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喪黒福造「男なのに甘党であることを気にしてらっしゃるのですか」

1: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 00:33:33.590 ID:MWo+NbAO0.net

喪黒「私の名は喪黒福造、人呼んで笑ゥせぇるすまん」

喪黒「ただのセールスマンじゃございません」

喪黒「私の取り扱う品物はココロ……人間の心でございます」


喪黒「この世は老いも若きも男も女も心の寂しい人ばかり」

喪黒「そんな皆さんの心のスキマをお埋めいたします」

喪黒「いいえ、お金は一銭もいただきません」

喪黒「お客様が満足されたら……それが何よりの報酬でございます」

喪黒「さて、今日のお客様は……」


≪炊津 大介(31) サラリーマン≫



オーッホッホッホッホッホ……


2: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 00:36:37.748 ID:MWo+NbAO0.net

―会社―

課長「連休で旅行に行ってきたから、みんなにお土産だ」

課長「女性にはこのクッキーを、男性にはせんべいを」ガサガサ…

OL「おいしそー! ありがとうございまーす!」

同僚「ありがたくいただきます!」

大介「……」

大介(ぼくもクッキーのがよかったなぁ……)


4: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 00:39:06.856 ID:MWo+NbAO0.net

―街中―

女A「ここのパンケーキ、超おいしいんだって~!」

女B「食べてこ、食べてこ~!」

キャッキャッ キャッキャッ



大介「……」ゴクッ

大介(ぼくも入ってみたい……)

大介(けど、見たところ女性客しかいないし……さすがにちょっと、な)


6: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 00:42:25.126 ID:MWo+NbAO0.net

―コンビニ―

店員「250円ちょうどいただきます!」

店員「ありがとうございましたー!」

大介(結局、ぼくが食べるに相応しいのはコンビニで売ってるケーキ、か)

大介(ま、それでも十分おいしいんだけどさ)

大介(あっちにあるテーブル席で食べよう)スタスタ


8: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 00:45:29.051 ID:MWo+NbAO0.net

大介「いただきます」パクッ

大介「うん、うまぁ~いっ!」

大介(幸せぇ~、ぼくってつくづく甘党なんだなぁ~)

喪黒「ずいぶんおいしそうに召し上がっておられますなぁ」ヌウッ

大介「うわっ!?」ビクッ

大介「な、なんですかいきなり!」

喪黒「これは失礼しました。あまりにおいしそうだったもので、つい」

大介「いえ……(なんなんだ、この人は)」

喪黒「あなたは甘い物がお好きなのですか?」

大介「ええ、まあ……そうですね」


10: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 00:48:39.697 ID:MWo+NbAO0.net

喪黒「ということは、やはりおいしいケーキの店などを食べ歩いたりしてらっしゃるのですか?」

大介「いえ……そんなことはないんですよね」

大介「やはり、だんだん肥満や血糖値が気になる年齢になってきましたし、それに……」

喪黒「それに?」

大介「いわゆる有名なスイーツの店って、外観からして女性向けじゃないですか」

大介「いい年した男が一人で入るのは……どうしても抵抗があるんですよね」

大介「あの人、男一人でパンケーキやパフェ食べてる……なんて思われちゃいそうで」

喪黒「なるほど、男なのに甘党であることを気にしてらっしゃるのですか」


11: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 00:51:45.225 ID:MWo+NbAO0.net

喪黒「しかし、男が甘党だからといってとやかくいわれるのは一昔前の話ではありませんか?」

喪黒「今は、≪スイーツ男子≫なんて言葉もあるようですしねえ」

大介「!」ピクッ

大介「……ぼくからいわせれば、そういう言葉ができること自体がナンセンスなんですよ!」

大介「スイーツ男子なんて言葉で男の甘党をくくること自体、特別視してる証拠じゃないですか!」

大介「男で甘党でなにが悪い! 甘い物ぐらい好きに食べさせろ! ……あ」

大介「す、すみません。つい興奮してしまって……」

喪黒「いえいえ、あなたのお気持ちはよぉく分かりました」


13: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 00:54:44.749 ID:MWo+NbAO0.net

喪黒「つまり、あなたは常々こう思っているということですな?」

喪黒「男一人でも気兼ねなく入れる、甘い物を食べられるお店はないものかと。それも味が一流の」

大介「そうなんです」

大介「しかし、そんな都合のいい店があるわけが……」

喪黒「よろしい。でしたら、こうして出会ったのもなにかの縁、私がご紹介しましょう」

大介「え、あなたは一体……」

喪黒「わたくし、こういう者です」スッ…

大介「喪黒……福造さん……」

喪黒「あなたのようなココロのスキマを持つ方を、無料でお救いするボランティアをしているのです」

喪黒「今度の休みにでも、あなたをいいお店に招待いたしましょう」

大介「はぁ……」


14: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 00:58:54.465 ID:MWo+NbAO0.net

……

―店―

喪黒「こちらです」

大介「……」

大介「こういってはなんですが、なんとも地味なお店ですね……看板もないし」

大介「とても甘い物が食べられるようなお店とは思えませんよ。これじゃ女性は寄りつかないんじゃ……」

喪黒「それでいいのです」

大介「どうしてです?」

喪黒「なぜなら、ここは男性のためのスイーツ店なのです」

大介「ええ!?」

喪黒「ささ、入りましょう」


15: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:01:38.458 ID:MWo+NbAO0.net

甘子「いらっしゃいませ」ニッコリ



大介(うわ、美人……!)

喪黒「こちら、佐藤甘子さんです。一人でこのお店を切り盛りしております」

大介「さとうあまこさん……まるでお菓子を作るために生まれてきたような名前ですね」

喪黒「ホッホッホ、うまいことをおっしゃいますなぁ」

大介「店内も……落ち着いてていい雰囲気だ」

喪黒「はい、流行りの店にありがちな華美な装飾などは一切施されていないのです」


17: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:04:52.927 ID:MWo+NbAO0.net

喪黒「メニューはこちらです」スッ

大介「うわ、すごい!」

大介「洋菓子だけじゃなく和菓子まで、甘い物がよりどりみどりだ!」

喪黒「甘子さんは、甘い物が大好きで、世界中のお菓子を研究された方なのです」

喪黒「もちろん腕前も、一流の職人からお墨付きをいただいているほどです」

大介「へぇ~」

喪黒「では私はチーズケーキをいただきましょうか」

大介「じゃあぼくは……ティラミスを!」


18: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:07:58.737 ID:MWo+NbAO0.net

甘子「お待たせいたしました。チーズケーキとティラミスです」コトッ



大介「おおっ、これはおいしそうだ……」

喪黒「ホッホッホ、さ、どうぞ召し上がって下さい」

大介「いただきます!」パクッ


19: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:11:14.624 ID:MWo+NbAO0.net

大介「おいしい……! その辺で売ってるスイーツとは天と地だ……!」

大介「まるで、甘みが体中に染み渡るようだぁ……」ホワァ…

喪黒「ホッホッホ、さすが生粋の甘党だけあって、なんとも的を射た感想ですなぁ」

大介「ありがとうございます」

喪黒「では私も……」パクッ

喪黒「うん、うまぁ~い」

モグモグ… パクパク…


20: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:14:28.324 ID:MWo+NbAO0.net

大介「いや~……おいしかった……」

喪黒「喜んでいただけたようで、なによりです」

大介「ぼく、決めました! このお店の常連になります!」

喪黒「それはそれは……甘子さんも喜びますよ」

喪黒「ただし、ご忠告しておきます」

喪黒「このお店に通うのは一日一回、注文は一品までにして下さい」

喪黒「それがあなたのお身体のためなのです」

大介「分かりました。一日一品食べられるのであれば、十分すぎるほどですよ!」


22: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:17:26.927 ID:MWo+NbAO0.net

……

―会社―

同僚「今晩どうだ? 軽く一杯」クイッ

大介「いや、悪いけど……今日はまっすぐ帰るよ」

同僚「ちぇっ」

同僚「あいつ、最近付き合い悪くなったなぁ」



大介(なんたって、酒や焼き鳥なんかよりずっとおいしいものが待ってるんだからな)


23: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:20:20.776 ID:MWo+NbAO0.net

―店―

大介「こんばんは」

甘子「いらっしゃいませ」ニッコリ

甘子「このところ毎日のように来ていただいて、嬉しいですわ」

大介「毎日来たくなるくらい、ここのスイーツがおいしく、あなたが美しいからだよ」

甘子「まぁっ、お上手なんですから」

大介(我ながら甘いトークも冴えてるな……な~んちゃって)デヘヘヘ


24: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:23:21.354 ID:MWo+NbAO0.net

大介「じゃ、たまには和菓子にしようかな……大福を頼むよ」

甘子「はいっ!」



大介「……」モグモグ

大介「おいひぃ~!」

大介(しっとりした皮と、甘いあんこが絶妙なハーモニーをかもし出してる!)


27: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:26:35.857 ID:MWo+NbAO0.net

大介「ごちそうさまでした」

甘子「またいらして下さいね~」


大介(一日一品じゃやっぱり物足りないなぁ……もっと食べたい)

大介(だけど、これ以上食べると、やっぱり健康にもよくないだろうしな)

大介(喪黒さんのいうとおり、我慢しよう!)

スタスタ…





喪黒「……」


30: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:30:47.731 ID:MWo+NbAO0.net

……

―会社―

同僚「お、健康診断の結果きたんだ」ガサ…

同僚「うげぇ~! 健康診断、再検査だってさ」

大介「毎晩のように酒飲んでるからだよ。少しは節制しないと」

同僚「女房みたいなこというなよ~」

大介(もっともぼくも人のことはいえないけど……)

大介(このところ毎日のように、甘子さんの店でスイーツ食べてるし……)

大介(健康診断の結果次第じゃ、あそこに行く頻度をもっと減らした方がいいかも……)


31: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:33:28.489 ID:MWo+NbAO0.net

ガサ…

大介(あれ? 体重は増えてないし、血糖値も正常だ)

同僚「お~、すげえ! どの数値もいたって健康体じゃん!」

大介「ハハハ、まあね」

同僚「ちくしょう……俺もお前みたいに酒控えるか~」

大介(ぼくも再検査を覚悟してたのにどうして……)

大介(そうか……甘子さんはお菓子をおいしく作るだけじゃなく、食べる人の健康にも気をつかってるんだ)

大介(これなら、もっと食べても問題ないじゃないか!)


34: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:37:03.729 ID:MWo+NbAO0.net

―店―

甘子「いらっしゃいませ」

大介「こんばんは、甘子さん!」

甘子「あら? 今日はなんだかご機嫌ですね」

大介「まあね、実は健康診断でなんの異常もなかったんだよ」

甘子「まぁっ、おめでとうございます!」

大介「ってわけで、今日はいっぱい食べさせてもらうよ!」

甘子「嬉しい……! 私、こういう日が来るのを待っていたんです」

大介「ハハハ、大げさだなぁ……じゃ、さっそく片っぱしから注文させてもらうよ」


35: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:39:27.430 ID:MWo+NbAO0.net

甘子「ショートケーキです」

大介「うん、うまい!」モグモグ


甘子「きんつばですわ」

大介「このきんつばのうまいこと!」モグモグ


甘子「ドーナツです」

大介「柔らかくておいしい!」モグモグ


37: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:42:23.552 ID:MWo+NbAO0.net

大介「うまい!」モグモグ

大介「うまい!!」バクバク

大介「うまい!!!」ムシャムシャ

大介「ンマーイ!!!」





大介(幸せだぁ~……体じゅうが甘みで満たされていく……)トローン…


38: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:45:49.180 ID:MWo+NbAO0.net

大介「ふんふ~ん、次は何を食べようかな……」チラッ

喪黒「炊津さん」

大介「うわっ!? も、喪黒さん!?」

喪黒「ずいぶんとたくさん召し上がられたようですなぁ」

大介「あ、あの……これは……!」

喪黒「どうやら私の忠告を守って下さらなかったようですね」

大介「す、すみませんっ! 健康診断でどこにも異常がなかったので、ついハメを外してしまって……!」


39: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:48:29.258 ID:MWo+NbAO0.net

喪黒「私はあなたのためを思って忠告したというのに……本当に残念です」

喪黒「あなたは自分の甘さに対する代償を支払わねばなりません」

大介「ああ……ああ、あ……」

喪黒「ドーン!!!」





大介「あひゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」

ああぁぁぁぁぁ……


41: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:51:27.608 ID:MWo+NbAO0.net

……

…………



大介「ふぅ~、食べた食べた」ポンポン

甘子「……いっぱい食べて下さって、ありがとうございます」

大介「ああ、もうお腹いっぱい」

大介「体じゅうに菓子の甘さが染み込んで、まるでぼく自身が甘くなっちゃったみたいだ」

甘子「ふふっ、それはそうですよ」


42: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:54:40.282 ID:MWo+NbAO0.net

甘子「私が作るスイーツは特別製で、いくら食べても太ったりするようなことはないんだけど……」

甘子「食べた人の体に甘みを蓄える作用があるの」

大介「へえ~、そうなんだ」

甘子「だけど、蓄えるといっても一日も経てば、その甘みはなくなってしまうの」

甘子「一度にいっぱい食べてもらわないと、おいしくならないのよね」

大介「……?」

甘子「つまり、今のあなたはやっと……とぉ~っても甘~いお菓子に仕上がったってわけなのよ」ニッコリ

大介「……!?」


43: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 01:57:45.237 ID:MWo+NbAO0.net

大介「ちょっと待ってくれ! どういう意味だ!?」

甘子「最後に自己紹介しとくわ」

甘子「私の本当の名前は……甘子じゃなくて、“亜魔子”」

ミキミキ… メキメキ…

亜魔子「あなたのようにあま~いオトコが……大好きなのォ!!!」ジュルリ…

大介「ひいいいい……! や、やめろ! やめてくれぇ!」

亜魔子「いただきまぁぁぁぁぁっす!!!!!」グバァァァァァッ





ギャアアアァァァァァ……!


44: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 02:00:33.673 ID:MWo+NbAO0.net

喪黒「炊津さんは哀れ、本当にスイーツになってしまったようです」

喪黒「甘い物を食べすぎると、肥満、虫歯、糖尿病、とさまざまな落とし穴が待ち受けていますが」

喪黒「こういう落とし穴もあるんですなぁ」

喪黒「こっちの水はあ~まいぞぉ~っと誘われても、安易にフラフラとついていってはいけませんよぉ~」

喪黒「オ~ッホッホッホッホッホ……」







―おわり―


51: 以下、\(^o^)/でVIPがお送りします 2017/07/07(金) 02:09:47.366 ID:AbujFX6z0.net

面白かった



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