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響「『かなさんどー』の意味はね……」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 00:48:40.04 ID:wSSoLEvm0

「やっぱり海は良いねー!プロデューサー」

青い空、白い雲、そして透き通るようなビーチ

自分が生まれ育った島。うーん、懐かしい

隣には、大好きな彼がいる

「そうだな。響はこんなに良い環境で育ったんだな」

彼が優しく微笑みながら、近づいてくる


5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 00:52:20.10 ID:wSSoLEvm0

「でしょ!? 自分で言うのもなんだけど、ここは凄く良い所なんだ!」

故郷を褒められて、テンションが上がってしまう

「ははっ、響は本当に元気だな。はしゃぎまわる姿が良く似合うよ」

……むぅ、なんか子供扱いされてる気がする

確かに背は低いけど、そこそこスタイルにも自信あるのに……

「おいおい、そんな顔するなって」


7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 00:55:11.94 ID:wSSoLEvm0

彼の、少し申し訳なさそうな顔

ちょっとだけ、悪戯してみようかな

「どうせ自分はお子様ですよーだ」

拗ねた顔をして、そっぽを向いてみる

優しい彼の事だ、きっと心配して、声をかけてくるに違いない

「悪かったよ響。機嫌を直してくれないか?」


9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 00:59:11.86 ID:wSSoLEvm0

ほら、やっぱりね

「別に、機嫌が悪いわけじゃないよ」

むしろ、機嫌は良い

貴方と一緒にいられるのだから

嬉しくって、顔もにやけちゃう

「ぷ……あははっ」


10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:02:22.40 ID:wSSoLEvm0

しまった。我慢できなくて、思わず噴出しちゃった

そっと彼の方へ顔を向けると、困ったような顔で笑っていた

「響、あまりからかわないでくれ。どうしようか本気で困ったよ」

「ごめんごめん、プロデューサーの困った顔が面白くて……あははは!」

あー楽しいな! ちょっと前までは、こんな関係になれるとは思いもしなかったのに

今はこうしていられる事が、何よりも嬉しい


12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:05:14.91 ID:wSSoLEvm0

そして、うーん……幸せってやつなのかな

「なぁ、響」

あれ? 怒らせちゃったかな、すごく真剣な顔だ

「ごめんっ! そんなに怒るとは、思わなかったんだ」

「……」

うぅ……無言が怖いよ


13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:08:49.16 ID:wSSoLEvm0

「本当にごめん、プロデューサー! 自分謝るからっ!!」

「……」

うわーん! 自分、どうすればいいの!?

「くくっ……あははは」

どうしよう……って、あれ?

「あははっ、これでおあいこだろ?」


14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:11:20.12 ID:wSSoLEvm0

「えっ、プロデューサー怒って……あれ?」

「こんな事で怒らないよ。さっきの仕返しだ」

……あーっ! やられた!

「プロデューサーの馬鹿っ! ……えへへ、でも怒ってなくて良かった」

もぅ……自分、泣きそうだったぞ

でも、怒ってなくて本当に良かった


15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:15:42.10 ID:wSSoLEvm0

「……響」

すっ、と彼の手が頬に添えられる

大きな手、けれど、優しい手

「2人っきりの時は、名前で呼んでも良いんだぞ?」

「うぅ……恥ずかしいよ」

プロデューサーの真っ直ぐな視線


16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:18:47.54 ID:wSSoLEvm0

そんなに見つめられると、照れちゃうでしょ!

「そ、そんな真面目な顔しないでよっ! プロデューサー……」

貴方に、そんな風に見つめられたら、自分……

目を閉じた彼の顔が、ゆっくりと近づいてくる

あ……キスしちゃうんだ

目を開けたままだと、ルール違反かな?


17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:21:14.56 ID:wSSoLEvm0

わっ! ち、近い! 目を閉じなきゃ

ぎゅっと目を閉じて、唇が触れ合うのを待つ

うぅ……どきどきする

まだかな、まだなのかな

……あれ?

唇に感触がない


19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:24:40.72 ID:wSSoLEvm0

薄く目を開けてみると、プロデューサーはいなかった

ぱっと周囲を見渡しても人1人見当たらない

「プロデューサーどこー? 自分1人にしないでよーっ!」

大きな声を出しても反応はない

ビーチに1人ぼっち、波の音だけが寂しく響いている

「……プロデューサーの馬鹿ーっ!!」


20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:27:28.30 ID:wSSoLEvm0

がばりと体を起こす

体を起こす? あれ? なんかおかしいぞ

「……夢?」

海も砂浜も無い。あるのは見慣れた部屋の風景

この風景こそが現実であり、先ほどの出来事が夢なのだ

「うぎゃー! 恥ずかしすぎる、自分どうしちゃったの!?」


22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:30:24.75 ID:wSSoLEvm0

本当にどうかしてる

自分とあの人は、アイドルとプロデューサー、それ以上でも以下でも無い。……今のところは

1年前に、自分の気持ちは伝えたんだ

言葉の意味は伝わってないはずだけど

うーん……頭がこんがらがってきた

難しく考えるのは止めて、朝の準備だ


24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:33:40.81 ID:wSSoLEvm0

まずは顔を洗って、さっぱりすることにしよう

ぐーっと背伸びをして、体のところどころを動かしてみる

うん、今日も調子良さそうだ

次は、顔を洗いに行こう

「ひゃー! 冷たい!」

蛇口から出る水は冷たくて、火照った頬に気持ち良い


26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:36:46.63 ID:wSSoLEvm0

「おーい、響。おはよう」

え?

「ん? どうしたんだ」

まだ、夢から覚めてないないのかな? 

自分を呼ぶ声は、さっき夢で聞いた声と同じ

「うぎゃー! ぷ、プロデューサー!? どうしてここにいるの?」


27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:39:29.09 ID:wSSoLEvm0

「おいおい、響がそれを言うのか……」

「え……えっ!? どういうこと? 自分が……えええええ!」

「お前がここにいろって、言ったんじゃないか」

……あーっ! 思い出した! 

プロデューサーがハリウッドから帰ってきて

島に戻った自分の所まで来てくれて


28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:42:21.67 ID:wSSoLEvm0

自分がプロデューサーに、島にいてほしいってお願いしたんだ

事務所のみんなや、家族に無理を言って、自分のお願いを聞いてもらったけど

ちょっと強引だったかな?

でも、1年間も会えなかったし、自分を放っておいた罰ってことで……良いよね?

「あははっ! 自分すっかり忘れてたよ、ごめんごめん」

「まったく……日本に帰ってから、すぐこっちに来たってのに」


29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:45:39.16 ID:wSSoLEvm0

「うー、ごめんってば! それに、プロデューサーは頑張りすぎだから、少しくらい休んだ方がいいよ」

休める時には休まなくちゃ

体は大事にしないとね

「そうか? ま、活動準備期間と思えば良いのかな?」

「そうそう! ここでエネルギーを蓄えてから、また頑張るぞ! なんくるないさー!」

とびっきりの笑顔で、宣言をする


31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:48:22.13 ID:wSSoLEvm0

「あはは、わかったよ。あ、それとタオル使って」

あ……まだ顔を拭いてなかった。パジャマ代わりのTシャツが濡れちゃってる

「ありがとう、プロデューサー」

「どういたしまして」

よし、顔も拭いたし、活動開始だ

「まずは朝ごはんだねっ! 今日は何かなー」


33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:51:34.49 ID:wSSoLEvm0

実家は良いね。自分で作らなくても、ご飯があるんだから

1人暮らしの時とは大違いだ

家族で食卓につく。訳ではなく、ご飯はプロデューサーの部屋で食べる

みんなで食べよう、とは言ってみたけど、「さすがにそれは……」と遠慮されちゃった

自分がお世話になった人だから、と、母さんは大歓迎してくれたのになー

1人で食べるのも寂しいと思って、いつも自分が勝手に付き合っている


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:54:21.27 ID:wSSoLEvm0

「ごちそうさまでした」

「ごちそうさまでしたっ!」

はー、お腹いっぱいだ

食後にさんぴん茶を飲んで、一息いれる

「この島での生活は大丈夫そう?」

「ああ。みんな良い人だし、何より環境が良いな」


36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 01:57:21.66 ID:wSSoLEvm0

「でしょでしょ! なんたって、自分が育ったところなんだからさ」

「あはは、そうだな」

ずっと、この島で生活しちゃえば?

と、何回か言いかけた事があるけど、流石にそれは言えなかった

プロデューサーは、まだまだやりたい事があるだろうしね

だから、この言葉は胸にしまっておこう


37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:00:50.96 ID:wSSoLEvm0

「ねぇねぇ、プロデューサー。今日はどうする?」

「そうだなぁ、買い物に行きたいんだけど、付き合ってくれるか?」

「良いけど、なに買うの?」

「生活用品と、後は雑誌かな? 日本の情報は絶っていたから、色々と情報収集だよ」

「そっか、じゃあ片付けたら出発さー!」

この季節、まだシーズンに入ってないから、民宿の手伝いも無い


38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:03:57.84 ID:wSSoLEvm0

今日の予定は決定

プロデューサーを、1日貸切だ

……何日間、貸切できるかな

食器を片付けて、身支度をして、あ……大人っぽい感じでいこう

成長した、我那覇響を見せ付けてやるんだ

「よーし! じゃあ、これとこれとー」


39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:06:49.74 ID:wSSoLEvm0

「おーい、響。準備できたぞ」

おっと、急がなくちゃ

最後に髪を纏めて……完璧だ

「お待たせ、プロデューサー。出発だー!」

「ああ、行こうか。お? 大人っぽい服装だな」

そうでしょ! 自分だってこういう格好できるんだから


40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:09:43.85 ID:wSSoLEvm0

「どう? 似合うかな?」

くるりと回って、ポーズをとってみる

「ああ、とても綺麗だと思うぞ」

普通に返された

「えっ!? ……うぅ」

うー、ちょっとは期待してたけど、そんな風に言われると照れるよ


42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:12:23.04 ID:wSSoLEvm0

プロデューサーって、こんなストレートに褒めたりしたっけ?

でっかいアメリカで生活すると、こんなふうになるのかな……

「どうした、響?」

まぁ、いっか。今日は楽しもう!

「なんでもないよ、プロデューサー! ちゃんと自分についてきてね」

「よろしく頼むよ」


45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:15:26.54 ID:wSSoLEvm0

2人で肩を並べて歩く

「あったかくて、気持ち良いねーっ!」

ぽかぽかしてて、良い気持ち

本土の方はまだ寒いだろうけど

「そうだな、何だか眠くなっちゃうよ」

そう言って、あくびをかみころす


46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:18:45.09 ID:wSSoLEvm0

もう、だらしないな

「あははっ、まだお昼にもなってないよ?」

「しっかりと眠ったんだけどな。ここはゆっくりとしてて、ついつい」

プロデューサーの普段の生活を考えれば、こんなにゆっくりとした生活はできないだろう

自分たちのために、駆けずり回って仕事を取ってきて

夜遅くまで事務所に残って、色々と作業をして


48: 少し席を外します 2012/03/17(土) 02:21:46.16 ID:wSSoLEvm0

休日も、急に仕事が入ったりして

そんな毎日の繰り返し。自分たち、プロデューサーに負担ばかりかけちゃったな

「ま、あったかいから仕方ないさー。でも、今日は眠気も吹き飛ぶくらい遊んじゃうよっ!」

だから、この島ではゆっくりしてもらおう。自分の相手はしてもらうけどね

「ははっ、お手柔らかにな」

「ふっふっふ、どうしよっかなー」


49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:32:41.13 ID:wSSoLEvm0

なんてことない会話をしながら目的地へ

そこで、プロデューサーのお目当てのものを買うことにする

途中、何人かの知り合いと話しをした。その内容は恥ずかしいから、ちょっと言えない

うちなーぐちで話してたから、プロデューサーに聞かれても大丈夫のはず

自分とプロデューサーは、まだそういう関係じゃないんだ

「響、顔が赤いけど大丈夫か?」と言われた時はあせったけど


51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:35:49.31 ID:wSSoLEvm0

「これで、当分は大丈夫かな?」

「足りなかったら、また買いに来ればいいでしょ」

「それもそうか」

目的の物は買えたみたいだ

「じゃあ、次は自分に付き合ってもらおうかなー」

「ああ、良いぞ」


52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:38:55.49 ID:wSSoLEvm0

時間はお昼を過ぎたくらい

まだまだ時間はたっぷりだ。プロデューサーを引っ張り回しちゃおう

「まずはお昼ごはんだね。プロデューサーご馳走様ですっ!」

長丁場だから、腹ごしらえしないとね

「えっ? 奢り確定か!? ……仕方ないなぁ」

「えへへ、ありがとっ!」


53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:43:10.70 ID:wSSoLEvm0

プロデューサーのリクエストで、お昼ごはんはソーキそばにした

美味しいのに、本土じゃ全然食べられない

プロデューサーは気に入ったらしく、満足そうな顔をしていた

お昼ごはん、ご馳走さまです

それからお土産屋さんを覗いたり、雑貨を見たり、洋服を見たり、色々な場所をまわった

時間が経つのがやけに早く感じる


55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:46:42.60 ID:wSSoLEvm0

「あー楽しかった!」

うーん、やっぱり買い物は楽しい

恋人同士の時間って、こんな感じなのかな

……今のやっぱ無し! うぅ……

顔、赤くなってないかな

「響は元気だな。ちょっと疲れちゃったよ」


56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:50:13.80 ID:wSSoLEvm0

「えー! そんな歳じゃないでしょー?」

自分とだって、そんなには変わらないはず

だから、一緒に買い物したり、2人の時間を過ごしてもおかしくない……はず

「もっと運動した方がいいかなぁ」

「うんうん、その方が良いよ」

いぬ美たちの散歩に付き合わせようかな


57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:53:24.00 ID:wSSoLEvm0

良い運動にもなるし、きっと楽しいさー

「そうだ! 良いこと思いついた!」

「ん? なんだ?」

ふっふっふー

「ちょっとした散歩だよ! 良いものを見せてあげるね」

少し寄り道


58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:56:10.90 ID:wSSoLEvm0

帰るには遠回りになるけど、自分のお気に入りの場所に連れて行ってあげよう

気に入ってくれると良いな

「それじゃ、しゅっぱーつ!」

くるりと方向転換

「あっ! 待ってくれよ、響」

「急がないと、置いていっちゃうぞー」


60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 02:59:12.61 ID:wSSoLEvm0

「……やれやれ」

少し呆れたような顔をして、自分の隣に追いつく

もぅ、そんな顔しないでってば

ちゃんと良いもの見せてあげるからさ

「で、どこに向かってるんだ?」

「んー? まだ秘密だよ」


61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:02:42.66 ID:wSSoLEvm0

少し意地の悪いお返しをしてみる

「まったく……期待して良いのか?」

「うん! 任せるさー」

響ガイドにお任せだよ

10分も歩くと、だんだんと潮の匂いがしてくる

落ち着く匂いだね


63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:05:32.68 ID:wSSoLEvm0

「おっ、何だか潮の匂いがしてきたな」

「うん、もう少しで着くからね」

自分も来るのは久しぶりだ

自分のお気に入りの場所

お気に入りの風景

さぁ、この坂をのぼれば見えてくる


64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:09:32.28 ID:wSSoLEvm0

「おお! 綺麗だな」

プロデューサーから声があがる

「でしょ? ここから見る夕日はとっても綺麗なんだ」

一面に広がる海と、ゆっくりと水平線に沈む太陽

空の青と、太陽の赤。二つが混ざりあうようで

とても綺麗


65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:12:07.58 ID:wSSoLEvm0

「砂浜の方に行ってみようよ」

「……」

「プロデューサー?」

ちらりと横を見てみる

「ん? ああ、そうしようか」

「どうしたの?」


66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:15:22.56 ID:wSSoLEvm0

「あまりにも綺麗でさ。ちょっと見入っちゃったよ」

「そっか。気にいってもらえて良かったさー」

連れてきて良かった

「ああ、ありがとうな。響」

優しい声。優しい笑顔

自分だけに向けられた視線に、どきりとした


69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:18:17.37 ID:wSSoLEvm0

「えっ……あのぅ、うぅ……」

うぎゃー! うまく喋れないよ……

でも、頑張れ自分

「も~っ、馬鹿! 早く砂浜に行くよー」

馬鹿は自分だ。ごめんねプロデューサー

強引に、プロデューサーを引っ張る


71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:21:26.16 ID:wSSoLEvm0

「あっ、おい響! 引っ張るなって」

道路から砂浜へ

うぅ……勢いだけで動いちゃったけど、どうしよう

「響? どうしたんだ」

「えっ? あっ! ……ごめん」

気づかなかったけど、いつの間にかプロデューサーの手を握ってた


72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:24:23.01 ID:wSSoLEvm0

男の人らしい大きな手のひら

暖かいプロデューサーの手のひら

好きな人の手のひら

離さないといけないのに、離すことができない

困らせてはいけないのに

「プロデューサー……このままでも、良い……かな?」


74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:27:44.15 ID:wSSoLEvm0

まだ、この暖かさを感じていたい

「仕方ないな、少しだけだぞ」

観念したような顔で、でも声は優しかった

「じゃあ、もう少しだけ……このままで」

離さないように、離れないように

きゅっと手を繋ぎなおした


75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:30:20.00 ID:wSSoLEvm0

「ああ……」

やっぱり、自分はこの人が好きなんだ

自分の気持ちに嘘はつけないよ

こんな気持ちのままでいたら、おかしくなっちゃう

「プロデューサー」

「どうした?」


76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:33:12.35 ID:wSSoLEvm0

「……なんでもない」

プロデューサーはどうなのかな?

どきどきしてるのかな?

「今日の響はやけにおとなしいな」

誰のせいだと思ってるの

これを本気で言ってるのだったら


78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:36:21.67 ID:wSSoLEvm0

ベテランの役者さんか、ものすごい鈍感に決まってる

後者に決まってるんだけどね

「はぁ……」

考え込んでたのが、馬鹿馬鹿しくなってきた

自分は自分らしくいこう

名残惜しいけど、繋いだ手を離す


79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:39:22.17 ID:wSSoLEvm0

プロデューサーの顔を見上げて、気持ちをぶつけるんだ

「ねぇ、プロデューサー。前に自分が言ったこと覚えてる?」

「言ったこと?」

「うん。『かなさんどー』って言葉」

どきどきしすぎて、言葉に詰まりそうになる

「あれか。どんな意味なのか知りたかったんだよ」


80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:42:19.97 ID:wSSoLEvm0

教えてあげるよ

本土の人は知らない

こっちの、愛の言葉を

「『かなさんどー』の意味はね……」

とくん、とくん、と胸の鼓動が高鳴る

「『かなさんどー』、はね……」


83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:45:14.69 ID:wSSoLEvm0

すぅ、と息を吸って

「『好きです』って、意味なんだ。これが自分の気持ちだよ」

あの日、自分はこの人に告白をしたんだ

かなさんどー

貴方が、好きです

これが自分の気持ち、自分の伝えたい言葉


85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:48:19.07 ID:wSSoLEvm0

「なぁ、響」

「なに?」

どんな返事をされるのかな

「気持ちは嬉しいよ。……でもさ、今はその気持ちに答えることはできない」

聞きたくなかった言葉だ

「そう……だよね。あははっ、ごめんね! 困らせるようなこと言っちゃって」


86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:51:34.78 ID:wSSoLEvm0

あーあ、振られちゃった

自分の気持ちは一方通行だったみたい

うぅ……嫌だな。この気持ち

あはは……涙が止まらないや

「ちょっと待て響! 泣くなって、話を最後まで聞いてくれ」

泣くなって……自分だって泣きたくないよ


87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:54:25.53 ID:wSSoLEvm0

「そんな事言われたって……無理だよ……うぅ」

「……はぁ」

……あっ

ほっぺたにそえられる手

彼の手が、自分の涙を拭ってくれる

少し迷っているような、遠慮しているような、そんな手つき


88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 03:57:08.19 ID:wSSoLEvm0

優しくて、暖かい手の感触に、また胸の鼓動が早くなる

「俺はさ、お前ともっと上を目指したいんだ。そのためにハリウッドに行ったんだぞ?」

そうなの? でも、そんな事、一言も言ってなかった

「ちょっと恥ずかしいから、俺からは言えなかったんだ」

そんな事言われたら、自分だって恥ずかしいよ

恥ずかしいけど、それよりも嬉しい


90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 04:00:48.41 ID:wSSoLEvm0

「うん」

「1年は長かったよ。お前の事も凄く心配だった、ちゃんと活動できてるのかさ」

「……うん」

「あははは、今思えばずっと響の事を考えてたんだな、俺は」

うー、こんな場面で笑わないでよ

「俺も、響と同じ気持ちだったみたいだな」


91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 04:03:36.82 ID:wSSoLEvm0

「えっ……じゃあ、プロデューサーも?」

「そうみたいだ、でも今はそれを口にはしない。俺はまだ、お前のプロデューサーなんだから」

優しい笑顔で彼はそう言う

そんな顔で見ないでよ……

そんな顔されたら、自分また泣いちゃうよ

「ぐすっ、うぅ……うわぁーん!」


93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 04:06:53.67 ID:wSSoLEvm0

さっきと違う、悲しくない涙

あははっ、嬉しくても涙って出ちゃうんだね

悲しくて泣いて、今度は嬉しくて泣いて

自分の涙は大忙しだ

「泣かないでくれって、俺が悪い奴みたいじゃないか」

ふんっ! 自分を1年間もほったらかしにしたんだから、じゅうぶん悪い奴だ


94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 04:09:43.78 ID:wSSoLEvm0

……でも、許してあげよう

こうして自分の所へ来てくれたんだし

自分の気持ちも、きちんと伝えることができた

貴方からの返事は、まだもらえないけど、貴方の気持ちを感じることができた

さっきまでは、悲しくて悲しくて、雨の日のようにどんよりした気分だったけど

今はもう、太陽がきらめく晴天の日のように気分が良い


96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 04:12:16.93 ID:wSSoLEvm0

「お、泣き止んでくれたか。良い子だな、響」

くしゃり、と、自分の髪をなでてくれる

照れくさいけど、気持ち良い

「もぅ! もっと優しくなでてよっ! それに子供扱いしないでほしいぞ」

「おっと、悪い」

泣いてすっきりしたせいか、元気が出てきた


97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 04:15:11.10 ID:wSSoLEvm0

そうだ。少し意地悪をしてやろう

「ねぇ、プロデューサー!」

「ん?」

次の目標が決まったよ

トップアイドルにはなれたけど

まだ1番になってないことがある


99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 04:18:40.10 ID:wSSoLEvm0

「いつか、いつかね」

いつになるかはわからないけど

絶対になってみせる

この想いは止められないんだから

「自分、プロデューサーの1番になりたいっ!」

プロデューサーの胸に飛び込む


100: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 04:21:52.76 ID:wSSoLEvm0

自分の新しいスタートライン

これからが勝負だね

ゴールは長いかもしれないけど

きっと、大丈夫

なんたって、自分完璧なんだからね!



おしまい


105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/03/17(土) 04:24:14.77 ID:wSSoLEvm0

読んでくれた人に感謝を
響の良さが伝わるといいな





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