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杏奈「百合子さんに嘘をついてみる」

1: ◆bncJ1ovdPY 2018/04/01(日) 23:53:32.42 ID:ZQSaMPV50

ギリギリですがアップします
エイプリルフールに杏奈が百合子さんに嘘をつくだけの話です

若干百合です


2: ◆bncJ1ovdPY 2018/04/01(日) 23:53:57.02 ID:ZQSaMPV50

​今日は四月の一日。
普段なら気にすることも無いカレンダーに目を向け、百合子さんに仕掛ける悪戯についてひたすら考察を続けていた。
そう、今日は「嘘をついてもいい日」とされるエイプリルフール……。
実際は皆疑心暗鬼になってて、嘘だと見抜かれることの方が多いけど……杏奈は、こういうイベントに参加することも少ないから……バレないはず、です……。

「ふふ……」

嘘だと気付かない百合子さんの反応を色々と想像して、小さく笑う。
絶望した顔、赤面した顔、泣きそうな顔。
嘘だとバラした時に、どんな反応をするかも……楽しみ……。
仕掛けるのは朝のレッスンが終わった後。
その時に備え、更に面白い反応を求めて計画を練っていくのだった。


3: ◆bncJ1ovdPY 2018/04/01(日) 23:54:23.68 ID:ZQSaMPV50

「あと、五分……」

午前のレッスンが終わる五分前。
レッスン着から着替える時間を考慮すると、十分程度で戻ってくるはず。
少しドキドキしながら、鏡を取り出して自分の顔を映す。
メイクでほんの少しだけ赤くなった顔に、話しかける時に使う不安そうな表情やその後に使う気遣うような表情ーー必要な表情の全てを再現して、百合子さんに通用するものであることを確かめる。
無防備に空いていた百合子さんの鞄のファスナーを更に七割くらいまで開けて、中の荷物を少し崩して漁ったような形跡を作っておく。
特に中に入っていた本は念入りに位置を動かして、そこを重点的に見たように細工する。
ここまでやれば……百合子さんも、騙されるよね……?
時計を見て、午前のレッスンが終了したことを確認。
準備は全て整った。

「杏奈……ビビッと、頑張ります……♪」


4: ◆bncJ1ovdPY 2018/04/01(日) 23:54:57.12 ID:ZQSaMPV50




「百合子ちゃ〜ん、私ね……」

午前のレッスンが終わって水筒を片手に一息入れようとした時、後ろから翼がとても嬉しそうな様子で話しかけてくる。
これから起こる会話を予測してため息を吐き……振り返りもせず、どこかあしらうように返す。

「……翼、彼氏でも出来たの?」
「そうなの〜!……あれ、知ってたの?」

分かりやすいだけだと言うと翼は「なんだ……つまんな〜い」と呟いて走り去っていく。
そう、今日は四月一日。嘘をつくことを許された影響で皆はしゃぎ回るものの、聞く側に回るだけの私にとっては正直面倒臭い。
最初は騙されていたが、同じような内容を何回か聞いた時点で飽きてしまい……そろそろ驚くフリをすることすら面倒だと感じ始めていた。

「早く戻ろ……」

事務所に戻ればきっと静かな時間を過ごせるはずだ。
元々騒ぎ立てるのが好きでない私は、事務所で唯一の穏やかな場所を求めて立ち上がる。

その場所とは、杏奈ちゃんの隣。
私以上に喧騒を好まない杏奈ちゃんの周囲は、とても心地良い時間を過ごすことが出来る。
本を読んだりゲームをしている杏奈ちゃんを眺めているだけでも楽しいけど……私の持ってきた本の感想を共有したりゲームについて語ったりもする。
だから音がないわけではないけれど……周りがどうあっても穏やかな空気が流れるその場所は、事務所での数少ない私の居場所となっていた。
「今日はどの本をおすすめしようかな」なんて考えて、小さく笑いながら歩き出した。




5: ◆bncJ1ovdPY 2018/04/01(日) 23:55:28.50 ID:ZQSaMPV50

「戻りましたー……」

ガチャリと扉が開き、酷く疲れた様子の百合子さんが入ってくる。
レッスン、ハードだったのかな……。

「あ、杏奈ちゃ〜ん……」

まるで飢えたようにこちらに近付いてくる百合子さん。
時間を潰すためにプレイしていたゲームを中断して画面を消すと、百合子さんの方に向き直す。

「ゆ、百合子さん……おつかれさま……」
「ありがと……って聞いてよ杏奈ちゃん!皆エイプリルフールがどうとかで煩くて……」

どうやら百合子さんは、皆からの嘘トークを聞かされ続けて疲れてる様子……。そりゃ一年に一度だし、盛り上がるよね……。

でも、ごめんなさい……杏奈も、盛り上がっちゃってます……。

百合子さんは軽く愚痴を零すと、「そう言えばさっきまで読んでた本が……」と持ってきていた本の感想を語り出す。
それを杏奈は少し不安そうな表情を作りつつ聞いていた。

「そう言えば杏奈ちゃんは何してたの?午前中はレッスン無かったよね」

五分くらい本の感想を語った百合子さんは満足したのか、杏奈に話題を振ってくる。
ーー仕掛けるなら今、だね……


6: ◆bncJ1ovdPY 2018/04/01(日) 23:55:56.44 ID:ZQSaMPV50

「そ、その……ね……」
「ん、どうかしたの?」
「鞄の中の……見ちゃった、の……」
「え、何を……」

杏奈があまりに普通じゃない顔をしているからか、分かりやすく狼狽える百合子さん。
そう、杏奈の考えた悪戯はーー

「……ちょっと……えっちな……やつ……」
「……あ、あー……え……?」

本が大好きな百合子さんなら、「そういう本」の一冊や二冊持っていてもおかしくない。
勿論事務所に持ってきてるとは思わないけど、「中を覗いたら入ってた」ということにすれば間違って持ってきたと思い込むはず……。

「そ、その……杏奈……驚いただけ、だから……。百合子さんも、そういう本……読むんだな、って……」
「ち、違うの杏奈ちゃん!あれは……そ、そう!来る途中で押し付けられて……」
「百合子さん……嘘吐くの、下手……」
「う……」

弁解しようとする百合子さんの顔が、絶望に染まっていく。
それを見ているのが楽しくて、ネタばらしはもう少しだけ遅らせることにした。

これが杏奈の考えた嘘。入っていた本を覗き見てしまったことにして、間違って持ってきたと思わせる。
そもそも「そういう本」を持っていないと成り立たないけど……案の定、百合子さんは既に持っていたみたい。

「あ、そういうの持ってるのが……おかしいとかじゃ、なくて……」
「うぅ……嫌いになったよね……あんな本、読んでるなんて……」
「え、えっと……嫌いになんて、ならないよ……?」

当然百合子さんの読んでいる「そういう本」の中身なんて知らなくて、どんな内容なんだろうって気になってしまうけど……。
会話が終わってしまうと意味がないし、そろそろネタばらしかな……。

「ごめんね……気持ち悪いよね……私、あっち行ってるね……」
「あ……百合子、さん……」

ーー杏奈を避けるように、離れていってしまった。
ネタばらしをするタイミングを失ってしまって、「ちょっとやりすぎたかな……」とちょっとだけ後悔。

百合子さんが事務所の扉を開けて出ていったのを確認して立ち上がり、追いかけるように事務所を出た。


7: ◆bncJ1ovdPY 2018/04/01(日) 23:56:24.68 ID:ZQSaMPV50

「百合子さん、いた……」

落ち込んだ百合子さんは屋上に行くことが多い。
今回も例外ではなくて、屋上で項垂れている百合子さんを見つけた。

「はぁ……」
「ーー百合子さん……」
「え……あ、杏奈ちゃん!?」

突然現れた杏奈に驚いて、狼狽する百合子さん。
そんな百合子さんを差し置いて、手っ取り早くネタばらしを始める。

「あのね……今日、何の日か知ってる……?」
「何の日って、今日は四月一日で……え?でも……」
「ごめんなさい……さっきの、全部嘘……」

きっと今頃百合子さんは「杏奈ちゃんがこんなことするなんて」と思っているに違いない。
でも見られた事実が無くて安心したのか、疑惑はすぐに晴れたみたい。

「……よ、良かったぁ~見られてなくて……私ドキドキしちゃったよ……」

そう言って杏奈の方を向く百合子さん。
そう、杏奈の悪戯はこれでーー


8: ◆bncJ1ovdPY 2018/04/01(日) 23:56:52.67 ID:ZQSaMPV50

「……でも、百合子さんも……そういう本、持ってたんだね……」
「ーーえ」

ーー終わりにするつもりなんか全く無かった。
寧ろこっちが本題で、ようやくそれに気付いたのか百合子さんは顔を真っ赤にしてあたふたし始める。

「見られてなくて良かったって……どんな本……なのかな……」
「あ……い、いや!さっきのは言葉の綾で……!」
「……ふふっ♪」

そうして百合子さんの持っている「そういう本」について聞き出し、百合子さんの趣味らしい道具を持って悪戯を仕掛けるのはまた別の話……。


9: ◆bncJ1ovdPY 2018/04/01(日) 23:57:58.83 ID:ZQSaMPV50

投下終了。短いですがこれで終わりです
あんゆりの尊さがもっと広まりますように……


13: 以下、名無しにかわりましてSS速報VIPがお送りします 2018/04/02(月) 12:12:53.19 ID:vY9ICGDXo

なんで百合子さんはちょっとえっちな本持ってきたんですかねぇ…


14: ◆bncJ1ovdPY 2018/04/02(月) 12:21:48.09 ID:P9gfXYgC0

>>13
一応補足しておきますと、百合子さんは「そういう本」を持ってきていたわけではないです
杏奈ちゃんが見つけてしまったように振る舞うことで「紛れているのに気付かずに持ってきてしまった」と思い込まされているだけで、これこそが杏奈ちゃんの作戦だったり



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