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やよい「妹弟達がサンタさんを捕まえる計画をたててるんですー……」

1: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 09:29:32.04 ID:hYsCG0zK0

事務所にて


やよい「うう……」

春香「どうしたの、やよい? 頭を抱えて」

千早「頭痛いの? 高槻さん」

美希「ミキと一緒に横になる?」

やよい「春香さーん、千早さーん、美希さーん……じ、実はきのう、うちで……」


2: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 09:31:03.25 ID:hYsCG0zK0

前の日 高槻家にて


かすみ「お姉ちゃん、なわとびどこにしまったか知ってる?」

やよい「えー? おしいれの中は、みたの?」

かすみ「ううん」

やよい「じゃあそこを探して」

かすみ「わかった」

長介「やよい姉ちゃん、やよい姉ちゃん! 俺の虫取りあみ知らねーか!?」

やよい「網ー? 物置はみたのー?」

長介「そっか!」

やよい「ふう……あれー? どうしたの浩太郎?」

浩太郎「わりばしで、ゴムでっぽうつくってる」

やよい「そう。気をつけてあそぶんだよ」

浩太郎「うん」

やよい「浩司はなにしてるの? あやとり?」

浩司「ひもでね、なわをあんでゆの」

やよい「? なんでそんなものを……」


3: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 09:32:37.24 ID:hYsCG0zK0

長介「できたか? 浩司」

浩司「だいぶできた」

長介「よしよし。これでしばるんだから、たのむぞ」

浩司「うん」

長介「浩太郎、武器はできたか?」

浩太郎「もうすぐ」

かすみ「しっかり練習しておこうね」

浩太郎「うん」

長介「みんなで協力して、つかまえような」

かすみ「うん」

浩太郎「うん」

浩司「うん」

やよい「なに? なにをみんなでつかまえるの?」

長介「サンタだよ、サンタ」

やよい「ふうん、サンタ……えっ!?」


4: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 09:36:44.35 ID:hYsCG0zK0

長介「ほら、ウチ去年はサンタさん来てくれなかったじゃないか」

やよい「う、うん……」

やよい(去年はとくに、ピンチだったから……)

やよい「で、でもこのあいだも言ったけど、今年はちゃーんとサンタさん来てくれるってれんらくがあったんだよ」

やよい(えへへー。お姉ちゃん、がんばったよ!)

かすみ「うん。だから今年サンタさんがきたら、みんなでつかまえて去年のぶんのプレゼントももらうの」

やよい「えっ!?」

浩太郎「もらうの」

やよい「そ、それはどうかなー? 去年のことはもうほら、今さらダメだとおもうよ」

長介「いや、それがさ」

やよい「えっ!?」


5: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 09:38:46.77 ID:hYsCG0zK0

長介「このあいだ律子さんに聞いたんだけど、当然もらえるべきほうしゅうをしはらい側がおこたった場合、さいむとしてせいきゅうできるんだって!」

かすみ「ねー」

やよい(り、律子さーん……)

やよい「あ、あのね長介」

長介「なに? やよい姉ちゃん」

やよい「去年、ウチにサンタさんがこなかったのは、みんながいい子じゃなかったからじゃないかなー?」

かすみ「……そんなことない」

やよい「かすみ?」

かすみ「わたし、いい子にしてたよ」

やよい「う……うん」

長介「俺もさ、もらえたおととしよりも去年の方が、いっぱいお手伝いとかしたぞ」

浩太郎「ボクも」

やよい「それは……」

長介「だから今年は、サンタさんをつかまえて、去年の分もプレゼントをせいきゅうするんだよ!」


8: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 09:44:21.07 ID:hYsCG0zK0

やよい「で、でも、でもね、その……つ、つかまえるのは良くないよ」

長介「なんで?」

やよい「サンタさんは、悪い人じゃないよ? みんなにクリスマスのプレゼントをくれるために来てくれるんだから」

かすみ「ダメなの?」

やよい「うん! わるぎのない人を、いきなりつかまえたりしたらダメだよ。ね!」

長介「いや、それがさ」

やよい「えっ!?」


9: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 09:45:32.64 ID:hYsCG0zK0

長介「このあいだ、伊織さんに聞いたんだよ。本人にわるぎが無くても、勝手に他人の家のしきちに入ってきたら、ふほうしんにゅうで罪に問えるって」

かすみ「えすぴーの人が、つかまえるんだって」

やよい(い、伊織ちゃーん……)

長介「このばあい、サンタさんもウチのしきちにだまって入ってきたわけじゃんか。なら、つかまえても問題ないんだよ」

浩太郎「よかった」

やよい「ちょ、ちょっとまって! まってよ長介!」

長介「なに? やよい姉ちゃん。伊織さんの言うことなら、まちがいないよ?」

かすみ「このあいだ、やよいお姉ちゃんでもわからなかった宿題も、ちゃんとおしえてくれたもん」

やよい「はうあ! そ、そうなんだけど……伊織ちゃんの言ったことはまちがいじゃないんだけどー……」

かすみ「?」


10: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 09:47:39.28 ID:hYsCG0zK0

やよい「そ、その……さ、サンタさんはね。が、外国の人なんだよー?」

浩太郎「うん。そうだね」

長介「それで?」

やよい「外国の人だからね、日本のほうりつじゃあつかまえられないんだよー」

浩司「そなの?」

やよい「そうなんだよー! ね。だから、ざんねんだけど……」

長介「いや、それがさ」

やよい「えっ!?」


11: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 09:49:16.59 ID:hYsCG0zK0

長介「このあいだ、響さんに聞いたんだよ。今は外国人でも日本のほうりつでさばけるんだって」

かすみ「べいへー、っていう人もそれでたいほしたらしいよ?」

やよい(ひ、響さーん……)

浩太郎「どうしたの? やよいおねえちゃん、あたまなんかかかえて」

かすみ「頭いたいの? だいじょうぶ?」

やよい「だ、だいじょうぶだよかすみ」

やよい(み、みんな事務所のみなさんから色々おそわって、よのなかのことにくわしくなってますー)


12: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 09:50:26.39 ID:hYsCG0zK0

長介「それでさ、みんな。ぐたいてきな作戦だけどさ」

やよい「ま、まって長介!」

長介「なに? やよい姉ちゃん」

やよい「サ、サンタさんは、そんなゴムでっぽうや虫取り網じゃあつかまえられないって、お姉ちゃんはおもうなー」

浩司「むり?」

やよい「うん。ちょっと無理じゃないかなーって」

かすみ「これだけじゃだめかな?」

やよい「うんうん。だからね、サンタさんはつかまえたりしないで……」

長介「いや、それがさ」

やよい「えっ!?」


13: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 09:51:50.39 ID:hYsCG0zK0

長介「雪歩さんからおそわったんだよ、じょうずなあなのほりかた」

やよい「穴?」

かすみ「あのね、おにわのあちこちに穴をほっておいて、おとし穴にしたの」

やよい(ゆ、雪歩さーん……)

長介「すごいよな。雪歩さんの言うとおりにほったら、おれたちみたいな子供でもたくさんあながほれたもんな」

浩太郎「サンタさんにげたら、あなにおちるの」

かすみ「じゅんびはばんぜんなんだよ、お姉ちゃん」

浩志「ねー」


14: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 09:52:52.43 ID:hYsCG0zK0

やよい「で、でもねでもねみんな」

浩司「なに?」

やよい「さ、サンタさんはね。ひとばんで世界中の子供にプレゼントをくばってるんだよ?」

浩太郎「うん」

やよい「そんなのふつうの人じゃ、むりだよね?」

浩司「うん」

やよい「つまりサンタさんは、そのぐらいふつーの人の力をこえた、ものすごーい能力のもちぬしなんだよー!」

かすみ「うん、きっと能力者なんだよね」

やよい「そうそう! きっと悪魔の実とかたべたり、弓とか矢を持ってるんだよ。私たちみたいなふつーの子供じゃあ、ぜったいに勝てないんだよ? だからね……」

長介「いや、それがさ」

やよい「えっ!?」


15: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 10:03:21.76 ID:hYsCG0zK0

長介「真さんが言ってたんだ。勝てないって思ったらそれが負けなんだ、って」

かすみ「小鳥さんも言ってたよ? あきらめたらそこで試合終了ですよ、って」

やよい(ま、真さーん……小鳥さーん……)

浩太郎「じゃあボク、あきらめない」

浩司「ぼくも」

長介「そうさ! たたかう前からまけだ……なんてあきらめてたら、このさきの人生で一度もしょうぶできない人げんになっちゃうんだ」

かすみ「前むきにつよく生きる人に、わたしはなりたい」

浩太郎「じゃあボクも」

浩司「ぼくも」

やよい(事務所のみなさんのえいきょうで、妹弟がみんなポジティブに……それはうれしいけど……)


16: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 10:04:16.90 ID:hYsCG0zK0

浩司「だいじょぶ? やよいねえちゃん」

長介「そんなに頭を強くかかえて」

かすみ「おふとん、しいてあげようか?」

浩太郎「ボク、しくよ」

やよい「だ、だいじようぶだよ。みんな」

かすみ「ほんと?」

やよい「うん。それよりね、やっぱりお姉ちゃんはサンタさんをつかまえるのは反対だよ」

浩司「なんで?」

やよい「あのね。無理やりつかまえたりしたら、サンタさん怒って今年のプレゼントもくれなくなっちゃうかもしれないんだよ?」

かすみ「たしかにサンタさん、おこっちゃうかもしれないね」

やよい「そうだよー! だからね、やっぱり……」

長介「いや、それがさ」

やよい「えっ!?」


17: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 10:05:56.84 ID:hYsCG0zK0

長介「真美さんと亜美さんが、イタズラして怒られた時のきゅ→きょくのあやまりかたをでんじゅしてくれたんだ!」

かすみ「絶対にゆるしてくれるんだって」

浩太郎「どんなおとなもメロメロだっていってた」

浩司「れんしゅうもした」

かすみ「お姉ちゃんにもみせてあげる。いくよ。せ→の! ごめんなさい」テヘペロ

長介「ごめんなさい!」テヘペロ

浩太郎「ごめんなさい」テヘペロ

浩司「ごめんあさい」ペネロペ

やよい「はうあ! 浩司のうっかりさん……弟ながらかわいいですー……じゃなくて」

やよい(ま、真美と亜美ぃ……)

やよい「うう……」

やよい(も、もうなにを言ってもみんなの気持ちを変えられる気がしませーん)


18: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 10:08:42.85 ID:hYsCG0zK0

やよい「……」

やよい(こうなったら……まだまだみんなには早いと思っていたけれど、でんかの包丁をぬくしかないかもしれないですー……)

かすみ「お姉ちゃん?」

長介「どうしたんだよ、やよい姉ちゃん。なんか、強いけついをひめたかのような顔して」

浩太郎「どうしたの?」

浩司「?」

やよい「みんな……みんな聞いて。本当はまだみんなには、早いと思ってたんだけど……今日はお姉ちゃんがみんなに本当のことを話しまーす」

かすみ「ほんとうのこと?」

浩太郎「なに?」

長介「なんだよ?」

浩司「?」

やよい(うう……みんな、これが大人の世界なんですよー!)


27: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 20:33:04.68 ID:MzXmg5AP0

やよい「サンタさんは……サンタさんは、本当はいませーん!」

かすみ「!」

長介「!」

浩太郎「!」

浩司「?」

やよい「サンタさんはかくうの人物であって、じつざいの人物やだんたいとはいっさい関係ありませーん!」

かすみ「……そんな」

長介「……まさか」

浩太郎「やよいおねえちゃんは……」

浩司「?」


28: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 20:36:02.34 ID:MzXmg5AP0

やよい「サンタさんの正体は、お父さんとお母さんでーす。あと、たまにお姉ちゃんがやってたりしてまーす!」

かすみ「……やっぱり」

長介「ああ」

浩太郎「うん」

浩司「?」

やよい(あれ? なんだろう、このみんなの反応。もしかしてみんな、最初からわかってたのかなーって)

やよい「もしかしてみんな、知ってたの? サンタさんはいない、って」

長介「いや、それがさ」

やよい「えっ!?」


29: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 20:40:32.32 ID:MzXmg5AP0

長介「あずささんと貴音さんに聞いたんだよ。この間」

かすみ「わたしのお友達が、『サンタさんは本当はいない』って言ってたけどほんとう? って」

やよい「そ、そうなんだ。それで?」

かすみ「あのね……


30: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 20:51:04.85 ID:MzXmg5AP0

~以下、かすみの回想~


貴音「かすみ、お答えしましょう」

あずさ「サンタクロースなんていないんだという、あなたのお友達は間違ってるわ~。きっとその子の心には、今はやりの何でも疑ってかかる、うたぐりや根性というものがしみこんでいるのよ~」

貴音「うたぐりやは目に見えるものしか信じません。うたぐりやは、心の狭い人たちです。心が狭いために、よく分からないことがたくさんあるのです」

あずさ「それなのに、自分の分からないことは、みんな嘘だと決めてかかっているのよ。けれども人間の心というものは、大人の場合でも、子供の場合でも、もともとちっぽけなものなのよ~」

貴音「私たちの住んでいるこの限りなく広い宇宙では、人間の知恵は一匹の虫のように……そう、それこそ蟻のように小さいのです。その広く、また深い世界を推し量るには、世の中のことすべてを理解し、すべてを知ることのできるような、大きな深い知恵が必要なのです」

あずさ「そうよ~。かすみちゃん、サンタクロースがいるというのは、決して嘘じゃないのよ。この世の中に、愛や、人への思いやりや、真心があるのと同じように、サンタクロースも確かにいるのよ~」

貴音「あなたにも分かっているのでしょう。世界に満ちあふれている愛や真心こそ、あなたの毎日の生活を美しく、楽しくしているものだということを。もしも、山田九郎がいなかったら、この世の中はどんなに暗く、寂しいことでしょう」

あずさ「かすみちゃんのような、かわいらしい子供のいない世界が考えられないのと同じように、サンタクロースがいない世界なんて想像もできないわ~。サンタクロースがいなければ、人生の苦しみを和らげてくれる、子供らしい信頼も、詩も、ロマンスも、なくなってしまうでしょうし、私たち人間の味わう喜びは、ただ目に見えるもの、手で触るもの、感じるものだけになってしまうのよ~」

貴音「信頼と想像力と詩と愛と、ろまんすだけがたとえようもなく美しく、輝かしいものを見せてくれるのです。そのように美しく、輝かしいもの、それは人間の作ったでたらめだと思いますか?」

あずさ「いいえ、かすみちゃん。それほど確かな、それほど変わらないものは、この世には、他にないのよ~。サンタクロースがいない、ですって? とんでもない。嬉しいことにサンタクロースはちゃんといるのよ~」

貴音「それどころか、いつまでも死なないでしょう。1千年の後までも、百万年の後までも、山田九郎は子供たちの心を、今と変わらず、喜ばせてくれるでしょう」


31: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 20:55:50.34 ID:MzXmg5AP0

長介「俺、ちょっと感動したよ。やっぱサンタはいるんだ、って」

やよい(あ、あずささーん……貴音さーん……)

かすみ「お姉ちゃんも、うたぐりや根性がしみついてるの?」

長介「まさかと思ってたけど、やよい姉ちゃんはうたぐりやなのか?」

浩太郎「なのか?」

浩司「?」

やよい「ち、ちがうよー。い、今のはみんなをためしただけなんだよ?」

かすみ「ほんとう?」

やよい「う、うん。さ、サンタさんはいるよ。ねえー!」


32: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/19(水) 20:59:09.29 ID:MzXmg5AP0

時は戻って事務所にて


春香「そ、そうなんだ。最近、事務所のみんながよくやよいの家に遊びに行ってたけど……」

千早「サンタクロースを捕まえる、ねえ」

美希「やよいも辛い立場なの」

やよい「私、どうしたらいいんでしょうかー……」

春香「よーし。ここはひとつ、この春香さんが一肌脱ぎましょう!」

千早「? どうするの、春香」

春香「捕まえさせてあげるんだよ、サンタさんを」

美希「?」


42: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:30:56.89 ID:2L4NCc3v0

12月24日 高槻家前


春香「千早ちゃん、サンタですよ! サンタ!」

千早「まあ、なんでも……よくないわ春香!」

春香「え?」

千早「高槻さんの妹弟達に、実際にサンタを捕まえさせて満足させてあげる。そうだったわよね?」

春香「そうだよ?」

千早「その為に、私と春香がサンタの格好をする。そうだったわよね?」

春香「そうだよ? だからほら、2人ともこの衣装を……顔はほら、このサンタマスクで。私たちは、声も似てるけど天海春香と如月千早じやないんだよ、って説明するんだよ?」

千早「そうね。確かに腰から上はサンタクロースの衣装だわ」

春香「うん」

千早「だけど、どうして腰から下はミニスカートなのよ!?」

春香「いやーこれしか衣装がなくって……もしかして千早ちゃん、嫌なの?」

千早「私は、こういう格好は……恥ずかしいわ」

春香「ファンが見たら喜ぶと思うし、似合ってるのに。じゃあ、こっちにする?」

千早「それは、トナカイ?」


43: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:32:40.08 ID:2L4NCc3v0

春香「うん。サンタとトナカイはコンビみたいなものだから、一応用意したんだ」

千早「コンビ……確かにそうね」

春香「うん」

千早「とすると……サンタとトナカイ、どっちがボケでどっちがツッコミなのかしら……?」

春香「え?」

千早「イメージ的にはサンタがボケで、トナカイがツッコミよね」

春香「イメージ? い、いやいや、あの2人にボケとかツッコミとかは、特に無いと思うよ?」

千早「春香」

春香「え?」

千早「そういう役割を、前もってキチンと決めておかないと、コンビって長続きしないのよ」

春香「そ、そうかな?」

千早「私としては、サンタがボケたらトナカイがソリをひきながら全力でサンタにツッコムのがいいと思うのだけれど」

春香「それもうツッコミじゃないよね。むしろ、人身事故だよね」

千早「今やそのぐらいしないと、お笑い界では生き残れないのよ!」バン

春香「はうあ! そ、そういうものかな」


44: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:35:04.56 ID:2L4NCc3v0

千早「いい機会だわ。そろそろ私たちも、どちらがボケでどちらがツッコミかを決めましょう」

春香「え? で、でも私たち別にお笑いコンビじゃあ……」

千早「世間的には天然ボケの春香を、クールな私がツッコむのが定番なんでしょうけど、あえて私がまじめな顔をしてボケて、それを春香が転びながらその勢いでツッコむのはどうかしら!?」

春香「あ、う、うん。まあその件については、今度ゆっくり決めよう。ほら、今日はやよいの妹弟の為に来たわけだし」

千早「! そ、そうだったわね。ごめんなさい、ちょっと興奮してしまったわ」

春香「じゃあトナカイの衣装に着替える?」

千早「そうね……って、春香?」

春香「なに?」

千早「どうしてこのトナカイの衣装、こんなに丈が短いのかしら?」

春香「ミニスカートだからね」

千早「……なんでやねん!」

春香「えっ!?」

千早「ミニスカートが恥ずかしいから着替えるのに、どうしてその代わりがミニスカートなのよ!?」

春香「ええと……ああ!」

千早「いい機会ね。幸いにもまだ呼び出しがかからないし、この待ち時間でゆっくり今のボケとツッコミを題材に、私たちコンビの今後の方向性について話し合いましょう!」

春香「え? あ、う、うん」

春香(美希、まだなのー……)


45: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:37:41.84 ID:2L4NCc3v0

その頃、高槻家の中では


やよい「美希さん、なんかごめんなさーい。おみやげにチキンをこんなに買ってきてもらっちゃって」

美希「気にすることないの、ミキもだけどみんないつもやよいにごちそうになってるの」

やよい「みなさんも、いつも色々とおみやげをいただいていて、かえって心ぐるしいですー」

美希「いいのいいの。気にしないの、あはっ☆」

かすみ「美希お姉ちゃん、いっしょに歌ってほしい」

美希「うん。じゃあジングルベルの歌を、みんなで歌って踊るの」

長介「♪ ジングルベールジングルベール♪」

浩太郎「♪ すずがーなるー♪」

浩司「♪ へい♪」

美希「みんな、さすがにやよいの妹弟なの。上手なの☆」


46: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:42:35.23 ID:2L4NCc3v0

そして


美希「あはっ☆ 楽しいね、やよい」

やよい「はい。みんなお腹いっぱいになって、はしゃいじゃって……あれ?」

かすみ「もうなにもこわくない……ティロ・フィナーレ……」ムニャムニャ

長介「もう、くったさ……ハラァ、いっぱいだ……」ムニャムニャ

浩太郎「ぱとらっしゅボク、なんだかねむいんだ……」ムニャムニャ

浩司「が……ま……」スースー

美希「あれ? みんな、寝ちゃったの?」

やよい「ちょ、ちょっとみんな! サンタさんをつかまえるんじゃなかったの!?」

やよい(春香さんと千早さんが、パーティーが盛り上がるのを待って、家の前でスタンばってくれてるのに……)

やよい「ほら、長介。そろそろサンタさん来てくれるよ!」

長介「いや、それがさ」ムクッ

やよい「えっ!?」


47: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:43:54.74 ID:2L4NCc3v0

長介「なんかもう眠くて、どうでもよくなってきた……」バタン

やよい「そ、そんなー! だめだよみんな、おきておきてー!!」

かすみ「わたしは寝るのではなく、寝ていく。今その家庭をけっこう楽しんでいるところ……」ムニャムニャ

長介「弟のわがままにつき合うのも、あんがい悪くない……」ムニャムニャ

浩太郎「おまえはボクのきぼう。たくしたぞ、浩司……」ムニャムニャ

浩司「こむぎ、いるか? ぼくはもうつかれた。すこしねむるぞ……」スースー

やよい「み、みんな寝ちゃいました。どうしましょう、美希さーん」

美希「きて良かったの……強い子に会えて……あふぅ……」ムニャムニャ

やよい「み、美希さーん……」


48: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:45:29.85 ID:2L4NCc3v0

春香「結局、みんな寝ちゃったんだね」

やよい「ごめんなさい春香さん、千早さん。せっかく外で待っててもらったのに」

千早「いいのよ高槻さん、気にしないで。お陰で春香と、有意義なディスカッションができたわ。ね、春香!」

春香「う、うん。そうだね……それにしても、美希まで寝ちゃうとは」

やよい「美希さん、みんなにつきあって歌ったり踊ったりしてくりましたから、疲れちゃったんですよ」

千早「そうね、美希は美希なりに役目を頑張ってくれたわ。寝かせておいてあげましょう。ふふっ」

春香「じゃあみんなの枕元に……これが今年のプレゼント」

千早「それから、はい。これが、去年の分のプレゼントね。メッセージも残しておきましょう」

やよい「ほんとに、もうしわけありませんでしたー!」

春香「じゃあ私たち3人で、クリスマスパーティーの続きをやろうよ」

やよい「いいですね。まだお料理もたくさんありますもんね」


49: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:46:50.06 ID:2L4NCc3v0

そして 夜も更けて


春香「弾丸よりも速い……のさ……」ムニャムニャ

千早「レイヴン……その称号はお前にこそふさわしい……」ムニャムニャ

やよい「おはよう……ヴィクター……」ムニャムニャ

P「………………」


50: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:48:02.39 ID:2L4NCc3v0

翌朝


長介「やよい姉ちゃん、やよい姉ちゃん! おきてくれよ」

やよい「んー? 長介ぇ? どうしたの?」

長介「寝ている間に、サンタさんが来てくれたんだよ!」

やよい「ああ、うん」

かすみ「去年の分のプレゼントもあったよ! 去年は来られなくてごめんね、って書いてある」

やよい「よかったね。えへへ」

浩太郎「ほら。ちゃんと、やよいおねえちゃんにもきてるよ」

やよい「うんうん。……えっ!?」

浩志「みんなある」

やよい「ほんとだ……美希さんと春香さんと千早さんにも……、美希さん、春香さん、千早さん、起きてくださーい」

美希「うーん……おはようなの……?」

春香「おはよう、やよい。……あれ?」

千早「高槻さん、おはよう。あら?」

やよい「私たちの枕元にも、プレゼントがあるんですよー!」


51: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:49:55.92 ID:2L4NCc3v0

美希「これ……欲しかったネイルケアセットなの!」

春香「私のは……新色いっぱいのメイクセットだよ」

千早「私は……欲しかったけどなかなか手が出せないでいた、Jazzの名盤CDボックス……」

やよい「私は……新しいエプロンとお鍋に包丁ですー……えへへ」

春香「い、いや、ちょっと待ってよ! これ、誰が……」

美希「あれ? 春香と千早さんじゃないの?」

千早「私たちも眠ってしまっていたのよ? それにそもそも、自分たち用のプレゼントなんて用意していなかったわ」

やよい「で、ですよねー!」

美希「じゃあ……」

春香「誰が……」

千早「プレゼントを……」

やよい「くれたんでしょうかー……」

長介「なに言ってんだよ!」

かすみ「そんなの、決まってるよ」

浩太郎「ねー?」

浩志「うん」


52: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:50:56.46 ID:2L4NCc3v0

美希・春香・千早・やよい「「それって、もしかして……」」

かすみ・長介・浩太郎・浩志「「うん、サンタさんだよー!」」

美希「そう……」

春香「なのかな?」

千早「サンタクロースって、もしかしたら本当に……」

やよい「いるんでしょうかー……?」


53: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:52:40.90 ID:2L4NCc3v0

そして高槻家の外では


P「MerryChristmas! やよい、美希、春香、千早!!」

P「サンタクロースの代役、ご苦労様」

P「いい子にしてた4人には、サンタクロースPからプレゼントだ」

P「それから……」

P「みんなに、そして全ての人々に、素敵なクリスマスを!!!」


おわり


55: Swing ◆VHvaOH2b6w 2012/12/20(木) 21:56:42.21 ID:2L4NCc3v0

以上でおわりです。
みなさまも、よいクリスマスを。
ではまた明日……


57: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2012/12/20(木) 21:59:38.88 ID:7JvCxFvb0

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