: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:31:12.386 ID:XE7NmeX70

ピュルルル…

男「ん、笛みたいな鳴き声が……。キレイな鳥がやってきたな」

女「え、これは……ギンイロフエドリ!」

男「ギンイロフエドリ?」

女「幻の鳥ですよ!」

女「銀の羽毛を持ち、笛のような鳴き声だから名づけられたんですが……まさか、この山にいたなんて!」

男「そんなにすごい鳥なの?」

女「ええ、大発見ですよ!」

ピュルルルル… ピュルルルル…

男「鳴いてる鳴いてる」

女「こんな間近で見られるなんて……」


19: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:35:26.956 ID:XE7NmeX70

女「あなたのおかげで充実したウォッチングができました!」

男「僕のおかげというより、パーマのおかげだけどね」

女「いえいえ! 鳥もバカじゃありませんし、形だけで寄ってきたりしませんよ!」

女「あなたの人柄が危険じゃないと判断したから、ああやって飛んできてくれたんです」

女「あなたは死ぬべき人じゃない。生きるべき人なんですよ!」

男「……ありがとう」

男「あ、そういえばさっきの鳥、貴重なんだよね。教授にも教えてあげた方がいいんじゃ?」

女「そうですね、そうしましょう!」


20: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:39:08.624 ID:XE7NmeX70

教授「――ギンイロフエドリ!? 本当かね!」

女「はいっ! 彼の頭に寄ってきて……」

教授「よし! 今すぐ山に向かおう!」

女「今からですか!? もう遅いですし、明日にした方が……」

教授「善は急げというだろう! 荷物を持って……さ、早く!」グイッ

男「いたたっ! 引っぱらないで……」

教授「グズグズするなっ!」


22: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:42:28.297 ID:XE7NmeX70

―山―

教授「さあ、ギンイロフエドリを呼ぶんだ!」

男「呼ぶって、僕が呼んだわけじゃないんですけど」

教授「いいから、早くしたまえ!」

女「鳥が逃げてしまいます。静かに待ちましょう、教授」

男「……」

ピュルルル… ピョロロロロ…

男「この鳴き声は……」

女「ギンイロフエドリだわ!」

教授「おおっ!」


24: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:45:30.974 ID:XE7NmeX70

教授「この鳥は私のものだぁっ!」バサッ

男「虫取り網!?」

女「教授、いきなり何をするんですか!」

教授「よし……捕まえた!」

ピュルルルル…

女「野鳥を捕まえるなんて! しかもそんな乱暴に! 今すぐ放して――」

教授「黙れッ!」


26: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:49:03.444 ID:XE7NmeX70

教授「ギンイロフエドリなら……マニアならば数百万円で買ってくれるはずだ……」

教授「たとえ死んでいても相当の値が期待できる……」

男「え……」

女「教授、まさかあなたが……!」

教授「そうさ、私こそが野鳥ハンターだったのさ」

教授「さあもっとギンイロフエドリを呼べ! 十羽も捕まえれば私は大金持ちになれる!」

男「……断る」

男「このパーマは、野鳥を酷い目にあわすためのものじゃない!」

女「男さん……!」


27: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:52:15.663 ID:XE7NmeX70

教授「断る? だったらいいさ」ジャキッ

男「猟銃!?」

女「きゃっ!」

教授「君を殺してから、パーマのある頭部だけを切り離して、それを使えばよいことだ」

男「な……!」

教授「ああ、それと女君、君にも死んでもらうよ。今日までご苦労だった」

女「教授……!」


28: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:54:42.696 ID:XE7NmeX70

教授「死ねっ!」ズドンッ!





男「ぐあっ!」

女「男さんっ! いやぁぁぁっ!」


29: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 20:57:20.203 ID:XE7NmeX70

男「あ、あれ……?」

教授「頭に命中したのに、なぜ生きてる!?」

男「そうか、パーマが守ってくれたんだ……」

教授「な、なんだとォ!?」

モワモワモワモワモワ…

男「パーマが……怒ってる……」

教授「え!?」


31: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 21:01:44.060 ID:XE7NmeX70

男「もう……僕にも止められない」

男「いや、止める必要なんてないな。行けっ、僕のパーマ!」

モワモワモワモワモワモワモワ…

女(男さんのパーマが、まるで雲のように教授を包み込んで……)

教授「うわっ、やめてくれ! 助けてくれぇっ! パーマに溺れるぅぅぅぅぅ!!!」

モワモワモワモワモワモワモワモワモワ…

教授「た、助け……ゴボゴボゴボゴボゴボ……!」


32: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 21:04:57.975 ID:XE7NmeX70

警官「さあ、来い! 猟銃なんかぶっ放しやがって!」

教授「あうう……」



女「ありがとうございました」

女「鳥たちを助けてもらって、教授をやっつけて下さって……」

男「僕も自分のパーマがこんなにすごいとは思わなかった」

男「僕、ようやく自分のパーマを好きになれたような気がするよ」

女「私も……あなたのパーマ、好きですよ!」

男「僕、母さんのところに帰るよ。できれば君と一緒に」

女「……喜んで!」


33: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 21:07:55.114 ID:XE7NmeX70

母「あら、数日間どこに行ったのかと思ったら、まさか彼女作って帰ってくるなんて!」

母「ビックリだわ~!」

男「いやぁ……」

女「今後ともよろしくお願いします」

母「だけど何度見ても、あんたのこのパーマは変だわ~!」

男「……やっぱ死のうかな」

女「やめて!」


34: 以下、5ちゃんねるからVIPがお送りします 2019/11/15(金) 21:12:56.086 ID:XE7NmeX70

……

男「行ってきまーす!」

妻「行ってらっしゃい!」

男「僕のこの髪型でも勤められる会社が見つかってよかったよ」

妻「私、あなたとあなたのパーマ、大好きよ」チュッ

男「……!」

男(カミさんが言う。『こういうパーマは好きだ』と。生きよう!)






~END~





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