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森夏「富樫くんの背中、あったかいね……」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 00:38:56.69 ID:P8FUQ9XH0

ーー2限、体育館


森夏「もうっ、誰も後片付けしないんだから」

森夏「使ったものくらい、ちゃんと片付けなさいよね……」


一色「勇太、早く飯食い行こうぜ」

勇太「あ、あぁ」

勇太「……」チラッ


森夏「……」ヨッコラセ


勇太「……」

一色「どうした?」

一色「……おっ、さすが丹生谷。率先して後片付けとは」

勇太「……」スタスタ

一色「おい、勇太?」


2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 00:43:50.59 ID:P8FUQ9XH0

森夏「大体、なんで自由時間なんて設けるのよ」

森夏「あの先生やる気なさすぎ」

森夏「あぁ、もう……あんなところにもボールが……」

勇太「……」ヒョイ

勇太「手伝うよ」

森夏「……」

森夏「当たり前よっ、元はと言えばあんた達男子の後始末なんだから」

一色「仕方ねーな、俺も手伝ってやるか」


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 00:51:39.99 ID:P8FUQ9XH0

ーー体育館倉庫

勇太「さぶっ……」ブルブル

森夏「冬場の倉庫は極寒ね……早く出ましょ」

ガチャンガチャン

森夏「あれ……」

勇太「どうした、丹生谷」

森夏「扉が開かなくて……」

勇太「まさかぁ」スッ

ガチャンガチャン

勇太「……」

一色「やっぱ、倉庫っつったらこれだよなぁ」

勇太「……お前の仕業か」

森夏「さっさと開けなさいよ……寒いんだから」ブルブル

一色「はいはい、すぐに開けますよっと」


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 00:54:46.04 ID:P8FUQ9XH0

くみん「…………」
()

一色「ーーハッ!?」

勇太「一色……?」

一色「くみん先輩がいるっ」

森夏「は?」

一色「くみんせんぷあぁぁあい‼」

ダダダダ……

勇太「えっ?」

森夏「……」ポカーン


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 01:00:07.58 ID:P8FUQ9XH0

勇太「おいっ、一色! 一色!?」

ガンガン

勇太「あの糞坊主っ‼」

ガンガン

森夏「……なに、閉じ込められたってこと?」

勇太「……ハイ」

森夏「…………」

勇太「ま、まぁ一色もすぐに戻ってくるだろ」

森夏「……本気でそう思ってる?」

勇太「いいえ」


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 01:04:30.54 ID:P8FUQ9XH0

勇太「……」ブルブル

森夏「……」ブルブル

勇太「誰も、こないな」

森夏「今は昼休みだし、みんなお昼ご飯に夢中よ」

勇太「ですよねー……」

勇太「昼休みが終われば、次の授業で体育のあるクラスがやってくるだろうし、それまでの我慢だな……」

森夏「……」

森夏「どれくらい時間が経ったか分からないっていうのは、中々辛いわね……」


18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 01:08:36.70 ID:P8FUQ9XH0

勇太「……ごめん」

森夏「なによ、唐突に」

森夏「寒さで頭がおかしくなった?」

勇太「俺が手伝うなんて言い出さなければ、こんな事にもならなかったなー」

勇太「……って、思って」

森夏「悪いのはあの坊主でしょ」

森夏「富樫くんが謝る必要なんかないじゃない」

勇太「まぁ、そうかもしんないけどさ……」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 01:12:47.90 ID:P8FUQ9XH0

森夏「手伝ってくれた事には感謝してる」

森夏「嬉しかったんだから」

勇太「……今、なんと?」

森夏「…………今のは忘れなさい」チョップ

勇太「あだっ」

勇太「いきなりなにすんだ」

森夏「記憶を消す呪いよ」フン

勇太「随分と荒っぽい呪いですこと……」


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 01:18:07.29 ID:P8FUQ9XH0

勇太(寒さにも大分慣れてきたな……)

勇太「……」チラッ

森夏「……」ブルブル

勇太「……」

勇太「……」ヌギヌギ

森夏「!? ちょっと、なにいきなり脱ぎ出してるのよ!」

森夏「変態、エッチ、痴漢!」

勇太「……ほれ」

森夏「うわっぷ……」バサァッ

森夏「……ジャージ?」

勇太「あー、その……」

勇太「ほ、ほら。ないよりはマシだろっ///」プイッ

森夏「……」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 01:21:26.25 ID:P8FUQ9XH0

一色「あっるぇ、確かにくみん先輩だと思ったんだけどなぁ……見間違えたか」

一色「……」

一色「なんか忘れてる気がする」

一色「……」

一色「まぁいいや。くみん先輩より大事なもんもないか」


30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 01:29:53.43 ID:P8FUQ9XH0

森夏「……」ポイッ

勇太「折角の人の好意をポイ捨てかよ」

勇太(ヤバイ、結構ショックでかい)

森夏「風邪ひいたらどうすんのよ」

勇太「……ほら、俺ってDFMだから」

勇太「闇の炎とともにある我にとって、寒さなど恐るるに足りん」

森夏「……うわ、余計にさむっ」ブルブル

勇太「とにかく、寒さなんてヘッチャラなんだよっ///」ポイッ

森夏「……」バサッ

森夏「全く、こういう時だけ優しいんだから……」ボソッ

勇太「?」

森夏「でも、これはいらない」ポイッ


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 01:35:44.05 ID:P8FUQ9XH0

勇太「寒そうにしてるじゃんか。遠慮せずにーー」

森夏「ーーねぇ、富樫くん、知ってる?」

森夏「背中を温めると体中があたたかくなるんだって」

勇太「……俺は膝裏とか聞いた記憶があるけど」

森夏「いいのっ、今は背中なのっ」

勇太「……? まぁ、いいけど」

勇太「それがどうかしたのか」

森夏「……このままじゃ、お互いに風邪ひいちゃうかもしれないし」

森夏「これは緊急措置だと思うの」

勇太「……話が見えてこないんだけど」


34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 01:39:51.45 ID:P8FUQ9XH0

森夏「……察しなさいよ」

勇太「そんな事言われても……」

勇太「背中を温めると体中があったかくなる……」

森夏「……」

勇太「あっ、そうだ」

勇太「背中をくっつけあおうーーなーんて……」

森夏「……」

勇太「……否定の言葉を受付中、です、よ?」

森夏「……」

森夏「私とは、嫌?」


43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 01:52:30.34 ID:P8FUQ9XH0

勇太「……イヤじゃ、ないけどさ」

森夏「これは緊急措置なの。仕方ない事なのよ」

勇太「……そうか。なら、仕方ない、よな……?」

森夏「そうそう、仕方ないのよ。イヤだけど、死んでもゴメンだけど、仕方ない」

勇太「俺も死ぬほどイヤだけど、仕方ない。仕方ないんだな」

勇太「よっしゃあ、こい!」

森夏「おーけー!」


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 01:59:24.45 ID:P8FUQ9XH0





勇太「……」

森夏「……」

勇太(どうしてこうなった!!)

勇太(あぁでも、丹生谷の背中、やわらk――じゃなくて、温かい……)

森夏「富樫くんの背中、あったかいね」

勇太「お、おおう。なにせDFMの背中だからな」

勇太「煮えたぎるほどに熱いだろう」プルプル

森夏「……うん。熱いね」

勇太「……」

勇太(なんだ、この潮らしい丹生谷。こんなの丹生谷じゃない)


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:05:56.25 ID:P8FUQ9XH0

勇太「……時間、どんくらい経ったんだろうな」

森夏「さぁ……」

勇太「このまま、でられないかもしれないな」

森夏「……」

勇太「丹生谷?」

森夏「……ううん、なんでもないわ」

森夏(これはあれかしらね、俗に言う吊橋効果)

森夏(そう。そうに違うない)

森夏(この気持ちは、この状況によって生み出された幻想なのよ)

森夏「……」チラッ

勇太「うー、体は多少マシになったけど、手先はまだ寒い……」

森夏「……顔が熱い」


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:09:43.50 ID:P8FUQ9XH0

勇太「顔が? もしかして、熱でも……」クルッ

勇太「ちょっと顔みせてみろ」

森夏「!」

森夏「大丈夫よ、大丈夫、問題ないからあっち向いて!」バシンッ

勇太「ぶほぉ!!」

森夏「……あっ」

森夏「ごめんねー、つい」

勇太「ったく……」ヒリヒリ

勇太「……んん?」ヒョイ

勇太「……写真。写ってるのは……」

森夏「? どうしたの?」

勇太「いや、これが落ちてて……」


54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:14:26.67 ID:P8FUQ9XH0

森夏「……」

勇太「くみん先輩だよな、映ってるの」

森夏「そうね。でも、なんで倉庫に……」

勇太「……あとで、くみん先輩に届けるか」

森夏「そうしましょう」

勇太「……じゃあ、元のポジションに、戻りますか」

森夏「え、えぇ。風邪を予防するためだもの」

スッ……

勇太「……」

森夏「……」


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:20:49.85 ID:P8FUQ9XH0

勇太「なぁ、丹生谷」

森夏「?」

勇太「……お前って、付き合ってる人とかいるの」

森夏(!?)ビクゥ

森夏「なによ、突然」

勇太「いや、俺にも分からん……」

森夏「意味わかんない」

勇太「やっぱ、今の質問は忘れてくれ」

森夏「……そう」

勇太「……」

森夏「富樫くんは、どうなの」

勇太「え?」

森夏「付き合ってる人とか、いるの?」


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:25:08.29 ID:P8FUQ9XH0

勇太「いる訳ないだろ」

森夏「そっか。そりゃあそうよね。中二病だものね」

勇太「『元』中二病だっ」

勇太「お前だって中二病だった癖に」

森夏「過去は振り返らないと決めているのよ」

勇太「……たまに発症してるだろうが、モリサマーめ」

森夏「モリサマー言うな!」


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:28:32.38 ID:P8FUQ9XH0

一色「ないっ、ないっ、ないん!!」ハァッ!

一色「ポケットに忍ばせていた俺のお守りがないっ!!」

一色(やべぇ。やべぇよ。もしあれが何かの間違いでくみん先輩の手に渡ったら……)

くみん『もう、隠し撮りなんかしなくても、幾らでも撮らせて上げるよぉ?』

一色「ふぉおおおおおおおおおおおおお」

一色(……いや、流石にないな)

一色(仕方ねー。心当たりのある場所を片っ端から探してみるかぁ)

タッタッタッ……


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:38:17.22 ID:P8FUQ9XH0

勇太「そろそろ、昼休みも終わる頃かな」

森夏「やっと出られる……」

森夏(この時間も、もうすぐ終わるのか……)

勇太「案外、苦痛じゃなかったなぁ」

森夏「……そうなの?」

勇太「最初は早く出たいって思ってたけどな」

勇太「俺、丹生谷と話しているのが割と楽しいみたいだ」

森夏「……なによ、それ」フン

勇太「こりゃ、一色に感謝すべきかな」

森夏「はぁ?」

勇太「おかげで、丹生谷と少し仲良くなれた気がするから」

森夏「言ってて恥ずかしくないの、それ」

勇太「すげー恥ずかしい」

勇太「けど、言う」

森夏「……言うんだ」


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:44:21.17 ID:P8FUQ9XH0

勇太「顔から火が出そうだけど、言わずにはいられない」

森夏「……」ゴクリ

勇太「俺、もっと丹生谷と――」


ガララ……

一色「……」

勇太「……」

森夏「……」

ヒラッ……

一色「あ、くみん先輩の写真!」

勇太「……」ヒョイ

一色「……」

勇太「……」ビリィ

一色「あぁあああああああ!! 俺のくみん先輩がぁああああ!?」

勇太「先輩がぁあじゃねぇ! てめ、この、この……!!」ゲシゲシ

一色「痛い痛い、やめてください勇太さまっ! あぁっ、あっー!!」


70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:49:37.12 ID:P8FUQ9XH0

勇太「ふぅ……久々の外の空気だ」

森夏「……」

森夏(あのまま坊主の邪魔が入らなかったら)

森夏「……」チラッ

勇太「この件はくみん先輩に報告するからな」

一色「堪忍やで」テヘペロ

一色「やめろ、倉庫からバットなんか持ってきて何をするつもりだっ」

一色「……へへっ、殴ってみやがれ。そんなことしたら先生にいいつけて――」

勇太「……」ダッ

一色「ごめんなさいいいいいい」ダッ

森夏(富樫君に、何を言われてたんだろう)

森夏「……」

森夏「あれ、富樫くんは?」キョロキョロ


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:51:34.49 ID:P8FUQ9XH0

勇太「くっそ、巻かれた! 逃げ足の速い奴め……」

勇太「……」

勇太(もし、一色がこなかったら)

勇太(俺は、何を言うつもりだったんだろう)

勇太「……」


73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:54:50.89 ID:P8FUQ9XH0

――放課後、部室


ガチャリ……

森夏「あっ」

勇太「あっ」

勇太「……よう、さっきぶり」

森夏「……さっきぶり」

勇太「他の部員は?」

森夏「さぁ……」


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:58:32.07 ID:P8FUQ9XH0

勇太「……なぁ、丹生谷」

森夏「な、なによ」

勇太「今日、一緒に帰らないか……いや、帰ってくださいませんか」

森夏「……」スッ

森夏「……えいっ」チョップ

勇太「いでっ」

勇太「なんだよ……また記憶を消す呪いか?」

森夏「いいえ」

森夏「契りの儀式っ」ニコッ


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/01/16(水) 02:59:03.46 ID:P8FUQ9XH0

AA



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