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伊織「ま、参りましょう、姫様……」真「」ニヤニヤ


1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 19:14:23.49 ID:vG+6cnyO0

8/28 765プロ

真「ねー、伊織ー♪」

伊織「……何よ、気色悪い猫なで声出しちゃって」ペラリ

真「クールに雑誌読んでる場合じゃないよー。明日が何の日だか知ってる?」

伊織「明日? さて、なんだったかしら。とんと覚えが無いわ」ペラリ

伊織(あ、このスカート可愛い……撮影にかこつけてプロデューサーにねだってみようかしら)ペラリ

真「…………」ブワッ

伊織(うわっ……)


4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 19:16:43.36 ID:vG+6cnyO0

伊織「……あー、明日ねー。確か誰かの誕生日だった気がするわー。プレゼント用意してあげなきゃいけないわねー」

真「いいよいいよ……所詮、伊織と僕の仲なんてその程度だもんね……」

伊織「嘘よ冗談よ。あんたの誕生日でしょ? 忘れるわけないじゃない」

真「ホントにぃ? 今思い出したんじゃない?」

伊織「そんなわけないでしょ。明日みんなで真のサプライズパーティやるんだから」

真「うおぉぉぉい! なんでサプライズを本人にバラしちゃうの!?」


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 19:18:20.63 ID:vG+6cnyO0

伊織「別にいいじゃない。765プロで誕生日にパーティが行われなかったことなんてないし、わかりきってたことでしょ?」

真「それはそうだけどさぁ……今完璧に心の準備ができちゃったよ……」

伊織「予想以上のサプライズを用意してくれるわよ、きっと。雪歩なんかめちゃくちゃ張り切ってたし」

真「完全に他人事みたいに言ってるけどさ……伊織も仕掛け人の側なんだよね?」

伊織「……まあ、そうね」

真「っていうか伊織の誕生日の時、僕が家まで迎えに行ってあげたじゃん! だったら伊織も僕にそれ相応の対応をしてしかるべきだよ!」バンバン

伊織「早朝5時に来たバカに相応しい対応はせいぜい往復ビンタだけど!?」

真「え……ビンタで僕が喜ぶと思ってるの?」

伊織「思ってないわよ! 何でご褒美前提で考えてるのよ!」


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 19:21:24.36 ID:vG+6cnyO0

真「それでなんだけどさ、伊織の誕生日の時にした会話覚えてる?」

伊織「三ヶ月前の真との会話をいちいち覚えてるほど暇じゃないのよ私」

真「ねえ、泣いていい?」グスッ

伊織「もう泣いてるじゃない……」

真「僕がちょろっと王子様役やってあげたでしょ? そんときに『僕の誕生日は伊織が王子様役ね』って約束したじゃん!」ペシペシ

伊織「約束してないわよ。『私の王子様はあんたのお姫様くらい似合わない』ってやんわり切り捨ててあげたじゃない。後、ふともも叩くのやめなさい」

真「しっかり覚えてるじゃないか……」

伊織「……とにかく王子様役なら別の誰かに頼んでちょうだい」


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 19:24:31.98 ID:vG+6cnyO0

真「他に頼める人がいないんだよぉぉ……お願いだよぉぉ」ガシッ

伊織「ええい、放しなさい! っていうか、王子様役なら男に頼むのが普通でしょ?」

真「だって、プロデューサーにはもうデート連れてってもらったし……別の王子様も堪能してみたいじゃん?」

伊織「じゃん?じゃないわよ。それにしたって私より適任はいるでしょうに」

真「例えば?」

伊織「千早とか。かっこいい系だし、あんたほどじゃないにしろ女性人気高いわよ?」

真「千早かぁ……確かに王子様似合いそうだけど、ちょっと……」


8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 19:28:15.39 ID:vG+6cnyO0

伊織「何よ、何が不満なの?」

真「エスコートが致命的に下手そうなんだよなぁ……」

伊織(まあ、確かに)

真「一緒に遊ぶのはすごく楽しいんだけどね。千早に主導権を握らせるのは正直すごく不安」

伊織「そうね……じゃあ響とか。あんたと並んで765のボーイッシュ担当じゃない」

真「あー、響はダメだなぁ。身長が低過ぎる」

伊織「私と1cmしか変わらないけど!?」


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 19:32:03.84 ID:vG+6cnyO0

真「そうなんだけどさ。響は何か特に低く感じるんだよね」

伊織「うーん……いつも隣に貴音がいるからかしらね」

真「かもね。なんだかんだ貴音とペアって印象強いからなぁ」

伊織「でもそれなら尚更お誂え向きじゃない。いつも王女様の側に仕える王子様ってことで」

真「いや、響がダメな理由がもう一つあるんだよ」

伊織「何?」

真「出るとこが出過ぎてる」

伊織「目が死んでるわよ、真」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 19:36:55.07 ID:vG+6cnyO0

伊織「後、それさり気なく私のスタイルをバカにしてるわよね? 少なくともあんたよりマシだと自負してるんだけど」

真「いいじゃんスレンダー……胸が無くたって生きる権利はあるよ……」

伊織「どんだけ卑屈なのよ! 元気出しなさい! 響はちょっと特殊なだけよ!」

真「とにかく、男装が似合う人が前提だから……伊織は似合うと思うんだよね。顔立ちはキリッとしてるし、エスコート上手そうだし」

伊織(……ちょっと嬉しい)

真「まあ、あずささんと雪歩とやよいは論外だし、春香と美希は女の子女の子しすぎてる。亜美真美はどっちか選ぶともう一人もついてきそうだからダメ。律子はそもそも引き受けてくれそうにない」

真「というわけで伊織しかいないんだよねー」

伊織「消去法で選ばれたみたいでスッゴい腹立つんだけど」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 19:41:19.48 ID:vG+6cnyO0

真「明日のパーティって夜?」

伊織「ええ、そうね。みんなの仕事が終わってからだから」

真「伊織は仕事休み?」

伊織「…………どうだったかしら。もしかしt」

真「休みだったよ確か」

伊織「何で私のスケジュール把握してるのよ……ちょっと怖いんだけど」

真「じゃあ明日10時に駅前に集合だから、デートプラン考えておいてね!」

伊織「あんたそんなに人の話聞かないやつだったかしら? 大丈夫? 何かあったの?」


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 19:45:07.02 ID:vG+6cnyO0

翌日 駅前

真「お待たせー。おはよう伊織」

伊織「おはよう。遅刻じゃないにしても私の方が早く来るってどうなのよ」

真「わざと遅くきたんだよ。ほら、彼氏に花を持たせるのは彼女のつとめだし」

伊織「今日私は彼氏をやればいいの? 王子様をやればいいの? どっち?」

真「そんなことよりさぁ……僕は今猛烈にがっかりしてるよ伊織……」

伊織「な、何よ」

真「その格好は何?」

伊織「え? な、何って……普通じゃない」

真「あのさぁ……」


20: >>17感謝! 2012/08/29(水) 19:52:42.85 ID:vG+6cnyO0

真「フリル付きブラウスにピンク色のスカート、かわいい系のポシェット……」

真「いつもの伊織じゃないか……」

伊織「逆にあんたはいつもと違うわね。スカート穿いてるとこ久しぶりに見たわ」

真「そうだよ。勘の良い伊織なら僕の言いたいこと、察してくれるよね?」

伊織「……まさかあんた、私に男っぽいカッコしろとか言わないわよね」

真「そのまさかに決まってるでしょ!」

伊織「真……あんた疲れてるのよ」

真「そんなことだろうと思ってさ、うちから僕の服持ってきたから」

伊織「は? 私に男っぽいカッコさせるために? 自分の服を?」

真「うん」

伊織「自分が何言ってるかわかってる?」

真「?」

伊織(やっぱこいつアホなのかな?)


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 19:55:56.28 ID:vG+6cnyO0

真「とりあえずそこの公園のトイレでいいか……」

伊織「何の話!? 着替える場所のこと言ってるんだったら死んでも嫌よ!?」

真「大丈夫だって。ここのトイレすごい綺麗だから」

伊織「そういう問題じゃないわよ! なんかこう……『公園のトイレ』っていう響きだけで嫌悪感が沸き上がるのよ!」

真「ははは、伊織は恥ずかしがり屋だなぁ」ズルズル

伊織「いぃぃやぁぁぁ! 放しなさい! 今なら許してあげるから! お願い……あっ……あっ……」

<アッー


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 19:59:41.48 ID:vG+6cnyO0

…………

真「ふぅ……」ツヤツヤ

伊織「……あんたの今の顔、真改造計画のときの雪歩にそっくりよ」ズーン

真「こんな清々しい気分なんだね。ちょっと考え直すよ」

伊織「パンツルックなんて久々だわ……暑苦しい……それに何よ、この木こりみたいな黒ベストは」

真「大学生にそういうカッコの人多いよね、ぷぷ」

伊織(この女マジで殴りたい……)


25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:05:52.32 ID:vG+6cnyO0

伊織「はあ……もういいわよ。とっとと行きましょう」

真「あ、できたら言葉遣いも男の子っぽく……」

伊織「あ゙?」

真「か、顔が怖いよ伊織……」

伊織「無理。これ以上の譲歩は私のプライドが許さないわ」

真「そ、そうだよね……これだけわがまま聞いてもらったんだもんね」

真「ごめん……今日伊織が来てくれて、嬉しくなっちゃって……困らせるつもりはなかったんだけど……」グスッ

伊織「」


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:09:11.47 ID:vG+6cnyO0

真「ごめんね……迷惑だよね……」エグエグ

伊織「……」

伊織「……迷惑なんかじゃないよ、真」

真「……!?」

伊織「今日は真の誕生日なんだから、少しくらいのわがままは……僕が聞くから」

伊織「……だから、その」

伊織「ま、参りましょう、姫様……」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:11:16.70 ID:vG+6cnyO0

真「」ニヤニヤ

伊織「はっ!」

真「伊織が……『僕』って言った……」ニヤニヤ

伊織「」

伊織(ぎゃあああああ死にたい!)

伊織(真の嘘泣きに騙されるなんてどうかしてるわ私! 誰かこいつの記憶を消してぇぇ!)

真「スゴいね! 心なしか声も少年ボイスになってたよ! スッゴくかっこよかった!」キャッキャ

伊織「もう二度とやらないわ! 二度と、金輪際!」

真「ええぇ、もったいないよー」

伊織「とっとと行くわよ、もう!」


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:17:49.23 ID:vG+6cnyO0

真「で、どこ行くの伊織?」

伊織「さてね……どこ行きたい?」

真「デートプラン考えてきてって言ったのにー」

真「まあ、伊織と一緒なら私はどこでもいいけど。えへへ」

伊織「」

真「ねえなんで今表情が凍り付いたの? 普通ならきゅんとするとこだよね」

伊織「きゅんとしたわ。まるで心臓を鷲掴みにされた気分よ」

真「なんか違うな……」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:21:55.50 ID:vG+6cnyO0

伊織「とりあえず映画でも見に行きましょうか。見終わる頃にはちょうどお昼でしょ。何観る?」

真「じゃあ……アベンj」

伊織「『隣に…』でいいかしら」

真「……ダークナイt」

伊織「『隣に…』でいいわよね?」

真「……」

伊織「ムードを考えなさいよムードを。アクションバカ」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:24:49.02 ID:vG+6cnyO0

…………

♪~

あずさ『私……結婚します……』

♪私の隣にいて 触れて欲しい


伊織(これはずるいわ……)グスッ

伊織(完全に役を自分のものにしてるわね……こんなに悲恋が似合うのもどうかと思うけど)


伊織(…………しかし)

真「うぅぁぁ……ひっぐ、ぐすっ……うぉぇえ……」ボロボロ

伊織(うるさい)


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:28:27.52 ID:vG+6cnyO0

…………

真「いやー泣いた泣いた。向こう一ヶ月は泣かなくて大丈夫ってくらい泣いたよ」

伊織「なんだかんだ言って楽しんでたじゃない」

真「そうだねー。やっぱ映画はいいものだね」

伊織「ええ、いいものだけど、映画は一人で観るものだなって改めて思ったわ」

真「泣き疲れてお腹空いちゃったからお昼にしようか」

伊織「……そうね、いい時間かしら」


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:33:34.78 ID:vG+6cnyO0

真「どこで食べる?」

伊織「実はもう決めてあるのよね。ほら、そこ」

真「……ラーメン屋さんだね」

伊織「何か問題でも? 私とあんたのお昼ご飯なんてこんなもんじゃない」

真「ぶー、ムードどうこう言ってたのは誰さー」

伊織「フランス料理か懐石料亭の方が良かったかしら?」

真「それはちょっと……」

伊織「私もイヤ」


41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:36:42.64 ID:vG+6cnyO0

…………

真「へー、なんか内装がラーメン屋さんっぽくないね。喫茶店みたい」

伊織「結構前に貴音にオススメされてから気になってはいたんだけど、なかなか来る機会がなかったのよね」

伊織「竜宮のメンバーはこういうとこ来ないし、やよいはそもそも外食嫌がるし」

真「一人で来れば良かったんじゃない?」

伊織「そこまで外食上級者じゃないのよ、私」

真「ふーん」


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:39:37.96 ID:vG+6cnyO0

オマタセシマシター

ゴトン

真伊織「いただきまーす」

伊織「」チュルチュル モグモグ

真「」ズルズルズゾゾ モグモグモグモグ

伊織「…………」

伊織「」ズルズル モグモグモグ

真「」ハフハフ モグモグモグ

伊織「」チョンチョン

真「?」

伊織「」クイクイ

真(あ、胡椒か)コトン

伊織「」パッパッ


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:42:31.54 ID:vG+6cnyO0

伊織「」ズルズルズル モグモグ

真「」ズズー プハ

伊織「」モグモグモグ ゴクン

真「……」

伊織「」ズルズル モグモグモグ ゴクン


伊織「……しゃべりなさいよ!」

真「」キーン


45: >>44あのくだりすき 2012/08/29(水) 20:45:10.77 ID:vG+6cnyO0

真「ちょっと……急に大声出さないでよ……」

伊織「どこぞのモヤモヤバラエティじゃないんだから! ズッズー、ズッズーじゃないわよ!」

真「いや、何か予想以上に早く食べ終わっちゃって……でも邪魔するのも悪いし」

伊織「だからってなんで私の顔を凝視するのよ」

真「頑張ってラーメン頬張ってる伊織がことのほか面白くて、つい」

伊織「別に頑張ってないわよ……」

真「ほっぺにネギついてるよ」

伊織「…………」ゴシゴシ


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:49:03.31 ID:vG+6cnyO0

…………

伊織(何か今日はいらん恥をかきまくってる気がするわ……)

真「暑いねー……もう夏も終わりだって言うのに」

伊織「まあ、言ってもまだ8月だし……じゃあ涼しくなる場所でも行きましょうか」

真「お? 行こう行こう! どこまでもお供します!」

伊織(それは王子様のセリフじゃ……)

真「ね、どこ行くの?」

伊織「着いてくればわかるわよ。安心しなさい、今度はちゃんとデートっぽい場所だから」


47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:53:28.91 ID:vG+6cnyO0

…………

真「水族館かー! 水族館来るのなんていつぶりかわからないよ!」

伊織「私もよ。っていうか、思ったより人が多いわね……」

真「夏休みだし、仕方ないよ」

スタッフ「御来館ありがとうございます。何名様ですか?」

真「ええと、大人一人と……子ども一人」

伊織「……」ゲシッ

真「痛っ! 何で!?」

伊織「その"間"になんか腹が立ったのよ」


48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 20:58:19.99 ID:vG+6cnyO0

真「うわぁ家族連ればっかりだ」

伊織「回るの、ちょっと大変かもしれないわね。まあ、涼みにきたと思って適当に……」

スタッフ「14時よりパフォーマンスステージにてアシカのショーが始まりまーす!」

真伊織「!」

真伊織「」ダダッ

…………

スタッフ「ーーはい、皆さん大きな拍手をお願いしまーす!」

パチパチパチパチパチパチ

アシカ「」ペコリ

真「か、かわいいぃ……」

伊織」「利口ねぇ。響のペットとタメはれるんじゃない?」

真「その比べ方はどうなんだろう……」


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 21:04:04.61 ID:vG+6cnyO0

…………

真「ひゃー、涼しー」

伊織「生き返るわ……っていうかあんたに借りた服、地獄のように暑いんだけど……」

真「あ、ねえねえ、イワシの群だって! 大迫力!」

伊織「……ホントね。お刺身何人前かしら」

真「水族館でしちゃいけない会話第一位だよそれ……」

伊織「冗談よ。貴音じゃあるまいし」

真「いや貴音でもそんなこと言わないと思うよ!?」


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 21:09:31.24 ID:vG+6cnyO0

真「ウィーディーシードラゴンだって」

伊織「タツノオトシゴって見れば見るほど変な生き物よね」

真「そうかなぁ? かっこいいと思うけど」

伊織「どういう進化の過程を経てこうなったのかさっぱりわからないわ」

真「そんなこと言ったらほら、隣の水槽にいるクリオネもじゃない? ちょっと不気味」

伊織「そう? かわいいと思うけど」

真「……パッカルコーンって知ってる?」

伊織「それは言いっこ無しで」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 21:14:28.17 ID:vG+6cnyO0

伊織「『ふわりうむ』って何かしら?」

真「クラゲコーナーの入り口みたいだよ。わあ、トンネルがクラゲの水槽になってるよ!」

伊織「そ、そう」ソワソワ

真「どしたの? ……もしかしてクラゲ苦手?」

伊織「に、苦手じゃないけど、このトンネルはなかなか……勇気がいるというか……」

真「もー、しょうがないなぁ伊織はー」ニヤニヤ

伊織「ぐっ……」

真「ほら、僕がついてるから大丈夫。いこいこ」グイグイ

伊織「ちょっ……引っ張んないでよ……」

伊織(……そういや、私たちいつから手繋いでたんだっけ?)


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 21:20:00.77 ID:vG+6cnyO0

真「このあたりは川の生き物みたいだね」

伊織「アマゾン川を再現してるらしいわ。……この亀、魚食べちゃったりしないのかしら」

真「反対側は爬虫類コーナーかぁ。貴音は絶対連れて来れないね」

伊織「このカエルたち、軒並み『毒持ってます!』って色してるわね……あ、このモウドクフキヤガエルってキレイね。名前はいかついけど」

真「僕はこのコバルトヤドクガエルっていうのが好きかな。名前はすさまじいけど」

伊織「上のディスプレイにカエルの食事風景が映されるみたいよ」

真「へー、どれどれ……」

『岩の上に無数に蠢くウジのような虫、それに食いつくカエルたちの映像』

真伊織「………………」

伊織「……一瞬でも飼ってみたいと思った自分がバカだったわ」

真「次行こうか……」


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 21:24:41.62 ID:vG+6cnyO0

真「アロワナだって! 初めてみた!」

伊織「私もよ。間抜けな顔してるわねぇ」

真「え? 伊織初めてなの?」

伊織「? 何でそんな意外そうなのよ」

真「だって、お金持ちの家にはでかい水槽があってアロワナが泳いでるのが普通なんじゃないの?」

伊織「あんたうち来たことあるでしょ……っていうか今時そんなテンプレ的なお金持ちいないわよ、多分」

真「でも廊下には甲冑が並んでるよね?」

伊織「……あれはお父様の趣味だから……」


58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 21:28:06.62 ID:vG+6cnyO0

…………

真「あー、楽しかったぁ」

伊織「あんたがこういうところ好きかどうかわからなかったから、正直ホッとしてるわ」

真「こういうのが嫌いな女の子なんていないよ!」

伊織「…………ああ、そう」

真「その間は何?」

伊織「いや、笑いをこらえる時間が必要だったのよ」

真「こいつぅ♪ ははは」

伊織(……理性と殺意の狭間で揺れてるわね)


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 21:32:33.36 ID:vG+6cnyO0

真「……さて、伊織にひとしきりバカにされたところでそろそろ帰ろうか……」

伊織「あ、ま、待って。ええと、私売店寄りたいんだけど……」

真「お土産でも買うの? うん。いいよ、行こっか」

伊織「つ、付いてこなくていい! あんたはここで待ってていいから!」

真「ええー……僕も売店見たいよ」

伊織「いいから、そこで良い子にしてなさい! じゃあね!」

真「もー、今度は子ども扱い?」


62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 21:39:47.33 ID:vG+6cnyO0

数分後

伊織「お、お待たせ」

真「おかえりー。じゃあ今度こそ行こっか。そろそろ事務所に行っても良い時間でしょ?」

伊織「え? あ、うん、そうね……」モジモジ

真「?」

伊織(ど、どうしよう……いつ渡そう……)

伊織(普通に考えたらパーティの最中なんだけど、そんなことして真と二人で水族館に行ったことがみんなにバレたらどうなることか……)

伊織(特に亜美にバレるのはマズい……絶対ことある毎にからかってくる……)


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 21:43:02.00 ID:vG+6cnyO0

伊織(じ、じゃあ今渡すしか……)

伊織(っていうか何でこんな恥ずかしがってんのよ……! サッと出してれば『お待たせー。はいこれ』で済む話だったはずなのに……私のバカ!)

伊織(帰り道にそれとなく……いやいや、そもそも"これ"は今ここで渡すから意味があるものだし……)

伊織(ああ……溜めれば溜めるほど渡しづらくなっていく……もういっそ無かったことにしt)

真「伊織? 大丈夫?」チョンチョン

伊織「わああああ! 何よ! これが欲しいんでしょ! これがいいのよね!? この欲しがり屋さん!」

真「……………ホントに大丈夫?」


67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 21:48:07.76 ID:vG+6cnyO0

真「イルカのストラップ?」

伊織「……水晶で出来てて、お腹のとこに日付が彫ってあるのよ」

真「ホントだ、綺麗……」

伊織「『誕生日にここに来た記念に』ってポップが飾ってあったからちょうどいいと思って……その……」

真「……なんでそんな自信なさそうなの」

伊織「だ、誰かにプレゼント渡すときって何か緊張するのよ。いいから黙って受け取r」

ガバッ

伊織「!?」

真「ありがとう……一生大事にする」ギュッ


69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 21:53:01.80 ID:vG+6cnyO0

伊織「ななな何よ大げさな! 安物なんだからそんな……」

真「僕、誕生日にこういうものプレゼントされたことあんまりなくて……父さんは筋トレグッズしかくれないから……」

真「去年は鉄アレイだったんだ……申し訳程度にピンクのリボンがくっついてて……思わずそれで殴ろうかと思っちゃったよ」

伊織(これ笑うところ? 泣くところ?)

真「だから嬉しくて……ありがとう、伊織」ギュウゥゥ

伊織「真……」

伊織「そろそろ放してちょうだい……意識が朦朧とし始めたわ……」

真「わあああ! ごめん、力入れすぎてた!」


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 21:59:28.01 ID:vG+6cnyO0

…………

ガチャリ

真「ただいまー!」

伊織「? 誰もいないわね。小鳥くらいはいると思ったんだけど」

真「買い物かな?」

伊織「……っていうか、いつまで手繋いでるのよ! 放しなさい!」パッ

真「伊織の手、柔らかくて気持ちいいからつい」

伊織「……じゃあ私着替えてくるから、服返してちょうだい」

真「ダメ」

伊織「えっ」

真「今日一日、そのカッコ」

伊織「何でカタコトなのよ……」


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 22:03:00.80 ID:vG+6cnyO0

真「かっこいい伊織をみんなにも見てもらいたいんだよー」

伊織「……はぁ、こうなったらもう諦めるわよ。最後まで付き合うわ」

真「さすがぁ!」

伊織「とりあえずソファで休憩しましょ。歩き疲れたわ」

真「はーい」ギュッ

伊織(近い……)


77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 22:07:00.75 ID:vG+6cnyO0

真「今日はありがとね、伊織」

伊織「ホントにこれで満足できたの? 結局私の行きたいとこに連れ回しただけじゃない」

真「あはは、確かに王子様とお姫様にはほど遠いデートだったね」

伊織「だから言ったのに……」

真「でも、やっぱり伊織とはこうやって普通に遊んでる方が楽しいんだと思う。ちょっと毒のある冗談言い合えるくらいが落ち着くんだよね」

伊織「……そ、そう」


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 22:12:13.57 ID:vG+6cnyO0

伊織「まあ、その、私もあんたといると退屈しないわ。気が向いたら、また付き合ってあげてもいいかもね」

真「ホント!? じゃあ次はどこ行く?」

伊織「……そうねぇ、普段行かないようなとこに足を伸ばしてみるのもいいかもね。例えばーー」


……………

ガチャリ

P「ただいま戻りました」

やよい「戻りましたー!」

小鳥「しーっ」

P「?」

小鳥「」クイクイ


伊織「すぅ……すぅ……」

真「むにゃ……」


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 22:16:34.64 ID:vG+6cnyO0

P「なんで二人がここに?」

小鳥「わかりません。私がちょっと留守にしてる間に来てたみたいで……」●REC

P(ちゃっかり録画しとるこの人)

やよい「二人ともとっても幸せそうですー」

P「しかしなんで伊織が膝枕してるんだ……真が甘えてるみたいに見えるぞ」

亜美「いっひっひ♪ これはいじり甲斐のありそうな構図ですなぁ」

P「……ほどほどにな」


81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 22:20:21.42 ID:vG+6cnyO0

…………

伊織「だ! か! ら!」

伊織「これは真が無理矢理させたカッコなの! 膝枕だってやりたくてやったわけじゃないわよ! 一緒に寝てたらいつの間にか……」

亜美真美「『一緒に寝てたら』?」ニヤニヤ

伊織「ああああぁぁもぉぉぉぉ」

P「ほ、ほどほどにな……ぷふっ」

小鳥「あんまり騒ぐと休憩室の真ちゃん起きちゃうわよ?」●REC

伊織「笑ってんじゃないわよ! 撮ってんじゃないわよ!」


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 22:25:32.50 ID:vG+6cnyO0

伊織「いいから早く準備しなさいよ! 私はもう着替えるわ!」プンスカ

雪歩「…………」ザッ

伊織「? 何よ、そこ通してもらっていい?」

雪歩「伊織ちゃん……」ガシッ

伊織「な、何? 何か顔が怖いわ雪歩」

雪歩「…………良い」キラキラ

伊織「えっ」

雪歩「かっこいおりん、そういうのもあるんだね」

伊織「……何言ってんのあんた」


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 22:33:31.35 ID:vG+6cnyO0

雪歩「盲点だったよ! 伊織ちゃんも"そういうの"似合うんだね!」

伊織(あ、なんか凄いイヤな予感がする)

「水瀬伊織改造計画……なの」ボソッ

伊織「今ボソッと不吉な言葉を口にしたのは誰!?」バッ

P「お、いいな。生っすかの企画提出してみるか」

伊織「やめてぇぇぇ! 後生だから! 全国ネットで恥を晒すのはあいつと響だけで充分よ!」

響「おっ? 今ちょっと自分のことバカにしたか?」

雪歩「プロデューサー、お願いします!」

伊織「イヤぁぁぁぁ! 助けて真ぉぉぉ!」


88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 22:38:39.00 ID:vG+6cnyO0

…………

一同「誕生日おめでとー!」ワッ

パチパチパチパチ

真「あ、ありがとう……わかっちゃいたけどやっぱり照れるね……」

伊織「ふん、仮にも主役なんだからしゃきっとしなさいよ……」ムスッ

真「何か機嫌悪くない? 何かあった?」

伊織「べっつにー」

貴音「伊織も悩み多き年頃なのです。察してあげましょう」

真「? 悩みがあるなら聞くよ?」

伊織「あんたが原因なのよ……」


90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 22:45:52.67 ID:vG+6cnyO0

伊織「やっぱり今回限りにしようかしら……あんたのわがまま聞くの」

真「そんなぁ! 伊織以外に犠牲になってくれる人なんていないよー!」ダキッ

伊織「聞き捨てならない単語が聞こえたけど!? ええい、放しなさい!」

美希「あはっ、なんか今日の二人、いつも以上に仲良く見えるの」

真「えへへ。伊織は今日一日、僕の王子様だからね!」ギュッ

一同「!?」

伊織「ちょっ……!」

一同「…………へぇ」

伊織(あ、これもう取り返しつかないわね……)


92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 22:50:06.81 ID:vG+6cnyO0

真「えへへー」

伊織「……何よ、その顔は」


真「私今とっても幸せだよ、王子様♪」

伊織「……とっても光栄ね、姫様」


終わり


93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 22:51:22.13 ID:vG+6cnyO0

終わったので解散していただいて結構です
ありがとうございました

なんかいおりん主役みたいになってるけど気のせいだよね?


99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/08/29(水) 22:55:29.69 ID:vG+6cnyO0

わがまま伊織に振り回される真もいいけど、暴走乙女まこりんに振り回される伊織も素敵だと思います
つまりいおまこ最高

この二人書いてて楽しいのでこれからもいおまこどんどん書きたいなぁ



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