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夕美「陽が照る花畑を目指して」

1: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:26:45.15 ID:1j4emmIF0

前の
アナスタシア「雪女」
http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1513498009/

よしのんとか、茄子さんとか、こずえちゃんとか、アーニャちゃんとか出ます。
寺生まれのPさんは出ません


2: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:27:20.03 ID:1j4emmIF0

アーニャ「カコ、付き合ってくれてスパシーバ……ありがとうございます」

茄子「いえいえー、これくらいならお安い御用ですよー♪」

茄子「……それにしてもたくさん買いましたね、アイス」

アーニャ「ンー、事務所は暑いですね」

アーニャ「だから。体を冷やすためにも、たくさん」

アーニャ「あの人もいくらでも使っていいっていってましたね?」

茄子「だからって、買いすぎだと思いますけど……」

アーニャ「その方が困りますね?」

茄子「あぁ、なるほど……ふふっ」

茄子「……ふぅ、ちょっと疲れちゃいました」

茄子「あそこで少し休憩してもいいですか」

アーニャ「ダー」


3: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:28:04.41 ID:1j4emmIF0

茄子「よい……しょっと」

アーニャ「カコ。アイスをこっちにください」

アーニャ「冷やします」

茄子「あ、はーい」

茄子「……便利ですよね、氷を作れるなんて」

アーニャ「ママが私の中にいたおかげです」

アーニャ「でも、ネバリショーイ……小さいものしか――」

アーニャ「――アー」キョロキョロ

茄子「アーニャちゃん?」

アーニャ「……近くに誰もいないわね」

茄子「あら、アーニャちゃんが変わっちゃいました!」

アーニャ「知ってるでしょう?」

茄子「知ってますよー♪」

アーニャ「……あのしゃべり方結構疲れるのよ」

アーニャ「知ってる人しかいないならこっちのが楽」

茄子「なるほどー」

アーニャ「……で、話を戻すけど……」

アーニャ「今は手のひらサイズの小さな氷しか作れないわ」

アーニャ「このくらいのね……ほら」

茄子「わぁ!」

アーニャ「これを袋に入れて……っと」

アーニャ「……もう少し作っといたほうがいいかしら」

茄子「数は小さいけど、量は作れるんですねー」

アーニャ「その辺の水分を集めて凍らせてるだけだからね」


4: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:28:32.99 ID:1j4emmIF0

アーニャ「……これでしばらくは溶けないでしょう」

茄子「氷が解けた後が大変そうですねー」

アーニャ「そうね……今度から氷入れる袋でも持ち歩こうかしら」

茄子「うふふっ♪」

アーニャ「……でも、驚いたわ」

アーニャ「貴方たち、受け入れが早すぎない?」

茄子「何がですか?」

アーニャ「私を」

アーニャ「すぐ受け入れてくれたじゃない」

茄子「まあ、話も事情も聞きましたしねー」

アーニャ「それでも……私ってだいぶ特殊だと思うんだけど」

茄子「うちの子はみんな同じですからねー」

茄子「みんな特殊で、みんな変なんです♪」

アーニャ「……そうみたいね」

アーニャ「神様がいて、妖怪がいて……あとみんな特殊な力を持ってるんだっけ」

アーニャ「にわかには信じがたいけど……」

茄子「アーニャちゃんが氷を作れるのと同じような感じですよ?」

アーニャ「ふーん……」

アーニャ「……私、まだみんなのことよく知らないのよね」

茄子「きっと聞けば教えてくれると思いますよー?」

アーニャ「カコも?」

茄子「私も♪」

アーニャ「じゃあ聞いてみていい?」

茄子「えぇ、もちろ――あっ」

茄子「あんなところで献血やってますね」

アーニャ「献血?」


5: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:29:30.52 ID:1j4emmIF0

茄子「ちょっと行ってきていいですか?」

アーニャ「別にかまわないけど」

茄子「ありがとうございます♪」

茄子「うふふっ、楽しみですー♪」

アーニャ「楽しみ?」

茄子「はい♪」

茄子「だって、献血って血を抜かれるんですよ」

アーニャ「そうね」

アーニャ「……人のためにわざわざ自分の血を抜こうなんて考えがわからないわ」

茄子「そうですねー、それは私もよくわかりませんけど……」

アーニャ「じゃあ、なんで楽しみなのよ」

茄子「だって、私の血が見れるでしょう?」

アーニャ「……」

茄子「それに、血を抜かれる経験なんてぜんぜん体験したことがないですからねー」

茄子「うふふっ、どんな感覚なんでしょう♪」

アーニャ「……」

茄子「ととっ、それじゃあ行ってきますねー♪」

アーニャ「……いってらっしゃい」

アーニャ「……」

アーニャ「……あいつが一番変なんじゃないの?」


6: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:31:11.47 ID:1j4emmIF0

茄子「さて、来てみたはいいんですけど……」

茄子「……辺りに誰もいませんね」

茄子「んー……どうしましょう?」

??「あっ、献血しに来た方ですか?」

茄子「あ、はいっ!」

茄子「……っと、どこから声が……」

??「この中ですよ」

??「ふふっ。どうぞ、中にお入りください」

茄子「はーい」

茄子「……わっ、真っ暗!」

??「ようこそっ。こちらで血を抜くのでついてきてください」ギュッ

茄子「きゃっ!?」

茄子「……電気はつけないんですか?」

??「ごめんなさい。私明かりって苦手で……」

??「あ、でも大丈夫ですよ! ちゃんと血は抜きますから!」

茄子「そういう問題なんでしょうか……」

??「ささ、こっちへどうぞどうぞ……」

茄子(うーん……)

茄子(……まあ、これも面白そうだし別にいいですね)


7: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:31:44.25 ID:1j4emmIF0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


茄子「ただいまー……」

アーニャ「お帰りなさい」

アーニャ「……どうしたの、元気ないわね」

茄子「んー……それが面白かったには面白かったですけど……」

茄子「望んだ感じの面白さではなかったんですよね」

アーニャ「どういうこと?」

茄子「んー……まず、献血してる間真っ暗だったんですよ」

アーニャ「真っ暗?」

茄子「はい。相手の顔も見えないくらいの」

茄子「そんな状態だったから自分の血も見えなくって……」

アーニャ「そこで落ち込むのはわからないけど……」

アーニャ「……でも、それって騙されてるんじゃない?」

茄子「んー……そうなんでしょうか?」

茄子「なんかフラフラしますし、ちゃんと血は抜かれたと思うんですけどねー……」

アーニャ「あぁ、そう……」

アーニャ「……あれ?」

アーニャ「カコ、かばんは?」

茄子「かばん?」

茄子「……あっ!」

茄子「そういえば、あの人に預けっぱなしです……!」

茄子「た、大変とりにいかなくっちゃ!」

アーニャ「……やっぱり騙されたのね」


8: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:32:21.74 ID:1j4emmIF0

茄子「っと、ついた!」

茄子「すいませーん!」

茄子「……あれ、返事がありませんね?」

アーニャ「勝手に入ればいいでしょ」

茄子「んー、そうですね」

茄子「おじゃまします……わぁ、やっぱり真っ暗」

アーニャ「……アー、本当に真っ暗ですね」

茄子(あ、アーニャちゃんが変わった)

茄子「すいませーん!」

茄子「うーん……返事がないですね」

アーニャ「アーニャたちで探しましょう」

アーニャ「カコ、ランパ……明かりはないですか?」

茄子「明かり……あ、スマホがあります」

茄子「よいしょ……これで見えますね」

アーニャ「ダー。それでは、いきましょう!」

茄子「おー!」


9: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:32:47.94 ID:1j4emmIF0

茄子「えーっと……たぶんこっちの方に連れてかれて……」

アーニャ「……しっ」

茄子「アーニャちゃん?」

アーニャ「カコ、耳を澄ませてください」

アーニャ「何か聞こえませんか……?」

茄子「何か……?」

茄子「……」

??「――」

茄子「……あっ、聞こえます!」

アーニャ「誰か、いますね?」

茄子「そうですね……」

茄子「……向かってみましょう」

アーニャ「……」コクリ

茄子「……」

??「――」

アーニャ「……」

??「――い」

茄子「……」

??「――しい」

アーニャ「……」

??「――美味しい」

??「この血、すっごく美味しい……!」

茄子「……へ?」


10: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:34:24.48 ID:1j4emmIF0

茄子「……アーニャちゃん?」

アーニャ「……私にも聞こえていますね」

??「うっそ、こんなに美味しいなんて……!」

??「正直血を抜いてるときからずっといいにおいがしててたまらなかったけど……まさかここまでなんて……!」

??「うわぁ……本当美味しい……ずっと飲んでたい……!」

??「……もっかい来てくれないかな」

??「ううん、きっときてくれるはず……」

??「だって、わざとかばん返さなかったし……」

??「ちょっと悪いかなって思うけど……でも美味しいもん、仕方ないよね」

茄子「……あのー」

??「ちょ、ちょっと待って! 今いいところだから!」

??「んくっ……ぷはぁ……幸せぇ……」

??「これきっと生で飲んだらもっと美味しかったんだろうなぁ……」

??「でもさすがにそれはダメだよね……」

??「……あの白い肌とか噛んでみたかったんだけどなぁ」

茄子「すいません、あのー」ポン

??「だから、ちょっと待ってって――」クルッ

??「――あっ、さっきの美味しい人!」

茄子「はい、美味しい人ですよー♪」

茄子「すいません、かばん忘れちゃったんですけど……」

??「あっ、そうでしたね! ちょ、ちょっと待っててくださいっ」

??「……っと、どうぞ」

茄子「ありがとうございますー♪」

??「また来てくださいねー」

茄子「はーい♪」

アーニャ「いや、ちょっと待ちなさいよ」

??「」ビクッ


11: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:35:48.72 ID:1j4emmIF0

アーニャ「……っと」

アーニャ「アー、貴方は何をしていたんですか?」

??「えーっと……しょ、食事?」

アーニャ「プリドゥルーク……ごまかされません」

アーニャ「貴方はカコの血を飲んでいましたね?」

??「あ、えっと……」

??「……はい」

??「その……美味しかったから……」

茄子「わぁ、うれしいですー♪」

アーニャ「なんで嬉しがるのよ……」

アーニャ「……こほん。貴方はヴァンピル……吸血鬼なのですか?」

??「えっ、なんでわかったの!?」

アーニャ「アー……半分冗談だったんですけど」

茄子「まあ、あんなこと言ってたらそりゃあそう思いますよね」

??「あんなのって……もしかして、ずっと聞いてたの?」

茄子「『この血、すっごく美味しい……!』ってあたりからずっと聞いてました♪」

??「……わぁ、全部聞かれちゃってる……」

??「じゃあ、誤魔化す必要もないか……」

??「……こほん」

夕美「私は夕美。二人の言うとおり、吸血鬼なの」


12: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:37:00.91 ID:1j4emmIF0

茄子「へぇ……吸血鬼……」

夕美「……だからね、あんまり光を当てないでくれるとうれしいな……」

茄子「あれ? 吸血鬼って太陽以外の光も苦手なんでしたっけ?」

夕美「うーん……大丈夫なんだけど……」

夕美「でもやっぱりあんまり好きではないかな」

茄子「そうなんですね……じゃあ、はずしますね」

夕美「うん、ありがと」

アーニャ「……だから、ここもこんなに真っ暗なのですね」

茄子「最初に来たときはびっくりしちゃいました」

夕美「ふふっ。そうかもね」

アーニャ「で、その吸血鬼がどうしてこんなところで献血を――」

アーニャ「――あ、食事のため、ですか?」

夕美「そうだよ」

夕美「献血ってことにしたら優しい人が血をくれるんだー」

夕美「暗闇に驚いて帰っちゃう人もいるんだけどね……」

アーニャ「それが普通だと思います」

茄子「襲ったりしないんですか?」

夕美「そ、そんなひどいことしないよ!」

夕美「私はそんな下等生物たちとは違うの!」

アーニャ「……献血って騙してはいますけどね」

夕美「私に血をささげてるんだから、嘘はついてないよ?」


13: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:41:12.02 ID:1j4emmIF0

夕美「それと、もう一個目的があるの」

夕美「……二人はこの写真の場所知ってる?」

アーニャ「……真っ暗で見えません」

夕美「あ、そっか」

茄子「ちょっと光を当てますね」

夕美「う、うん……」

夕美「……!」グッ

茄子(目を瞑っちゃって……ふふ、かわいい♪)

アーニャ「ズヴィトニーク……お花畑、ですね」

夕美「う、うん……そうなの」

夕美「……ずっと前に知り合いの悪魔がね、ここがすごいきれいだったって自慢してきてね」

夕美「……それはもう、腹が立つくらい自慢してきて」

夕美「だから、行ってみたいなって思ったんだけど……」

茄子「……どの辺にあるかとか教えてくれなかったんですか?」

夕美「なーんにも……ほんといじわるなんだから」

夕美「……っとだからね、各地を回ってこのお花畑を探してるんだ」

夕美「名前を変えて、姿をかえて、ね?」

アーニャ「それは本当の姿じゃないんですか?」

夕美「そうだよ。吸血鬼だもん、変身ぐらいお手のものっ」

夕美「こんな大人な姿から」クルッ

茄子「わぁ……!」

夕美「こーんなこどもにだってなれるんだよ、おねーさん!」クルッ

アーニャ「……綺麗ですね」

夕美「……だいぶ淡白な反応だね……逆にびっくりしちゃった」

夕美「みんなこの格好になったら一瞬で私の虜になっちゃうのに」

アーニャ「アー、イズヴィニーチェ……ごめんなさい。アーニャ、凍ってるから」

アーニャ「でも、本当に綺麗だと思いますね……氷付けにしちゃいたいくらい、ふふ」

夕美「あはは……それは止めて欲しいかな」


14: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:42:18.46 ID:1j4emmIF0

夕美「ま、そんな感じで私は各地を回ってるの」

夕美「献血終わった人にちょっと聞いてみたりして探してるんだけど、まだぜんぜんわからんくってねー」

茄子「でも私は聞かれませんでしたよ?」

夕美「……だって、そんなのどうでもよくなるくらいいいにおいがしてたんだもん」

夕美「本当は首筋に噛み付いてそのまま味わいたいくらいだったけど……それをしちゃうと貴方も吸血鬼になっちゃうからね」

夕美「嫌でしょ?」

茄子「んー……ちょっと興味はありますけど……」

夕美「ほんと!? 噛んでいい!?」

茄子「でも、お日様の下に出れないのは嫌なので、遠慮します♪」

夕美「だよねー……」

茄子「吸血鬼になって変身とか吸血とかしてみたかったんですけどねー」

茄子「……体験吸血鬼とかできないですか?」

夕美「うーん……無理かな」

茄子「あら、残念……」

夕美「その代わり、吸血される気分はいつでも味わえるよっ!」

茄子「わぁ、魅力的ですね♪」

アーニャ「……また抜かれると、死んじゃいますよ?」

茄子「うふふっ、さすがに今日はもう遠慮します♪」

茄子「……夕美さんはいつまでこの辺にいるんですか?」

夕美「んー……それなりにここにいたし……そろそろ動こうかなーって思ってるけど」

茄子「あら……じゃあ、近いうちにまた来ないといけませんね♪」

夕美「ふふっ、いつでも歓迎するよっ!」

夕美「限界ギリギリまで血を抜いてあげるからっ!」

茄子「わーい♪」

アーニャ(……本当にイカれてるわね、コイツ)

茄子「……あっ!」

茄子「そうだ、私たちには探し物の得意な仲間がいるじゃないですか!」

夕美「?」


15: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:43:34.34 ID:1j4emmIF0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


芳乃「……ふむー」

芳乃「呼ばれてきたのは良いのですがー」

こずえ「まっくら……」

芳乃「ですなー。先の見えないほど……」

芳乃「……ふむ。携帯の明かりは使えるのですねー」

こずえ「ピカピカー……」

芳乃「なれば、フレデリカ殿の時よりはマシでしてー」

芳乃「……さて」

芳乃「茄子殿ー」

芳乃「……」

こずえ「へんじないねー……」

芳乃「うむー……しかし、この部屋にいることは事実ー」

芳乃「……大方ただの悪戯でしょー」

こずえ「こどもなのー……」

芳乃「その通りでしてー、茄子殿は体だけ大きな子供でありー」

芳乃「……ととー、とりあえず彼女の下へ向かいましょー」

芳乃「こずえ殿ー、こちらの明かりで道を照らしませー」

こずえ「んー……」


16: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:44:32.54 ID:1j4emmIF0

芳乃「あ、いましてー」

茄子「わぁ、見つかっちゃいました♪」

アーニャ「……ハラショー。よく見つけましたね?」

芳乃「探し物は得意分野でしてー、えへん」

芳乃「……それより、アーニャ殿もいたのですねー」

アーニャ「ダー。カコは教えなかったのですか?」

芳乃「『ちょっと来てください♪』とのメールしか受け取ってないのでしてー」

アーニャ「……そう」

茄子「うふふっ、芳乃ちゃんおすごさを見せたくって♪」

茄子「どう、夕美ちゃん。うちの芳乃ちゃんはこんな風に探し物が得意なんですよー♪」

夕美「……本当に何も教えなかったの?」

茄子「教えませんでしたよー、ほら♪」

夕美「う……画面の明かりが…………あ、ほんと」

夕美「……貴方、すごいんだね」

芳乃「それほどでもありましてー」

芳乃「……ところで、そなたはー?」

夕美「あ、そっか……私のことも教えてないんだよね」

夕美「私は夕美。吸血鬼だよっ」

芳乃「ほー、吸血鬼……」

こずえ「吸血鬼ってなあに?」

芳乃「血を吸う生き物でしてー」

こずえ「ふーん……蚊みたい……」

夕美「……蚊と一緒にするのは止めて欲しいな」


17: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:45:25.15 ID:1j4emmIF0

夕美「二人は……あっ、そういえばこっちの二人にも聞いてなかったね」

夕美「みんなはなんて名前なの?」

茄子「私は茄子。人間ですっ♪」

芳乃「おや……わたくしは芳乃。同じく人間でしてー」

アーニャ「アーニャです。アー……人間……ですね」

こずえ「こずえだよー……。かみさまなのー……」

夕美「人が3人と……神様?」

こずえ「かみさまー……」

夕美「へぇ……すごいんだねー」ナデナデ

こずえ「ふわぁ……」

芳乃(……これ絶対信じてないのでしてー)

芳乃「……こほん」

芳乃「それで、わたくしを呼び出したのは何故でしてー?」

茄子「ととっ、そうでした!」

茄子「夕美ちゃん。さっきの写真を」

夕美「あ、うん!」

夕美「えっと……ここがどこにあるか知ってる?」

芳乃「……見えないのでして」

芳乃「明かりをー」

こずえ「まかせろー……」

夕美「……!」グッ


18: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:46:08.99 ID:1j4emmIF0

芳乃「ふむふむ……なるほどー」

芳乃「わかりましてー」

夕美「ほんと!?」

芳乃「うむ。ここからだと……近からず遠からずといったところですなー」

芳乃「しかし、山の中にあるゆえー、決して楽にいけるわけではないかとー」

アーニャ「マシーナ……車だけでは行けないのですね」

芳乃「でしてー」

夕美「そっかー……」

芳乃「ふむ……何か地図などはおありでしてー?」

芳乃「位置を記録しようかとー……」

夕美「……」

芳乃「……夕美殿?」

夕美「……」クルッ

芳乃「!」

芳乃「姿が変わりまして!」

こずえ「ちっちゃくなったのー……」

夕美「ゆみのことここまで案内して、おねーさん!」

芳乃「!!」

夕美「……ダメ?」ウルウル

芳乃「ダメじゃないのでして! 任せまして!」

芳乃「この芳乃おねーさんがそなたを必ずやここまで送り届けまして!」

夕美「わーいっ、ありがとーっ!」

アーニャ「……ヨシノはちょろいですね」

茄子「お姉さんって呼ばれたい年頃みたいなので♪」

こずえ「ふわぁ……」


19: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:47:20.67 ID:1j4emmIF0

芳乃「しかし、そなたは大丈夫なのでして?」

芳乃「吸血鬼とは太陽光が苦手なものでは?」

夕美「んー、そうなんだけどね」

夕美「ゆみ、この写真の状態のお花畑が見てみたいの」

夕美「だからね……よしのおねーさん。ゆみのこと守って……?」

芳乃「任せまして!!」

夕美「ありがとっ! よしのおねーさんは優しいんだね!」

夕美「……っと、約束もしたところで」クルッ

芳乃「……戻ってしまいまして」

夕美「ふふ、よろしくね。芳乃ちゃん……」

夕美「……ううん、芳乃お姉さん?」

芳乃「うむー……」

芳乃「……これもこれで良いものですなー」

こずえ「……ひじりがおこりそうー……」

茄子「ふふっ、嫉妬しちゃいそうですね」


20: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:48:38.01 ID:1j4emmIF0

アーニャ「ンー、今から行くにしても、車はどうするのですか?」

アーニャ「それなりに遠い……ですよね?」

芳乃「うむー」

芳乃「この中に運転できるものは――」

茄子「――私ならできると思いますよー」

芳乃「危なっかしいので却下でして」

茄子「えー……」

こずえ「ゆみはー……?」

夕美「夜なら運転できるけど……」

夕美「昼だと陽の光が当たっちゃうから……難しいかな」

こずえ「ふーん……」

芳乃「吸血鬼も難儀なものですなー」

夕美「あはは、そうかもね」

夕美「んー、車だけならその辺で誰か魅了してくれば取ってこれるけど」

夕美「……ううん、運転手もそれでなんとかなるかな……?」

芳乃「わざわざそのようなことをせずともー」

芳乃「……しゃくではありますが、知り合いに頼みましょー」


21: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:49:30.72 ID:1j4emmIF0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ちひろ「……まさか私を運転手に使うなんて思いませんでした」

芳乃「対価は払ったでしょー?」

ちひろ「えぇ、もらったからにはちゃんと願いを叶えますよ」

ちひろ「……さあ皆さん。乗ってください」

茄子「はーい♪」

こずえ「んー……」

アーニャ「ダー」

アーニャ「……アー、ユミがまだですね」

芳乃「うむー」

芳乃「……おや、来たようでしてー」

夕美「ご、ごめんっ。遅くなっちゃった!」

アーニャ「……全身真っ黒ね」

芳乃「目しか見えないのでしてー」

夕美「少しでも日光が当たるところを減らしたくって……」

夕美「……ごめん、車に入るまで誰か傘持っててくれる?」

芳乃「オーケーでしてー」


22: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:50:12.58 ID:1j4emmIF0

ちひろ「みんな乗りましたか?」

芳乃「うむー」

こずえ「乗ったー……」

茄子「乗りましたー♪」

夕美「えーっと……陽があたらない位置は……」

夕美「……もうちょっとかがんで、窓をふさいで……」

アーニャ「……ユミが忙しそうです」

ちひろ「はぁ……」

ちひろ「……あぁ、なるほど。吸血鬼なんですね」

ちひろ「でしたら……はい」

夕美「きゃっ!?」

アーニャ「」ビクッ

芳乃「真っ暗になりまして!」

ちひろ「この車に光が届かないようにしましたから」

夕美「すごい……どうやったらこんなことできるんですか……?」

ちひろ「神様ですから♪」

夕美「へぇ……!」

ちひろ「……あっ、追加料金いただきますね、芳乃ちゃん」

芳乃「……」

茄子「……相変わらずですねー」


23: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:52:39.14 ID:1j4emmIF0

アーニャ「……こんな真っ暗で運転できるんですか?」

ちひろ「神様ですから♪」

アーニャ「……なんでもありね」

ちひろ「神様ですから♪」

アーニャ「……」

茄子「ここまで真っ暗だと、景色を楽しむことはできなそうですねー」

夕美「でも、すっごい楽……ありがとうございますっ」

ちひろ「いえいえ」

芳乃「……」

茄子「……ふふ」

茄子「なんだかちょっと前の真っ暗を思い出しますねー♪」

芳乃「うむー……光も通りませぬからー」

茄子「うふふっ、楽しい……♪」

こずえ「んー……まっくらだと、ねむくなるのー……」

芳乃「では寝てしまいませー」

芳乃「わたくしが起こしましてー」

こずえ「ありがとー……よしのおねーちゃん……」

茄子「……芳乃おねーちゃん?」

こずえ「よしのがよべってー……」

茄子「芳乃ちゃん……」

芳乃「……だって、呼ばれたかったのでして」

茄子「うふふっ、私も呼びましょうか? 芳乃おねーちゃん♪」

芳乃「結構でして」

茄子「あら」


24: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:53:30.01 ID:1j4emmIF0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ちひろ「つきましたよー」

こずえ「おー……」

ちひろ「たぶんここであっていると思うんですけど、どうですか?」

芳乃「真っ暗で見えないのでして」

ちひろ「おっと、そうでした」

茄子「とりあえずおりましょうか」

夕美「……誰か、傘持っててくれる?」

芳乃「うむー」

茄子「よいしょっと……んっ、まぶしいっ……!」

芳乃「さっきまで暗闇でしたゆえー……目が慣れるまで我慢するしかないかと……うむー」

茄子「ん……っと、ようやく慣れてきました……」

茄子「……わぁ、きれいな山ですねー♪」

ちひろ「合ってましたか?」

芳乃「うむ、こちらで間違いないのでしてー」

アーニャ「ここからどれくらいですか?」

芳乃「ふむー……まあ、一時間ほどでしょうかー」

アーニャ「結構歩きますね……」

夕美「よいしょ……ありがと、芳乃ちゃん」

芳乃「いえいえー」

芳乃「……ここからは山道であり、傘もさしづらければ歩きづらくもありますー」

芳乃「ゆめゆめ気をつけなされよー」

夕美「うん!」


25: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:57:32.93 ID:1j4emmIF0

ちひろ「それでは、私は帰りますね」

アーニャ「アー、チヒロ。アーニャの買ったアイス事務所に持っていっておいてください」

ちひろ「はーい」

ちひろ「……芳乃ちゃん」

芳乃「わかってまして」

ちひろ「……ふふ」

ちひろ「それじゃあ、何かあったら……こずえちゃん、教えてくださいね」

ちひろ「電波が通じなくても、念なら通じるでしょうし」

こずえ「わかったのー……」

芳乃「……異次元の会話でして」

ちひろ「それでは、楽しんできてくださいね」

茄子「ありがとございましたー♪」

芳乃「……ふむ」

芳乃「では向かいましょー」

夕美「おー♪」

夕美「先導お願いしますね、芳乃ちゃん」

芳乃「任せませー」

芳乃「……しかし、そなたらは帰ってもよかったのですよー?」

アーニャ「……アーニャたち、ですか?」

芳乃「うむー。案内だけならわたくし一人で十分でしてー」

アーニャ「チヒロが帰る前に行って欲しかったですね」

芳乃「……それもそうでしてー」

芳乃「申し訳ありませぬー。今から呼び戻しましょー」

アーニャ「ニェット……アーニャは大丈夫です」

アーニャ「事務所より山の上の方が涼しいですね」

芳乃「ほー」

芳乃「お二人もー?」

茄子「楽しそうですし、帰りません♪」

こずえ「こずえはかがみだからー、よしののおねがいかなえるのー……」

こずえ「だから帰らないよー……?」

芳乃「……ほー」

茄子「芳乃ちゃんはみんなに来て欲しかったんですねー♪」

芳乃「言わないで欲しいのでして!」

芳乃「さて……今度こそ向かいましょー」


26: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 16:59:06.92 ID:1j4emmIF0

………………

…………

……


夕美「……ふぅ」

夕美「ずっと歩いていると暑くなってきちゃうね」

茄子「夕美ちゃんの場合はその格好のせいもあると思いますけどね」

夕美「できる限り肌を隠さないと怖くって」

夕美「生身であたるとすぐ灰になっちゃうけど、服の上なら火傷ですむから」

芳乃「ほー、少しは安全なのですねー」

夕美「うん……といっても、ずっとあたってるとやっぱり灰になっちゃうんだけどね」

夕美「だから脱げなくって……ふぅ」

アーニャ「……ンー」

アーニャ「氷なら作れますけど……欲しいですか?」

夕美「あ、本当? じゃあもらおっかな」

アーニャ「ダー……はいっ」

夕美「わっ、どこから取り出したの!?」

アーニャ「作っただけですね……どうぞ」

夕美「ありがと……アーニャちゃん、人間なんだよね?」

アーニャ「人間ですよ?」

夕美「人間って氷作れるんだ……」

芳乃「アーニャ殿が特別なだけでしてー」

夕美「んー……つめたーい……」

夕美「……」

夕美「……いや、ずっと肌につけてるとさすがに冷たすぎるや」

アーニャ「あら」

夕美「ごめんね、気持ちはうれしかったけど……」

アーニャ「ニェットプラブレーム。気にしないでください」


27: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 17:00:40.13 ID:1j4emmIF0

………………

…………

……


芳乃「続いてはこの川を渡りましてー」

夕美「えっ、川!?」

芳乃「うむー……何か問題でもー?」

夕美「……えっと、私。流れてる水ってダメなの」

夕美「流れた水が体にあたるとそれだけで全部の力が吸い取られちゃって」

芳乃「ほー」

茄子「じゃあ、迂回しますか?」

芳乃「むー……しかし、この川の源はまだ通そうでしてー」

芳乃「迂回するには大きく時間がかかりそうでー……うむー……」

アーニャ「……変身したらどうですか?」

夕美「あっ、そうだね!」

夕美「えいっ」クルッ

芳乃「!」

夕美「よしのおねーちゃん、ゆみのことあっちまで運んで……?」

芳乃「お安い御用でして!!」

夕美「わーいっ!」

アーニャ「……蝙蝠とかに変身すればって思ったんだけど」

芳乃「わたくしが夕美殿をおぶりましょう」

芳乃「茄子殿は傘で夕美殿に光が当たらないようにしてくださいませー」

茄子「はーい♪」

アーニャ「……まあいいか」

夕美「~♪」


28: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 17:02:52.77 ID:1j4emmIF0

………………

…………

……


夕美「あつっ!」

芳乃「!」

芳乃「夕美殿、大丈夫でしてー?」

夕美「う、うん……ちょっと指が日の光に当たっちゃったみたい」

アーニャ「アー、氷です。冷やしてください」

夕美「うん……ありがと」

茄子「……本当に、日の光がダメなんですね」

夕美「うん……手袋しててよかった……」

茄子「灰になっちゃうんでしたっけ?」

夕美「そうなの」

夕美「変な体質だよね……私も一回くらいお日様の光を浴びてみたいのに」

芳乃「……」

アーニャ「人生最後の願いになりそうですね」

夕美「そうだね……このお願いが叶ったら私死んじゃうし」

夕美「……でも、見てみたいな」

こずえ「……ふーん」


29: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 17:03:19.43 ID:1j4emmIF0

………………

…………

……


茄子「こずえちゃん、お疲れじゃないですかー?」

こずえ「へいきだよー……」

夕美「……みんなすごいねー、元気そうで」

夕美「私、ちょっと疲れてきちゃった」

茄子「疲れてると楽しくなってきませんか?」

夕美「……?」

芳乃「彼女の言うことは流してよいかとー」

芳乃「……目的地まではあと少しー、もう少しがんばるのでしてー」

夕美「そっか……」

夕美「……」クルッ

夕美「よしのおねーちゃん、おんぶして!」

芳乃「お安い御用でして!!」

アーニャ「……扱い方覚えてきてるわね」

茄子「ちょろいですねー」


30: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 17:04:54.89 ID:1j4emmIF0

………………

…………

……


こずえ「あー……きれいなのが見えるよー」

芳乃「おや、本当ですねー」

芳乃「……うむ、間違いないでしょー。あちらが目的の花畑でしてー」

夕美「本当っ!?」

芳乃「本当でしてー」

夕美「よしっ、よしのおねーちゃんダーッシュ!」

芳乃「……おんぶでそれは勘弁して欲しいのでしてー」

茄子「じゃあ、私がダッシュしちゃいますね♪」

夕美「あーっ!」

アーニャ「じゃあ、アーニャもお先に」

夕美「よっ、よしのおねーちゃん!」

芳乃「……花畑は逃げませぬからー、少々お待ちをー」


31: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 17:07:14.84 ID:1j4emmIF0

芳乃「……つきましてー、降りませー」

夕美「うんっ、ありがとっ!」

夕美「……ととっ、姿を戻してっと」クルッ

芳乃「……ふぅ」

こずえ「おつかれー……よしのおねーちゃん……」

芳乃「うむー……疲れましてー」

こずえ「えらいえらいー……」ナデナデ

芳乃「ほー……」

夕美「わぁ……ほんとにきれい……!」

茄子「さっき写真で見たものよりずっときれいですねー♪」

夕美「うん……!」

アーニャ「風も気持ちよくって……いいところねここは」

アーニャ「……アー、いいところ、ですね?」

茄子「うふふっ、取り繕わなくても大丈夫だと思いますよー♪」

夕美「わぁ……!」

茄子「夕美ちゃんは、お花畑に夢中みたいですから♪」

アーニャ「……そうみたいね」

夕美「……そりゃ、自慢するよね」

夕美「こんなに……こんなにきれいなんだから……!」


32: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 17:08:34.30 ID:1j4emmIF0

夕美「月の下のお花たちもきれいだけど、お日様の下のお花もきれい……」

夕美「うふふっ、こんな景色写真の中でしか見たことなかったから、新鮮……♪」

茄子「やっぱり昼は外には出ないんですか?」

夕美「うん……よっぽどのことがない限りはね」

夕美「今日みたいにお出かけするなんてほとんどしなくって……」

夕美「だから……本当にきれい……」

夕美「……ふふっ」

夕美「ねぇ、茄子さん、知ってる?」

夕美「このお花の名前はね――」

芳乃「――うむ、満足してくれたようでしてー」

こずえ「まんぞくー……?」

芳乃「あの喜びようを見ればわかりましてー」

こずえ「んー……」

芳乃「……ふむ」

芳乃「私もひとつ、お花の冠など作ってみましょー」

アーニャ「あら、作れるの?」

芳乃「先日作り方をテレビでみましてー」

芳乃「なれば、できるかとー」

アーニャ「……ダメそうね」

芳乃「なんででして!」

芳乃「……こずえ殿も一緒に作りましょー?」

こずえ「それがおねがいならー……」


33: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 17:09:30.31 ID:1j4emmIF0

芳乃「できまして!」

芳乃「みたか! でしてー!」

アーニャ「あら、本当……」

アーニャ「結構上手ね」

芳乃「えへん!」

こずえ「……んー?」

こずえ「あれー……うまくできないのー……」

芳乃「……こずえ殿ー、こちらはこのようにー――」

アーニャ「……器用ね」

アーニャ「私は、氷の冠を作るくらいしかできないわ」

アーニャ「ほら」

芳乃「……それも十分器用だと思いましてー」

アーニャ「ふふ、かぶせてあげる」

こずえ「おー……」

こずえ「こずえ、かみさまでおうさまになったのー……」

芳乃「ふふー」


34: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 17:11:41.31 ID:1j4emmIF0

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


夕美「……ふぅ」

夕美「ありがとねっ、みんな!」

夕美「私をここに連れてきてくれて……本当にありがとうっ!」

芳乃「いえいえー」

茄子「私たちも楽しかったですからねー♪」

夕美「ふふっ」

夕美「さて、それじゃあそろそろ帰ろっか」

こずえ「……んー」

こずえ「やっぱりまだなのー」

夕美「えっ?」

芳乃「……もう少し遊びたいのでしてー?」

こずえ「ううん、こずえじゃなくてー」

こずえ「ゆみのおねがい、かなってないよー?」

夕美「私の……?」

夕美「でも、ちゃんとお花畑は見れたよ……?」

こずえ「まだ見てないのー」

こずえ「ゆみはまだ、このおはなばたけを見てないのー」

夕美「……?」

こずえ「だって、そのしゃしんには、おひさまがうつってたよー?」

こずえ「でも、みてないのー……」

夕美「!」

こずえ「だから、ねー?」


35: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 17:13:17.44 ID:1j4emmIF0

夕美「……確かに」

夕美「確かに、そうだけど……そうなんだけど」

夕美「でも、私、こんなだし、お日様を見ることは――」

こずえ「できるのー……」

こずえ「ほらー……」ダッ

夕美「あっ!?」

アーニャ「!」

夕美「こっ、こずえちゃん、傘取らないでっ!」

夕美「私! 私、灰に……」

夕美「……」

夕美「……なら、ない?」

こずえ「ほら、ねー?」

夕美「えっ、なんで……!?」

夕美「だってさっきだって……!」

こずえ「それが夕美のおねがいだからー……」

こずえ「こずえが、かなえたよー?」

夕美「叶えた……って……」

こずえ「こずえはかがみだからー……ゆみのおねがいがわかるのー……」

こずえ「だからねー、かなえたのー……」

夕美「……」

こずえ「これがー、夕美のおねがいだよー」

こずえ「ねー?」

夕美「……うん」

夕美「そう、そうだね……ずっと」

夕美「お日様の光が当たってるこのお花畑を見たかった……」

夕美「……ううん、お日様の下に出てみたかった」

夕美「……」

夕美「……人間はいつもこんなに気持ちいい思いをしてるんだね」


36: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 17:15:39.86 ID:1j4emmIF0

夕美「ふふっ、寝っころがっちゃえ♪」

夕美「……あ、そっか、こんなに衣服をまとう必要もないよね、脱いじゃえっ!」

夕美「あー、気持ちいーっ!」

夕美「すごいっ、肌をさらしても灰になったりしない……!」

夕美「あははっ、真上に太陽がある……普段ならもう百回は死んじゃってるかも」

夕美「……きれい」

夕美「ほんとうに……きれい」

夕美「……こずえちゃんが私をこうしてくれたんだよね?」

こずえ「そうだよー……?」

夕美「……ありがとう、こずえちゃん」ナデナデ

こずえ「えへー……」

芳乃「こずえ殿ー」

こずえ「あー、よしのおねーちゃん……」

こずえ「こずえ、えらい?」

芳乃「うむー。えらいのでしてー」ナデナデ

こずえ「えへへー」


37: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 17:17:09.63 ID:1j4emmIF0

アーニャ「……驚いた。コズエって本当に神様なのね」

アーニャ「てっきり最後のお願い叶えて殺すのかと思ってたわ」

茄子「ふふ、こずえちゃんが普通の子供だったらそうなってたかもしれませんねー♪」

アーニャ「チヒロも、コズエも人知を超えたことを簡単にするのね」

茄子「神様ですからー♪」

アーニャ「みたいね……あんなの見せられたら信じるしかないわ」

茄子「……そういえば結局私たちのお話してませんでしたね」

アーニャ「そうね」

アーニャ「ちゃんと教えてよ?」

茄子「えぇ。帰った後にでも♪」

芳乃「……ところでこずえ殿ー。結局こずえ殿はどのように願いを叶えたのでしてー?」

こずえ「しゃしんとおなじばしょにいけるようにしたのー……」

芳乃「……では、常々太陽の下にいれるわけではないとー?」

こずえ「そうなのー……ここだけー……」

芳乃「……で、あるそうでしてー。夕美殿ー」

夕美「うん、わかった」

夕美「じゃあ、今のうちにお日様を堪能しなくっちゃね」

夕美「~♪」

夕美(……吸血鬼だもん)

夕美(絶対、こんなのかなわないって思ってた)

夕美(夢にまで見たけど……正夢にはならないってずっと思ってた)

夕美(でも今、私は確かにお日様の下で寝転がってて)

夕美(これが夢じゃないなら)

夕美(……神様ってすごい)

夕美(私は始めて、そう思った)





おしまい


38: ◆6QdCQg5S.DlH 2018/02/18(日) 17:21:59.27 ID:1j4emmIF0

導くよしのんとか、イカれた茄子さんとか、神様こずえちゃんとか、二面性アーニャとか、吸血鬼夕美ちゃんとか、ロリ葉夕美ちゃんとか、ある種便利なちひろさんとか書きたかったのを混ぜました。


数え間違いがなければ、20作目です。そして1作目から大体2年くらい経ちました。
ここまで読んでくださってる皆様に多大なる感謝を。

興味本位ですが、どのお話が好きだったかなんて聞いてみたいです。よかったら答えてくださると喜びます。


誤字脱字、コレジャナイ感などはすいません。読んでくださった方ありがとうございました。





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